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宇宙戦艦に魔法は使えません。  作者: 野紫
4章
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4-7.罪の告白

前回あらすじ:キューさん念願の白馬を手に入れました。

 ミラストさんに、ユニコーンの事を秘密にしてもらうよう頼んだ。

 鬼人族だから、簡単には約束を破らないと思う。

 何故か、へタレと呼ばれたが。


 馬は白い姿で付いてきた。

 ある程度選べるらしく、キューさんが白馬でいる事をたのんで、こうなった。

 目立つので、月が出ていない時は普通の色にしてたらしい。


 村に帰ってきたら、白馬が珍しいのか村人が集まってきた。

 人に慣れていないので、触らないようにお願いした。

 基本馬は、触られるのを嫌がるみたいだ、ミナケラも嫌がられてるし。




 翌朝早くに、竜人族のケミナルス様が来た。

 朝から静かな緊張が村を覆っていて、その緊張で目が覚めたほどだ。


 ケミナルス様は1人、俺たちの使っていた家を訪ねてきた。


「君等が、約束の物を持ってくるはずだった冒険者かな。

 申し訳ないが彼らと話がしたいので、他の者は出ていってくれないか」

 と鬼人族に出ていくよう促した。


 シシさんはすぐに席を立ったが、ラヌさんは動こうとしない。

 それどころか、頭を下げ

「私をこの場においていただけないでしょうか。

 このラヌ、『問題がない』との言葉だけで、納得出来るものではありません。

 我らにとって約束とは命をかけてでも守るべきもの。

 わけを知りたいのです、私のした事が何だったのかを、同席をお許し下さい」


 竜人族は鬼人族の彼女を見てるが、何も言わない。


「外に漏れる事を恐れているのなら、ご心配はありません。

 私はただ、事実を知りたいだけでございます。

 秘密を知ったこの身を、外に出す気はございません」


 死ぬ気かラヌさん。

 それはいくらなんでも、硬すぎるよ。


「それでは、ますます話せなくなるではないか。

 人に知られたくない話はする、だがそれでお前が死ぬ必要はない。

 これから話す秘密は、元々この家の外にある」


 ケミナルス様が、ラヌさんの同席を許可した、死ぬ必要も無い。


 でも『竜騎士』の話だけで、そこまでの秘密にはならないはずだ。

 これは、何かに巻き込まれてるよな。


「ただし、今後口にする事は禁止だ」


 絶対の秘密と言う事か。


「なら、済まないが君には出ていって欲しい」

 と俺は後ろを向いて語りかけた。


「誰に話してんの?」とキューさん。


 すると俺の視線の先がぼやけ、人の姿を取り始めた。

 人狼族の男が、姿を現した。


「気づいていたのか」と人狼族の男。


「俺は『ロハイラの耳』を持っているかな」


「そんなもので、俺の隠形を見破れるものか」


 ケミナルス様は人狼族の男に対して

「私は、出ていってくれと言ったのだが」

 怒ってはいないが、逆らう事は拒絶している。


「我ら人狼族は、情報を集め、国ため動いております。

 ここにいるのも我が長の命令、龍人族ケミナルス殿といえども引けません。

 私もこの場に置いていただきたく、お願いいたします」

 と男も頭を下げる。


「鬼人族の娘は、自分の命と引き換えに、秘密を知る事を申し出た。

 だがお前は、秘密を長に伝えるためにここにいる」


 そもそもが、人に伝えるのが目的だから、許可はしないと。


「それに、この冒険者が言い出さなければ、お前はそのまま盗み聞くつもりだったのだろう。

 約束をかわすに値しない」


 ケミナルス様はきっぱりと、人狼族を否定した。


 長からの指示にしたがっただけで、彼には責任が無いだろうが。

 秘事に関わりを持つなら、信用が絶対に必要だ、彼らのやり方は最悪の方法だ。

 全員の視線を受け、人狼族は出ていった。


「いつから、気づいてたの」


「この村に入る時に一緒に入ってきた。

 一応は鬼人族の長の許可は、もらってたんじゃないかな」


 バレた時の事を考えると、人狼族の独断とは考えにくい。

