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樹冠祈願  作者: レニペン
第1章〜カグヤの命〜
19/39

人形遣い②

19話

「どういう事だ?」


 カグヤは商店街の入口まで走り、足を止める。商店街はボロボロで、ありとあらゆる人間が破壊活動をしている。


「空から見たけどこの街中全部こんな感じになってる!」


 翼を生やしながら飛んでいるラクがカグヤに向かって叫ぶ。


「了解。今はなぜか人々が暴力的になっているみたいだ。おそらく能力者の仕業だと思う。発生源となる能力者をラクとハルキは空から探してくれ。他のメンバーは暴力的になってない人を探して保護する。見つけ次第安全なところまで避難させてくれ。相手は一般人だ。始めての大仕事でパニックになっているだろうが、間違っても一般人に危害を加えるな。」


 カグヤが指示を出す。


「「「了解!」」」


 全員が応え、行動を開始する。


「にしても、先輩、こんなに多くの人を操れる能力者、絶対強敵ですよ。」


「神環の人たちがいずれ来る。もう来ているかもしれない。それまでの心房だ。」


 そう言ってカグヤとアラタは商店街に入っていった。






「人が多いところ、あるいは人が暴力的になっている場所とそうでない場所の境目を探す。おそらくそのどちらかに発生源はいる。相手の目的がわからない以上、もたもたしているのは危険だと思う。早く見つけて、二人で相手の足止め。僕がみんなに場所を知らせる。」


「命令するな、クソラク。」


「クソラクじゃねぇし!」


 ラクとハルキは空を跳びながら敵を探す。


「、、、イヌワシ、、、これで効率よく探せるはず。」


 ラクの目が鷹のような目に変わった。





「大丈夫ですか?」


 カグヤは商店街の端っこにうずくまっていた親子に手を差し伸べる。


「先輩、コイツら気絶させても意識がないまま襲ってきます!間違いなく能力によるものです!それに、意識があるものは泣きながら助けてとか言ってきます!正直殴りづらいです!」


 外で人々と交戦しているアラタがカグヤに状況を説明する。


「意識のある人たちから対話はできないか?敵の情報を聞きたい。なぜこんな事になってしまったのかも。」


「やってみます!うわっ!あっぶね!」


 人々の攻撃を避けながらアラタはカグヤに返事をした。


「ん?」


 カグヤのスマホが鳴る。


「もしもし?」


「カグヤ先輩、避難所の確保ができました。先輩たちの学校です。中ではタカマ先輩とツバキ先輩が避難した人たちの看病などをしています。神環とも連絡がとれましたが、星野イオは今日は海外にいるらしくて来れないらしいです。他の神環の人をすでに派遣しているって返事が帰ってきましたが、それらしい人が見当たらないならすでに能力にかかっている可能性があります。注意してください。俺たちは学校の警備をします。正門側が俺、グランド側がソウヤ先輩です。」


 ヒビキからの連絡だ。


「情報説明ありがとう。ラクたちにも共有しといてくれ。」


「はい。」


 ヒビキは真剣組メンバーの中でも特に強い。学校の警備は彼に任せて問題はないだろう。






「あっ、見つけた。」


 ハルキがラクにそう言った。


「マジで?どれ?どこ?」


「いや、敵じゃなくて、、、サボり。」


 ラクがハルキの言っていた方向を見ると、ミクが学校の屋上でお菓子を食べていた。


「、、、、、、見なかったことにしよう。放っておこう。」


「そうだな。」


 ラクたちはそんなことを話して、捜索に戻る。


「もうこの街中どころか、隣町まで暴力集団がいるな、、、ん?あれは、、、」


 ラクが指を指す。商店街の近くに少女がひとり歩いている。


「おそらく正常な人間だ。だけど、あの辺りはすでに暴力集団がたくさんいる。あんなに余裕そうなのは不自然だ。警戒しながら接近しよう。」


 ラクとハルキは急降下をして少女に近づく。






「うわぁ!火を吹いてきた!この人!対話しようとしたら火を吹いてきたんですけど!」


 アラタはカグヤを訴えるような目で見つめる。


「落ち着け。何者かに操られているんだから本人も無意識だ。」


 カグヤたちは一旦学校に無事だった人々を送り届け、操られている人たちと対話を試みていた。


「すみません、なんでこんな事になっちゃったかわかりますか?」


 人の攻撃を交わしながらカグヤは相手に話しかける。


「、、、わからない、、、自分の意志とは関係なく、、、身体が勝手に動くんだ、、、無理に動くから関節的に本来曲がらないところも曲げられて、、、死ぬほど痛いんだ、、、」


 涙目で男が話す。


「先輩!酷い!怖い!帰りてぇ!!」


「うるせぇ。アラタ、黙っとけ。、、、それで、なにかこうなってしまった心当たりはありますか?」


「、、、少女に、、、腕を触られた、、、それがきっかけだと思う、、、触られた瞬間に身体が、、、言うことを、、、聞かなくなったから、、、」


 うまい!この情報はデカいぞ。敵は少女だ。それを警戒したらいい。


「ありがとうございます。絶対助けますから、もう少しの間だけ耐えていてください!」


 カグヤはそう言ってスマホを開いた。ラクとハルキに連絡だ。メールをカグヤは打ち始めた。







「お嬢さん、今は物騒だからお家に帰ったほうがいいんじゃない?」


 ハルキは上空から少女に話しかける。


「こんな状況なのに冷静で偉いねぇ、、、君は襲われないのかな?」


 ラクも少女に話しかける。少女は顔を上げる。中学生くらいの少女は空を飛んでいる二人をゴミを見るような目で見つめる。


「私の邪魔をしないで?お兄さんたち。」


「邪魔?心配しているだけだよ。それとも、、、心配が邪魔になるのかな?」


 ハルキはやや煽り気味に少女に話しかける。その間にラクがスマホを開き、カグヤからたった今送られてきたメッセージを読む。


「お嬢さん、仲間からの情報だと、どうやら人々は少女に触れられてから暴走状態に入ったみたいだ。ちょうど、君みたいな特徴の少女にね。」


 ラクがそう言ったら少女はピタリと歩みを止め、下を向く。


「ねぇ、、、お兄さんたち、真剣組?」


「えっ?まぁ、そうだけど、、、照れるなぁ、俺たち、有名人?」


「ハルキ、ふざけるな。」


 ラクがハルキにそう言う。


「そっか、、、あなた達が真剣組か、、、カグヤっていう人を知ってる?私、その人に会いたいの。」


「会わせてあげるよ。少年院か、刑務所の面会会場でな!」


 ラクはそう言って無数の鳥たちを召喚する。


「相手が年下だからって手加減するつもりはない。喰らえ。」


 ラクはそう言い放つと、鳥たちは少女めがけて突っ込んでいった。

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キャラ紹介

佐倉 ハルキ(さくら はるき):高校1年生でラクと同級生。身長が低く、少しやんちゃで問題児。ラクとは小さい頃からの仲で、お互い文句を言ったり貶したりするが、本人たち曰くただのじゃれ合いで本当はお互い信用はしている。すぐに調子に乗り、テンションの浮き沈みが激しい。


能力:風走ふうそう。風の流れを操れる。風の力で自身を加速させたり、遠距離攻撃、防御などかなり万能。火力が出づらいが、連続技はやりやすいのでそれで補っている。

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