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第一話:フラグが立た……ない?!

初心者なので文章や表現の拙さにはご容赦ください

蓮斗(れんと)!起きなさい!」


一面真っ白な天国のような空間から一気に絶望の空間へと引きずり戻される。ゆっくり目を開けて、あたりを見ると部屋の片隅に隣に住んでいる幼馴染の詩織しおりが立っていた。


詩織しおり……なんでここに?」


「いつまでたってもあなたが出てこないから心配だったのよ。新学期初っ端から遅刻するつもり?」


枕元においてある時計に目をやる。時計の短い針は7を指していた。


「もう、せっかちだな。まだ7時だぞ」


詩織しおりは無言でスマホのロック画面を突きつける。


「あんたの時計1時間ずれてる」


「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


蓮斗れんとは急いで着替え、学校の準備をする。


「私は玄関で待ってるわよ」


詩織しおりは扉を開けて外で待つ。


「ごめん」


蓮斗れんと遅いわよ。もう、あんたは私がいないとほんとどうしようもないわね」


蓮斗れんとがいない。目の前の交差点を見ると蓮斗れんとが豆粒のように見えた。


蓮斗れんと!待ちなさい!!」


「早くしないと遅刻しちゃう。昨日夜ふかししすぎたかな……でも少女漫画全巻マラソンは新学期前のルーティーンだし……女子とどんなイベントが起きても大丈夫なように予習しておきたいし」


そう独り言を言いながら十字路に差し掛かる。


「そうこんな十字路で美少女と正面衝突……」


その時道の門から突如人が現れ、なすすべもなくぶつかってしまった。


「いてて……あっごめんなさい!急いでて」


相手はぶつかった拍子に転んでしまったようだ。


「いえ大丈夫です。私の方こそすいません」


「えっあっその……えっと……」


目の前にいるのはまるで絵に書いたような美女だった。腰ほどまで伸びている、さらりとした艶のある黒髪に、グラビアアイドル顔負けのスタイル。どこかの芸能人だろうかと疑うほど身体が整った人だ。


蓮斗れんと!」


必死に走ってきた詩織しおりが蓮斗に追いつき、首元を掴んで走り去っていく。






「おいおいどうした?蓮斗れんと


「んだよ、奏音かなと


級友(唯一の)の奏音が机に伏せている蓮斗れんとへ話しかける。


「目の下のくまひどいぞ?一体何をしてたんだか。心身改めて勉強に精を出したか?」


「数学、国語、英語……いったい社会に出て何がなる。そんなもの食べるくらいなら、寝てるほうがいい」


「勉強は食べるものじゃねぇよ」


そんな会話をしている中、教室の女子たちが扉の方へ視線を向け、声を発する。


焔花ほのかちゃんおはよう」


「おはよう」


蓮斗れんと。みろ焔花ほのかだ」


「うん見てるよ」


「……もうさ、蓮斗れんとは女子に興味がなさすぎるだろ」


「舐めんな。ラノベの知識だけなら誰にも負けないわ」


「キモ」


「お前が振ってきたんだろ」


奏音かなとはいったん咳払いをして話を続ける。


「別のクラスに居る友だちから聞いたんだがな……」


「お前友達いたんだ」


「ごめんうそです」


「なんやねん」


「結構みんな噂してるぜ。このクラスの三大美女」


「クレオパトラと小野小町と」


「それ世界な」


「……」


「まず一人は焔花ほのかだ。誰にでも優しいし、明るいし。極めつけにはショートカット!これはもう完璧な逸材だろ」


「最後のはお前の趣味だろ」


「二人目は詩織しおりだ。焔花ほのかとは正反対で金髪の髪に少しトゲトゲしてる性格だな。まあ、時折俺に見せる表情は違うかな」


「どんな妄想だよ」


「そして三人目……」


「……」


「……」


「三人目は?……奏音かなと?」


「……」


「決めてねぇだろ」


「ばれた?」


「ばれた?じゃないわ」


その時、ちょうどチャイムが鳴る。




「あ、チャイムが鳴っちゃったわ」


「逃げんなよ」


「逃げない逃げない。あとで常温のコーラ買ってやるから」


「冷えてるやつで」


じきに生徒たちが席につきはじめ先生が今日の連絡をしていく。あまりに退屈な内容だったので廊下を眺めていた。すると、廊下の方を一人の女子が通っていった。今朝十字路で会ったあの……


「そうだ。今日転校生が……」


まさか。蓮斗れんとの座っている席は窓際から二番目の一番うしろの席。いわゆる主人公席と言われている場所。更にその隣は図ったかのように空席である。


「隣のクラスに来るらしいから同じ学年として仲良くするように」


「え!」


思わず立ち上がって声を荒げてしまった。周りから憐れみの眼差しが向けられる。不幸か幸いか奏音かなとと目が会い、満面の笑みを向けられる。


「フ……フラグは立つのに……回収されない?」


かくして蓮斗れんととその周りによるちょっと違ったラブコメが幕を開けた。

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