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十角獣館の殺人

原作:

殺意のRPG


初回投稿日:

2021年8月15日


原作pt数:

856pt(2023年2月22日現在)



【1 〜プロローグ〜】




 この世界の娯楽の一つに、モンスター闘技場がある。

 読んで字の如く、モンスター同士を戦わせる闘技場であり、人々は、特定のモンスターやトレーナーを贔屓して応援したり、どちらのモンスターが勝利するかを予想してお金を賭けたりして楽しんでいた。

 


 生前のグリーンウッド氏も、モンスター闘技場の虜だった。

 彼は闘技場に足繁く通い、その度に大金を落としていた。

 また、彼は贔屓のトレーナー(モンスターを育成し、バトル中にモンスターに指示を出す者)に対し、労いとして高級レストランでのディナーを振る舞うようなことをしていた。



 グリーンウッド氏が90歳でこの世を去った時、彼の遺産の中に、「奇妙」な不動産が混ざっていた。


 それは、小さな無人島にポツンと一棟だけ建つ館であった。


 おそらく生前のグリーンウッド氏が別荘として使っていたものなのだが、そのような使い勝手の悪い不動産を、彼の親族は誰も欲しがらないであろうことを、彼は正しく見抜いていた。



 グリーンウッド氏は、死の間際に残した遺言で、その館は「引退後のトレーナーのうち、希望する者に相続する」としたのである。

 モンスター闘技場の引退後に上手くセカンドキャリアを歩むことができず、生活苦に陥るトレーナーが多いことは周知の事実だった。

 そのことにはグリーンウッド氏もひどく心を痛めており、自分の館が、苦しむ元トレーナーの糧になればと考えたのである。



 グリーンウッド氏の遺言の中身が公開されると、4人の元トレーナーが、館の相続を希望した。


 遺言には、複数人の元トレーナーが相続を希望した場合の処理について書かれていなかったため、遺言執行者に指定されていた弁護士は頭を悩ませた。

 ところが、4人それぞれに話を聞いたところ、いずれも館に居住することを希望し、かつ、「他の元トレーナーとの共同生活でも構わない」とのことだったため、問題はあっさり解決した。



 こうして、元トレーナー4人は、無人島へと渡り、グリーンウッド氏の館での共同生活を開始した。



 5人による相続後、グリーンウッド氏が生前好きだった、頭にツノが10本生えたウサギのようなモンスターから名を取って、その館は「十角獣館(じゅっかくじゅうかん)」と名付けられた。



 そして、元トレーナーのうち1人の提案で、共同生活中、4人はそれぞれ本名ではなく、あだ名で呼び合うことにした。


 4人のあだ名は、それぞれ、トレーナー時代に主に扱っていたモンスターの名前から、「ドラゴン」「ピクシー」「オーク」「ゴーレム」と決まった。



 十角獣館において、あまりにもおぞましい連続殺人事件(いわゆる「十角獣館の殺人」)が起きたのは、共同生活開始後、ちょうど2年が経った頃だった。




【2 〜???〜】



――ついにこの日がやってきた。

 


 俺は復讐のためにこの館にやって来た。


 モンスター闘技場で、俺を散々な目に遭わせた奴ら全員に復讐することこそが俺の使命であった。



 俺は今日までそのためだけに生きてきたのである。



 今日に至るまでの道のりは、決して楽なものではなかった。


 この館にやってきてから、俺は、世界一憎いアイツらとの共同生活を強いられたのである。

 顔を見るだけで虫唾が走る奴らと、同じ屋根の下で寝起きをし、さらには談笑する()()をしなければならないことは、俺にとって、闘技場での屈辱の日々に負けず劣らず最悪な日々だった。



