第5話 不思議な実験その2
供給電力増強は、変電所から電力を掻っ攫うことにした。第2次大戦中の駆逐艦エルドリッジが装備していたレーダー波を放射し、チタン酸バリウムとテスラコイルからなる⊿回路を備えた反重力実験プラットホームにこの辺では一番強い電力を供給可能だ。
失敗、反重力実験プラットホームは浮き上がらず。うん、駆逐艦エルドリッジはさほどの電力は発電していない。やはり何か足らないのだ。
供給電力の周波数スィープしてみるが、これも駄目だった。これも第2次大戦中の駆逐艦の通常の電力周波数で良いのだろう。
天候、近隣宇宙現象による素粒子放射、磁気等の影響か?
素粒子で放射されるのはニュートリノ、これだ。駆逐艦エルドリッジの実験では、その日の太陽の活動が活発であったのだろう。2回目の実験の時は若干少なかったのだ。
太陽を放射源とするニュートリノビーム放射を再現し、ニュートリノビーム銃を作った。
成功した、反重力実験プラットホームは見事に反重力反物質となり地球と反対方向に落下した。もちろんワイヤーでつないであるので地球からは飛び出さない。また供給電力をPWM制御にてDUTY50%のON-OFFで供給して確認したところ、反重力実験プラットホームは、宙に留まった。おそらく中間物質化したのだろう。
また正三角形に配置したテスラコイルとチタン酸バリウム強誘電体でなる半球ドーム1つをPWM制御でDUTYを振ってみたところ、船体を斜めに傾けながらDUTY43%で見事に水平移動した。反重力化した2つの半球ドームの上部船体が上昇、正物質化した1つの半球ドームの上部船体が下降、すると水平移動するのだ。
僕は、さらにこの反重力実験プラットホームに操縦室を設け、実験動物のマウスを乗せ、加速度センサー、を乗せ、反重力プラットホームを、プログラムに従ったジグザグ運転してみる。するとマウスは正物質もしくは反物質化した時にかかる加速度により見事に死んでしまった。加速度センサーは18Gを記録していた。
そこで反重力プラットホーム(船体制御用)の船室に、もう一つの反重力プラットホーム(船室制御用)を天上に設け、中間物質に保つ。そしてマウスを乗せて再実験、マウスは無事で加速センサーは0フラットであった。つまり船内は無重力だ。無重力は体に体に悪いので、船室制御用反重力プラットホームをDUTY49%としたところ無重力状態は解消した。反重力船の開発は成功したのだ。
ついで僕は、反物質の生成、推進源としての反物質エンジンを作ることにする。