その2 『頼りにさせてよね』
前置きが割と長めなのかなぁ……なんて思いながら。
武器変えて、一喝もらって。それでじゃあちょっと変わるのかと考えると……まぁ変わりますね。多分。
自分としては、なるべくリアルに書いていこうということを主体に書いています。
恋愛経験はないので、女性の心は知りません。リアルじゃないです。
人類の最後の砦であり、最大の拠点でもある『始都』クレアシオンは、中央にそびえ立つ塔の景観に合わせて、白煉瓦の街づくりが基本になっている。
そのためか街並みはほぼ全てが白く、その景色はかつて栄えていた白い砂の街『砂都ハクファル』を思わせると、街の老人たちはいつもぼやいている。
そんなものがあったのは、もう七〇年以上も昔の話だが。
「あんたって、そんな長物使えるタイプだったっけ?」
街は四方を低い壁に囲まれている。これは幻獣が攻めてくるからとかそういう理由ではなく、ただ単に子供が簡単に外に出られないようにするためのものだ。
なんなら鳥に似た幻獣が壁を超えてやってくる場合もあるので、正直なところ、壁は防衛機構としては役に立たない。
宿場町から外壁に寄って行くと、そこには開拓者達の旅の準備を整えるための店々(みせみせ)が広がっている。この一角には、一晩限定の仮宿があったり、武器防具を取り扱う店や、宝石類の鑑定を担う店舗まであったりする。
その中でも一際目立つ大きな店の中で、青髪の少年と朱髪の少女が一つの武器を見て試行錯誤している。フィンの武器を買いに来たのだが、彼が思わぬ武器を手に取ったので、シャリスは困惑しているようだ。
「えっと、でも、まぁこれで良いんじゃないかな? だって、シャリスはこっちの刃渡りが広いやつじゃん? なら、俺は少しばかり使いにくそうな、でも浪漫いっぱいの武器がいいかなぁって」
あはは、と優しい笑みを浮かべるフィンが両手に持っている武器は、カタナと呼ばれる剣の一種だ。
作り方が特殊だとかなんとかで、切れ味だけは凄いと有名なのだが、持ち手の変な装飾が変だったり、片刃なのが使いにくかったりで、同業者間でも人気は低い。
カタナを主武器にしている凄腕の開拓者は何人か存在するが、こんな武器を手に取るのは変な奴だと相場が決まっているくらいだった。
まさしくそんな変な開拓者であるフィンは、目をクエスチョンマークにして、そこらへ泳がせている。
幼馴染が極めて特殊な選択をしただけに、困惑していたシャリスだが、然りとて、奇想天外というわけでもない。
どんな武器でも最初は使いこなせないものなのだから、要は訓練次第だ。
早い話、技術を持つ者の動きを真似すればいつかは強くなれる。そして、何度も言うが、開拓者の優劣の基準となるのは単なる『強さ』ではなく、どんな功績を成したか、による。
例えば、マニュアルが確立されている幻獣ならば、駆け出しでも死にもの狂いで挑めば勝てる。ただし、それを続けていても階級は良くて“白”止まり。そこから上に上がっていく開拓者は全員、何かしらの功績を達成しているのだ。
街の外周には、草原地帯が広がっているが、その先にも当然、世界は続いている。一言でいえば、開拓者とは『世界の先を見る者』の事で、当然その階級付けとなれば『どれだけ未知を開拓出来たか』に由来するのだ。
だからこそ、それ以上に上がっていくためには、未知のエリアを発見、開拓したり、新種の幻獣を発見したりする必要があるというわけだ。
そんな事を話しながら、フィンとシャリスは街の門をくぐる。
ちなみに、門の外には子供は出られないが、要は子供ではない事を証明できる物があれば門外にはすんなり出る事が出来る。街で定義される《子供》とは一歳から一〇歳までの子を言うので、共に一四歳の二人は大人とは言えないまでも、子供でもないというわけだ。