 それでも俺が耐え続けたのは、偏に今日のためなのである。



 待ちに待った嵐の1日。



 ラジオの天気予報を聞きながら、俺は、まさに今始まろうとしている惨劇に胸を躍らせていた。




【3 〜ドラゴン〜】




「それにしても、すげえ嵐だな」


 朝食の席についてから、俺が今日の天気の話をするのは、もうすでに4度目くらいだった。

 それくらいに、外の天気が尋常でなく荒れ狂っていたということもあるし、単に2年間も同じメンツと館に閉じ籠りっきりで、会話の種などとうに尽きていたということもある。



「ドラゴン、朝食が終わったら一緒に外の様子を見に行こうぜ」


 ゴーレムの提案に、俺は「ああ。そうだな」と返事をする。


 この館では、互いにあだ名で呼び合うというのがルールだ。最初の頃はそれぞれの本名も覚えていたが、今ではもう思い出せない。

 自分の本名すら忘れそうになるほどである。



 早く外に出たかった俺は、お皿の上のベーコン3枚を一度にまとめてフォークに突き刺し、口に入れた。



 その時、突然、目の前が真っ暗になった。



「きゃあ」


 ピクシーが短く悲鳴を上げる。この館にいる唯一の女性である。



「……おそらく停電だろうね。これだけひどい嵐だと、送電線の一本や二本、プツンといったって少しもおかしくないよ」


 ピクシーとは対照的に、普段どおり、冷静に事態を分析したのは、オークだった。



「スライム!! そっちはどうだい?? やっぱり消えてる??」


 オークが呼び掛けたのは、この館に常駐する執事である。

 館を相続した4人が、この広い館や、その何倍も広い無人島の管理を自分たちでできないことに気付くまでは、ひと月も時間を要しなかった。


 4人は直ちに執事を雇い、この館に住まわせたのである。


 そんな経緯であるから、執事のスライムは、この館にいる者の中で、唯一、モンスター闘技場にルーツを持っていない。


 少し物忘れが多いが、基本的にはしっかりと働いてくれている良い執事だ。



「オーク様、2階の電気も消えています」


 遠くからスライムの声が返ってくる。

 ドラゴンたちが今いる朝食会場は1階であり、スライムがいる炊事場は2階である。



「じゃあ、やっぱり停電だ」


「……クソ。よりによってこんな空が暗い日に……」


「ゴーレム、よりによってこんな日だからだよ。空が暗いのも、停電をしたのも嵐のせいなんだから」


「んなこと言われなくたって分かってるよ」


 ゴーレムが舌打ちをする。この2人のソリが合わないのは今に始まった事ではない。




 館の扉を開けると、強く風が吹き付けてきた。傘を差せるような状態ではないことは明白である。


 そのことが分かった時点で、俺はもうすでに館の中に引き揚げたい気分であったが、一度はゴーレムの提案を呑んだ手前、びしょ濡れになってでも外に繰り出すしかなかった。



「これはヤバいな……」


「ああ。今までにない大時化だな」


 2人は、岸辺の一歩手前で自然と足を止めた。

 これ以上岸に近づいたら、大波が来たときに危ないと察したからである。



「ゴーレム、当たり前だが、船を出せるような状態じゃないよな」


「一瞬で転覆するだろうな」


 この無人島において船を使えないということは、すなわち、館の者は閉じ込められた、ということになる。


 もっとも、この無人島には普段から人が出入りすることはないのだから、普段と状況は変わらないとはいえる。


 とはいえ、あえて出入りをしないということと、出入りをしようと思ってもできない、ということは、精神的な意味合いがだいぶ違っていた。



「ドラゴン、こういうの何て言うんだっけ?」


「こういうの?」


「無人島から出られなくて、しかも、停電で電話も使えなくなって……」


 俺は、ゴーレムの言わんとしていることが何かを察した。



「クローズドサークル、だろ??」


「そうそう。それそれ。クローズドサークル」


 

 クローズドサークル。

 閉じられた空間。

 ミステリー小説で好んで使われる設定である。

 警察の出入りできない空間で連続殺人事件を起こし、次の獲物が自分になるかもしれないというスリルと、自分たちで事件を解決しなければならないというタスクを演出するものである。

 

 もちろん、それはフィクションの話である。


 現実には、クローズドサークルになったとしても、殺人などは起きない。



 ゆえに、俺は、


「ゴーレム、今日は一人っきりにならない方がいいぜ」


と茶化したものの、特段の警戒心を抱いたわけではなかった。




 館に戻り、シャワーを浴びた俺は、すぐに自室へと戻った。


 外が雨だろうが、晴れだろうが、日中はだいたいいつもそうして過ごしている。


 館の居住者と極力顔を合わせたくない、というのが主たる理由である。



 俺がベッドで本を読みながらウトウトしていると、ドアをノックする音が聞こえた。


 この館では、それぞれの居住者の部屋には鍵は取り付けられていない。

 そのため、俺が、「どうぞ」と声を掛けると、スーッとドアが開いた。



「何の用だい??」


 俺は、部屋に入ってきたのが誰かを確認すると、すぐに視線を本に移した。



 俺の問い掛けに対し、なぜか返事はなかった。


 そいつは、無言のまま、俺の方に近付いて来る。



「おい。何の用だよ??」


 イラついた俺は、本から視線を外し、そいつを睨みつけようとした。



 そのとき、ギラリと輝くものが見えた。



 刃物である。



 俺の部屋に入ってきたそいつは、俺に刃物を向けていたのである。



「一生おやすみ」


 事態を呑み込んだときには、もうすでに回避動作をとれるような距離ではなかった。


 俺の身体はナイフで何度も何度も繰り返し刺され、俺の意識は絶望の最中でプツンと途絶えた。




【4 〜スライム〜】




 私がドラゴンの悲鳴を聞いたのは、吹きつける雨風によって割れてしまわないように、館中の窓という窓に木材を打ち付けている最中だった。


 最初に聞こえたときは、風の音かとも思った。しかし、悲鳴は一度ならず二度三度と聞こえてきた。これは只事ではない、と私は悟り、咥えていた釘をペッと吐き出すと、悲鳴の聞こえた方へと向かった。




