4.5 カトレアの提案(リリアンヌ視点)
やっとヒロイン視点です。前は面白いおっさんでしたからね、それではご覧ください。
「う〜ん、どうしようかしら。そうだ!!いや、でも、それはダメよね。」
と私はブツブツ言いながら部屋の中でグルグルと円を描くように歩いていた。
「リリアンヌ様、お茶のご用意が出来ましたよ。あれ?どうなさいましたか?」
とお茶をワゴンに乗せ扉を開けてきたカトレアがビックリしている。
私はそれを誤魔化す様に動きを止め平常を取り繕った。
「いえ、何でもないの気にしないで。」
そういう私にカトレアは何かと探るように私をジロジロと見てくる。
なんだか、冷汗が出てしまいそうになった。
「リリアンヌ様、私の目は誤魔化せませんよ!!最近、あの花柄の手紙を読まれてから様子がおかしいと思っていたのです。何かあったのではないですか?」
「いいえ、違うの!!この前アイリスに手紙を書いてその返事が返ってきただけだから!!」
「いいえ、リリアンヌ様。もしアイリス様の手紙だけならそんな態度はとらないはず!!あの場にはもう一つ花柄の封筒があったでしょう!」
そう言われた私はギクリと体を震わせる。
女官長も言っていたがカトレアは本当に人と物を見る目が鋭いのだ。
「でも、あれわね。アイリスがオズモンド様と分けて手紙を書いていたからで…」
「確かに、 私もリリアンヌ様がオズモンド殿下に手紙を渡しに行くのは見ていました。でも、リリアンヌ様はわざわざ中身を見てから渡しに行っているでしょう?私はこう思っているのです。リリアンヌ様がオズモンド殿下を疑っているのではないかと。」
「どういうこと?」
「オズモンド様が他の女性と密通しているのではないかと思われているのではないですか!!」
「!!」
その瞬間私に、雷を受けたような衝撃が走った。
無意識とはいえ、宛先もなく女性が送る様な花柄の封筒で彼宛に届いたのだ。
私はそれが気になってしまい、ついに中身を見てしまったのだ。
それは好奇心などと言えるものではなかった。
「私がオズモンド様を疑って?」
私は、自分の心に向き合ってみた。
今までこんな感情になった事はなかった。
しかし、彼が婦人会に行きたいと言った頃からだろうか。
他の奥方と話をしたいと言った彼に私はムキになって冷たい態度をとってしまった。
彼が異性と話したいなんて、初めて聞いて驚いたし何より私が…
「私が他の女性に嫉妬していたのね。」
「リリアンヌ様…」
結婚した時から、彼が私の事を大切にしてくれているのは分かっていた。
だから、それが当たり前になってしまったのかもしれない。
婦人会の話から、「私と話すのはつまらない?」「私ではダメなの?」「私の事はもう見てくれないの?」といった汚い感情が溢れてきてしまったのだ。
「ごめんなさい、カトレア。確かに貴方の言う通りだわ。もしかしたらオズモンド様が私から離れてしまうのではないかと疑って、怖かったの。」
「大丈夫ですよ。誰にだって嫉妬する事ぐらいあります。それにこの前、仲直りもしたでしょう。同じような事があれば同じ様に仲直りすればいいんです。」
「ありがとう、カトレア」
「どう致しまして、リリアンヌ様。でも、心配になりますよね。日曜日になると出かけてしまいますし、今日も土曜日なのにいらっしゃらないんですよ。リリアンヌ様との時間を作ってもいいと思うんですよね」
「今日は、アイリスと一緒に学園で球技大会の練習をしているそうだし、オズモンド様にだって用事ぐらいあるでしょう。」
「でも、わかりませんよ?嘘をついて他の女性と会っているかもしれませんし、もしかすると…」
「もしかすると?」
「他の女性と見せかけて、本当はアイリス様と恋仲に!!」
「そんな!!確かに二人は仲が良いけど!!」
「あの手紙は暗号で二人で会う口実を作りこっそりデートしているのではないですか!!」
(そんな!?私もオズモンド様とした事ないのに。羨ましい…じゃなくて!!)
