第二話:やはりフラグは立たないようで
「遅刻だ遅刻だ!」
「あんたが早く起きないからでしょ!」
「ならそれを見越してもっと早くに起こしに来てよ!」
翌日、蓮斗は詩織に起こされて今まさに遅刻せんとす状態である。
「私余裕持って起こしに来たんだけど……」
「あと一時間早く起こしに来てよ!」
「そしたら私何時に起きることになるのよ!そもそも自分で起きなさい」
「だって、目覚まし時計ならないんだもん」
「一時間ずれてるからね!」
彼らは無駄口をたたきながら走っているが、もうそんな時間は確実に残っていない。
「つかれた……」
「そりゃそうだろ。なんでそんなに走るのが好きなんだ?」
「別に走るのは好きじゃねぇよ。目覚ましが鳴らないだけだ」
「……そうか……そうか」
「おい、なんだその目は……。離れるな奏音」
「まあ、おれはいつお前が婿に入っても味方だからな」
「何を言ってる?」
「大丈夫、俺はお前に彼女がいないことぐらい知ってるから」
「いるわ」
「いるの?!」
「二次元に」
「でしょうね」
そんなたわいもない話をしていると焔花が二人の間に入ってきた。
「二人とも何の話してるの?」
「別に?蓮斗がどうやったら卒業できるのか話し合ってただけだ」
「あはは……」
「おい奏音。彼女引いてるぞ」
「ま、まぁ蓮斗がどうやったら高校卒業できるのかなぁって……」
「……人によって事情はそれぞれだからね」
すこしひきつった笑顔で返された。
「(どうすんだよ完全にひかれてるじゃねぇか)」
「(どどどどどどうしましょうか)」
「で、天才美少女で今すぐに結婚したい焔花さんがなぜこちらに来られたのですか?」
「そうだ」
すごいことを口走った奏音のセリフはガン無視してポケットから何やら紙切れを取り出す。
「なんか私の下駄箱にこれが入ってたの」
「なんで?」
「さぁ?私もう行くね」
「俺も行くわ」
「間に合ってますぅ」
「すいません」
二人のやり取りは無視しつつ紙のほうに目をやると放課後に校舎の屋上に来てほしいという文字が書いてあった」
「告白か?」
「おまえ……何をやらかした」
「なにもしてねぇよ」
放課後、蓮斗は指定されていた時間に屋上に行った。
「いったい何の用なんだ」
「蓮斗さ……」
扉のほうから声がして、振り返るとそこには彼より一回り小さい女子生徒が立っていた。
「いった……」
「私蓮斗様が好きなんです」
「は?」
質問を投げる前に告白が投げられてきた。