 私がドラゴンの部屋の前に到着した頃には、この館の持ち主は全員揃っていた。


 そして、3人とも、部屋の入り口で立ち尽くしていた。


 3人の立っている隙間から、私は、部屋の中を覗き込む。


 ベッドの白いシーツが真っ赤に染まり、その中心で、ドラゴンが息絶えていた。

 彼の身体には、どれが致命傷か分からないくらいに、無数の刺し傷があった。



 誰かが言葉を発する前に、まずピクシーがその場でうずくまり、嘔吐をした。



「おい。ゴーレム、ピクシーを彼女の部屋に連れて行ってやれ」


「了解」


 オークの指示に素直に従うゴーレムは久しぶりに見た気がする。



 ゴーレムがピクシーを抱えていなくなると、今度は、オークが私に指示を出す。



「スライム、申し訳ないが、ここを見張っててくれないか。まさか犯人が部屋の中にまだいるとは思わないが、現場から目を離すのは得策じゃない。俺は別の場所を探す」


 オークが「犯人」と口にするのを聞いて、そうか、これは殺人事件なのか、とようやく認識できた。


 それくらいに、ドラゴンの死体を目撃した衝撃が、私の頭の動きを鈍らせていた。



 オークは、私が「了解です」と口にする前に、廊下の向こうへと駆けて行った。

 執事である私には、彼の指示に従わないという選択肢はないので、それで問題はない。


 私は、あまり見たくない光景だったが、ドラゴンの死体が横たわる部屋の中を監視し続けることにした。



 少しずつだが、頭が働いてくる。


 ドラゴンは何者かに殺された。刺し傷が複数あることからも、自殺とは考えにくいだろう。


 とすると、ドラゴンを殺した者が必ずいるはずだ。


 しかし、嵐によって、この無人島、そしてこの館は完全に閉ざされている。



 つまり、ドラゴンを殺したのは、この館に住む誰かなのだ。



 被害者も身近な者だったが、加害者もまた身近な者なのである。


 そのことの恐怖は、想像を絶するものがある。



 では、誰がドラゴンを殺したのか――



 私の思考はそれ以上進まなかった。

 考える材料がなかったということもあるし、考えること自体が精神的に辛かったということもある。



 それにしても、その後の私の行動はあまりにも迂闊だった。


 私は、殺人鬼のいる部屋へと、自分から飛び込んでしまったのである。




 ドラゴンの部屋の前に戻ってきたオークから、見張り役を解除された私は、ピクシーの汚物を処理すると、のこのこと()()部屋へと向かった。

 皮肉なことに、そこが一番落ち着ける場所だと思っていたのである。



「やあ」


 そいつは、その部屋で、私が現れるのを待ち構えていたである。


 重たい鉈を持って。

 


「……な、なんで……」


「ごめんね。君には恨みはないんだけど」


 そう言って、そいつは鉈を振り下ろし、私の頭を真っ二つにした。


 私の意識は、強烈な痛みの中へと紛れ込んでいき、そのままボヤけてなくなった。





【5 〜ピクシー〜】



 ひどい嵐に見舞われただけでも最悪の1日だったのに、まさか館の中で殺人事件が起きるなんて。

 

 しかも、殺されたのはドラゴンだけではない。


 私が部屋のベッドで横になり休んでいるうちに、執事のスライムまでもが犠牲になったのである。


 スライムの死体は、鉈とともに、1階のロビーに落ちていた。

 否、落とされていたのである。



 スライムの悲鳴の後すぐにドンっという大きな音が響いた。


 スライムが自分の頭を鉈で砕いた後に自ら飛び降りたということは考えにくい。明らかに他殺である。犯人は2階もしくは3階でスライムを鉈で殺害し、吹き抜けから1階に落としたのだ。



 ドラゴンは少しキザだったがとても良い奴だったし、スライムだって、頼んだ事をコロッと忘れることもあったが、基本的には優秀な執事だった。ちゃんと寝てるか心配になるくらいに、朝晩問わずにフル稼働でこの館の雑務をこなしてくれた。


 彼らはなぜ殺されなければならなかったのか。


 犯人が一体何を考えているのかはさっぱり分からない。


 もっとも、犯人について、一つだけ言えることがある。

 


