第19話 ダンジョン地下4階(その2)
今日は短いです
テーブルの上にはよくわからない剣と、一冊の本。そして、何かの入った瓶があった。
剣は、クレイモアと呼ばれる、両手持ちの大剣であった。
(何故か、クレイモアということだけは解る・・・何故解るのか解らないが・・・)
波高の記憶から、クレイモアという種類の剣であることは解ったのだが・・・。そして本には、
“猫のための鑑定魔法”
と書いてある。
「本の方は、カート向けのようだ」
そう言うと、本を指さしてカートを見る。カートも表紙の文字に気が付いたらしい。
「そうみたいだニャ」
と言って、早速頁をめくり始めた。
そんな姿を見ていたラムシェンドだったが、暇だったこともあり、傍にあったクレイモアを持ってみる。持った瞬間、何かが体に入ってきたような感覚があった。そして、本来は両手剣であるはずの大剣であるが、何故か片手で振り回すことが出来る・・・。
(身体強化の効果なのか?)
何となくラムシェンドはステータスを開いてみると
名前 ラムシュンド(Lv.8)
HP 6000/7530
MP 5700/20700
魔法 神聖 :プリフィケーション(Lv.1)
火属性 :ファイヤーボール(Lv.3)
風属性 :ウインドアロー(Lv.2)
スキル 身体強化、ウォレスの剣技
称号 タヌキの英雄
スキルに何か増えている。ラムシュンドは” ウォレスの剣技”をタッチしてみると、予想通り、画面が切り替わった。
=ウォレスの剣技=
古代の勇者が使っていた剣の奥義。ウォレスの剣を持っていると、斬撃を飛ばすことが出来る。
ラムシェンドは手に持っていた大剣を見ながら
(これが”“ ウォレスの剣”か?)
と首を傾げた。
一方、本を最後の頁までめくったカートは、予想通り消えた本を気にすることもなくステータスを開いた。
名前 カート(Lv.8)
HP 5000/6500
MP 5760/18760
魔法 付加属性 :ヒール(Lv.2)、ライト(Lv.-)
火属性 :ファイヤーボール(Lv.3)
土属性:アースウォール(Lv.1)
スキル 鑑定魔法
称号 猫のブレーン
「ニャニャ!!何故かスキルが付いているニャ」
その言葉にラムシェンドが大剣を持ったまま振り向く。
「鑑定魔法が増えたのは良いのニャが、何故かスキルに追加されたのニャ」
こちらを向きたラムシェンドにカートが答えた。
「ほう・・」
ラムシェンドが生返事をした直後、
「お前の持っている“ウォレスの剣”で何ニャ!」
カートが叫んだ言葉を聞いて、ラムシェンドも驚いたである。
・・・
「その剣が見えた瞬間、何故か頭に浮かんだのニャ」
そう言いながら、カートはテーブルを見ると、1本の瓶・・・何かの入った瓶を見つけ、
「これは、MPポージョンだニャ」
どうやら、見えたものを自動鑑定するスキルらしい。
「発動条件はあるのか?」
真顔になって聞くラムシェンドに
「ニャ。勝手に頭に浮かぶのニャ」
どうやら自動発動するスキルらしい。ラムシェンドの身体強化もそうだが、意識することなく、自動発動するというのは微妙なところであった。
(あんなスキルは煩わしいかも・・・)
ラムシェンドは、自分のスキルでないことにほっとしていたのであった。
「どうやら、この剣を持っていると剣のスキルが発動するらしい」
そう言うと、ラムシェンドは、あたりを見渡す・・・すると、いつの間にかこの空間の最奥に光る像が現れていたのを確認した。
(ちょうどいい・・・)
ラムシェンドは、剣に魔力を込めて軽く振ってみると、振り下ろした大剣の先から斬撃が飛んで行った。
「ぎゃ~!!」
斬撃は、光る像に命中。直後にどこか聞き覚えのある悲鳴がしたのち、光る像は消えたのであった。
(不味かったかな・・・)
何となく嫌な予感がしたラムシェンドであった。
・・・
「あれって・・・もしかして・・・神様ではなかったのかニャ」
その光景を見ていたカートが言った。実力に疑問を感じながらも、一応神様らしいと思ってはいたのである。それを、現れた途端、斬撃で消したらのだから、普通ならも無事では済まないはずであった。
(まあ・・・あの神様ならどうでもよいかニャ)
今更どうしようもないと思ったカートは気持ちを切り替えたのであった。
「下に行く階段が現れたニャ」
カートは神様がいた所に現れた、階段を指さした。
「早速、先にいくことにしよう」
ラムシェンドも既に気持ちを切り替えていた。
・・・
(あいつら~。いきなり斬撃を放ってくるとはどういうつもりだ!)
2人が降りていった階段を見つめながら、1人の若者(?)が呟いていた。
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