第6話 お尻に挿入れるタイプのしっぽ②
あのあと、シュロはクロに連絡を入れて助っ人の話を承諾した。
「お兄ちゃんメイドやるの!? 見たい見たーい!!」
「勘弁してくれ・・・・・・」
シュロのメイド服姿を見たがっていたルラをなんとか宥めて、クロが経営するというメイド喫茶へと向かった。当然、スライムも連れている。頭の上にスライムを乗せるという形でだ。スライムでも、少女がペットを頭の上に乗せている様はけっこう可愛らしいものだ。
「あらあら、可愛らしいわねえ。ペットのお散歩?」
「え? ええまあ、はい」
通りがかりの人にそんなふうに言われて、本当は違うけどとりあえず肯定しておく。
そして、向かう途中になぜか大量にお菓子をもらいながら、シュロはやがて教えられたメイド喫茶へと辿り着いた。シュロは「着いたよー」と連絡をする。
「シュロ! 待ってたよ!」
連絡を見たクロが裏口から出迎えてくれる。シュロは、そのまま控え室まで案内された。
「お、店長! その子が昨日言ってた助っ人ちゃんですか!?」
「わ、すごい! かわいいー!」
控え室に入るや否や、シュロは女性たちに取り囲まれてしまった。まだメイド服は着ていない。シュロを見て女性たちは口々に、「かわいいー!」とか、「ね、頭撫でてもいい?」とか言ってくる。
(なんだこの扱い・・・・・・)
シュロは今までされたことのなかった扱いに戸惑い、完全に小さくてかわいい女の子扱いをされて、元男としてちょっと屈辱的な気持ちになってしまった。
「はいはい、そんな一気にわーっていかないの。シュロが困ってるでしょ?」
見かねたクロの言葉で、みんなはようやく収まった。
「いやあ、えらく人気者になっちゃったねえ?」
「うるさいな・・・・・・」
「まあでも仕方ないか。シュロ、本当にかわいくなっちゃったもんねー。どっからどう見てもかわいい女の子だよ!」
「心はまだ男なんだよ」
クロのからかいの言葉に、シュロはそう返す。本当に心はまだ男なのか、少し疑問が残る発言ではある。
「ま、とりあえずお店が開くまではまだけっこう時間があるからさ。色々教えてもらっててよ」
「ん? クロが教えてくれるんじゃないのか?」
てっきりクロが教えてくれるものだと思っていたのだが、違ったらしい。
「うん。私は色々準備とかあるからね。私の代わりに、この人に教えてもらうことにするよ」
クロはそう言って
「サクさーん、ちょっと来て」
サク、という人物を呼んだ。
「はい、なんでしょう?」
そう言ってやって来たのは、綺麗な女性だった。綺麗なだけではない。どことなく気品のある感じだ。明らかに、普通の家庭で育った人々とは隔絶された品格を感じる。長い黒髪に黒色のつやつやとした目を持つ、正統派の美少女だ。いや、正統派を突き詰めた、と言った方がいい。犯しがたいほどに清楚な雰囲気を持った女性だった。
「・・・・・・!」
このメイド喫茶には明らかに合わない人物の登場に、シュロは驚き動揺してしまう。
「シュロ、この人はサクちゃん。ここでけっこう長いこと働いてる子なんだ。サクちゃん、この子はシュロ。今回助っ人として来てもらったんだ」
クロはお互いをお互いに紹介させる。そして、サクにこう言った。
「シュロ、こういうお店で働くのは初めてだから、色々と教えてくれないかな?」
どうやら、最初からシュロのことはサクに頼むつもりだったみたいだ。新人を教えるなんて割と面倒なことだとは思うが、そんなことをいきなり頼まれてもサクは嫌な顔一つせず
「いいですよ」
そう言った。声も穏やか、物腰も柔らかで、本当に『綺麗』という言葉が似合う人物だ。
(やばい、俺もシャキッとしないとな・・・・・・)
シュロはなんとなくサクの纏う柔らかだけど凛とした雰囲気に気圧されて、ちょっと緊張してしまう。
「それでは、メイドのことについて、色々とお勉強していきましょうね。シュロさん」
クロがどこかへ去ってから、サクはシュロへそう呼びかける。
「は、はい!」
緊張しながら返事をするシュロを見て、ふふ、と優しく笑い近くにあった机で色々教えてくれるのであった。
◇
(すごいな・・・・・・わかりやすくていい教えた方だ・・・・・・)
シュロは心の中で驚嘆する。
こんないい人の前だと、つい浄化されてしまって本来の目的とか忘れてしまいそうになる。というか、普通に気が引けてしまう。
(なんか、申し訳ないな・・・・・・)
でもまあここまで来てしまったからには仕方がない。もう腹を括ってやるしかないのだ。
「みんなそろそろ着替えてねー」
大体教えてもらったところで、クロがそう呼びかけてきた。
シュロは、クロに言ってトイレで着替えることにした。元男だから女の子と一緒に着替えるのはちょっと・・・・・・ということを理由にしたが、実際はしっぽを挿入れるのにみんなから隠れたところに行く必要があったからだ。