 それは、犯人は、オークかゴーレムかのいずれかということである。


 嵐によって、無人島とこの館はクローズドサークルになっている。外部からの出入りはできない。


 ゆえに、犯行が可能なのはオークかゴーレムだけなのである。



 今、私は、そのオークとゴーレムと3人でテーブルを囲んでいた。


 殺人鬼とこんな近くで過ごすのは私の望むところではない。


 もっとも、鍵もない部屋で一人でいるよりは、例えその中に殺人鬼が混ざっていたとしても、3人一緒にいた方が安全であることも事実だった。



 先ほどから続く無言の時間が耐えられなくなり、私はついに思っていたことを口に出してしまった。



「ゴーレム……あなたの仕業なんでしょ?」


「……は? 何の話だよ?」


「ゴーレム、とぼけないで。私には分かるの。こんなひどいことをできるのは、この館にあなたしかいない」


「ピクシー、お前、馬鹿なのか!?」


 ゴーレムは椅子から立ち上がると、ズカズカと私に迫り、私のワンピースの胸ぐらを掴もうとした。


 しかし、私に届く直前のゴーレムの手を、オークが掴み、制止した。



「おい。ゴーレム、やめろよ。これ以上暴れると犯行を自白したものとみなすぞ」


 ゴーレムがオークを睨みつける。2人はしばらく睨み合ったまま、だったが、やがてゴーレムが腕の力を抜く。



「俺はやってねえよ。ドラゴンもスライムも殺しちゃいない」


「僕だって誰も殺してない。きっとピクシーだって同じことを言うだろう」


「じゃあ、誰が犯人なんだよ!?」


「残念ながら、僕には分からない。僕は犯人じゃないからね。……ねえ、ピクシー」


 不意にオークに呼び掛けられ、私はビクッとする。



「ピクシー、君がゴーレムを犯人だと断定する根拠を教えて欲しい」


 私は、このドラゴン及びスライムの殺害事件について何らかの推理をしたわけではなかった。

 かといって、当てずっぽうでゴーレムを名指ししたわけではない。



「私、知ってるの。ゴーレムは、トレーナー時代もよく不正を働いていたわ」


「不正?? 俺が一体何の不正をしたって言うんだ?」


「よくそんな堂々としらばっくれられるわね。私、知ってるのよ。あなた、モンスターの『すり替え』をよくやってたでしょ?」


 「すり替え」とは、モンスター闘技場における代表的な反則の一つである。

 試合登録されたモンスターを、同じ種類の別のモンスターにすり替えて戦わせるという反則だ。


 モンスター闘技場で行われる試合には、レベル無制限の戦いもあれば、レベル20以下、レベル30以下などの限定戦もあった。

 たとえばレベル20以下の限定戦に、レベル20のリザードマンを事前に登録しておき、しかし本番には、そのリザードマンとは別の、レベル30のリザードマンを出場させるといった行為を「すり替え」という。


 闘技場で戦うモンスターは番号付きのタグによって管理されているが、試合の直前に、そのタグを入れ替えるのだ。



「記憶にねえな」


「それは実際にやってた人の物言いよ」


「仮にやってたとして、それが今回の事件と何の関係があるんだ?」


「あなたがそういう人間だ、ということよ」


「てめえ」


 ゴーレムがオークの手を振り払い、再び私に襲いかかってくる。

 


――殺される。



 私は、すんでのところでゴーレムの拳を躱すと、館の外に向かって逃げ出していた。



 嵐の中を私は土足で駆けていた。


 ゴーレムから逃れたいという気持ちがあったが、それ以上に、この館から逃れたいという気持ちが強かった。


 ゆえに、ゴーレムが私を追いかけるのをやめたことに気付いた後も、私は館から遠ざかろうと必死で走り続けた。



 私が辿り着いたのは、無人島に一箇所だけある岬だった。


 ここは、この島で一番開放感のある場所だ。

 共同生活の中でストレスが溜まると、よく私はここを訪れる。


 激しい風雨に打ち付けられ、目を開けていることすらできなかったが、それでも、あの館の中にいるよりはマシだと思った。




 一体何分くらい岬で立っていただろうか。

 もう10分以上経過しているかもしれない。


 洋服から髪の先までびしょ濡れになった私は、さすがに屋内に戻らないと凍えると思い、肩を抱きながら、館の方へと振り返った。



 その時、私はようやく、殺人鬼が私のすぐそばに迫っていることに気付いた。



「姫、もう気は済んだかい?」

 

 そいつが持っていた包丁には、血がこびりついていた。おそらくドラゴンの血だ。



 私は後退りをしたが、後ろは絶壁である。逃げ場などない。



「良かっただろ。大好きな岬に自分の墓標が立つんだ」


「きゃあああああ」


 今、この場ですぐに気を失うことができればどんなに楽なんだろう――私の身体をメッタ刺しにしながら不気味な笑みを浮かべるそいつの表情を見ながら、私はそう思わずにはいられなかった。




