反抗期-4-
「じゃあ私はこれで」
ソフィアの家の前で私は立ち止まりそう言った。
「え、もう帰るの?」
「うん! こっからは、ソフィアとシウォルさんの問題」
そう言えばソフィアは不安げに私を見つめた。
そんなソフィアの背中をトンと軽くシウォルさんが待つ家の方へ押し出した。
「大丈夫」
「……ありがとう」
恥ずかしそうにそう言って歩きだした。
ソフィアの後ろ姿を見送った後、家に帰ろうとレンガ造りの家に背を向けた。
さ、私も帰ろーっと……ん? ちょっと待って? 私帰りどうすればいいんだ!?
行きに乗ってきた馬車は長くなるだろうからって家に帰しちゃった!!
え、私バカじゃん、帰りどうするつもりだったんだよ。
ああー、と1人頭を抱え込んでいる私は傍から見ればヤバイ奴だ。
けど、今そんなことを気にしてる余裕はない。
「お嬢様」
誰かに肩をトントンと叩かれた。
今それどころじゃないんだよっ! と顔を上げると見慣れた顔があった。
「え、ノンさん?」
今日馬車を操って、私をここまで連れてきてくれた強面のお兄さんこと、ノンさんがいた。
ノンさんはその顔のせいか、周りの人に怖がられている。
ノンさん、一見怖いけど笑うとクシャってなって癒しの効果あるのにな。
私が初めてノンさんが笑ったとこを見た時、『これから癒されたくなったらノンさんに会いに行こう』って、思ったぐらい。
「ノンさん帰ったんじゃ!?」
「いえ、帰り困るんじゃないかと思い、勝手ながら近くで待たせて頂きました」
ノンさん!! なんて仕事の出来る男なんだ!
「ありがとう! おかげで路頭に迷わずにすんだよ」
「それは良かったです」
クシャッと笑った。
あ、これこれ。
「では帰りましょうか」
ノンさんのその言葉に大きく頷き、馬車に乗り込んだ。
「そう言えばお嬢様、今日もあれ持ってるんですか?」
流石にその服装では無理ですよねーと、馬を操り、馬車の中と通じてる子窓を通して聞いてきた。
「え? うん。持ってるよー! ほら」
そう言ってウィルに貰ったあの剣を取り出した。
「ちょ、それどっから出したんですか!?」
「……知りたい?」
「や、イイッス」
ニヤリと笑いながらそう聞き返せば即答で返事が返ってきた。
ウィルから貰ったあの剣はいつも肌身離さず持つことにしている。
これを持っているとどこかでウィルに会えるような気がするのだ。
それにもし何かあった時に役に立つじゃん?
そらから馬車に揺られ家に無事到着し、この世界での初めての友達の自宅訪問は幕を下ろしたのだった。
ちなみに、1週間の休みが開けた後久しぶりに門に立っていたシウォルさんが今度ソフィアと買い物に行くことになったと、それはそれは嬉しそうに報告してくれた。
ソフィアすごく嫌がったらしいけど、まぁ、そこは押して押して押しまくってなんとか了承を得たらしい。
シウォルさん逞しくなったなぁー……。
〜おまけ〜シウォル&ノン
ノン「あ……」
シウォル「ども」
ノン「……」
シウォル「……」
ノン「あの、俺のこと怖くないんですか?」
シウォル「え? あ、はい、まぁ……お嬢様が懐いてる方ですし」
ノン「あぁ、なるほど」
シウォル「……」
ノン「……」
シウォルさんとノンが喋ったらきっとちょくちょく無言が間に入るんだろうなぁー……って話。




