これから
13話目!13って不吉な数字だよね。
カグヤは目を開けると見慣れない天井が見える。
「起きたか?」
星野イオがカグヤに向かって話しかける。カグヤは周りを見渡す。アラタ、ラク、ハルキ、ミクがそれぞれこちらを覗いている。全員体中に包帯などの手当をされたあとがある。
「ここは?」
「救護室だ。みんな気を失ったから運ばれてきた。」
ラクが答える。
「君たちの活躍、見事だった。感謝する。それと、我々神環がいたのにもかかわらずこのような自体に巻き込んでしまったことを深く詫びよう。本当に済まなかった。」
星野イオはそう言うと、カグヤたちに頭を下げた。カグヤは後輩たちと顔を見合わせる。
「、、、いえ、頭を上げてください。星野イオさんはあれより強い敵と戦ったんでしょ?俺達はあなたがいなければ全滅でしたよ。」
「いや、これは神環の責任だ。我々が不甲斐ないばかりに、、、」
「ほんとに頭を上げてください!、、、そんなことより、色々聞きたいことが、、、」
「、、、それもそうだな。よし、質問に答えよう。」
「まず、アイツらは何だったんですか?」
「アイツらは闇ノ九柱という闇の帝王の部下たちだ。ようは、闇の軍の中でも強い奴らだ。」
なるほど、強いわけだ。
「次に、アイツラの目的は何だったんですか?」
「わからない。というのも、我々神環は彼らの存在自体は知っていたが、実際に会うのは始めてだ。彼らの目的は今後調査を進めていくつもりだ。」
「そうですか、、、」
カグヤはハッとしたように思い出す。
「他の人達は無事だったんですか?」
「今の君たちほど怪我をしているものはいない。私以外の神環はみな気絶していた。観客たちは君たち以外の参加者や神環で気絶していなかったものが避難させてくれたようだ。私がいる限り大丈夫だろうと、私以外の強力な戦力を連れてきていなかった私の落ち度だ。」
「ソウマさんはどこに行ったんですか?」
「彼は事情聴取をした後に帰った。そういえば、変える前に君を応援していると言っていたな。ほかに質問はあるか?」
カグヤは聞きたいことをすべて聞いた。もう質問はない。
「僕は見たんですが、カグヤとあの銀髪の男の目が光ってました。あれは何だったのかわかりますか?」
ラクが口を開いた。星野イオは一瞬ぴくっと動く。
「それは本当か?!カグヤくんの目が光ったのか?!」
「えぇ、赤黒く。あのときはすごく苦しかったのであまり見れてませんが、確かに光ってました。」
「つまり、カグヤくんの能力は覚醒したということだな?!」
「覚醒?」
カグヤは首を傾げる。
「そうだ!能力者は覚醒すると目が光るんだ!私もほんのり光っているだろ?」
星野イオは少し興奮気味に言う。確かに言われてみれば星野イオの目は紫色にほんのりと光っている。
「たしかに、、、」
「あまり知られてない情報だと思うが、能力は使用者が能力の解釈を広げたり、とてつもない精神的負荷がかかったときに覚醒するんだ!ラクくんの情報が正しければ、君は覚醒したんだよ!カグヤくん!」
「えっと、、、俺は光っていたかどうか見れないのでよくわかりませんので自覚がないです。、、、それと、なんでそんなに興奮しているんですか?」
「あー、それはだな、君たちに頼みたいことがあってだな。」
「「「頼みたいこと?」」」
その場にいたみんなが口を揃えて聞く。
「あぁ。本当はトーナメントで君たちが勝ち上がったら言いたかったんだが、、、第3勢力を作ってくれないか?」
「はい?、、、ちょっと何言ってるか分からないです。」
「そうだろうな。説明しよう。私達『神環』はあくまで政府の組織だ。だから、動きが限られたり、いちいち軍を出動するのに政府の許可が必要となる。そんなことをしている間に市民が危険にあったらどうする?そこで君たちだ。君たちにはあくまで『民間の』戦闘組織を作ってもらいたい。我々と同じように彼らを追ってほしい。」
「そんな危険なこと、、、」
ラクが喋ろうとする。
「危険なのは十分承知だ。だから君たちみたいな強者をこのトーナメントで見定めて、その組織を作ってもらおうと思ったんだ。君たち頼みを受けてくれるか?」
「、、、それで、人が助かるんですか?」
カグヤは問う。
「あぁ、おそらく今よりは能力によって殺されるものは減るだろう。」
「、、、すみません、少し話し合います。」
カグヤは後輩たちの方を向く。
「おい、どうする?」
「俺は賛成。面白そうだし、俺の強さが世に広まるなら。」