【6 〜オーク〜】




 ピクシーが館を飛び出してから、もうすでに1時間が経過していた。


 雨霧の中に消えて行った彼女をほとんど追いかけることなく、ゴーレムはすぐに館へと戻ってきたから、僕はすでに1時間もの間、ゴーレムと館で2人きりだったということになる。


 僕が犯人でないことは、僕自身が一番よく分かっている。


 ゆえに、第三者がこの無人島に侵入してきたということがない限り、犯人は、ピクシーかゴーレムかのいずれかである。


 まず、第三者の侵入の可能性はない。


 この無人島には船着場が一箇所しかなく、そこには、常に館の居住人が共同で所有している船が停泊している。

 その船を使うか、もしくは、その船を動かしている間に船着場に停留するかしか、この無人島に訪れる手段はない。

 そのため、外部からの侵入があったかどうかを把握できるのであるが、ここ数ヶ月間、無人島への船の往来はなかった。


 加えて、死んだと思われてる者が、実は生きている、ということもありえない。僕はそれぞれの死体を具に観察し、いずれも捏造ではないことを確認している。


 とすると、犯行は内部の、今生きている人物によるものである。


 ピクシーも指摘した通り、普通に考えれば、犯人はゴーレムだ。


 ピクシーが行ったような悪性格の立証、というよりは、ナイフや鉈を使った犯行が女性によるものとは考えにくいように思える。もし被害者から反撃され、凶器を奪われたら、と考えると、自分より力のある相手に向かっていくのはあまり利口ではない。



 その点、同居人の中でもっとも体格のいいゴーレムは、犯人像と合致している。



 とはいえ、その程度では犯人を断定するには足りない。



 ゆえに、ゴーレムと2人きりで館に取り残された僕は、警戒はしつつも、さも今朝から何もなかったかのように、居間でゴーレムと談笑したり、部屋で本を読んだりして過ごしていたのである。


 結果、実際に何も起きなかった。



 さらに1時間が経過した。

 さすがにピクシーが戻って来ないというのは異常である。



 季節は夏であるとはいえ、今日の気温はガクッと下がっているし、2時間も雨に濡れていたらかなり寒いはずである。


 いくらこの館から、この現実から逃避をしたいとはいえ、さすがにそんな長時間は外に居られないはずだ。



 僕は、ゴーレムにバレないようにそっと館を抜け出すと、無人島の岬へと向かった。

 ピクシーがいそうな場所として真っ先に思いついたのがそこだったのである。



 悪い予感は的中していた。


 岬には、ピクシーの他殺体が転がっていたのである。


 念のため近付いて確認したが、間違いなくそれはピクシーの死体であり、捏造されたものではなかった。



 その瞬間、次の僕の行動は決まった。


 

 生き残るためには、やられる前にやるしかないのである。




 館に戻ると、ゴーレムは居間のソファでくつろいでいた。



「オーク、そういえばピクシーが帰って来ないな。もしかして、泳いでこの島から抜け出そうとでもしたのかな」


 ピクシーを自らの手で殺めておきながら、よくもここまでとぼけられるものだ、と僕は感心する。

 殺人犯というのは、おそらくそういうことが得意な人種なのだろう。



 僕が護身用にポケットに入れていたナイフを突き出すと、彼の目の色が変わった。



「……オーク、お前が犯人だったのか……」


 この期に及んでまでとぼける必要があるのだろうか。

 僕は、ゴーレムの態度を不審に思ったが、ここで一瞬でも戸惑いを見せてしまえば、隙となる。



 僕は、考えるのをやめ、ゴーレムへと突進した。


 しかし、不意打ちに成功したからといって、肉弾戦では、やはりゴーレムに分があった。


 彼は僕の肩を掴むと、そのまま僕を背後に押し倒した。



「てめえ、ふざけたことをしやがって!!」


 ゴーレムは僕の手からナイフを踏んだくった。完全に形勢逆転である。



「ドラゴンとスライムの仇だ!!」


――こいつ、まさか本気で言ってるのか??


 僕の心とは対照的に、彼の刃に迷いは無かった。


 奪われたナイフで胸を一突きされた僕は、最期に下した自分の判断の正しさを検証しきれないまま、永遠の闇に意識を落とした。




【7 〜警察の介入〜】



 警察が、船に乗って無人島へと向かったのは、この地域を襲った嵐が去ってから1週後のことだった。


 通報したのは、館に住む者のうち1人の家族であり、嵐の日以降、館との連絡が取れなかったことを心配したとのこと。仮に嵐によって館が一時的に停電等したとしても、天候が回復した後1週間も固定電話が復旧しないというのはおかしい、とその通報者は警察に訴えた。



 到着した無人島には、事件性の有無について半信半疑だった警察の目を覚まさせるものがたくさんあった。



 人間の死体である。

 