 しかも数人が交代で俺たちに付いて、その交代は隣の空き家に待機していた。


「さて、気を取り直して、話を始めようか。

 私が君たちの運んでくるものを待っていた、竜人族のケミナルスだ。


 さて君達は、誰に頼まれ、何を持ってくる予定だった?」


 まずは、俺たちを試すか。


「事を頼んだのはカリギュナー王国の宰相ウギン・ヘンネベル公爵様。

 頼まれたのは『竜騎士』のドラゴンの卵、その奪還と輸送」


 俺はゆっくりと答えた。


「それで、その荷がここに無い理由は」


「卵の奪還時に全て孵ってしまい、全てのドラゴンが空に飛び立ったからです」


「そうか」


 卵が孵った話は初めて聞いたはずだが、驚いていない。


「お教え下さい。

 ケミナルス様は、何故卵が孵った事を知っているのですか」


 知っていた、そうでなければ彼の行動が納得できない。


「簡単なことだ。

 飛び立ったドラゴンが数頭、私の住む山に飛んできたからだ。

 何が有ったかは、彼らに聞いた」


「そうなんですか」


「彼らは元々いた場所に、戻ってきたのだ」


 元々いた場所?

「そうか、卵は前の大戦時に各地から集められた。

 その1つがこの国だったんだ」


「そうだ、私のもとにドラゴンの卵が有ることを『竜騎士』が知って、魔王と戦うため力としてドラゴンの卵を貸せと言ってきたのだ。

『竜騎士』とは盟約をし、卵を貸し出した。


 騙されたのだが、当時はそれが正しい事だと考えていた」


 300年以上前の話だ、竜人族はエルフ以上に長生きな種族なのか。


「短命の人族の中で、盟約は忘れ去られ、卵は戻されなかった。

 だが、その盟約を宰相が見つけ、我らに返すと連絡をくれた。

 長い間ありがとうとのお礼と、申し訳ないとの謝罪の言葉が添えられてな」


「そういう事でしたか。

『竜騎士』が各地で生まれるでしょう、再び魔王軍との戦いの力になります」


「そう成ればと、願っている」


 ケミナルス様は遠くを見て話している、俺たちに言っているのではない。


「我ら竜人族は魔王を討たなければならない、それは悲願、いや宿命なのだ。

 その為だけに、我らは存在している。


 女王様に、魔王討伐に参戦する事を禁じられている。

 生きろと、それが我らに与えられた罰だと」



 そう言うと、突然頭を地に付けて

「『銀鱗翼竜(ケフロイヤ)』様、申し訳ありません。

 龍人族は『罪の一族』、この地に魔王を呼び寄せた一族なのです」


 魔王を呼びよせた!


 ・

 ・

 ・


「私は魔王討伐の使命を持って、守護竜(ガーディアンドラゴン)として生を受けている。

 その話し詳しく聞く権利があると思うぞ」


 とケイトさん、でも今のは銀鱗翼竜(ケフロイヤ)としての発言だ。


「はい、最初からそのつもりでおります。

 守護竜(ガーディアンドラゴン)様とお会いした時、我らは真実を伝える義務を持っておりますゆえ。


 我ら龍人族は不老の存在、寿命がありません。

 魔力も強大で、並ぶ者もいませんでした。


 そのような我らにも、1つ出来ない事はありました。

 次の世代を生む力を与えられなかったのです。

 子を産み育てるという事が、出来ませんでした。


 そこに不満が生まれ、不信に育ったのです。

 創造主は我らを恐れている、我らは愛されていないと。


 同じく創造主に作られながら、創造主との間に子を為せる者たちさえいたのです。

 そうでなくとも、同族同士で子を作り、仲間を増やして行く。


 我らにはそれがない。

 いくら寿命が無くとも、いずれは消えてしまう存在。


 不信はやがて、この世界への憎悪に変わっていき、この世界を滅ぼそうという考えを、持つ者たちが出てきてしまった。


 だが私達では創造主には、逆らえない。

 そのため外から、対抗出来る『力』を探してよんだのです。

 その外から呼んだ『力』が魔王なのです。


 魔王は過去に7つの世界を滅ぼしていました。

 8つ目の世界とするために、この地に召喚したのです。


 その企みに我が一族の3分の1が加わりました」


 ・

 ・

 ・

 この世界に魔王を召喚した!


