10 宇宙人と北東寺榛名5
しゅこーーーっ。
突然、濃霧に包まれるセントラルタワーのフロア。
その霧の中に緑に光る点が2つ。その光る点が理子達に近づいて来ると・・・。
ギン。
光が緑から赤に変わります。
「何だ?敵か?」 手刀を構える榛名さま。
古瀬さんもマシンガンとバズーカ砲を構えます。
「お待ちになって!あれは、もしや・・・。」 咲久羅
霧の中から現れたのは、円筒形のプラスチックっぽい何か。
円筒のサイドのスリットから、水蒸気を放出しています。
「自走型加湿器・シットリンバ。
確か理事長が『学園内って意外と乾燥するのよねぇ~。』
と言って3か月前に導入を決めた学園の備品です。」 咲久羅
その後も理事長室までは大変でした。
不良のリーダーや信悟くんのように、奴隷型異星人に寄生された人に邪魔されたり。
学園四天王や学園十二人衆に誤解されて、足止めを受けたり。
その中にはセカンドクラスの異常能力者がいたり。
でも、結局和解したり。
体長3~5mの怪物の形をした、奴隷型異星人の上位種、兵隊型異星人に襲われたり。
榛名さまと同じ顔、色違いの服の八瑠佳という少女が、
異星人とは全く関係なく、北東神拳の継承権を賭けて勝負を挑んできたり。
榛名さまがファーストクラスの超常能力、
2秒後の未来を予知し、その未来を変える能力、
“近未来予知”を発揮して倒したり。
(「コンマ秒以下の判断が勝敗を分ける達人の戦いで、
2秒後を見れるお嬢に勝てるヤツはいない。」 古瀬)
しかし、それらは話が長くなるのでカットです。
そして理事長室の前に、その異様な物はいたのです。
3m近い剥き出しの脳、目玉と大きな口だけが付き、何本もの触手が生えています。
「なんとおぞましい姿なのでしょう。」 咲久羅
「我は支配者。
我が兵士達を皆殺しにしてしまうとは、なんと野蛮なことであるか。
さすがは文明レベルの低い野蛮人よ。」 しゃべる脳
「どうやら、コレが親玉のようね。」 理子
「仕方がない。
最後の手段を使うとしよう。」 しゃべる脳
そのころ、セントラルタワー地下3階。
どーーーん。がらがら。
瓦礫の中から現れる一人の男。
「ぶわはははははは、ぶわは、ぶわは、
死ぬかと思ったぜ~~~~、あの小娘め、
財宝をもらいに行ってやるぜ~~~~、待ってろよぉ~~~~、
海賊の掟その七十八、蜘蛛糸の術、にんにん、
よ~~~そ~~~ろ~~~。」 クックパッド
お尻から地上めがけてぶしゅっと糸を放ち、
その糸でちゅるゅるゅると吊り上げられていく工藤。