それが業務であるのか。大人でも子供でもない生意気盛りで、大人が頭を下げる理由もない少年少女に門前警護担当の、長い槍を背中に携えた衛兵二人は二人に深く頭を下げ、「行ってらっしゃいませ」と言う。
言っては悪いが、この世界では開拓者が全てだ。身分などを考えれば衛兵たちの方が上のはずだが、開拓者には人族の命運なるものがかけられているため、様々な特権があったりする。
具体的には、少額のツケが可能であることや、最低限の武器防具の支給が許されていること。
それでいて開拓者は支給された武器防具があればそう名乗れるのだから、開拓者になる者は後を絶たない。が、生き残れるのは極僅かで、そっちの方が楽で優遇されるから、などといったいやらしい理由で開拓者になったりすると、あっさり壁の外で幻獣に殺されてしまうのがオチである。
五メートルほどの高さの門が威厳ある音を立てて開くと、新鮮な空気が風に乗って身を撫でる。街の中も空気は綺麗なのだが、やはり生産されたばかりの酸素というのは格別な味がする。空気に味もクソもあったものではないが。
すぅ、と思いきり息を吸って、二人は門外の地に足を踏み出した。
外に出たからと言って、地獄が広がっているわけではない。むしろ逆。その先には、文献にも記されていない未知が広がり、美しい自然が広大な大地を埋め尽くしているのだ。一目見れば、普通なら見惚れて、景色だけでご飯が進むだろう。
だから、フィンはこの瞬間がいつも楽しみで仕方がない。身体を上下に跳ねさせたくなるくらいには。
▽
街の外に広がるのは、広大な平原だ。足元には柔らかい草葉が生えていて、風が吹くと一帯の草が一斉にその身を反らすので、何とも安らかな気持ちになってしまう。
フィンの装備は、動きやすそうな革の長袖長ズボン。それから、胸元に白いプレート、腰に亜麻色のベルトポーチを提げている。
フィンの兵装は開拓者として軽装というわけではない。幻獣との戦いにおいてはいかに素早く動けるかが第一に考えられるからだ。
傷を負っても大丈夫だ。というよりは、ダメージを負わないようにするという方が大事になる。それに、逃げる時に武装が邪魔しても困る。いざという時には武器ごと捨てて逃げ出さなければならないのだから。
装備だけを見れば、シャリスも似たような感じだ。サイドテールを風に揺らす少女は、彼と同じ革の長袖長ズボン、胸元の白いプレート、腰に黄色のベルトポーチをぶら下げ、長剣を取り付けたベルトを肩から下ろしている。
「……さて、じゃあまずはプラントでも探しましょうか」
「ぷらんと?」
草原の中をざっくざっくと、堂々と歩んでいくシャリスの言葉に、思わずフィンが首を傾げる。ぷらんと、という名前に心当たりが無いようだ。
彼の顔を見て、若干驚愕のため息を漏らすが、それも仕方がない。森の中には入ったことがあるだろうが、緑熊以外相手にしていないのなら、知らなくて当然なのだ。きっと。
「壺植物。まぁ、意味的には森の植物って感じだけど、立派な幻獣よ。なんて言えばいいのかな? 大きい食虫植物みたいな? そんなに強くないから大丈夫よ」
『森の長老』とも呼ばれる壺植物。緑熊と同じく、森の中に生きる幻獣で、その性格はかなり温和。
ただし、他の生物を見つけると途端に蔓を伸ばして鞭のように叩いてくる。そうして聞くと、割と凶暴なのかもしれない。
「えっと、プラントプラント……っと」
ガサガサと草原の奥、背丈の高い木々が生い茂る森林の中へシャリスは臆することなく進んでいく。
そうして数分歩いていると、シャリスが後ろのフィンを止めるようにパッと開いた手を背後に向けた。幻獣のいた合図だろう。それを見たフィンが極力音を立てないように膝を下ろし、彼女もそれを確認して身を屈めた。
数秒、周囲一帯に重い沈黙が流れる。
「良い? ここまで慎重になる必要はないんだけど、この際だからじっくりと観察しておいて」
