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第12話 大日本帝国の軍国主義者等

 ロボット兵に手足を拘束されて木星に築かれた地球環境に連れて来られた日本人、朝鮮人、中国人、東南アジア、太平洋各諸島の民間人は、ほとんどがわりと楽しんでいた。個人一人当りに試作ロボット『ピー』が付与され、『ピー』は、思考サポートロボット『プー』と、移動手段兼自宅となる6LDKの反重力反物質推進の球形宇宙船ホームを作って提供する。真ん中の部屋がLDK60m^2、その周囲360度に6つの部屋が30m^2、他にトイレ、風呂、洗濯室、納戸が60m^2、合計300m^2の居住空間だ。これが家族と暮らす場合、ドッキングして人数分の倍数の屋敷になると言うわけだ。

 木星内に築かれた1区画は、地球の海と陸を合わせた面積より広大な環境空間が多数の種類があり、地球各地の環境がそのままコピーされている。そしてその環境に応じた地球のあらゆる動植物が1区画毎異なる種の一団が生存している。例えば砂漠環境区画であれば砂漠で活動可能は、サソリ、蛇、サボテンと言うわけだ。そんな区画が多数ある。重力は1Gに補正されている。海、山、平地、草原、噴火しない火山、温泉、ロボットが経営する歓楽都市、遊園地、湿地帯、森林、冬山、北の海、温帯の海、熱帯の海などの区分が木星内部に多数ある。例えばガラパゴス島の環境が北米大陸ほどの陸地面積を有しながら海に点在している、と言った具合だ。宇宙船ホームで今日はここの区画、明日はあそこの区画という具合で好きな環境にいることができる。

挿絵(By みてみん)


 食事は、これもやはり試作ロボット『ピー』が作った、人工食材生成装置と調理装置の連携装置によって、注文すればレシピに従い即調理し提供可能だ。人工食材生成は、最も美味しい成功例、例えば高品質な事例を生物成長させているので、本物よりずっと美味しい。また調理装置は、切る、粉砕する、潰す、捏ねる、混ぜる、煮る、蒸す、グリル(直火焼き)、ソテー(炒める)、ロースト(乾燥高温のオーブン調理)、熟成、発酵、揚げる、燻す、圧力調理等人類が発明したあらゆる調理法が好みの時短で時間制御付きで調理可能だ。調理行程は、レシピに従い自由自在連携することができる。例えば、蒸す⇒グリル⇒煮る、等の複数行程を重ね合わせることもできるのだ。その間の搬送はやはり適切な大きさのロボットが成す。調理後は、人間サイズのロボットからナノロボット迄が綺麗に洗う。


 大方の元日本兵は、あまりの変わりように驚くとともに家族と幸せに暮らせることに感謝した。しかし頭の少しおかしい者は、なんとか元の日本に戻ろうと、航法を司る『ピー』に詰め寄るが、『ピー』に拒否される。

 ピー「残念ですが、その希望には答えられない。今日本は戦争中であり、行けば戦争に巻き込まれる恐れがある。この船で戦うことはできない。戦闘行動が許されていないので、悪しからず。」

 頭のオカシイ元日本軍人「何ぃ~、き、さ、まぁ~、逆らうか、覚悟せい。」と言って剣を抜きが、その剣はふにゃふにゃの玩具になっていた。もちろん本物の剣であろうと、中間物質化して宙を漂う『プー』には打撃など無効だ。

 頭のオカシイ元日本軍人「私は天皇陛下の恩為、日本に戻って鬼畜米英を倒さねばならない。お願いだから日本に戻ってくれ。」

 ピー「この国はロボット官僚制を敷いているんだが、国民の窓口であるバイオAIのジュピー(木星改造戦艦のAI)と話してみるかい?」

 頭のオカシイ元日本軍人「あ~頼む。」

 ピーの呼び出されてジュピー自身の球体形状の頭脳を投影した3D映像を映写しながら、ジュピーと名付けられたその映像は「なんだい、用って?」と言う。

 頭のオカシイ元日本軍人「ワシを即座に地球の日本に戻すことを要求する。いや命じる。お前等にこんなところでワシに虜囚として捕らえておく権利などない。日本は1億玉砕火の玉特攻あるのみ。」

 ジュピー「だめだって。弱いあんたらの代わりに、必要とあらば物凄い戦力を持った織田裕司が戦ってくれるって。あんたがた日本兵は、武器もなく、意味のない敢闘精神ばかりを尊び、マシンガンを持つ米兵に最後は自殺突撃して刀で決着しようとするがこれは自殺行為だ。そしてもうこれはもう負け確定の作戦だね。弱すぎる。第一相手も油断があれば死ぬ。それはいけない。殺し合いは絶対認められない。だから君は日本に戻さない。わかった?」

 頭のオカシイ元日本軍人「何ぃ~、敵を屠って何が悪い。くっそ、弱いなどと馬鹿にしおって、ぶち壊してくれるわ。がぁー!!!」

 ジュピー「もう大日本帝国は、織田裕司がクーデターを起こしてなくなっている。天皇陛下もこの前、『君の言に従おう』って言ったろ。新しい国の名前は『地球』だ。そして織田裕司によって世界は統一される。」

 頭のオカシイ元日本軍人「陛下がそのようなことを言うはずがない。どうせ家族を人質にとって無理に言わせたのだ。そんなことは到底認められん。」織田裕司なるものが我が現人神であらせられる天皇陛下を従えるなどあってはならない。」

 ジュピー「別に天皇陛下が織田裕司の意のままになると言う意味ではないし、織田裕司の行動に天皇陛下の同意が得られたにすぎないだろ、そこは!!! はい、君駄目すぎ、ダメダメダメだ!!!! そこで好きなだけ怒鳴ってれば、、、。」

 頭のオカシイ元日本軍人「おのれ~、ワシは諦めんぞ。仲間を探して、織田裕司を廃し、米英を撃滅し、ダイ・ニッポンテイコクを元の栄光ある天皇陛下の国にしてみせる。」

 ジュピー「お好きなように。」

 頭のオカシイ元日本軍人は、とりあえず身近なところからと『ピー』に殴り掛かるも、やはり中間物質化した『ピー』に物理衝撃は全く通用せず、微動だにしない。まるで巨大な鉄の塊に殴り掛かった感触だ。


 こうした頭のオカシイ元日本軍人に多少いたが、木星改造戦艦ジュピターは概ね平静だった。

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