「じゃあスライム・・・・・・」
シュロはスライムに命令しようとして、ふと考えた。
「そういやあ、このスライム名前とかつけた方がいいかな・・・・・・」
ただスライムと呼びかけるのもやっぱりなんとなく味気ない気がする。
「んー、そうだなあ・・・・・・リム・・・・・・」
ル、は止めておこう。流石にこれからお尻の穴をどうこうさせるスライムにその名前をつけるのはマズすぎる。著作権法的にも危ない。
まあ名前のことはとりあえず置いといて、とりあえずやろう。
「スライム、やってくれ」
シュロは命令する。こうやって命令したら、超強化バフがかかっているからとはいえ、ア○ルプレイに必要なことをしっかりとやってくれるから便利だ。やっぱりスライムは便利。300年倒し続けたらレベルMAXにもなれるしね。
スライムは早速触手を伸ばし、シュロの中に挿入ってくる。最初は細めの触手だ。細めにしてても食べる能力は問題なく行使出来る。だから、直腸内の汚いものを全て食べてくれる。
(なんか不思議な感覚だな・・・・・・)
未だかつて経験したことのないものだ。ごそごそと蠢き、直腸内を綺麗にしてくれる触手。
「んっ」
なんだか背筋がゾワゾワして、少し声が漏れてしまう。慌てて、口を押さえる。
次は、ほぐしのターンだ。スライムが粘液も出しつつ、丁寧にほぐしてくれる。
「んっ、んんっ♡」
声を抑えようとするけど、どうしても声が漏れてしまう。ほぐしだけでもけっこう気持ちがいい。
まあそんなこんなで、十分にほぐしてから、しっぽの方にも潤滑油(粘液)をつけて挿入していった。
「ん・・・・・・」
上手く挿入出来た。シュロはトイレから出て控え室へと帰っていく。
(異物感がすごいな・・・・・・)
お尻の中に物を挿入れながら歩いたことなんてなかったから、これも初めての経験となる。異物が入ってる感覚がすごく、圧迫感を感じる。先にほぐしてあったからそこまで痛くはないが、やっぱり違和感がすごい。
それに──
「お、シュロ! ちゃんと着替えられた?」
「う、うん大丈夫。着替えられたよ」
こんな状態で平気な顔して会話とかして、色んな人に見られて、バレちゃったらどうしようとか、公共の場でこんなことをしている背徳感とか、様々な感情が絡み合って胸がとてつもなくドキドキしてしまう。
そして
(なんか、歩くたびに・・・・・・)
歩くたびにア○ルプラグが直腸の壁を擦っていく。ゾワゾワとした不快感とも快感ともつかないものがお尻の穴から上ってきて、そのドキドキと絡み合って複雑な快楽となって脳みそまで届いていく。その複雑なものが、頭の中を徐々におかしくさせていく。
(これは、ちょっとまずいな・・・・・・)
なんだか癖になりそうというか、そんなヤバさを感じてしまう。
(まあでも今日一日働く間ぐらいなら耐えられるでしょ・・・・・・振動機能とかもついてないわけだし、このしっぽ)
ただ歩いた時に感じる快感くらいなら、耐えられる可能性は高い。人は慣れるものだし、この異物感にも徐々に慣れて、耐えられるだろう。まあ、油断して緩んで、落とさないかどうかが心配だが、大丈夫だと思う。
と、そんなふうに考えていた時だった。
「一緒に頑張りましょうね。危ない時には、私がサポートしてあげますから」
「あ、ありがとうございます。サクさん・・・・・・」
そんなふうに優しく声をかけてきてくれた。サクさんにお礼を言った時だった。サクさんの姿を見て、シュロはふと違和感を覚えた。
(ん・・・・・・?)
このメイド喫茶のしっぽ。それはベルトタイプのしっぽだ。ベルトを腰につけることで、しっぽが生えているように見えるという感じ。そういうものなのだ。
要するにこの店のメイドのしっぽは、普通スカートの腰のあたりから出ているものだ。しかし、2人だけ、スカートの下からしっぽが出ている人物がいた。それは、シュロと──
(サクさん・・・・・・?)
サクも、スカートの下からしっぽが出ていた。
シュロがなぜスカートの下からしっぽが出ているのかはご存知の通り、お尻に挿入れるタイプのしっぽを使っているからだ。そのシュロと同じようにスカートの下からしっぽが出ているということは、それは、つまり・・・・・・。
(い、いやいやそんなわけない! いや、これは・・・・・・スカートの下からベルトをつけているってだけ! ただそれだけだろ!)
シュロは慌てて頭を振って自分の頭の中に浮かんだ仮説を否定した、のだが・・・・・・。
そんなシュロの耳元に、サクはスッと口を近づけて囁いた。
「・・・・・・こんなところで同じ趣味を持つ人に会えるなんて、嬉しいですよ」
バッとシュロがサクの方へ振り向くと、サクは今までの清楚な表情とはまるで違う、小悪魔的で蠱惑的な笑みを浮かべて
「あなたも、『挿入れて』いるんでしょう? わかっていますよ」
そう、囁いたのだった。




