理解者
15話!今回から仲間集め!今後ストーリーに関わってくる重要キャラたちが出てきます!
水無瀬 ヒビキは学校に憂鬱そうに登校する。他の生徒が自分の方を見て何かコソコソ話しているのを無視して、自分の席に向かう。授業をいつも通り真面目に受ける。休憩時間、他の生徒にチラチラ見られる中、他の生徒にヒビキは話しかける。
「いっしょに飯くおうぜ。」
「あっ、、いや〜、その〜、、、ね?」
まただ。予想通りだ。ヒビキはしょうがないので屋上に一人に向い、弁当箱を広げる。
「、、、クソ。」
ヒビキは一言つぶやき、弁当を食べ始める。
「その弁当、美味しそうじゃん。」
ヒビキは驚いて後ろを向く。そこには翼の生えた少年と足をジェットみたいにして飛んでいる少年がいた。
「何だお前ら。」
「スカウトマン。」
翼の少年が自慢げに言う。
「なぁ、君ぼっち?仲間意識感じる!」
「は?誰がぼっちだ。ふざけるな!」
「おい、バカラク!嫌われたら終わりだぞ。」
「それもそうだな。僕は緋ノ宮 ラク。ラクと呼んでくれ。こっちは、、、」
「佐倉 ハルキ。隣町の学校から来た。今日学校休校日で、ちょうどよかったからな。」
そう言うと二人はヒビキの前に着陸する。
「で、俺に何のようだ?」
「さっきも言ったようにスカウトだよ!僕らと一緒に真剣組っていう名前の組織に入ってほしいんだけど、、、」
「は?」
「あー、真剣組っていうのは政府公認の民間第3勢力で、、、今戦力集め中だ。」
ハルキがそう言う。
「この前政府のトーナメント試合で闇の軍の奇襲があって、その場にいた能力者の選手たちが敵を止めたって話、知ってる?それ俺ら!」
「あのテレビで言ってた少年たちか。お前ら、強いんだ。」
「うん!人並みにはね。」
「で、なんで俺をスカウトしに来たんだよ。」
「隣町の学校に目がたまに光っている強い人がいるって聞いて、覚醒した能力者だと思って。」
「なるほど、確かにそれは俺のことだ。」
ヒビキは目を一瞬光らせて、もとに戻す。
「だけど、、、つまりお前たちは、俺の能力で俺をスカウトしようとしているってことだな?」
「うん。」
「なら断る。」
「えっ?」
「俺は断るって行ったんだ。しつこいと不法侵入で訴えるぞ。」
「ちょっとまっt、、、」
ラクがそういい終わる前にヒビキは屋上から室内に入っていった。
「ラク、お前余計なこと言ったな。」
「あれ?僕なんかやっちゃった?」
「バカラク。」
「にしてもアイツ、、、めんどくさい性格してるな。」
ヒビキは教室に戻った。みんなそうだ。自分の能力しか見てない。能力を手に入れる前は普通に話してくれていた友達も話してくれなくなった。代わりに特にそれまで知り合いじゃなかった人たちがよってたかってきた。もううんざりだ。誰も自分ではなく能力の方しか見てくれない。クラスメイトも、名前も知らない学校の生徒も、友達も、そしてあの二人の少年も。腹が立つ。俺の魅力は能力しか無いようじゃないか。
午後の授業を終え、部活も行かずにヒビキは学校を後にする。校門の前にはさっきの昼の少年たちが待ち伏せしていた。
「おっ!目が光る人だ!お〜い!」
「ラク、オマエはもう黙ってろ。今度は俺が行く。」
「何だよ。俺は断ったぞ。」
「そうじゃなくてさ、ゲームしようぜ!」
「は?」
「だから、ゲームしようぜ!」
ハルキが楽しそうにヒビキに話しかけてくる。
「なんでお前らとゲームしないといけねぇんだよ。」
「さっきさ、俺らがオマエのことを能力でしか見てないって言われて、このバカラクと少し考えた。それでたどり着いた結論がゲームしよう!ってことになってな。ゲームはすぐ仲良くなれるからってこのバカラクが、、、」
「バカバカうるせぇ。オマエだって脳みそ風しか詰まってないこと僕知ってるから!」
「オマエこそうるせぇよ!声デケェよ!」
「、、、ごめんけど、今日は用事があるから、、、また機会があったらな。」
