第20話 ダンジョン地下5階
ダンジョン最後
「あっ!」
階段を降りている途中で、ラムシェンドが声を上げた。
「どうしたのニャ」
カートがラムシュンドの顔を覗き込む。
「MPポージョン」
忘れ物に気が付いたと言わんばかりのラムシェンドに
「ここに持ってきているニャ」
いつの間にか、ちゃんと回収していたカートであった。
「ステータス!」
ラムシェンドは突然、自分のステータスを確認し始めた。
名前 ラムシュンド(Lv.9)
HP 7700/7700
MP 20900/20900
魔法 神聖 :プリフィケーション(Lv.1)
火属性 :ファイヤーボール(Lv.3)
風属性 :ウインドアロー(Lv.2)
スキル 身体強化、ウォレスの剣技
称号 タヌキの英雄
何故か、HPとMPが回復していたのである。それを覗き込んだカートは
「さっきやっつけた光のせいではないかニャ?」
ラムシェンドがいきなり斬撃を飛ばして消した光る像・・・神様かもしれないものを倒した結果にしか思えなかった。
(ひょっとして、あの神様をやっつけるとレベルアップするのかニャ?)
そう思いながら、カートは自分のステータスを開いてみた。
名前 カート(Lv.8)
HP 5000/6500
MP 5760/18760
魔法 付加属性 :ヒール(Lv.2)、ライト(Lv.-)
火属性 :ファイヤーボール(Lv.3)
土属性:アースウォール(Lv.1)
スキル 鑑定魔法
称号 猫のブレーン
地下4階でみたときと何も変わらなかった。つまり・・・
(あの神様の像は倒した方が良さそうだニャ)
カートは微笑んだ。
・・・
「やっぱり・・・(ニャ)」
地下5階は広い部屋になっていた。そしてその中央には、何故かラムシェンドとカートには懐かしく感じるあるものがあったのである。そしてそれを守るように、トカゲのような人・・・リザードマンが50匹ほど、ラムシェンドとカートを睨んでいる。
「あいつらを倒さないといけないらしいな」
「奴らの背後に瘴気封印装置があるから、攻撃魔法が使えニャい・・・」
「ここは剣で頑張るしかないか・・・」
ラムシェンドが呟き終わる前に、リザードマンたちが突撃してきた。どういう訳か、皆、右手に剣を持ち、左に盾を持っている。鱗の体のせいか、防具は特に装備していない。体長2m程度であるので、ちょっと人間より大きいくらいである。が、これらが、50匹突撃してきたのである。とてもではないか躱せるようなものではない。ラムシェンドは、瘴気封印装置に当たらないよう注意しながら剣を振るうと魔力を込めて剣を振った。
「ギャー!!」
斬撃の飛んで行った先にいたリザードマンたちは、突然の斬撃に対処する間もなく、腕を切られ、首を切られ・・・10匹ほどがその場に倒れた。
「効果絶大だニャ」
カートはそう言うと、
「アースウォール!」
を自分の両側に作った。ここの床は何故か土だったので、1.5mの壁が出来上がる。カートはその壁の間を駆け抜けていった。途中、2匹ほどリザードマンがいたので、ショートソードで相手の剣を躱し、通り過ぎたところで、
「アースウォール!」
でリザードマンの周囲を壁で囲む。リザードマンがよじ登って壁を乗り越えている間に、カートは、瘴気封印装置の前まで来たのであった。
(目論見通り・・・ニャ)
途中で作ったアースウォールを全て解除したのち、瘴気封印装置の前に
「アースウォール!」
で壁を作ったのである。
(これで、攻撃魔法も使えるのニャ)
リザードマン相手に、ウォレスの剣で戦っているラムシェンドがいるにもかかわらず・・・。
「ファイヤーボール」
「ファイヤーボール」
「ファイヤーボール」
「ファイヤーボール」
「ファイヤーボール」
「ファイヤーボール」
「ファイヤーボール」
カートは、ファイヤーボールをリザードマンに打ち込んだのである。
「ギャー!!」
リザードマンの悲鳴が次々にこだました・・・
「熱いだろうが!!」
若干、違う怒声も・・・
・・・
「こっちまで火傷しただろうが!」
ラムシェンドは、カートを捕まえて怒鳴っている。カートの放ったファイヤーボールによって、50匹のうち、ラムシェンドの斬撃でやられていなかったものは、全て焼けてしまったのである。ファイヤーボール放つ前に壁を作ったので、瘴気封印装置は無事だったが、リザードマンと乱戦中だったラムシェンドは、カートの放ったファイヤーボールの攻撃を受けてしまったのである。
「ヒール!」
カートがラムシュンドに回復魔法を放つ・・・とラムシェンドの火傷は消えていった・・・が、ラムシェンドの心に着火した怒りの炎は消えなかったのである。
「・・・すまないのニャ・・・もうしないのニャ」
ラムシェンドにたっぷり説教され、ラムシェンドがいるときは、二度とこの作戦を使わないことを約束させられたカートであった。
・・・
地下4階からの入り口(階段)からまっすぐ瘴気封印装置に向いた先、・・・そう、調度死角になる所に、瘴気封印装置のコントロールがあった。
(何故か懐かしい・・・)
ラムシェンドは不思議な気持ちになっていた。当然、こんな装置は見たことがない。長崎空港の管制塔のような大きく背の高いそれは、初めて見るものだった。だが、制御盤には見覚えがある・・・。といっても、モニタとスイッチが2つあるだけだ。
(確か、動作確認はSWを入れて12時間後に完了するはず・・・)
ラムシェンドが、動作確認のスイッチを押そうとすると、その手は掴まれた。
「まだ早いニャ」
不気味な声でカートが言った。
(こいつ、性格が変わった?)
普段と違いすぎるカートに驚くラムシェンドであった。
阿久津がたまに出てくるカート・・・?
ここに現れました瘴気封印装置・・・。一体だれが持ってきた?