 館の居間に2体、館の個室に1体、さらに無人島の岬に1体の()()()の人間の死体が転がっていた。


 いずれも病死ではない。明らかな外傷があった。



 十角獣館に住んでいる男女は、全員が闘技場の元トレーナーであり、奇妙なあだ名で呼ばれている。


 岬にあったのは、女性の死体であった。

 館に住む女性は1人しかいない。これは「ピクシー」と呼ばれる女性の死体である。


 館の2階にある個室のベッドに寝かされた死体は、警察が事前に親族から見せられていた写真から、「ドラゴン」と呼ばれる男性のものと照合された。


 居間の死体は、一方は背が高くガッチリした男性のものであり、もう一方は対照的に小柄な男性のものであった。

 前者は「ゴーレム」のものであり、もう一方は「オーク」のものだろう。



 この館に暮らす、元トレーナーの男女4人は、すべて死体で発見されたことになる。


 

 また、館の中には、()()()()の死体があった。



 人間の死体ではない。


 ()()()()()()()()()()()


 こちらも明らかな他殺体であった。

 

 このモンスターについても、十角獣館の居住者であることが、事前の情報より確認された。



 客観的な状況から、警察は、一連の殺害事件の犯人を、「ゴーレム」と呼ばれる大男であると結論付けた。


 その理由は、死亡推定時刻がもっとも遅いのがゴーレムであったこと、オークの心臓に刺さっていた刃物からゴーレムの指紋が採取されたこと、ゴーレムのみが刃物や鈍器ではなく銃によって死んでいたことである。



 犯人断定の裏付けとしては心許ない部分はあるが、いずれにせよ「犯人死亡」なのだから、真相を突き止めるインセンティブが強くあるわけではない。



 無論、警察としては、犯行の頃に、十角獣館に第三者がいた可能性についても捜査したが、半年間以上にわたり、無人島へと行く船は出ていないことが確認されたため、その線は消えた。


 

 こうして「ドラゴン」、「ピクシー」、「オーク」、「ゴーレム」の4人の人間が命を落とし、さらに、手足のない液体状のモンスターである()()()()1匹までもが巻き込まれて命を落とした、犯罪史に残る凶悪事件「十角獣館の殺人」の捜査は幕を閉じた。




【8 〜???〜】



「仕事がキツくて、もう限界だよ」


 俺に対し、大きなため息とともに不満を漏らしたのは、たまたま隣の席に座ったスライムだった。


 館で執事として勤務する彼は、就職後半年してようやくとれた休みを利用し、このモンスターが集うバーへと足を運んだとのことだ。


 彼は、「普段は飲めないんだよね」と言って、先ほどから大量のアルコールを摂取している。



「24時間働き詰めなんだ。館の居住者の生活リズムがバラバラだからね。深夜に仕事を頼まれることも平気である」


 それは酷い、と率直に思った。


 人間の世界には労働基準法というものがあって、人間が1日に働ける時間が制限されている。

 他方で、この労働基準法はモンスターには適用されない。

 モンスター達は、人間に置き換えたら考えられないほどの長時間労働を余儀なくされているのだ。



「十分な報酬はもらってるの?」


「いや。全然」


 隣の席のスライムが首を振る。



「お金はほとんどもらってないよ。今日の飲み代でほとんど消えるほどさ。館に住まわせてもらうことと、賄いの食事をもらえることくらいかな。主な報酬は」


 憤りを禁じ得ない。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 そして、俺も、彼と同じく人間にこき使われ、辛い目に遭わされたことがある。


 ゆえに、俺は彼の不遇を「他人事」として見過ごすわけにはいかなかった。



「君にそんな酷い働かせ方をしている館というのは、一体全体どこにあるんだい??」


「無人島。十角獣館っていう名前の館さ」


 まるで頭をトンカチで殴られたかのような衝撃だった。


 知ってるどころの騒ぎではない。



 筆舌に尽くし難いパワハラによって、俺を追い込み、トラウマを植え付けた職場こそがモンスター闘技場だった。




 俺の配属先は、トレーニング施設であり、業務内容は整備と片付けだった。しかし、そこにいたトレーナー達は、俺にある「秘密の残業」を命じた。


 「実戦トレーニング」の名目で、俺をサンドバッグにしたのである。


 反撃を禁じられたまま、毎日、俺はモンスターの攻撃を受け続けた。

 間違って俺を殺してしまえば責任問題となることを知っていたため、トレーナー達はモンスターに手加減をさせていたが、それでも限界近くまで俺の肉体を、そして精神を蹂躙し続けた。


 怪我をした状態でその場に置いてかれ、泣きながら自力で病院に足を運んだ回数は数え切れない。


 俺は退職を何度も希望したものの、受理されることはなかった。

 むしろ、俺が出勤をしないと、人間達がわざわざ俺の家まで来て、闘技場まで引き摺られた。



 俺がついに解放されたのは、肉体的にも精神的にも朽ち果てる直前だった。

 

