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樹冠祈願  作者: レニペン
第3章〜それぞれの物語〜
41/42

『光る目②』

久しぶりです。






 コラプス。自らを崩壊と名乗る男。いや、本人はそう呼ばれている、と。つまり、周りから『崩壊』と呼ばれる人物。『崩壊』が何を指すのかは分からない。だけど、そんなあだ名つけられるやつ...


「まともなわけねぇよな。」


 アラタはトンファーを構える。その後ろでハルキもコラプスを睨みつけていた。


「ハルキ、相手の能力をまず知りたい。相手の能力がわからない以上、闇雲に戦うわけにはいかないだろ?」


 先程まであった地面が急に割れたことと、コラプスという名前から...


「破壊系の能力だろうな。」「破壊系の能力だな。」


 若干ハルキのほうが速く答えを導き出す。アラタは少し悔しそうに苦虫を噛み潰すような顔をした。


「発動条件はわからない。何か複雑な条件があるのかもしれないし、そんなもの無くて触れただけで発動とかチート能力かもしれない。」


 ハルキに言われる前にアラタは少し大きめの声で言う。


「とりあ、攻撃は当たらないように。」


 崩れ行く地面は少々コチラ側にとって不利だ。アラタはタタっと崩れてない方向に地面を蹴り、ハルキは空中浮遊で対策を取り始めた。


「コレでも喰らっておけ!」


 ハルキが風をブレード条に相手に投げつける。アラタもそれに合わせてコラプスに接近し、トンファーで殴りつけようとする。


「はぁ....めんどくさい。ガキの相手か.....」


 コラプスは憂鬱そうに肩を回す。そして、


「なっ?!消えt....」「アラタ!後ろだ!」


 ハルキの声も虚しく、アラタは一撃目を顔面に喰らう。そのまま続くコラプスの攻撃。が、二発目以降はなんとかトンファーで蹴り、殴りをアラタは防いだ。


「へー、やるじゃん。」


「褒められて光栄だ!」


 アラタの反撃。相手に得意の速度で距離を詰める。ほぼ音速。アラタの最大の強み、速度で潰す!


「トンファーを使った打撃、目で追えないほどの速度。君、すごく優秀だねぇ。」


 コラプスは打撃を軽くいなしながら....たまに当たっているが、ほとんど効果の内容に振る舞って、そしてアラタの腕を掴む。


「だけど君、コレに頼りすぎだねぇ。」


 アラタの腕を右手で固定して....コラプスはトンファーに指先を触れさせた。途端にトンファーは....粉々に砕けた。


「っ!」

「動揺したね。」


 アラタは驚いて一瞬体が止まったが、その隙をコラプスは見逃してくれなかった。








 同時刻、新大阪駅


「ッチ、緋ノ宮ラクがいなくなったと思えば、もう一人鬱陶しいわね!」


「初対面でその評価は少し刺さるな。」


 ソウヤはマリオネットの人間粘土の猛攻を避けながら弾丸を撃ち続けていた。マリオネットはちょこまかと逃げるソウヤに苛つきを隠せない。先程までラクと戦っていて、それが終わったかと思えばコレだ。しかも、ソウヤは遠距離特化。ラクと違って接近してこずに離れた場所からチマチマと攻撃してくる。敵から見ればウザいそのものだ。それに....


「そこのワープのヤツも凄く邪魔!」


 攻撃しようと思ったらソウヤが消える。背後に回っていて、背後から弾丸が飛んでくる。勿論、ミナトの仕業だ。ワープ能力を持つミナトはワープホールを開いてソウヤの更に遠くからソウヤを手助けしてくる。そのミナト本人を潰そうと思ったらするりとワープしやがる。


「アンタたち、ラクと同じくらいウザったるいわ!」


 せっかくラクを倒したのに。あぁ、腹が立つ。しかし、この戦いはラク戦とは違う。なぜなら...