ヒビキはそう言って二人から離れて町中の方に歩いていく。ヒビキは嬉しかった。あの少年二人は自分のことを始めは能力しか見てなかったが、それを改めて自分のことを知ってくれようとしたんだろう。ヒビキの顔には笑みが少し溢れ出しそうだった。ほんとはアイツラとゲームをしたかったが、今日は用事があるからダメだ。ヒビキは路地裏に入っていく。
「やっと来たか。遅かったぞ。」
ガタイの大きな男たちが路地裏で座っている。この人たちはヒビキのことを頭のいいヤツだと評価してくれた。そして、ヒビキは心を許してしまった。能力でしか評価されてないと思っていたヒビキにとってその言葉の密は甘すぎた。賢い、体格もいい、そして能力まで強いとたくさん評価された。そして、、、自分のことを真の友達と呼んでくれた。ヒビキはそう言われてハマってはいけない沼にハマっていた。
「金、持ってきたよな?」
「もちろん。」
ヒビキは金を渡す。
「おお、よろしい。5万か。これでまた薬が買える。」
ヒビキはその男たちが自分の金を何に使っているのか知っていた。だが、それを止めることはできなかった。この間ケオが終わるのが怖かったから。金は小遣いだけでは足りなくなり、最近は親や姉にバレないようにこっそりと少しずつ金を盗んでいた。
「ヒビキ、オマエも吸ってみるか?」
「えっ?いや、俺は、、、」
「いいから一回吸ってみろよ。少しだけなら問題ねぇからさ!」
「そう言うなら、、、でも、、、」
ヒビキが戸惑いながら手を伸ばそうとしていたその時、空から大きな鷲が飛んできて薬の入った袋を鷲掴みし、飛んでいく。
「そこまでだ!悪党ども!真剣組のお通りだ!」
路地裏から見上げると、空に2つの影がある。
「麻薬とか吸っちゃダメでしょ!お母さん泣いちゃうよ!」
ハルキの声だ。
「何だあのガキども!ヒビキ!やれ!」
「待ってくれ!アイツラは、俺の知り合いで、、、」
「そんなこと知らねぇよ!俺は今気分がわるいんだよ!早くアイツラを仕留めて薬奪い返せ!」
「あ、、、あぁ、、、」
ヒビキはその場においてある鉄パイプを掴む。
「おい!目の光る人!あんた見損なったぞ!なにやってんだよ!犯罪者になりたいのか?」
「おい!煽るな!相手は覚醒した能力者だぞ!油断したら死ぬぞ!」
「断想」
ヒビキがそう唱えるとラクとハルキの足元に斬撃が飛ぶ。
「くっ!」
「マジか!見ただけで斬撃飛ばせれるのかよ!」
ハルキがそう言っていると、ヒビキはラクに距離を詰め、蹴りを入れる。
「嘘だろおい!こっち飛んでるんだぞ!どんだけ跳躍力あるんだよ!」
「ラク!ちょっと待ってろ!いまい、、、」
ハルキがそういい終わる前にハルキめがけて鉄パイプが飛んできた。ハルキは避けるがそのまま鉄パイプは追跡して追いかけてくる。
「この鉄パイプ、自立して追いかけてくるんだけど!」
ハルキが鉄パイプから逃げるためにだいぶ遠くまで逃げていく。
「これで一人に集中できる。」
「とりゃ!」
ヒビキの身体にツタがまとわりつく。しかし、ヒビキはそのツタを一瞬で切り刻む。
「マウンテンゴリラ!」
ラクはヒビキに拳を入れる。ヒビキは少し苦しそうにしたと思ったが、そのままラクの拳に斬撃を飛ばす。
「いった!まじかよ!」
ラクが少し慌てると、そのまま蹴り飛ばされ少し離れたビルの屋上に叩きつけられ、転がる。
「よくやった!ヒビキ、そのままアイツから薬の袋をすぐに奪い返して俺によこせ!」
男たちがそう言う。
「、、、残念だったね。その薬、あの僕が召喚したハクトウワシが今頃警察署に届けてると思うよ。警察さんを道案内してここまでハクトウワシが来たら僕の勝ちだ。」
疲れたようにヨロヨロと立ち上がり、ビルの上から路地裏を見下ろしてラクはそう言う。
「は?嘘だろ?クソガキ!オマエ!」
男たちが怒った顔をして、その後すぐに警察が来ることを察して逃げる準備を慌てて始めた。その準備をしている間にサイレンの音が近づき、すべての逃げ道をパトカーが塞ぐ。ハクトウワシが自慢げに屋上で立っているラクの腕に止まる。
「クソ!警察が!」