 メディアによって「実戦トレーニング」の存在が明るみとなり、スキャンダルとなったのである。


 モンスターを使ったモンスターへの暴行そのものは犯罪ではないものの、俺が受けていたあまりにもひどい待遇は、一種の「愛玩動物いじめ」としての非難の対象となった。


 これを受けて、モンスター闘技場の運営者は、内部調査を行い、「主犯格」であった4人のトレーナーを資格剥奪処分とした。


 その4人のトレーナーこそが、十角獣館を相続した、「ドラゴン」、「ピクシー」、「オーク」、「ゴーレム」だったのだ。



 資格剥奪処分となった関係で、彼らは職を失い、また、モンスター闘技場関係の仕事から金輪際排除されることになった。

 それだけでなく、退職金を受け取る権利も失った。


 また、実名公表もされたことから、世間の関心が冷めるまでは、通常の日常生活を送ることもできなくなった。



 ゆえに彼らは、グリーンウッド氏の館の相続の話に乗っかったのである。


 館を相続すれば、住居費に困ることがないばかりか、世間から隔絶された無人島でしばらくの間生活できる。


 まさに渡りに船だ。


 これは俺の想像に過ぎないが、おそらく、彼らが奇妙なあだ名で呼び合っていたのも、可能な限り実名が世間に漏れないための配慮に違いない。




 俺は、俺を「廃人」にした4人に対し、いつか復讐をしたいと思っていた。


 そして、目の前のスライムの話によれば、その4人は、未だに反省をしておらず、世間の目が届かない無人島において、俺と同じスライムをこき使い続けているのである。許すことなど到底できない。



 あまりにも色々な想いが一気に頭を駆け巡ったため、俺は、その場では、ふーんと適当に相槌を打っただけだった。




 しかし、翌朝、「妙案」を思いついた俺は、彼が一泊しているという旅館に電話をしていた。



「突然だけど、俺にいいアイデアがあるんだ」


「アイデア??」


「そう。君を過重労働から救うためのね。一緒に()()()()()()()()()をしよう」


 

 俺がそのとき彼に説明した内容は、大体以下の通り。


 休暇を終えた彼が乗る船に、俺もこっそり一緒に乗り込む。


 そして、俺も十角獣館に行き、そこでの生活に加わる。


 ただし、俺の存在は4人には隠す。


 そして、彼と俺とで「2人1役」を演じる。


 つまり、「執事のスライム」1匹を、2匹で分担して行うのである。



 そうすれば、1匹分の仕事を2匹でシェアできるため、単純計算、労働の負担は2分の1になる。

 彼によれば、仕事は24時間降ってくるとのことだが、たとえば午前中の12時間は彼が「執事のスライム」を担当し、午後の12時間を俺が「執事のスライム」を担当すれば、睡眠時間をちゃんと確保できる。


 一方が「執事のスライム」として稼働している時間は、もう一方の休憩時間だ。「2人1役」がバレないために、決してその間は執事室から出てはならない。 


 このワークシェアリングのメリットは、仕事を分担し、業務負担を大幅に減らせること。


 他方、デメリットは、もらえる報酬も半分になってしまうこと。


 しかし、この点について、彼から物言いは入らなかった。

 そもそももらっている金額は些末であり、どちらかといえば、彼の希望は居住場所と食事の提供だったのだ。ワークシェアリングをしても、居住場所は奪われないし、食事に関しては、賄いは自分で勝手に作っているものだから量を調整することができる。



 その代わり、彼は、俺に対し、なかなか鋭い指摘をしてきた。



「たしかに素晴らしいアイデアだけど、仕事を減らすためだったら、君の存在を隠す必要はないんじゃないかな?? スライムを2匹に増員しました、でなんか不都合はあるの??」


 俺はチッチと舌を鳴らす。



「甘いね。それはあまりにも人間を舐め過ぎてるよ。人間は、モンスターが2匹に増えれば、その分仕事の量を2倍にしてくるよ」


「たしかに」


「だから、執事は1匹に見せかけなきゃダメなんだ」


 それは、俺が考えた作戦を押し通すための方便だったが、あながち嘘でもない。

 とりわけ、あの性根の曲がった4人に関しては、必ずそうしてくるに違いなかった。


 


 こうして酒場で出会ったスライムを説得した俺は、十角獣館のある無人島へと船で渡った。


 そして、原則的に彼を昼番、俺を夜番とし、「2人1役」のワークシェアリングを開始したのである。


 今から約1年半前の話だ。



 ちなみに、この作戦において、4人に対し、彼と俺を同一のスライムであると認識させることには何の障害もなかった。

 