___殺して良いんだもの。____








同時刻、新大阪駅近く、ビルの屋上


「おい!目を開けろよ!おい!」


______あぁ、うるさい。____


「おい!ヤバいって!グロいって!」


______うるさいな。______


「ちょっと待ってろ!オレが今すぐ治療して....あぁ!どうしろって言うんだよ!分かんねぇよ!左手無くした人の治療とかしたことねぇわ!」


______マジでうるさいな、この声。___





「あぁ!目開けろよ!ヤバイよ!ちょっと離れた場所でソウヤとミナトが今まさに戦ってるよ!おキロコノヤロー!カグヤの弟だろ!」


 アカネは大声で叫びながら包帯やら傷薬やらを救急箱から出してあたふたしていた。治療の対象はもちろん目の前でグロい姿をしている緋ノ宮ラクだ。ラクは酷い有様で、左手はなく、左目は瞑ったままで、右目はあいているが、おそらく何も見えていない。


「とりあえず、右目瞑ってくれ。」


 アカネはそっとラクの目をつまみ、閉じさせる。


真田アカネ、12歳。中学生。今年で13になる。霧里町が闇の軍の襲撃にあった時、緋ノ宮カグヤに助けられた少女....緋ノ宮カグヤが最期に助けた人間だ。カグヤにはその時から恩返ししようと思っていたが、ニュースを見て驚いた。まさかあの後、あの青年は死んだのか?もし、自分を彼が助けてなければカグヤは死なずにすんだかもしれない。そんなこと考えるだけ無駄だ。だけど、考えずにはいられない。どうしても、『意味のない罪悪感』がアカネをなにか黒い渦巻くものに引きずり込もうとしてくるのだ。


『いつか、真剣組に恩返しがしたい。』


 アカネはSNSに何気なくそう入力した。ミナトと出会ったのはその投稿がきっかけだ。真剣組の活動を応援する少年、ミナトは自分とも歳はあまり変わらず、さらにSNS上で話しやすかった。さらに、彼は行動をしようとしていた。真剣組に入隊するのが夢だと。アカネはそんなミナトに共感した。自分も真剣組に入って恩返ししたいなってアカネも思っていたのだ。


 実際にミナトにアカが顔を合わせたのは3日前。アカネの正直な感想は、なんか思ってたのと違う、だ。だが、話は結構弾んだ。趣味の話、お互いの家の話、そして真剣組の話。


 このミナトという青年はすごい。どういった手段を使ったかはわからないが、真剣組が東京に向かうことと、彼らが乗る新幹線の便を突き止めていた。ミナトの情報に従い、新幹線に二人で乗り込むと、やはりそこにはアラタ、ハルキ、ラクがいた。


 本当にミナトはすごいな。


 アラタ、ハルキとはカグヤのときに会ったことあるが、このラクという青年はアカネは初めて会った。真剣組でカグヤの弟。それくらいは知っていたが、あまり似てないなって思った。目が少し似ている。その程度かな。アカネから見た感じ、ラクはどこか寂しそうだった。元気に騒いだり、遊んだりしていたが、その裏はなにかどす黒いんだろうなって思った。兄が死んだ直後だ。無理をしているのだろう。ラクはアカネと真剣組が話した後、一緒にトランプで遊んでくれた。だけど、その遊んでいるラクですらどこか自分の感情を隠しているんだろうなってアカネは思っていた。


 アカネには気づいたことが2つある。


 1つ目は、このラクという少年は優しいということだ。周りに心配をかけないために、無理をしている。優しさから来ている行動なのだろう。誰かのために自分を犠牲にする。そんなラクの行動にアカネはカグヤを重ねずにはいられない。


 2つ目は、アラタとハルキも優しいということだ。彼らは明らかにラクの無理に気づいている。だけど、気づいてないような素振りをする。ラクに合わせてあげている。さらに、先輩が死んで自分たちも苦しいだろうに、悔しいだろうに、そんな素振りはあまり見せない。これはラクが一番苦しくて、悔しいはずだから...そんなラクに同情しているのだろう。


 真剣組と過ごした時間は短いが、アカネはあの新幹線の中でそんな事を思っていた。


そんなラクが、目の前で死にかけている。あの新幹線で数時間後にはこんなことになるなんて予想できただろうか。


 助けないと。今、カグヤに返すんだ。ここで死なせちゃ意味がない。クソっ、どんどん弱々しくなってく。


 医療知識?そんなモノアカネには無い!知らない!だけど、他に治療できる人間がいない。とにかく血を止めないと。止血は...あれ?止まってる?なんで?


