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12

学園長室にて。




「なんでただの調査任務から王子救出に悪の組織逮捕……なんてことになるんだ、おまえらは……」



担任に心底面倒くさそうである。



「ですが、俺たちの判断は間違っていなかったはずです。」



誠実は堂々と言い放つ。



「まぁ、そうなんだけど。優秀すぎるのも問題だな……」



「ふほっほっほー、良いではないかお主の仕事も楽になるだろう。」



「いや、むしろ、増える気が……」



担任は15番隊がこれからもたらすだろう面倒事をいろいろ想定して意気消沈していた。



「そんなことよりもぉー、本当に王子様なんですねぇー。あんなところに閉じ込められて大丈夫でしたかー?」



桃に話しかけられた王子は見事な王子スマイルを浮かべた。

鈴香と誠実のおかげでいろいろ吹っ切れたようである。



「ああ、全部君たちのおかげだよ。本当にありがとう。」



「遅くなって申し訳ありませんでした。」



担任は頭を下げた。


王子は首を振りながら笑って言った。



「いや、僕が誘拐されたことにまだ誰も気がついていなかっただろう。君が彼らを森の調査に派遣してくれなかったら、僕はまだあそこにいたよ。」



王子は担任に頭を上げさせた後、4人に視線を向けた。



「君たちには本当に感謝している。お礼になるかはわからないが、僕ができることならなんだってしよう。」



4人はお互いに顔を見合わせた。



「王子のことを見つけたのは翼くんだし、翼くんのおかげだよ。」



鈴香がまず口を開いた。



「あはは、俺だけじゃ秘密組織に突っ込んで王子救出なんてできなかったよ。」



「野坂がいなければ組織の全員の逮捕なんて無理だったしな。」



「それならー、鈴香ちゃんの能力がなかったらー……」



鈴香がプレゼントと称して桃に投げたのは一つのペンダントであった。

そのペンダントは音符やマイクが散りばめられている可愛らしいデザインであった。

つまり、桃は鈴香が実現させたマイクで組織の全員を眠らせたのである。




「あははははっ」と鈴香が笑い出して桃と翼も笑い出した。

誠実の口元も緩んだ。



「あはははっ、君たち全員のおかげだよ。もしも困ったことがあったら何でも言ってね。」



王子は相変わらず王子スマイルを浮かべていたが、どことなく楽しそうだった。















王子に迎えが来て担任と理事長は城に向かった。



4人は帰り道の途中である。



「そういえば、なんで長瀬の名前は覚えていたんだ?」



誠実は先ほど持った疑問を鈴香にぶつけた。



「ああ、だって、翼くんはみんなに名前で呼ばれてるし。誠実くんはみんな委員長呼びだったもん。」



「ふーん。」



翼はにやにやしながら誠実に向かって口を開いた。



「あっれー?委員長、男の嫉妬は何とやらだよー?」



誠実は眉間にしわを寄せた。



「はぁ?誰が……」



「まあまあ、みんな仲良しってことでいいじゃないですかぁー。」



「そうだねー。」



桃と鈴香は2人向き合って笑っていた。





彼らの15番隊の初任務はこうして終了した。









変人と呼ばれる彼らの15番隊はまだ始まったばかりだ。


はちゃめちゃでまとまりがなく個人主義の集まり。

唯一の常識人で15番隊を上手くまとめている優等生も案外非常識である。


だが、彼らは彼らなり上手っていけそうである。

変人だが、優秀すぎる彼らはいったいこれからどんな任務をこなすのか。それはまだ誰も知らない。






〈あとがき〉


なんだか長くなってしまい申し訳ありません。


途中で1回切っても良かったのですが、初任務までは書きたかったので……



皆さんお気づきでしょうが、この話も続きます。



最初に書いたようにこの話は私の趣味を題材にした話を書きたくて生まれました。


つまり、ハンドメイド(手芸)の話を書きたかったのです。



以下はちょっとした説明です。


今回登場した鈴香の作品は、

猫=ぬいぐるみ

布団=布クッション

狼=あみぐるみ

ペガサスのペンダント=UVレジン(ペガサスのシートを封入)

扉=UVレジン(扉のパーツを封入)

桃のマイク=UVレジン(マイクのパーツや音符などを封入)

となっています。


ちなみに、実際のハンドメイドはそんなに簡単にはできません。

きっと鈴香がものすごく器用で手際がいいんです。


あと、UVレジンに関しては、持ち運びのできるUVランプを鈴香はいつも持っているということにしてください。

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