30日目
しばらくして目が覚めると、僕はまたソファの上に寝かされていた。
でも、今日は前より状況が少し違う。
あのストーカー女……エレジーが、僕とテナーの殺し合いを計画し僕たちを閉じ込めた。
しかしテナーは銃を僕ではなく、監視カメラや盗聴器に向けたのだ。
テナーは僕を助けてくれたとはいえ、この状況だ。さっきのは演技で、出会った頃のように殺されかけるかもしれない。
「アルくん、おはようございます」
噂をすれば、テナーが僕に笑顔で声をかけてきた。
「おは、よう……。今、は……何時……?」
「申し訳ありません。あの女にムカついて、時計も勢い余って撃ってしまって……」
「テナー、スゴい……。けど、怖い……」
「あはは……。すみません」
何とも言えない空気が流れる。テナーと言い、エレジーと言い、まともな人間がいない。最悪だ。
「あの……テナーは、どうして……。たまに、怖い……言い方に、なるの……?」
「……」
生ぬるい空気が一気に張り積めた。テナーは僕に対して、完全な殺意と敵意を向いている。
「て、テナー……?」
「アルくん……。あなたには、知らない方がいいこともあります」
「ですが……」
「少し長いですが、私の話を聞いていただけますか?」
テナーは少し切ない声と表情で、僕の方へ向き合う。
僕はこれは真剣な話だと悟り、この事はちゃんと日記に書こうと決意した。