「ま、まさかお前...自分で?」


 ラクの傷はどんどん癒えていく。傷口はふさがり、ゆっくりと左手も再生し始める。


「........なにそれ!すご!気持ち悪いけどすご!怖いけどすご!ヤバっ!マジで人間離れじゃん!」


 アカネは興奮する。すげぇ、このラクという少年は自分で治療できる能力なんだ!本当に万能能力じゃん!


 そう思った直後、アカネは何か引っかかった。


「.......オレ、要らなくね?」


 ラクは自分で治療もした。それに、ミナトのようなサポート能力もアカネには無い。ソウヤやラクのような戦闘能力もない。自分があの戦闘に参戦しても足手まといになるだけだろう。じゃぁ、自分ってなんでここに立っているの?唯一の仕事、治療もまともにできずに、今まさに目の前で要らないって言われたようなものだ。あれ?オレ、場違い?


「.......っ!はぁ!」


 いきなりラクの手がアカネに向かって突き出される。ラクは目は閉じたまま。アカネはビクッと驚くが、ラクはそんなことお構い無し。アカネはラクの意図がよくわからなかったが、二呼吸くらいしてからやっと理解し、ラクの手を引っ張って立たせた。


「アカネ....僕の背中を思いっきり叩いて。」


「...おう、叩けば良いんだな?」


 ラクに言われた通り、アカネは手を振りかざして『パンッ!』とラクの背中を叩いた。


 普通の少女ならここでラクに「今は安静に!」とか、「まだ戦おうとするの?正気?」とか言ったりするだろうが、アカネは言わなかった。そんなこと言っても今のラクには意味がない。それに、あのラクの目、次はラクは勝てるとアカネを信じさせる目だった。


「ちょい待って。オレは、足手まといになるだけだから戦闘には参加しねぇけど、ついてくから!」


 アカネは救急箱をササッと収めて、カバンに入れて背負った。そしてそのまま、ラクの手をギュッと掴んだ。ラクに安心させたい。そういう思いの手だ。


「....ありがとう。」


 ラクもギュッと手を握り返してくれる。その手は少し震えていた。治療した直後というのもあるんだろうが、少し恐怖も混じってるのだろう。あぁ、この人間離れしたヤツでも、怖いんだな。アカネはラクの手をもっとギュッと、だけど優しく包んだ。









 ラクは気を失っている時、頭の中で声が聞こえていた。アカネのうるさい声とは違う、別の声。少し低い声。二人の声。男の声。


「目を開けろ。お前ならいける。」


「まだ、立てよ。」


 もう、聞こえるはずのない声。昔はあんなに当たり前だと思っていたけれど、もう、聞こえない声。死者の声。


 幻聴か。あぁ、だいぶ僕は弱ってるんだな。


 ラクは心の奥底でそう思った。


 ソウヤはどうなった?ミナトは?...っ本当にこんなところでグズグズしている場合じゃないな。


 ラクは頭の中で状況を整理する。なぜ自分は死んでない?人間粘土で手足をもがれたけれど、首はもがれなかったからだ。何故?なぜ首をもがなかった?あのタイミングでもがない理由がわからない。殺せたぞ?一撃で。


 今回、マリオネットはラクに明らかな殺意を向けていた。そのくせ、殺さなかった。殺せたのに。それはシンから命令されてたんじゃないか?ラクを殺すな、と。


 ラクは更に深く考える。頭によぎったのは、シンのセリフ。


『それはできない。私は君に、期待しているのだから。』

 あの時、シンはカグヤを殺した直後。ラクは体が弱っていて、シンなら一思いで殺せた。さらにラク自身はあの時、大声で『僕を殺せよ!』と言っていた。自ら殺してほしいと願うものを殺さないのか?