「お前達!違法薬物所持の疑いで逮捕する!」
警察の声が響き渡り、男たちが囲まれる。
「ちがうんだ!待ってくれ!そこのガキが!ヒビキが全部やったことだ!俺達じゃない!」
男たちはそう言われてパトカーの中に押し入れられる。その言葉を聞き、ヒビキは少し悲しそうな顔をする。
「そこの君も、関係者だね。署まで来てもらおう。」
ヒビキはそう言われてパトカーの中に入っていった。
警察署から出たのは日が暮れた深夜だった。家族や警察官から散々怒られ、もう二度とかかわらないようにと言われる。少年院行きは確定だと思ったが、警察官は君が彼らを止めたと言ってきた。意味がわからなかったが、捕まることはないようだ。
警察署から家族とともにヒビキが出ていくと、門の前に二人の少年がいた。ヒビキは少し話したい人がいるといい、二人のもとに向かう。
「オマエら、、、さっきは済まなかった。」
「いいのいいの!なんのこれしき!ま、正直死ぬかと思ったけどね。やっぱオマエ強いな!」
ハルキがそう言う。鉄パイプからはうまく逃げれたらしく、足元にはヒビキの制御下から離れた鉄パイプがおいてある。
「、、、俺、あの人達は自分のことを真に理解してくれていると思っていた。だけど、アイツラは俺を最後売ろうとした。それで気付いたんだ。俺は、、、利用されてただけなんだって。」
ヒビキがそう言うとハルキは笑いながら、だけど目は笑わずに答える。
「そんなこと少し考えれば分かるだろ。あっ、ラクには感謝しろよ。オマエの罪が軽くなったのはアイツがオマエは騙されてただけだって言ったからだぞ。」
「本当に?、、、でもなんで、、、俺はお前らをあの男たちに従って殺そうとしたんだぞ!」
そう言うとラクが口を開く。
「ゴチャゴチャうるさい。僕、オマエのことを理解しようと思ったんだ。オマエはいちいちめんどくさいやつで、性格に難あり。そして自身に孤独感を感じている。僕はオマエのことをそれぐらいしか知らない。だけどさ、オマエが間違った方向について行って、それが正しくないってわかりながらやってるのを見て、僕は、、、何ていうんだろうな。オマエを支える柱になりたいと思った。心の柱だ。とにかく、、、僕はあの男たちよりも、オマエのことを理解したいと思ってる。」
正直言葉がまとまってなくてラクが何をいいたいのかヒビキはよく分からなかった。だけど、この目の前にいる少年たちは自分のことを知ろうとしてくれている。その事はわかった。
「、、、あのさ、さっきは断ったけど、やっぱり俺、お前らの組織に、、、」
「ストップ!そんな話は後でいい!今日は家に帰って休みな。そして、明日、俺らと放課後、ゲームな!校門前でゲーム機持って待ってるからな!」
ハルキがそう言うと、二人の少年は空を飛び始めて帰り始めた。
「絶対明日ゲームな!」
ハルキとラクの声が夜の街に響き渡っていた。ヒビキの顔から笑みと少しの涙がこぼれる。ヒビキは涙を袖で拭うと家族の方に走っていった。
後日、真剣組の事務所のポストに手紙が入っていた。その手紙には水無瀬ヒビキと書かれており、真剣組に所属することを希望する内容だった。
真剣組に水無瀬ヒビキが加わった。
キャラ紹介
水無瀬 ヒビキ(みなせ ひびき)
ラクとハルキと同い年。高1。すでに能力が覚醒しており、能力を得てから周りの態度が変わったため孤独感を覚えていた。ふだんは冷静で、合理的な考えをする。実は能力関係無しに女子からモテるが、本人は能力目当てだと勝手に思っている。
能力:刀霊。自らの魂を刀に同調させて戦う。刀に意思を宿らせることにより、遠距離でも刀を操作したりできる。覚醒後の能力として、見ただけでものを斬れたり、斬撃を飛ばせたり、馬鹿みたいに身体能力が上がったり、自身が操作する刀がすごい威力になったりと、まぁ刀系だと最強クラスの能力。覚醒前は刀憑という名前だった。
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