第7話:『重力に魂を引かれた者』
1.(起)
霊球弾は畝りを上げながら高速で回転し、あっという間に銀次の身体を飲み込んでしまうほどの巨大な渦と化す。
霊球の中で銀次の霊体は、内側から分子結合レベルで、次から次へと消滅していく。
2.(承)
存在の根底を微塵に砕かれ、この世に刻まれた生存の綴りを永久に抹消されたのだ。まぁ銀次の場合、
とっくの昔に死んでるがな……無理矢理、こじつけるとすりゃ、幽顕の籍(注1)から除名された……っていうところか。しかし……
3.(転)
➖➖佐和子の奴、思った通り霊球弾に戻しやがったな……幽顕の籍からの除名だと?……間抜けが……笑わしてくれる……佐和子よ……貴様は俺の弱点を勘違いしてやがるぜ➖➖
4.(結)
内部からの破壊が連鎖的に起こり、銀次の霊体はE・M(注2)と一緒に無惨に散った。……しかし、先ほどから脳裏をかすめる違和感が拭えきれない。
(当たっているぜ……佐和子……その勘はよぉ……)
脳裏に響く奴のセリフに戦慄が走る!
大量に立ち上っていた霊気の硝煙が収束したあと、銀次に代わって、そこに現れたのはーーーーなんと死んだはずの娘……香織だった。
※ (注1)幽顕の籍
現世(顕)と死後の世界(幽)を統べる存在の名簿。
※(注2)能力名:エーテル・マニピュレーション(Ether Manipulation)の略称




