↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何万回目の初恋  作者: 檻 依舞 (おりーぶ)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/6

前世の嫁が家に来ました


数日後。


家で母は夕飯を作り、父はテレビを見ていた。


『でさ…父ちゃんがまた今度BBQしようと…』


「おー!それは最高や!霜降りあるん?」


『当たり前たい!しかも佐賀牛のやつ…俺の好きなハラミもあるたい!』


俺は迅と電話していた。


迅とは幼稚園の頃からお互い家を行き来して、電話もゲームもよくする。


よく学校でもクラスは同じなことが多かった。


いつもの飯。


いつもの家族。


だが、それらはある人物によって変えられた。


ピンポーン。


「はーい」


玄関からインターホンの音が鳴り、母が開ける。


「はー………え?」


「初めまして…近くに引っ越ししてきた杭幕甘海と申します…。あの…夏牙君のお宅は、こちらでしょうか?」


母親が、まさかの人物に出会ってしまった。


「ど、なんね!こんな可愛か子!な、夏牙の…な、なんね!」


「ええと…お友達です。方向音痴で…迅君に案内してもらったんです」


「迅まで………あんたー!」


母の騒ぎっぷりに、リビングでテレビを見ていた父も驚いて玄関へ向かう。


「……さっきから騒ぎ過ぎたい。どげんしたと?」


「あんた……な、夏牙の…!」


「初めまして…」


「可愛かねっ!な、夏牙…なんでこん子ば早う紹介せんかったと!」


父親も彼女を見て驚いた。


「何の用ね?」


「あの…前夏牙君にパーカーお借りしてたので返しに来たついでに…ご飯作り過ぎたのでお裾分けを…あ、私…杭幕甘海と申します」


「そうだったとね…俺は夏牙の父ちゃんたい。熊本出身だけん。熊本弁が出るばってん気にせんでね」


「よろしくお願いします。夏牙君も熊本弁出てますよね」


「そりゃうちらのバカ息子やけんね」


その彼女はリビングに座った。


「夏牙、ちょっと来んしゃいっ!」


俺は、母親に呼ばれ、下の階に降りた。


****


「なんね…今いいところだったのに…」


「いいところじゃなか!甘海ちゃん来とるよ」


下の階に降りると、甘海がリビングにいた。


甘海の服は今日も綺麗になのに。


俺はTシャツとスウェット。


「あ、甘海……」


「夏牙君…パーカーありがとう。返しに来たの」


甘海がこちらに微笑む。


顔が熱くなるのが分かる。


「甘海ちゃんは良か子ばい」


母が熊本弁になる。


「ありがとうございます」


「うんうん…うちのバカ息子とは大違いたい」


「母ちゃん!気が早か!」


甘海がくすくす笑う。


「ふふっ」


「俺の扱い雑!」


父親も笑う。


「もう甘海ちゃん、うちの娘みたいなもんたい」


「父ちゃんも気が早か!」


「お前は黙っとき」


そしてその時。


玄関の奥から音がした。


「ただいまー!」


「おかえり!お客さん来とるよー!」


このタイミングで、俺の姉も帰ってきた。


「へぇ…いらっしゃ………っ!」


リビングに座った甘海を見る。


「……………」


姉も言葉を失う。


甘海が振り返る。


「初めまして。杭幕甘海と申します」


「この子誰ね?」


「隣に引っ越してきた─」


「可愛か子たい!」


「何歳?彼氏いる?好きな食べ物は?」


姉が甘海のところに駆け寄る。


「今年十九歳で彼氏はいないです……桃と紅茶、ほうとうが好きです」


「うわぁ……めっちゃ可愛か…髪艶々…」


「ありがとうございます」


「よか匂い…お肌ばり綺麗…」


「姉ちゃん、舐め回すよう見るんじゃなか!」


姉が甘海に興味津々で、甘海を全体的に見る。


「あはは…ありがとうございます」


「甘海ちゃんって呼んでよか?お姉ちゃんと呼んでよかけん!」


「はい」


「じゃあ…キスしてよか?」


この姉がおかしいのか、甘海が超絶美少女だからか。


分からなくなっていた。


「姉ちゃん!キスはあかん!俺のもんたい!」


「まぁ…あんたら何ば言いよっと!甘海ちゃんは嫁ばなるったい!」


「母ちゃんまで何言っとーと!」


「いやぁ困っとったんよ…こんバカ息子ほんと食うけん…嫁選びに困っとったい」


「父ちゃんまで!」


母も父も。


俺よりも、甘海を気に入ってる。


「中々こげな子現れんよ…夏牙、頑張りんしゃい」


父に背中を叩かれる。


「うん…」


改めて決めた。


絶対、今世の甘海を幸せにしたいと─。



……To be continued

第五話を読んでいただき、ありがとうございます。


次回から、甘海の中に眠る人格を描きます。

天然美人女子大生に振り回される、九州男児高校生五人の転生ラブコメディが始まります。


それではまた次回─。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
夏牙にとっては何千万回も人生を共にした相手なのに、甘海にとっては初めての出会いという関係が切なくも素敵ですね。彼女の笑顔や声を覚えている夏牙が、今世では改めて恋を始めようとする姿が印象的でした。 迅…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。