しゃがんだまま、フィンの耳元間近に口を近づけてこしょこしょと、シャリスが小声で話す。吐息が耳に当たるのがくすぐったくて青色の髪の少年は身を反らせながら、
「ん、分かった」
と、相槌を打つ。
何故とは言わないが、首まで真っ赤になったフィンは、前方一〇メートルほど先にいるフォレストプラントを眺める。
森林の中、彼等二人は背の高い草々に隠れているので相手に気付かれてはいないだろう。
当の敵は一匹。体の形だけ見ると、それは標準的な食虫植物といった感じだ。壺のような体の中には、虫を誘う臭いを発する高濃度の酸が入っているのだろう。
壺のような体の左右からは長い蔓が伸びている。用途がよくわからないが、おそらくは獲物を物理的にとらえるためのものか。サイズ的に見ると、童話に出てくる魔女の鍋くらいだろうか。分かりにくいか。分かりにくそうだ。
一見動きそうには見えないが、前に座っているシャリスがまたも彼の耳元で呟きかけた。
「御察しの通り、アイツは殆ど動けないの。その分、左右の蔓が物凄く器用に動くようになってて、しかも力も強いのよ」
どうやら当たりだったらしい。
確かに、左右に伸びる蔓は子供の腕のような太さだ。巻きつかれれば、しばらくは肌は充血したままとなるだろう。
「……へぇ。じゃあ遠距離から矢とか使えば余裕なんじゃない?」
「たしかに、そうする人は多いわ。私もそれで良いと思うけど、どうにもまどろっこしくてね。アイツ、雑魚のくせに遠くから矢とか撃たれたら酸飛ばしてくるのよ? おかげで何度かシャツが透―――ハプニングも発生したものよ」
だが、それも弓の腕に自信があればの話だ。矢を放つのだって練習は必要なのだし、あまり現実的ではない。
それに、常にこちらが先に発見出来るとも限らない。どちらにしても、接近戦で勝つ手順は踏まえておかねばならない。
「観察ももう十分ね。あとは殺してから見ればいいわ。行くわよ」
「え、あ、うん」
そう言いきると、彼女は音を立てずに斜めに立ち上がり、転がるように壺植物の前に躍り出る。一通り見届けた後で、フィンもそれに続く。ぎこちない動きで。
「って」
「あだっ!?」
それまで俊敏かつ正確に狩人らしい動きをしていたシャリスが、何故か急に止まった。
「私がやっても駄目じゃーん。フィンがやらないと、特訓にならないし」
「あ、そっか。よし……じゃあ」
というわけで、前にいたシャリスと交代してフィンが前に出る。腰にさしたカタナを両手で握り、適当に構えてみせる。
「構えとかよく分からないけど、適当でいいよね?」
「いいんじゃない? 奇天烈な構えとかする人いるし。倒せるかどうかでしょ。……まぁ、打撃武器だと決定打に欠けるけど、それなら斬ればいいんだし」
「……うん」
足下の草を踏み、前傾姿勢で壺植物目掛けて走る。すると、プラントがこちらに気付く素振りを見せる。
ピクン、と壺のような形の胴体を揺らして、威嚇のような挙動でフィンを迎えた。
「プラントは、お腹を思いっきり叩けば体液吹き出して気絶するよー。頑張ってね」
壺植物がこちらに気付いたことで小声の必要もなくなったのだろう。後方からシャリスの指導が入るようになる。
周囲の他の幻獣を引き寄せてしまう可能性もあるが、ひとまず目下の敵を優先だ。集まったとしても緑熊だろうし、それならば自分一人で解決出来る自信が彼女にはあった。
「わかった、ありが―――」
感謝を述べようとしたが、その瞬間に壺植物の左右に付いた蔓が鞭のようにしなり、フィンを挟撃した。
転がる勢いでスライディングして、何とか蔓に叩かれるのは避ける。
慣れない武器の重みに違和感を覚えるが、これがこれから付いてくる自分の武器なのだ、と強引に腕を引いた。
どうせなら前転をして回避するのが無難なのだが、ナイフと違って刃渡りが長いために、誤って身体を切ってしまいそうで不安だった。やってみれば案外いけるかもしれないが、それはそれ。