 勝つために、シンの能力を考察しよう。神木柊が見せた彼の過去と、カグヤとの戦闘時のシン。あの彼の過去で、シンはクマの死骸に向かって『吸収』と言っていた。彼の能力はそれじゃないか?カグヤの時、彼が見せた圧倒的手数。そして、彼が使った高尾ソウマの能力。シンはソウマを『殺した』と言っていた。その言葉に嘘はないだろう。ただ、吸収だけに人を殺す意味はあるのか?


 ラクはしばらく考えた後、一つの答えにたどり着く。


 シンの能力は『吸収』だ。彼の力は『死者から能力を奪う』というものだろう。そして、おそらくこんな条件がある。


『覚醒前の能力者を吸収したらシンの中でその能力は覚醒しない。』


 そうだ、きっとそうだ。あの時、カグヤには明らかな殺意を、そのくせラクと、『場違い』とまで言ったミクを殺さなかった。場違いならミクは殺しても良いはずだ。なのに殺さなかった。殺せない理由、カグヤは殺してOKで、ラクはダメ。カグヤとラク、ミクの違い。覚醒しているか、してないか。どうせなら覚醒した能力を手に入れるのがシンにとって得だろう。


 なんだ、怪物にも優しさが残っている現れだと思ったけど、完全に自分の都合じゃんかよ。期待して損した。


 考察するに、シンは少なくともラク、アラタ、ハルキ、ミクの能力を狙っている。シンがラク達の行動を知っていてこの大阪の反乱を起こさせたなら、もちろんアラタ、ラク、ハルキが共に行動していることを知っていたのだろう。


 だとしたら、少なくとも覚醒しない限りアラタ、ハルキ、ラクは殺さないだろう。だが、他は分からない。アカネ、ミナト、ソウヤ。シンがそれらに目を向けてなければ、シンにとっても彼らの参戦が予想外なら、特に彼らに対する命令は無いはず。それならマリオネットは彼らを殺す可能性もある。



 だとしたら急がないと。ソウヤを助けないと。


 ラクは起き上がろうとする。しかし、体が動かない。


 体が動かない?動かせよ。体が再生しない?再生しろよ!


 ラクはいうことを聞かない自分の身体を無理やり動かさせる。無理やり回復させる。バカ、仲間が死ぬかもしれない状況だぞ?なに弱虫してるんだよ、立てよ、ラク。カグヤならこんな時、ちゃんと立ってたぞ。


仲間を見捨てる気か?緋ノ宮ラク!今、自分でたどり着いた結論を仲間に伝えず野垂れ死ぬつもりか?ラク!否待てよ、ここで死ねばシンは少なくとも覚醒ラクを吸収することはもう無いのであって...えぇい!余計なことを考えるな!とにかく立て!戦え!覚醒してないなら死なないことが保証されているならしつこく立て!ゾンビ戦法だ!


 立て、緋ノ宮ラク!しつこい男、緋ノ宮カグヤの弟だろ!立てよ!







 ゴボゴボっという音とともにラクの腕が生えた。視界が明るくなる。来た、キタキタキタ!僕はまだ、戦える!戦う!緋ノ宮ラクは、何度でも起き上がるんだ!









 ラクの気絶から10分後、新大阪駅から3キロ離れた地点、


「.......少し期待したんだがな.....」


 コラプスの腕から、首をシメられたアラタがスルリと落ちる。アラタはピクリとも動かない。


「期待外れだったってことだな....あぁ、殺しはしてないから安心しろ....さて........次はお前だ.....」


「っ!」


 ハルキには今、選択肢が2つある。逃げるか、戦うかだ。本来のハルキなら戦うという選択肢を選んでいただろう。現に、今も本当はそうしたい。だが、相手とは圧倒的実力差がある。生憎ハルキは近距離戦は得意じゃない。アラタが負けたんだ。自分に勝てるはずがない。一回逃げて、耐性を取り直すのが最善。