「あの二人に限ってそんな事。」
「わかりませんよ。身内にいるからこそ分からない事だってあるでしょう」
確かに可能性は0ではない。そんなとこ言われたらどんどん不安になってきてしまった。
「ねぇ、カトレア私はどうしたらいいのかしら?」
「でしたら、乗り込みましょう学園へ!!本当に練習しているかどうか!!」
「のりこむ!?でもどうやって?」
「こういうのはどうでしょうか?二人に差し入れを持っていくんです。」
「差し入れ?」
「はい!!運動すればお腹も空くでしょう?それに、奥さんとして気がきく所を見せないと!!」
「じゃあ、何か食べ物を持っていけばいいのかしら?」
「そうですね。外ですし、手軽に食べれるものがいいかと。そうですね、サンドウィッチなんてどうでしょうか?」
「そうね、いいと思うわ。なら、早速料理長に…」
「何言っているんですか!?こういうのは手作りじゃないと意味がないんですよ!!」
「えぇ!!でも私、作った事ないし…」
「いいんです!大事なのはハートですよ!!私も手伝いますし、男性という者は手作り料理に憧れているんです。オズモンド殿下だってリリアンヌ様から渡されれば「あれ、もしかして手作りかも?」なんて思われるはず!」
「そういうものなのかしら?」
「はい!では、一緒に作りましょう。案外、簡単ですよ!!」
そう言って私はカトレアと一緒にサンドウィッチを作るためキッチンに行くことにした。
「でも、サンドウィッチの中身はどうするの?」
「そうですね、オズモンド殿下はもちろんですか、アイリス様もいらっしゃいます。二人の好みに合わせて作りましょう!恋敵であっても礼儀は尽くさないと」
「?、えぇそうね。」
そうして、オズモンド様用にチキンとレタスのサンドウィッチとアイリス用にフルーツとクリームを挟んだ物を二種類作った。
「それでは、少し冷蔵庫に入れておきましょう。後でバスケットに入れておきますので、リリアンヌ様は別の準備をして下さい」
「別の準備?」
「勿論!!もしかして、そのまま出かけられるおつもりですか?」
といわれた私は今着ているドレスを見ながら首を傾げた。
「このままではダメなの?」
「リリアンヌ様、これから行かれるのは学園ですよ?ドレス姿では浮いてしまいます」
「確かにそうね。でも何を着ればいいの?」
「それを選ぶのが私の仕事ですよ!さぁさぁ、お部屋に戻りましょう!!」
そう、カトレアに言われ一緒に部屋へ戻った。
戻った後カトレアはクローゼットを開け服を探している。
「そうですね…あっ、これなんてどうでしょう?リリアンヌ様」
と言われ彼女が出してきたのは白いワンピースだった。
「私、いつもドレスばかりでワンピースはあまり着ないわ。あっても夏季休暇の時ぐらいかしら?」
「だからですよ!!たまには、いつもと違う所を見せないと!!男はどんな女性でも3日で飽きてしまうんですよ!!」
(私が…オズモンド様に飽きられる!?)
「確かに、仕事で忙しくて服に気を回せなかったわ。じゃあ、いつもと違う感じにすればいいのね。」
「はい、その通りです!ついでに髪型を変えてイメチェンしましょう!!」
そういって、カトレアは私をドレッサーの前に座らせ「どうしようかな」と言いながら私の髪を溶いてくれる。
「う〜ん、どうしましょうか?色々考えはあるんですがやっぱり服に合わせた方がいいですよね。」
「私は何時も同じような髪型だから、詳しい事は良く分からないの。今はカトレアにおまかせするわ。」
「そう、言われると私も困ってしまいます!」
そう、言いながらも彼女は髪を纏めていく。
「よし!!できました。なんだかんだいってシンプルなのが一番ですね。とてもお似合いですよ。」
「ありがとう、カトレア」
そう言いながら私は髪型を鏡で見ていた。
「本当はワンピースに合わせて髪飾りがあるといいんですけどね」
「仕方ないわ、それは又、今度ね」
「そうですね。それでは馬車の用意をしますので此処でお待ち下さい」
「わかりました」
そのあと、せっかくなのでこの前オズモンド様から貰った日傘とサンドウィッチを入れたバスケットを馬車に入れて学園へ向かった。
「リリアンヌ様、到着いたしました。それでは此処でお待ちしておりますね。」
「?カトレアは一緒に行かないの?」
「私が居てはお邪魔になってしまうでしょ?大丈夫ですよ、学園内の警備は万全ですから!!家族水入らずでお話してきて下さい」
「…ありがとう、カトレア。じゃあ、いってくるわね」
そう言って私は二人を探しに学園内へ入る事にした。
Ep4.5を読んでいただきありがとうございます。
何回「!」を打ったのかわかりません。次はEp5「護衛デート」①をお送りします。次回から長い文章は出来るだけ分割したいと思っているのでよろしくお願いします。