両サイドの蔓はそこまで早くない。太いために反動も大きいのか、大振りの後は本体にかなり隙が出来るようだ。
本体を左右から切り落としてしまえそうな気もするが、そう簡単に両断出来そうにもないだろう。それに、壺のような体の中に酸性の体液が入っているとなれば、斬り方も考える必要がある。
なんなら、シャリスの言う気絶させる方法が一番安全なのかもしれない。
▽
やはりナイフのままで戦わせるべきだったか―――と半ば彼に落胆しつつ、シャリスは背中の長剣に手をやる。おそらく加勢が必要になる。今すぐに、ではないが、いずれは。
少年と壺植物の戦いが始まってから、早十分ほど経とうとしているのだが、その展開は進みそうな気が全くしないのだ。
どうやら倒し方を模索しているようだが、そんなことをしていては、体力はが消費されていく一方だ。連戦もあり得るのに、悠長なことはしていられるはずもない。
「仕方ないか。元々カタナって簡単に扱えるような武器じゃないし。空も暗くなってきたわ」
抜刀音が森林に澄み渡る。開拓者シャリス=フレインが、背中に携えた剣を抜いた。
手首のスナップを確かめ、何度か素振りして感触を味わう。湿気のせいで少し指が湿っているが、コンディションは悪くない。
「フィーン‼︎ 手ぇ出すよっ‼︎」
張り上げた声に反応はない。今も彼は食虫植物と終わりの無い攻防を繰り広げているため、きっと蔓を躱すことに精一杯か、蔓が地面や樹木を弾く音のせいで、声そのものが聞こえていないのだろう。
やはり危険だ。
腕は悪くない。フィンとシャリスでは階級は一個離れているが、その実力はほぼ同等のはずだ。集中力もある。ただ、まだ甘い。まず、そもそも壺植物に対する決め手を考えずに突っ込んだ事。そして、周りの音が聞こえていない事。
確実に一匹しか敵がいない状況ならば構わない。けれど、ここは森林だ。どこから別の、例えば、緑熊が現れるかも分からないというのに、周りの状況を確認出来ないほどに視野が狭くなっていてもらっては困る。
もしかするとそれはすぐ後ろにシャリスがいるからかもしれないが、それはそれで問題だ。
「いつも私がいるワケでもないのに。私を頼ってもらっても困るっつーの。っていうか、よく今まで一人で戦えてたわね」
「うおおおおお‼︎」
「キシャアアアア‼︎」
相変わらず、激闘 (?)は続いている。
「あのー、フィン!? ちょっと、聞いてるのー?」
流石に応答無しに突っ込むのはまずい。シャリスが持っているのは長剣だ。もしも切り込んだところにフィンが逸れて来たら、それで彼の体は真っ二つになってしまう。お陀仏というやつだ。
仕方ないので、
「フィンッ‼︎」
肺いっぱいの空気を吐いて、大声を張る。
辺り一帯に響く大声。下手をすれば辺りの幻獣が集合してしまう。けれど、仕方がない。幼馴染が溶解液の餌食にされるのは見たくない。
「は、はいぃッ!?」
ようやくこちらに気付いたフィンが顔だけこちらに向ける。
「あ」
シャリスがそれを注意しようとした瞬間、ペペペペペペペペペペン‼︎ と続けざまに、フィンの顔や体の至る部位に蔓の往復ビンタが加えられていく。
「ご、ごめんフィン………今のは私が悪かったわ。それにしても、前見ながら後ろに下がるとか方法はあると思うけど」
くるん、と長剣を手元で回し、空を切りながら後ろに長剣を構える。腰を曲げ、かなりの前傾姿勢でフォレストプラントの前に立つ。左手は横に曲げて前に、長剣を逆手に持った右手は背中側に。
「キシャアアアアア‼︎」
「ハァ―――――ッ‼︎」
フォレストプラントの左右の蔓が、シャリス目掛けて振り放たれる。が。
「シャリ―――」
「キシァァァアア!?」
フィンの心配も、壺植物の悲鳴に遮られた。