「魔王がいると言うことは、そのたくらみは成功したんですね。

 貴方も加わった1人ですか」と銀鱗翼竜(ケフロイヤ)


「いいえ、召喚の儀式に参加した者は、全て魔王召喚時に滅しました。


 残っている竜人族は、私も含め企てに参加しなかった者たちです。

 ですが、彼らが何を考えていたか知ろうとしていませんでした、知っていれば我々は止められたはずです」


 だから『罪の一族』なのか。


「魔王召喚の衝撃は、世界を覆い多くの生き物を死滅させました。

 そして魔王は強力なゴーレムを使い、世界を蹂躙し始めたのです。


 創造主は持てる力の全てを使って、魔王との戦いを開始したのです。


 魔王軍のゴーレムは強力でしたが、数は有りませんでした。

 創造主側は、1人1人はか弱きものでしたが協力しあい、魔王軍と戦ったのです。


 当初、魔王軍との力の差は大きかったのですが、徐々に盛り返していき。

 戦いの末期には、守護竜(ガーディアンドラゴン)が生み出され、流れは一気に変わりました。


 魔王を拠点の島に閉じ込め、もう少しというところで、創造主がいなくなり戦いは決着が付かぬまま終わりました。

 これが、魔王召喚から200年続いた戦いで、後に第一次魔王大戦と呼ばれているものです」


 ケミナルス様の告白が終わった。


銀鱗翼竜(ケフロイヤ)様は我らが犯した罪に対抗する為、生み出されたのです。

 申し訳ありません。


 みなさんにも謝罪を、私はこの地に生きるもの全てに謝らなければならない」


 また、頭を下げた。

 これを言いたかったのか。


[ヨガ、創造主の事を聞いてください]


 ビチュレイリワが割り込んできた、彼女の声はいつも通りだが、何か違うもしかして慌てている?

 俺も話を飲み込めてない、少し待ってくれ。


「ケミナルス様が魔王を呼んだのではありません。

 頭を上げて下さい。

 ですが何故この事が秘密にされているのですか」とキューさん。


 俺もだが、誰も怒ってはいない、話についていけて無いからだと思う。


「創造主が決められた事だ。

 知られれば我らは、責任を負わされ滅んだだろう、それほどの事をしたのだから。

 それよりも、我らの力を魔王を除くために使えと。


 我らは、創造主の遺産を守っている。

 守護竜(ガーディアンドラゴン)が生まれた場所だ」


「私達が、生まれた場所...」


「残念ながら、銀鱗翼竜(ケフロイヤ)様でも、ご案内できません。

 鬼人族にも別の山を指定していましたから、場所は誰もしりません」


「女王様から、戦いへの参加を禁じられていると言われてましたが、どうしてですか」とリーシェさん、よく聞いてるよな。


「第一次魔王大戦で魔王を滅ぼすことは出来なかった、いずれ魔王が力を取り戻して襲って来ることは明白。

 現に魔王軍は守護竜(ガーディアンドラゴン)に対抗するため、原始ドラゴンのドラゴンを捉え黒竜を生み出した。

 1体では及ばないが、数を揃えれば驚異となる。

 創造主がいなくなり、新たに守護竜(ガーディアンドラゴン)を生み出す事は出来ないのだから。


 この状況を打破するため、我らは龍の力を暴走させ、新たな力として生まれ変わる方法を生み出した。

 竜人族では無くなるが、これを罰として全員が受け入れるつもりでした。


 それを止めたのが女王様です。

 第一次魔王大戦後に目覚められ、この地に国を作り治め始めた。


 安易に死を選ぶなと、この戦いの結末を見ることが、我らへの罰と言われました。

 創造主より権限を譲渡された女王様は、我らより上位の存在です、その言葉に従うしかありません。


 今の『竜騎士』のドラゴンは、かつての同胞の子孫たちです。

 生まれ変わることで、あれほど望んだ子をなすことが出来るようになっていました。

 皮肉なものです」


[ヨガ、創造主の事を]

 少しは考える時間をくれよ。


「ケミナルス様、話にでてきた創造主とはどのようなかたです。

 神話の中では聞いた事がございません」

 これでいい?


 キューさんを向くと、うなずいて同意。

 創造主なんて初めて聞いた。


「神話の中に出てこないのは理由がある。

 創造主とはその名の通り、我らを生み出した方々だ。

 神と呼ばれる事を、頑なに拒絶された。


 人々に語り継がれている神話は、創造主が話したものが基本になっている。

 だから、その中に創造主は、出てこない」


「お会いした事は?」


「私は直接会ったことがない。

 女王様は会った事はあるはずだが、何も話してはくれない。

 恐れ多くて、聞いてもいないが」

彼の語りで終わってしまった...作者の能力が全然たりません。


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