泣く理由
やっぱり優しくねーなぁ…と思う自分自身。
泣いている子に「どうしたの?」と寄り添えない心の狭さ。
思いっきり泣きに泣いて、泣きまくりたいだけなのか…
メソメソしつつも鬱憤を吐き出してしまいたいのか…
「大丈夫?何があったの?辛いの?寂しいの?」と矢継ぎ早にただただ心配の声をBGMにダンマリしたいのか…
聞いてしまう。
優しさは欠片もない。でもその優しさっていうものがわからない。
しゃくりあげてストレス発散の涙なら誰もいない、ひとり切りの世界でやればいい。
誰かに聞いて欲しくて欲しくて、唇が我慢の限界になりそうにムニムニ痙攣するなら、「早く言え」とは急かさないが逃げずに側でムニムニしてろ。
その両者でなく、言う気もない、泣き叫ぶでもなく、受け取る気もないくせに心配しろ!ってんなら、意地汚くチラ見して薄っぺらい悲しみを振りまくな――
なんて、泣いている子に言ってしまう。
「お前の涙の理由は何だよ?」と、握られた拳の強さを観察してしまう。
時間は待ってはくれない。
その時間を大いに使ってまた頑張れるよう吐き出してしまうのか、その時間を大いに使ってどうにかしようと努力するのか、その時間を大いに使って人の時間を振り回すのか――
その時間をどうしたいのか本人に聞いてしまうくらいに、私という人間は優しさを持ち合わせていないんだと改めて思った今日この頃……
『まず』寄り添うことから始められないのだから、困ったもんである。人を傷付けることは簡単だが、人に優しくするのはとても難しい。
でも、一ミリも行動しようとしない泣き声は「めんどくせーな」と思われてしまったら、いずれひとりぼっちになってしまうんだ。