「俺も。少し興味ある。」
アラタとハルキは予想道理の答えだ。
「僕は反対だ。そんな危ないことやって死んだらどうするよ。それに、僕らはまだ学生だぞ。」
「そもそもなんであたしはあんたらに巻き込まれてるんだ?!」
ラクとミクは反対派のようだ。
「俺は人を救いたい。誰かの命が俺の力で救えるなら、救いたい。」
カグヤは賛成派に入った。
「多数決なら組織を作ることになる。入りたくないならラクと黒澤ミクさんは入らなくていいから、俺達だけで作る。」
「ちょっと待った!僕はオマエらが勝手に死んだりしたら耐えれんぞ!なら僕も入る!」
「あたしは反対なんて一言も言ってない!それに、強いやつと合法的に戦えるんだろ?入らない手は無いだろ!」
これで全員賛成だ。
「やります。」
カグヤは星野イオに向かって宣言した。
高尾 ソウマは都会から少し離れた駅で降り、家に向かって帰っていた。今日は色々あったな。カグヤくんを止めることができて良かった。彼に殺しをさせずにすんで良かった。あの銀髪の男を逃がしてしまったが、それでも少年に罪を背負わせなくて住んでよかった。そんな事をずっと考えていた。
「はぁー、今日はつかれた。家に帰って妻の顔を早くみたいな。東京土産、喜ぶかなぁ。」
独り言でそんな事を言う。ソウマはワクワクしていた。あの少年たちは絶対に今後世界に名を轟かせる。それが楽しみでしょうがなかった。
神社の前を通ったとき、ソウマは自身の腹部に違和感を覚えた。
「、、、は?」
腹を見る。刀が腹を貫通しており、自身の腹からありえないほど血が出ている。
「ゴボッ!」
ソウマは血を吐く。なぜだ?なぜ自分がこんな目にあっている?
「すまんな。すぐあの世にいかせてやる。高尾 ソウマくん。オマエの能力は覚醒前でも使い勝手がいい。」
知らない声だ。
「やめろ、、、私には妻と、、、子供が、、、小学校に入ったばかりの子供がいるんだ、、、」
「ソウマくん、オマエに罪はない。憎むなら自身の能力を恨むんだな。」
意識が遠のいていく。まだ、生きないと、、、お土産、まだ渡してない、、、子供の、妻の喜ぶ顔が見たい、、、せめて、せめてそれだけは、、、
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ソウマは最後の力を振り絞って自身に刺さった刀を抜こうとする。手が切れて血が出るが、そんなことお構い無しにぬこうとする。
「そんなことしなくてもすぐにいかせてやる。」
刀が拗られる。腹が切り裂ける。内臓が飛び出そうになる。
「まだだ、、、まだ、、、死ぬわけには、、、」
「しぶといな。」
「あな、、、たがな、、ぜこんなことをす、、るかは知らな、、い。 、、、だが、、、いずれ罰、、、が、、、くだされる、、、あ、、なたは、、、絶対に、、救わ、、、れない、、、だろう、、、。」
「呪の言葉のつもりか?そんな言葉、これまでいくらでも聞いてきた。安心しろ。おまえの死は無駄じゃないから。」
夜のとある家では主人の帰りをその妻と子供が待っていた。
「ねぇ、お母さん、お父さんまだかなぁ。」
「そろそろ帰ってくるはずよ。ほんと、心配かけさせるんだから。まさかトーナメント会場であんな事件が起こるなんてね。でも、お父さんはさっき帰って来るってメールあったから。そろそろ帰ってくるわよ〜!」
「やったぁ!おみやげもらうんだ!それとね、しあいについても沢山話してもらうんだぁ!」
「そうね!私も待ち遠しいわ!さっ、帰ってきて玄関が開いたら、お父さんにクラッカーを鳴らしておかえりって言ってあげましょ?」
「クラッカーって、あのパンッ!ってなるやつだよね?僕、あれ大好き!!」
親子は玄関の前でクラッカーを構え、主人の帰りを待った。しかし、その日にドアが開くことはなかった。
やっと物語がスタートラインに立ちました!コメント募集中!!
高尾 ソウマ(たかお そうま)
40代のサラリーマン。髪型は七三分け。家族愛が強く、また真面目であり、人を殺すなどと言った非人道的行為を嫌う。
能力:念動捻転。衝撃波を放ち、相手やその武器のベクトルを逆転させられる。
追記:初期案では学生キャラだった。また、作者に名前を間違えられて途中から書かれており、修正された人。さらに、カグヤが人を殺すのを止めるという役目を果たした後、(そろそろ、一人くらい殺しとくか。)という軽いノリで殺されることが決定した可哀想な人。