「.....逃げるか.....」


 風の力で飛んで逃げ始めたハルキをコラプスは目で追う。


「.......」


 コラプスは地面を蹴り上げ、ハルキに接近。ハルキは得意の瞬発力でギリギリ回避。だが、コラプスはハルキの方を見向きもせずにそのまま目の前のビルに突っ込んでいった。


「おいおいおい、マジかよ!」


 ハルキの叫び声が響く。無理もない。目の前のビルが一瞬で瓦礫の山に変わり、ハルキに降り注ごうとしていたからだ。


「やられてたまるかよ!」


 ハルキの体の周囲から強風が吹き始める。その風は強く、瓦礫を吹き飛ばしていく。


「ほぉ、防御力もバッチリ。覚醒前なのにやるね、君。」


 どこからか褒め言葉か聞こえる。だけど、何処にいるかはわからない。


「だけど、敵から目を話すのは感心しないなぁ。」


 その言葉を最後に、ハルキは後ろから強い衝撃を喰らい、意識を失っていった。


「お前もな。」


 なにか、ボソッと聞き慣れた声が同時に聞こえたきもした。








「........君、さっきより速いし、明らかに攻撃威力も上がってるねぇ。」


「あぁ、俺はカグヤ先輩と同じスタートラインに立ったぜ!」


 獅童アラタの目は、赤く光っていた。









 同時刻、新大阪駅


「はぁ、あなた達、ほんっとうに鬱陶しかったわね。けど、もうおしまい。今の気分はどう?最高?」


 血まみれのソウヤは薄っすらと顔を上げる。いくら遠距離とは言え、人間粘土の猛攻により体は傷まみれだ。それでもソウヤは立っていた。血が滴り、なんで立っていられているのか自分でもわからない。


「そっちのガキも。ワープホールを上手く使っていたみたいだけど。」


 ミナトは人間粘土に掴まれ、宙に吊るされていた。なんとか意識を保っているが、もう限界も近いだろう。


「あぁ、本当、ラクより弱い俺達がここまで耐えられたのは奇跡に近いだろ。」


 ソウヤは半笑いで、ゆっくり閉じようとする目を無理やりこじ開けて話し続ける。


「ミナト、もう第2ラウンドは俺達の負けらしい。さぁ、第3ラウンドの選手に期待しようじゃないか。」


 ソウヤの発言とともにマリオネットの背後にワープホールが現れる。


「第3ラウンドもせいぜい頑張りな、お嬢ちゃん。」


 ソウヤはそのセリフを最後に意識を失った。


 ワープホールの向こう側には一人の黄色混じりの黒髪の少年....緋ノ宮ラクと、そのラクと手を繋いでいる少女、真田アカネが立っていた。ラクは目を瞑って下を向いている。顔は見えない。アカネはラクの背中をそっと押した。


「オレ、応援してるぜ。」




「ソウヤ先輩、繋いでくれてありがとう。それから、ミナト、アカネ、僕は認めるよ。お前らも、すごく大事な僕の仲間、真剣組の仲間だ!」


 ラクはパチンと両手を叩く。アカネは嬉しそうに笑顔になり、ミナトも意識を失う前にそれが聞けて頬を緩める。


 ラクはゆっくりとワープホールをくぐり、新大阪駅のホームに、マリオネットの目の前に現れる。そして、ゆっくりと目を開く。




 目をゆっくりと開いていく。さっきまでとは違う目。この目を見せるということは、殺されてもおかしくないということだ。ラクにはそれだけの覚悟と、絶対に死なないという自身があった。




 赤、青、緑。三色に光る目が、暗くなった辺りを照らす。


 緋ノ宮ラクは、自身の兄、緋ノ宮カグヤが立ったスタートラインにようやくたどり着いた。







アラタ&ラク、覚醒です!ハルキは....まぁ、いつか覚醒するんじゃないですか?

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