第100話 永遠の少年 ★『勇者』ニュー
丁度100話の節目、勇者のお話で今年の執筆〆とさせて頂きます。
ギルドに潜り込んでいる『三つ葉』とは、
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今から、セビオと砂漠に向かうグラマラスで幼顔の「ローズヒップ」。
試験内容を説明した程よく整ったプロポーションの「ライティア」。
そして、『迷宮ギルド』に居残りの、幼児体系ロリ顔巨乳の「ライラック」。
この3人を指す「異国での二つ名」。
彼女達は、他国出身で、チーム『華の蝶』の面々とふとした事件が切欠で、友好関係を持つこととなった『こちら側』の協力者であり、現在は、ギルド長直属の足元に生える「草葉」のような存在。
そして、昔は『アリアウルフ』と同じ闇の顔を持っていた者達―――。
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彼女達は、『奥歯』に仕込んだ特殊な金属と、耳に飾ったクローバーのピアスで、お互い奥歯をカチカチ鳴らすことで、その音をモーレス信号のように伝え合い、意思疎通を図る連携を取る優秀なスパイであった。
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ローズヒップは、セビオに呼ばれ、
「今からセビオと砂漠に向かう」ことを、ライティアを含めた職員に伝える。
何時ものように、自分を盛り盛りで盛ったセビオのスピーチが始まり、ローズヒップはげんなりしながらも、カチカチ、とライティアに現状を伝える。
ライティアは、ひとつ小さく頷き、セビオに向かって言う。
「あのぉ~、セビオさん。セビオさんが凄いのは分かりましたけどぉ。」
「ん?」
「早く砂漠に向った方がいいんじゃないですかぁ~?
ぐすん……わたしぃ~、参加者が心配でぇ~。ぇーん。」
余りにも演技掛かったライティアの泣き真似……。
ローズヒップは笑ってしまいそうになる。
だが、ここは敢えて、それをぐっと我慢して、
嫌だなぁと思いながらも、セビオに下目使いで目を合わせ「うん」と頷く。
「ぅぉっ♪ そ……そうだね! そういうことだから、僕達ふたりは行ってくるよ! その間、みんな宜しく。」
下目使いで頷くローズヒップの顔に、呆れるくらいテンションを上げる彼を見て、ライティアだけでなく、他の2人の職員も頭をかいて苦笑いをして彼等を見送る。
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「あわぁ、わ、わ、あわぁ! この蠍の見た目、本当に嫌いだなぁ。」
―――爆発が起きる少し前。
その爆発が起こるこの場所で、『ジャイアントレッドスコーピオン』と戦っているひとりの男の子がいた。
状況は芳しくないのであろうか? 彼は逃げ回っている……。
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だが、困惑した表情を浮かべて走る彼の見た目はぴんぴんしており、むしろ、体がボロボロとなっているのは、赤い巨大蠍の方。
何処となく、光り輝くオーラを持っているこの男の子『ニュー』は、この試験をひとりで受験していた。
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彼も『特S級』新人で迷宮探索家となった期待の新人のひとり。
彼がひとりで参加しているのは、彼の『性格』……にあるようで、実際に彼と一緒に『特S級』新人のクエストを進めていた面々は、彼以外でチームを組み、彼は彼等と一緒に行動を共にしていない。
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「うーん、さっきから『隠れて見ている奴』がいるし……《《毎度》》鬱陶しっ……!」
ニューは、走る足を90度向きを変え、砂山で盛り上がっている方へ走り出す。
「おい、こっちに走ってくるぞ。」
「気付かれたか!? どうする?」
「今出て行っても……って、『ぐわぁあああああ!』」
盗賊風の見た目の男達が潜む砂山の『裏』に、彼らが気が付く間もなく、ニューは突然と表れて、ふたりを後ろから斬り付け『絶命』させる。
「おー♪ これは確か『爆弾ワームの破裂殻』だっけ? あー、そうだ!」
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ニューは盗賊風の男の亡骸から『爆弾ワームの破裂殻』を取り出し、ニヤリと笑うと、あるだけのそれを、尻尾を立てて迫ってくる『ジャイアントレッドスコーピオン』に向けて『全て』投げる。
そして、着弾と同時に火の魔法『火の粉』をポイっと放つ。
―――ドゴォォォォン、響き渡る爆音と共に弾ける破裂殻が生み出す爆炎!!!
弾け飛び、泡と化す『ジャイアントレッドスコーピオン』を見て、ニューは嬉しそうに、そして無邪気に笑う。
「うひょおお、気持ちいい! キモイ蠍が花火見たいに簡単に吹き飛んだ♪」
飛散する泡の下、目的の「尻尾」が砂に落ちるのを見て、ニューは鼻歌交じりスキップをしてそれを取りに行く。
「これで、試験は終~わりっ♪ ―――って、あ……あれえ?」
地響きが鳴るまでの一瞬の静寂を経て……。
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彼の足元が、突如、蟻地獄のように渦を巻き崩れ落ちていく砂漠の海と化し、赤蠍の尻尾を大事そうに抱えたニューが、くるくると流されていく。
「おおう、何これ、何これ? すっごい! アハハハ―――――あぁぁぁぁ……。」
まるで、無邪気で無鉄砲な少年のように大笑いをしながら、
彼は、砂の渦に全身が飲まれ、見えなくなり、そして消えていく……。
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誰もが、『想定をしていない事態』と、砂漠に響き渡る爆音と地揺れを残して。
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―――彼の名は、『ニュー』。
無邪気な少年の心を持ち、善も悪もなく、
彼の思考は誰にも理解されないし、されたいとも思わない、自分が全ての男の子。
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そして、★ スキル『勇者』とその称号を持つ男の子。
今年もお世話になりました(*'▽')
もうひとつの作品と併せ、多くの方に読んでいただき感謝でございます<(_ _)>
来年度も宜しければお暇な時のお供に是非!




