VSアウローラ
独立国家テスタメント学園のすぐ近くの闘技場で、試合が始まろうとしている。
片方は、黒髪の中性的な男子生徒。片方は、紅連のような紅の髪のツーサイドアップの美少女な女子生徒だ。
「ユーリあんたって、魔法と気どちらか出来る?」
「どっちも出来る」
アウローラが優里に魔法か気かどちらか使えるか聞いてきたので優里は、どちらも出来ると答えた。
「じゃあ、魔法とか気とか遠慮しないで使えるわね」
「そうだな。じゃあ」
「ええ」
「「《契約武器》」」
※前回優里が顕現させた《契約武器》の双剣はレイア先生がコンビを組めと言った時に戻しています。
アウローラと優里は、同時に《契約武器》を顕現させた。
アウローラの顕現させた《契約武器》の形態は、真夜中を連想させる漆黒の刀。
優里の顕現させた《契約武器》の形態は、全てを切り裂くような白銀の鉤爪。
「あれ?さっき顕現させた双剣とは違うのね」
「ああ。でも弱くなったりすることはないから大丈夫だ」
アウローラと優里の2人は、会話を止めそれぞれの《契約武器》を構えた。
(忘れていたけど、このブレスレットってどこまで力を封印しているんだ?昨日確認しとけばよかったな)
優里は構えている時にそんなことを思っていた。
「行くわよ!ユーリ!」
アウローラは、神威を高めて黄金のオーラを身体に纏って優里に斬りかかりに走る。
(あっちが気で来るならこっちも気でいくか。ていうか、ウルの【契約武器】は気を使う方が向いているからな)
優里も神威を高めて白銀のオーラを身体に纏って迎え撃つ。
アウローラと優里の距離が近くなっていく。
「剛力!はあああ!」
【剛力】
気の基礎の初歩。神威を身体に纏わせ身体能力全てを底上げする技。これが最初に出来なければ気を扱うことは出来ない。
アウローラが優里に《契約武器》の漆黒の刀を斬りつけるが
「!?」
優里の姿が消えた。それも一瞬にしてあたかもいなかったかのように。
「っ!」
アウローラは、後ろに気配を感じとっさに漆黒の刀で防いだが、優里の纏った神威の方が強く鉤爪でアウローラを数メートル吹き飛ばした。
「大丈夫か?」
(ブレスレットで封印していてもこんなもんか)
「平気よ。それよりあんたに謝るわ。少しなめていたわ。今から本気を出すわ」
そう言ってアウローラは無傷ではないが立ち上がって刀を構えていた。
「行くわよ!」
「燃え盛る炎よ、我が身に纏い、敵を燃やせ!
付与火炎」
アウローラは、炎属性の下級魔法の付与魔法を詠唱し漆黒の刀に炎を纏わす。
(それだけか?それだけならさっきと同じだぞ)
「まだこれで終わりじゃないわよ!」
優里の思考を読んだかのようにアウローラは詠唱し始める。
「空を羽ばたく力をここに、炎はついに天に昇る!
さあ今こそ火の粉を散らし、飛翔せよ!
灼熱の翼」
更にアウローラは、炎属性の中級魔法の飛行魔法を詠唱して、自分の背中から灼熱に燃え続ける翼を出し、上空に上がり、優里を狙う。
「うん、あれは」
レイアがアウローラと優里の試合しているところを見つけ興味が出たのか観戦しだした。
(下級魔法を継続したまま中級魔法の発動か。無理をしているようには見えないか。まだ魔法や気を使えない者がいる新入生の中では群を抜いているな)
「これで仕上げよ!」
「灼熱の翼よ、迫り来る敵を撃ち落とせ!
舞い散る羽根よ、今ここに敵を撃つ力となれ!
灼熱翼の弾丸」
アウローラは続いて炎属性の中級魔法を詠唱した。
アウローラの灼熱に燃える翼から無数の羽根が弾丸となって優里に襲い掛かる。
(ほう更には灼熱翼の弾丸まで使うか)
レイアは、自分の生徒の優秀さに少し驚く。
(炎の翼で飛んで俺に近寄せないようにして、遠距離の炎の羽根で攻撃して、もし接近してきたら、炎で纏った刀で斬る作戦か。良い作戦だな)
「だけど、当たらなければ関係ないよな!」
優里はそう言いさっきより自分の神威を高める。そこにアウローラが放った灼熱翼の弾丸が優里を襲う・・・・が
「当たらない!?」
アウローラは驚いた。優里が取った行動は、さっきのように一瞬で消えるのでは無く、襲いかかる無数の羽根を避けながら空を蹴ってアウローラに向かってきたからだ。
【天歩】
気の中で上位に属する技。神威を足に纏わせ、天空を蹴ることで空中戦に対応した技。
「はああああ!!!!」
アウローラは翼を羽ばたかせ加速し、優里を斬りにかかる。
「アウローラも魔法使ったから俺も使うぞ!」
「暗き闇を照らし出せ!
閃光」
優里が詠唱した魔法は、光属性の下級魔法。それも威力皆無でただ神威を輝かせるだけ。全然好まれておらず戦闘中に使う者は限りなく0に等しい。
「!?」
アウローラは閃光を近距離で受けてしまったので目をとっさに瞑ってしまう。
そこにすかさず優里が二撃与え、最後にアウローラの足を掴んで地面に叩きつける。
「ぐはっ!」
アウローラが落ちた所にクレーターができた。アウローラは苦しそうに刀を支えにして立ち上がる。
(もう私の身体は持たない。だから最後に私の今の全力の力をだすわ)
アウローラはそう決心し再度、神威の全開まで高める。
「いくわよユーリ!これが私の最後の攻撃!!」
「ああ、来い。返り討ちにしてやる!」
優里も神威を再度高める。2人が行動を開始させようとしたその時
「新城、フロガもう試合はそこで終わりだ」
「レイア先生何故ですか?私はまだ戦えます」
アウローラがレイアに興奮したように意見する。
「どこが戦える状態だ。ボロボロじゃないか。それに」
「それに?」
アウローラがレイアの言葉を聞き返した瞬間!
アウローラの服が所々破れ、アウローラの太股の部分が大胆にみえ、極めつけは、アウローラの豊かな胸が活きよい良く飛び出て露になる。
「あ、ああああ////////」
アウローラはレイアに意見した時の興奮状態が見る影も無くなった。だが、今度は、半泣きに羞恥に顔を真っ赤にさせて自分の大事な部分を隠して優里に近づいて来る。
「そ、そのこれは、すまん」
優里は上半身を90度曲げて誤った。だがそれだけで許してくれるほど現実は甘くない。
「ユーリのバカァァァァァァァァァァァァァァ」
アウローラは剛力を使い優里に蹴りを放つ。
「ぐはっ!!」
優里は何回か地面にバウンドしながら吹き飛んだ。
「まったく、あいつらは」
「はああ、これはやられても文句を言えないよ」
「そうだな。」
レイアがため息を吐き、リュキアが苦笑いし、アルドは、リュキアの意見に賛同する。(リュキアとアルドはアウローラの方は見ていない)
「ふん、ユーリのエッチ」
アウローラは小さくそう言い、レイアに許可を貰い、着替えに闘技場を出て行った。
来週は多分投稿できないと思います。