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白の双剣士  作者: ultimate!!
第三章 熱き炎の華を廃墟に咲かせて
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第36色 “今”を未来へ伝える為の


 あの樹人形を打ち倒し、そこで少し休むこと数分。

 未だ鳴り止まぬ錆びた歯車の音に僕達は警戒を切らせずにいた。


 この音の警戒を切らせない理由は単純。

 聞こえては来るのに、何処から聞こえているのかがわからない、ということだ。


 普通なにかの音というのは聞こえてくる場所がある程度は分かるものだ。

 だがこの音は音を認識しているのにもかかわらず何処から聞こえてくるのかを認識できないのだ。


 ただ一つわかること。それは近づいてきていること。


 何処かからここに近づいている。

 それがわかるのならば、離れなければならない。

 だが、離れられない。


 離れようという気持ちはある。

 離れないといけないこともわかる。

 何なら、一刻も早く離れたい。

 だが、体が言うことを聞かない。


 まるでその場に固定されたかのように体が動かない。


 そしてその歯車の音が耐えられないほど大きくなった時―


 「え」


 地面が()()()()()


 「待て待て待て待て!!」


 割と角度が急になっているが滑らかなその坂をなすすべなく下っていく。

 咄嗟に剣を突き刺そうとするが剣が刺さらない。

 それからわかったのはこの坂、柔らかいのに硬い。


 その事に気づいたときには、既になにかの建物の中にいた。


 中は無人。

 人一人おらず、物音一つ無い静寂。


 かと思うと、突然光が灯る。


 先生の『白星』のような光。

 だがこの光には熱がある。『色』ではない。

 そして、流れてくるは電子音声。


 [ようこそ!最後の博物館へ!この博物館の最終入館から100年以上経過しています。劣化、倒壊などしている可能性がございますが、生き残った範囲で、2238年8月23日までの記録をお楽しみください。]


 何を言っているのかの意味は全くわからなかったが、ここに何かヒントがあればいいんだがな。


 「広いな…」

 「あぁ。とりあえず手分けしてここの出口と食料とか探さないか?」

 「「賛成」」











 皆と離れて数十分。この施設はかなり広いらしく既に二回は階段を登っているが、一向に陽の光が見えない。


 この施設、各階どころか各部屋で置いているものがバラバラだった。幸い言葉は読めるので問題なかったが内容は僕達が望んでいるものではなかった。

 だがなぜか目を引かれる。


 その内容はかつての人たちの暮らしの内容。

 どんな建物に住んでいたのか、何を食べていたのか、はたまた何をしていたのか。


 初めて見るものから、僕達が食べたりしたりしていたものまであった。


 だが初めて見たものも何故か既視感がある。


 自分がそれをしていた、食べたことがあるような。


 まぁ、そんなわけ無いか。


 

 そろそろ帰るか?

 そう思っていた時、一つの部屋が気になり、入った。


 「広い…そしてデカい…」


 その部屋は今までの部屋とは比べ物にならないほど広い。

 だが物が多いなどということもなく、それどころかほどんどない。


 ただ一つ。


 この中心の物を除いて。


 「これは…骨?」


 僕らよりも遥かに大きい生物の骨。

 その色は白。

 羽が生えていながらも四本の足が生えていて、長い首とこれまで見た生き物の中でも一番と言っていいほど大きい頭。


 その下にある看板。


 〈竜〉


 こんな物が実在したのか。


 そう思いながら、下の解説を見る。


 〈この竜は、実際には体全体が機械でできているため、これは骨があればこうなっているだろうなと言う妄想でしか無い。〉


 〈そして、この竜…仮称、ギアドラゴンは東京に生息しており〉


 〈今後誰かが討伐するまで生き続けるとされている。〉


 僕らの目的地、東京。


 次の相手はこいつか。


 戦うと決まったわけではない。


 だが、ありもしない記憶が、自分であって自分でない何かが、こいつを殺せと叫び続けている。


博物館はもう少し続きます。

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