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【32】聖女様と救出劇(1)


「よし!全員揃ったようだな」


ギルドマスターのノーフィスが召集を掛け、点呼を終えたところだ。ここはギルド長室。所長室とは違うギルドマスターの個室。

今は朝の9時。


ここから15㎞ほど離れたダンジョンへと向かう。


気持ち的には昨日のうちに出発したかったが、魔物が弱る日中に移動した方が安全だから朝まで待った。

休息も準備のうちである。


今回はギルドが必要なアイテム類は準備した。ポーションは傷を癒す王道の物から、麻痺や毒に強睡眠などの状態異常を緩和する物まで幅広く用意したの。何が起こるか分からないからね。


そして今回の救出の方針を伝える


「生存者のノルンの報告から推察するに、残りのパーティーメンバーも無事な可能性が高い。

だが聞いての通り魔物の大量発生ならその安全も確かとは言えない。それにもしダンジョンやその周辺が魔物だらけなら、救出もままならず諦めるしかなかった。

だが!」


そして隣にいるわたしの頭をポンポンと軽く叩き


「このアイラ嬢ちゃんがいる。

このお嬢ちゃんは随分と魔物に嫌われているらしくてな、魔物は近づいちゃ来ない。

それだけではなく、我先にと逃げ出すようだ。

一応その能力は確認済みだが、更なる証明と確認して安心して身を任せるには時間が足りない。

が!俺はこのアイラ嬢に賭けて見ることにした。てめぇ等には危ねぇ橋を渡って貰うことになるが、俺に付いてきて貰えるか?」


ここで剣士のターインさん。イケメンをさらにグレードアップさせる真剣な眼差しで告げる


「ゴメスさんは俺の師匠みたいな人です。助けられる可能性があるなら、藁にも掴みたい。

それにマスターが信用して命を賭けるなら、ボクには反論は何も無い。今まで数々の修羅場を潜り抜けてきたマスターにボクは付いて行きます。

それに……」


ターインさんはわたしにウィンクした


「こんなキュートなアイラちゃんが同行するのに、ボクらが逃げ出す訳には行かないでしょう」

「大いに同意。我も命を賭けてアイラちゃんを守ろう」


そう物静かに同調したのは、ガードのドゥオンさん。目を閉じて神妙な顔をしているけど、眉毛が八の字なので笑える


「わたしは別にお金さえ貰えればいいわ。サポートなら任せなさい。それにしてもノルン。

あんた重症で寝たきりで身動き取れないって聞いたけど、ずいぶんと元気そうね?」

「そうなんですよ!」


お色気満載シャナ姉さんの問いに、元気ハツラツこたえるノルンさん


「そこのガイさんがわたしの為に秘蔵秘伝秘宝の[幻のポーション]使ってくれたのです!そしたらみるみる良くなって、見てくださいよコレ!」


いきなり耳をシャナ姉さんに近づける


「その耳がどうしたのよ?」

「半分千切れて失くなっていたけど、再生したの!」


「えっ?マジで?欠損部分が自己再生したの?

取れてた耳をくっつけたのではなくて?」

「はい!そうですよぉ!ウニニニニってモリモリ動いて元の形に戻っちゃいました!」


ヒール系魔法は基本骨や傷口を塞ぐことは出来るが、手足の欠損は再生しない。只切られた直後なら腕や足をつけて魔法を掛ければくっついて元に戻る。けれどそれはヒール系最高魔法[ヒーレア]で可能なの。

でもヒーレアは魔力を1000も消費しちゃうから、おいそれとは使えない。以前に使える者も少ないの。


骨折や重症を一ヶ所治せる[ヒーラル]は500の魔力は消費。


わたししか使えない、ほぼ万能魔法[キュール]は200しか減らない。けどわたしの魔力は今60万もあるから、ほぼ無限に使えると言っても過言ではないわ!

3千倍だしね!


色々可笑しいと思う!


そしてノルンさん。いきなりガイの腕に絡み付いたの!


「なんだ?いきなり」

「シャナちん!わたしその[幻のポーション]と引き換えに、ガイさんに身と心を捧げることにしたの。

だからあたしはもうガイさんの物だよ」


「はあああ!?なんだそりゃ!」



驚きおののくガイ!

父さんの浮気確定!


この女たらし!






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