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僕らの心の拠り所だった4liveは今でもその役割を終えてはいない

僕らのバンドは 4liveって名前だ。紅一点ベースのえみ、ギターの加藤、ドラムの武藤、そしてヴォーカル・ギターの僕・室田は中1の時からの付き合いだ。結成のいきさつは恥ずかしく情けないものなのであまり言いたくないけれども、なんとなく5年続けてやってくる内に演奏もそれなりにまっとうになってきたし、曲も20ぐらいたまった。咲がピアノを叩きつけるようにして曲を作り、僕が詩を書く。別にわざわざ改まって書くわけじゃなく、生きてればなんとなく詩のごときものが切実な心の表象として浮き上がってくるものだ、僕の場合は。


さて、高2の秋に僕らの青春の集大成的なフェスに前座の前座として参加して以来、僕らはデビューへの道をひた歩む代わりに大学受験体制にと突入していった。本当は大学受験体制である必要はなく、就活体制であってもよいのだけれども、たまたま僕らが通う4人バラバラの高校すべてが比較的大学進学率がそれなりだというだけの話だ。僕らの指南役であり保護者的な立場も見せる、ポピーというライブハウスのマスターは、


「お前らプロとか考えるわけないよな」


と、少し残念そうにつぶやいていたこともあったけれども、


「はい、ないです」


の一言で今に至っている。

一応、バンドの練習はこれまで通り水曜と土曜に続けている。いくら受験体制と言ったって四六時中勉強するほどの集中力は僕らにはない。いや、超優秀な武藤と咲はもしかしたら1日20時間ぐらい勉強しても集中力が途切れることはないかもしれないし、水曜土曜以外は事実それぐらいやっているのかもしれない。仮にそうだったとしても、やっぱり僕らにとって4liveは単なるバンド以上の意味があるってことなんだろう。

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