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12.ヴァルカディアの魔人

サイセの住んでるマンション 314号室

「へぇーハヤトさんのいた世界って人間がほとんどなんだ。すごーい。」

「馬鹿馬鹿しい。人間のような弱い生き物が、

世界を支配できるわけないだろ。」

こちらの世界について質問されたのでいろいろ話していた。

「あの…俺も質問していい?…かな。」

「好きにしろ。」サイセは言う。

「あの…この街はいったい何なんですか?」

「ここはあらゆる種族が共存して暮らしている

理想郷。大都市アルカディアよ。」

「はぇー通りで多様な種族がいるんだな。」

「表向きはな。」サイセが否定する。

「え?。」

「確かにここは多様な種族達が共存しているように見えるが、そんな夢のような場所ではない。

無責任でいい加減につくられたばかりにここでは種族間での問題。差別。とかで、表面上は装ってても常に誰かが苦しみ続けるディストピアさ。」

「……じゃあ、あのサソリは?」

「あの虫みたいなのサソリって言うのか。」

「えっ知らないんですか?」

「別に知らなくてもいいだろ。魔人の姿なんか。」

「魔人?」

「さっき言ったように理不尽に多くの人々が苦しむこの街では“悪魔の契約”というものがある。

悪魔と契約した者が魔人と呼ばれ、力を得ることができる。さっきのサソリとやらも魔人だ。」

「魔人は倒されると悪魔だけが追い出されるから契約者自体の命に別状はないの。」

「契約者のほとんどが力を悪用する。そうでなくともその力に魅入られてしまう。最終的には悪魔は契約者の肉体を完全に乗っとることを目的としてる。お前絶対に契約すんなよ。」

俺は黙ってうなずく。

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