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宇宙戦艦に魔法は使えません。  作者: 野紫
3章
44/104

3-12.クグの宿にて

前回あらすじ:裸の美人ゲット!


今回で3章終わりです

 国印のある依頼書のおかげで、カリギュナーからは簡単に出ることができた。

 隣国シュルクはカリギュナーの属国のようなものなので、ここも素通り。


 その先は小国クグ王国、街と呼べるのは1つだけの小さな国だ。

 西に深い森があり、森を抜ければ目的地の亜人の国になる。


 クグまでは急いで来たので、ここで一息入れるつもりだ。

 部屋をとった宿には風呂があり、久しぶりにゆっくり入れた。


 ケフロイヤからは詳しい話は聞いていない、安全な場所までの移動を優先していたからだ。

 ただ、彼女が新しい『銀鱗翼竜(ケフロイヤ)』だとは聞いた。

 彼女の話は絶対面倒なはずで、余計なことを考えたくなかったためでもある。


 今夜は部屋に酒を持ち込んで、話を聞いている。


「まず確認なんだが、君は人なのかそれともドラゴンなのか」


「だから名前呼んでくれと言ってるだろう、ケフロイヤって名前があるんだからさ」


 彼女の口調は、目覚めた時とはかなり違う。

 守護竜(ガーディアンドラゴン)として話している自覚がある時は自然にああなるそうだ。


「いや、仰々しくてその名前は呼べない」


「それに人前でも口に出せないかな、なんとなく恥ずかしい」


「何で恥ずかしいのさ」


「自分の子供に守護竜(ガーディアンドラゴン)の名前を付ける親はいない、痛すぎる」


 キューさんの言う通り、普通のこの名前はないな。


「ケフロイヤ様、できましたならば、私達と一緒に時には偽名を使っていただけないでしょうか」


「偽名か・・・

 それじゃケイト。

 ケイトって呼んでくれ」


 普通にある女性の名前だ、生まれたばかりで一般的な名前を何故知ってるのか。


「ではケイト様と呼ばさせていただきます」


「様はいらないよ。

 貴方はどうしてそんな畏まって私に話す、普通にしてくれないかな」


守護竜(ガーディアンドラゴン)様と普通に話すなど私にはできません」


 キューさんはすでに普通に話してる、リーシェさん遠慮しすぎだと思う。

 そう言う俺も構えて話してるけど。


「さっきの彼の質問の答えになるけど、私は人だよ。

 君たちと変わらない、遠慮は不要さ」


「人でも、ご身分の有る方々へは、相応の対応をします」


「王は国があり玉座に座ってこそ王だろう、国を失った王は王でない。

 今の私がそれだ。

 守護竜(ガーディアンドラゴン)の時はいくらでも敬ってくれていい、だが今の私は生まれたばかりの可愛い女の子だ」


 可愛いには無理があると思うが。


 リーシェさん、少し考えて

「わかりましたケイトさん、よろしくお願いします」


「こちらこそ、よろしく」


 彼女の名前の件はこれで決着。

 さっきケイトさんサラッと重要なことを言ってなかったか。


「ケイトさんが人だと言うのはわかりました。

 では守護竜(ガーディアンドラゴン)は、全てが人なのですか」


「私と一緒、私は自分を人だと思ってる。

 人を守る使命を持って生まれているので守護竜(ガーディアンドラゴン)の力を与えられている。

 そんな感じかな」


「その力を与えたのは神様?」


 さすが神に使える者、そこが気になりますか。


「わからないな、それに関しての知識はない」


「知識か。

 ケイトって生まれたばかりで、いろんなこと知ってるけど何で」


「卵の中にいる間に教えてもらっていたからね。

 私が生まれる時には母上はすでにいないから、生まれて1人で生きていく必要がある。

 そのために知識だけは卵の時から蓄えてた。


 今は守護竜(ガーディアンドラゴン)の姿には成れないが、なれたとしてもしばらくは人の街で暮らすのが普通だから。

 街での常識は教え込まれている」


守護竜(ガーディアンドラゴン)が街に住む」


「何を驚いている、母上もそうしていたぞ。

 私達と共に戦う『人界の盾十国』は特に重要な国だから、冒険者として見て回っていた」


 守護竜(ガーディアンドラゴン)の姿が消えている間は、人として街にいるのか。


「寿命は500から600年だけど、エルフまじりみたいなものかな。

 普通に暮らしてた」


 エルフまじりやドアーフまじりを人と呼ぶのに抵抗はないが、話を聞いても守護竜(ガーディアンドラゴン)を人の範疇には入れにくい。


「そうなるとケイトのお父さんも人なの」


 あ!