 なぜなら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 それはモンスターを見慣れているはずの元トレーナーでも同様であり、その証拠に、闘技場では、同じ種類のモンスターを入れ替えて使う「すり替え」と呼ばれる反則が横行していた。


 万が一2匹が同時に存在している場面を見られない限り、「2人1役」がバレることはないのである。



 実際に館に住んでみると、酒場で聞いた通り、館での執事業務は過酷なものであった。到底1匹のスライムがこなせる業務量ではなかった。


 ワークシェアリングによって業務負担が軽くなったことを、元々1匹で業務をこなしていた彼は、心から喜んでおり、執事室で入れ替わるごとに、パートナーである俺に感謝をしてきた。


 そのたびに俺はまんざらでもない気持ちとなったが、俺が「2人1役」を提案した真の目的はそこにはなかった。



 俺は、この館に住む4人に復讐をするために、同胞をも騙していたのである。



 復讐を決行するのは、激しい嵐の日だと決めていた。


 外部からの出入りが遮断され、クローズドサークルが完成したとき、ようやく俺の作戦が機能する。


 嵐の日になれば、俺は、いともたやすく館の居住者を順に殺していくことができるのだ。



 居住者4人は、普段から俺に接しながらも、俺の存在を認識していない。


 2匹のスライムを、1匹のスライムと錯覚している。



 ゆえに、俺は、相棒を殺すことによって、()()()()()()()()()()()()()()()()()



 クローズドサークルにおいて、存在を消した者は無敵である。

 

 縦横無尽に動き回ることができる。


 憎い元トレーナーどもを1人1人じっくりと嬲り殺すことができる。



 そのために、俺は、酒場で出会った彼にワークシェアリングを提案し、「2人1役」の片割として館に忍び込み、嵐の日を虎視眈々と待ったのだ。


 

 ナイフや鉈といった凶器を口で持って扱うことは、普段から口を使って調理器具を扱ったり工具を扱ったりしていたから問題なくこなせた。


 また、「第三者」が館にいる可能性など微塵も疑わなかった居住者達は、いざ犯行が始まっても館の中を捜索することなどはしなかったから、普段通り執事室に隠れてさえいれば、姿を見られることはなかった。

 


 「ゴーレム」が正当防衛によって「オーク」を殺してしまうという誤算があったものの、それ以外は俺の想定した通りに進んだ。

 なお、最後に残った「ゴーレム」を殺す際には拳銃を使った。彼が犯人であり、犯行の後に自殺をしたように見せかけるためである。




 俺は、嵐がやむと同時に、無人島に停泊してあった船に乗った。



 具体的な行き先はない。

 憎き元トレーナーに復讐を果たした時点で、俺の生きる目的は達している。



 だから、遠く、できるだけ遠くに行くのだ。


 遠くに行けば行くほど、警察は、俺と事件とを結びつけることができなくなる。


 俺が「人生」を懸けた「十角獣館の殺人」が完全犯罪により近付く。



 俺は、船のガソリンの限界まで、大海原を突き進むことにした。



 辿り着く先がどこであっても構わない。



 ただ、できれば、そこには優しい人間がいて欲しいな、とは思う。






執筆秘話:

言うまでもないですが、本格ミステリの金字塔である綾辻行人の「十角館の殺人」のパロディです。


設定はかなり寄せています。冒頭の「犯人」の独白、無人島にある館、互いにあだ名で呼ぶ居住者、被害者への視点転換、最後の「そして誰もいなくなった」などなど。


読者様が「十角館の殺人」を既読である前提で書いた作品ではありますが、別に未読であっても本作は楽しめるとは思いますし、裏を返せば、本作の後に本家「十角館の殺人」を読んでも十分楽しめると思います。というか、「十角館の殺人」「占星術殺人事件」(島田荘司)「仮面山荘殺人事件」(東野圭吾)は、日本ミステリーの三大聖書だと思っていますので、未読の方は絶対読んでください(ただし、僕は、綾辻行人の館シリーズだと「迷路館の殺人」がベストだと思っています)。


本作の着想は、「十角館の殺人」から、と言いたいのですが、実は違います。むしろアンデルセン童話の「親指姫」を読み、異種族間の交流から何か生み出せないかな、と思ったのが最初でした。


そこから、異種族間だと顔の識別ができない、というトリックを思いつき、それを上で挙げた「十角館の殺人」の設定に当てはめていった、という感じです。


なお、原作だと、スライムがトンカチを咥えている、という記述があり、ヒントになり過ぎていたかなと反省したので、今回のベストでは、トンカチではなく釘に変えました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「十角館の殺人」は未読なのですが、ファンタジー要素を大胆に取り込んだミステリーとして楽しむ事ができました。 モンスターが登場する事から、或る意味、幾らでも変則的な手段が使えるのに、敢えて…
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