ズバッ‼︎ と、目にもとまらぬ速さでシャリスが長剣を構えて回転したのだ。その一閃が、左右の蔓をもろとも切り裂いた。
更に、左足に力を込め、前に踏み込む。逆手を止め、持ち替えた長剣をそのまま斜め上段からフォレストプラントの壺のような胴体目掛けて斬り下ろす。
一秒一瞬たりとも、止まることはない。攻勢に出る余裕がある時は、一気に切り刻む。
そして遂に、野菜を包丁で切ったような小気味の良い音が響いた。
壺植物の腹部がぱっくりと割れ、やがて中からは。
「あ、やばっ‼︎」
「シャリス‼︎」
すぐさまシャリスは後方へ跳び退いたが、その液体は服に大分かかってしまったようで、
「あー、………えっと、どうしよう、これ」
シューッ、と音を立てるシャリスの革の服は、お腹周りが溶けてしまっていた。滑らかな曲線を描くくびれと形の良いへそが露わになる。が、シャリスはその事はさして気にしていない。どちらかというと羞恥心よりも代わりの服をどうしようか、という思惑にふけっているようだ。
壺植物の武器。強い酸性を持つ体液は、触れれば人の肌などあっという間に溶かしてしまう。
タイミング良く避けたために、肌にかかることは防いだが、その代わりに服は犠牲になってしまったようだ。
「あ、わわわ………えっと、その、見てないからっ‼︎」
一方で何故か、男のフィンの方が顔を真っ赤にして両手で眼を覆っている。普通ならここは逆の反応を示すものではなかろうか。
そんな初心なフィンを見て、呆れたような安心したような顔をしたシャリスは、
「別に見られてもフィンなら良いって。胸とかお尻じゃないし。見ないようにしてくれるなら助かるけど。それに今更でしょ、幼馴染なんだし」
「え、いや、それはその………ね? 俺たち、もう一四歳だし」
「良いからその両手外しなさいって。そうしてるとこっちまで恥ずかしくなってくるじゃない」
「………ま、まぁそれなら」
両手を顔から放した青髪の少年は、まじまじとシャリスの綺麗なへそまわりを眺めている。
「あのー、だからってガン見されても困るんですけど?」
「あ、ごめん‼︎」
「もう良いって。今日はもう帰ろ。さっき私が大声出したからそろそろ幻獣が集まってくる頃だしね」
と、長剣を背中の鞘に収めながら、シャリスは歩き始める。へそ周りはひとまず後回し、といったところだろうか。
余談だが、後にフィンは彼女から上の服を奪われる。
「………あ、プラントの素材は良いの?」
そそくさと帰り支度を済ませたフィンが、フォレストプラントの亡骸を指さすが、シャリスはそんな彼の指を自分の手で下ろして、来た道を引き返していく。
「あんなの食べれないし、武器とか防具の素材にも出来ないじゃない。胃液は薬とかになるらしいけど、誰でも取れる素材だからね。売ってもワンコインしか稼げないし、興味出ないわ。お荷物お荷物」
「そっか。じゃあ、帰ろう」
「うん。帰ろうフィン」
その後、街に帰ったフィンはシャリスに武器の事でこっぴどく叱られた。具体的には、武器の使い方をよく考えろ、だとか、戦い方そのものを考え直せ、だとか。
「うん、じゃあ俺はこれにするよシャリス」
両手で握った長物は刃先が鋭く、滑らかな水色の刃を持つカタナ。品名は『藍染』。剣とはまた違う、片刃の刃。片刃な分、剣より軽く、切れ味も良い。
「気に入ったなら、きっとそれが正解よ。せいぜい訓練してちょうだいね」
長剣を背中に携えた朱色の髪の少女、シャリス=フレインは微笑を浮かべながら、そう言った。
「うん」
姉の言う事を素直に聞く弟のような調子で、青色の髪の少年、フィン=ルーディスも笑いを浮かべた。
「ほんと、もっと頼りにさせてよね」
では、キャラクター説明をここにちょくちょく挟んでいこうと思います。どうぞー。
開拓者フィルム No.1
フィン=ルーディス
階級:黒(最低値)
武器:カタナ(藍染)
ギルド:未所属