 そうなるのか、キューさん良く気づくね。


「むろん。

 有名人らしいから、君たちも知っているかも。

 ミハイロファンって名前だけど知ってる」


 知ってる、超有名人だ。

 勇者ミハイロファン、『銀鱗翼竜(ケフロイヤ)』の盟友でアルテミラル国初代の英雄王。


「「やっぱり」」

 え、2人は気づいてたの。

 今ままでの話で、どうしてやっぱりになる。


 不思議そうな顔をしていたのだろう、リーシェさんが

守護竜(ガーディアンドラゴン)のお相手だもの、それ相応の人でないと釣り合わないよ」


「だって300年以上前の人だよ」


「ドラゴンの卵って孵るのに時間がかかるって聞いたよね。

 守護竜(ガーディアンドラゴン)ならそれくらいかかってもおかしくないかも」


「多分そうかも、でもその頃の事は知らない。

 最近のことなら知ってるんだけどね、カリギュナー王国の『竜騎士』の惨状とか」


 あー。

 先代が冒険者として各国を回っていたなら、知っているか。


「知っているならどうして、あれを許してる?」


守護竜(ガーディアンドラゴン)は共に戦うが、他の人の営みに関与しない。

 多少の力は有るから影響が出てしまうけど、責任は持てないからね。

 昔からの決まりみたい」


「神様のすることだから、何か理由があるんだろうな」


「私達を生み出したのが神かどうかわからないけど」


「キューさん何か知らない」


「神の教えの中には守護竜(ガーディアンドラゴン)が神からの使いという程度しか書かれてない。

 言いにくいけど、あまり関係ないのかも」


 確かに、俺の知ってる神話の中にも守護竜(ガーディアンドラゴン)はあんまり出て来てないな。


「ところで先代『銀鱗翼竜(ケフロイヤ)』に君のことを頼まれたのだけれど、具体的に何すればいいの」


「特別な事はしなくていいよ。

 私まだ力が完全でなくて『銀鱗翼竜(ケフロイヤ)』の姿になれないんだ。

 一応人として生きる知識はあるから大丈夫だけど、何があるかわかんないから力が蓄えられるまで、一緒にいてくれれば嬉しい」


「なるほど。

 それでそれはどのくらいになるのかな」


「私にもわからない、明日までかもしれないし、君たちの一生になるかもしれない」


 長く一緒にいる事を考えた方がいいな。


「なら冒険者になってもらえないかな、その方が一緒にいるには便利だから。

 リーシェさん、キューさんもそれでいい?」


「ヨガに任せる」

「いいよ。

 でもケイトってなにができるの、火を噴くのはなしでお願いしたい」


「あははは、この姿では吐けないよ。

 母上も冒険者として国々を回ってたんだよね、格闘家として。

 この姿でも普通の人より丈夫だから、それ活かすため格闘家やってたんだと思う。

 その時使ってた体術は教えてもらってるからそこそこ使えるよ。

 殴れば岩は砕けるから、戦力にはなると思う」


 十分です。


「我らがパーティ『閃光3』へようこそ。

 ケイトさんよろしく」


「よろしくお願いします」

「いらっしゃい」

「やったね、戦力強化」



「これからどうする、最初の予定通り海を見に行く?」


「ビチュレイリワに頼まれてるからな」


「ビチュレイリワさんって誰?」


「そうかケイトさん知らなかったね」


 何て説明すればいいんだ。


「説明難しいんだけど、俺達の中に精霊みたいなのがいるんだ」


「そうか、それがヨガ達から感じる何か変なものなんだ」


「感じてたの」


「なんとなくだけど、なんかいる感じはしてたんよね」


「それで合ってると思う、俺達も詳しくは知らないから、それ以上は無理。


 俺達の中に居るのはピノと言う精霊みたいなもの、その親玉がビチュレイリワ。

 俺が契約して力をもらい、その代わりに俺たちが見聞きした物はビチュレイリワにも伝わる、そんな関係」


 ケイトさんは俺達を見ながら首を傾けている。

 何が見えているのか後で聞いてみよう。


「今は暗黒大陸に行った船があるからそれを調べに西の海に行って欲しいと頼まれてる」


「暗黒大陸に行った船。

 それは私も気になるな、ぜひ行ってみたい」


「なら、決まり」


「ケイトさんの冒険者登録も亜人の国でしましょう。

 この街だと見習から上がるのに苦労しそうだと思うから」


 そうだクグは小さいからな、魔物もいなそうだし。


「ケイトもそれでいい?」


「いいよ、お願いする」


「なら、この街で1日準備して、明後日出発しますか」


 実際に出発したのは4日後になった。


 ビチュレイリワが

[あと3日あれば、ヨガの剣と軍馬1頭が用意できるので待ってください]

 と言ったからだ。


[今回兵装担当の上官より、何故か軍事用ナノマシンと液体金属の使用許可が出ました。

 今までと比べて、強力ですよ]


「いままでのは武器じゃなかったと言うの」


「当たり前です、どうして軍事用技術の提供があると考えたのです。

 私に提供が許されているのは、民間で使用されている物だけですよ」


(俺は相当強くなっていると思うだ。

 その力が普通の人用だなんて、思わなかったよ)


[主に医療としてしか使っていません、前にも言いましたがヨガの使い方は特殊です]



 4日後、街の外れで剣と軍馬を受け取り


「準備万端、何の問題もなし。

 さあ出発しよう」


「あ、思い出した。

 1つ問題がある」


「キューさん何思い出したの」


 何が有ったっけ。


「ヨガ1人に、こんなに可愛い女子が3人。

 ハーレムパーティって言われるの確定したね。

 私は何言われてもいいけど、ヨガは覚悟しといてね」


 確実に言われる。

 それどころかこんな可愛い子達を連れてれば妬みも受けそうだ。


 キューさんなにニヤニヤしてるの。

作者力不足のために、書ききれなかった設定の説明回でした。


誤字・脱字のご指摘や、感想をいただけると嬉しいです

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