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この恋に殉ずる  作者: 冷暖房完備
ラブラブちゅ
36/55

No.1 会社の寮にて

私が卒業後に入社するトコは食品工場だ。

通常勤務、夕勤、夜勤とあるらしく、工場はフル稼働だ。

そして、ちょうど寮が空いてるとの事なので、ちゃっかり住んでしまおうと今日見学に来たのだ。


「寮といってもね、アパートを借りあげただけだから自炊しなくちゃダメなのよ〜」

なんだかオバチャンズの山口さんによく似た大家さんが笑ってる。

大家さんと言っても元社員さんで退職後に管理を任されたらしい。

「ここには工場勤めの人と本社勤めの人がいるから知らない人がいてもビックリしないでね?まぁ女性だけだから大丈夫っちゃあ大丈夫だけどね」

ニコニコ優しそうだな〜。

なんとかやってけそうな気がしてきたよ!!

「オバチャン、その子?新しい入居者って」

ホッとしていると、後ろから声が聞こえて

きた。

振り返ると、紺色のパンツスーツにビシッとまとめた髪、黒縁メガネのいかにも仕事できます!!て感じの女の人が立ってた。

ザ・大人の女って感じだな!!

「は、初めまして!!飛山神楽です!!」

「初めまして、並木智恵子です」

わ、わ〜。

笑うと可愛い!!

これは世にいうギャップ萌え!?

なぁんて密かに悶えてると、

「あなたの部屋ね、あたしの真上だから寂しくなったら遊びに来てもいいからね!!」

「は、はい!!」

「じゃあ、さっそく部屋を見せてあげるわ」

え?部屋ならさっき見ましたよ?

大家さんがそう言うと、

「家具が入ってる方がイメージしやすいから見ていきなよ」

有無を言わせぬ強引さで3階まで駆け上がる。

エ、エレベーターつけて〜(泣)


ぜぇぜぇ言いながら扉の中に入るとカントリー調に揃えられた

家具が出迎えてくれた。

「わ〜!!可愛い〜!!」

絶対モノトーンでまとめられてると思ってたから意外〜!!

そう思いながら不躾なほど部屋を見渡す。

と、ベットのサイドテーブルに見慣れたロゴマークの小物があった。

あ…、新垣さんの好きなブランドだ。

「ん?神楽ちゃんもそのブランド好きなの?」

「あ、いえ」

「だよね、若い子には渋すぎるわよね。これね、あたしの年代ドンピャで人気でね。友達と一緒にハマってるんだよ」

「そうなんですかぁ」

「お揃いで持ってるのよ~」

そう言って笑った。

そしてカントリー家具が大好きな事を力説された。

「一人暮らしの醍醐味よ!!自分好みの部屋にするために頑張って働いたからね!!」

あたしの城!!と並木さんが言い切った。

…一人暮らししてるけどね。

でも、統一性はないからな〜(泣)

雑誌に載るような部屋にするのも楽しいかも!!

私がワクワクしていると、並木さんが覗き込んできてニヤリと笑った。

「一年後にどんな部屋になってるか見せてもらうからね?」

「はい!!」

メッチャ楽しくなってきた!!

早く働きたい!!

「神楽チャンは彼氏いるの?」

ふいに小声で聞かれて、昨夜のやり取りを思い出し赤面した。

「お?いるな?その顔」

並木さんがニヤニヤしながら脇腹をつつく。

「いるっちゃあ、いる…かな?」

好きって言ってもらえたし、でもまだ別れてないんだよね。

信じて待っててイイのかな? 

「ん?急に暗くなったな。さては上手く行ってない?」

「あぁ、いや、その。昨日、好きって言ってもらえたので…」

て、何言ってるんだ〜(泣)

でも、なんか言いやすいんだよね。

「おお!!ほやほやね!!素敵〜!!」

並木さんテンション高いな…。

「ここはね、一応男子禁制だけど普通のアパートだから、こっそり彼氏を連れ込んでもイイからね!!」

と、悪い顔で並木さんが笑った……


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