表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/128

【30】聖女様と冒険者(6)


ジャンの父、ゴメスとそのパーティーメンバーの救助隊が結成された。

ギルドマスターのノーフィスを隊長に、ガイとわたし、それとギルドからの指名依頼ということで冒険者から三人召集された。


剣士のターインさん。20歳の金髪碧眼のイケメン冒険者。ランクはA。小盾(スモールシールド)で堅実にガードしながら、片手剣(グラディウス)を駆使し戦う。

若いながら決して無理をしない戦い方を評価されてメンバーになった。


盾役(ガード)のドゥオンさん。お父さんのガイに匹敵する巨漢!でもお顔がね。黒くて太い眉毛がハの字になっていて可愛いのよ。多分30台前半ね。

焦げ茶の髪に緑の瞳。とても優しそうなおじさんね。

両手に盾を持っていて、わたしを守ってくれるの。

ほぼわたし専用のガードね。


次は治療士のシャナさん。普通治療士ってイメージしたら、白いローブを着た神官のような人を思い浮かべるけど、この人違う。

赤毛で緋色の瞳。紫のワンピースを着ているけど、丈が短い!胸元開いてる!ボイン!今日日いわないか?

巨乳!……何だか男の人が喜んでお酒を飲みに行くお店の人みたいな感じ。まだ19歳ってさ!

わたしの(実)年齢と3歳しか違わないのにこの色気ってなに?不公平だわ!わたし見た目12歳の丸眼鏡なんですけど!

これでも治癒魔法のヒールの上位種[ヒーラル]を使いこなす優秀なお姉さん!

えっと……ヒールは傷を癒す魔法ね。ヒーラルは骨折も治せるわ。更なるヒール系上位魔法ヒーレアは同時に何ヵ所かの骨折や傷を治療するの。でもどれも体力までは回復出来ないわ。


因みにわたしはヒールしか言わない(・・・・)けど、しれっと傷や骨折なんて全回復するわ!

でも最近は[キュール]に頼りきり。毒や麻痺等の状態異常も傷も治せて、しかも体力も失った分の7割は回復してくれるの!

でも人前ではまだガイとアマンダ……わたしの両親の前でしか見せたことはない。


でもシャナさんはとても優秀だわ!これだけの能力があれば、神殿に帰属して臨時神官として働くと結構な額を稼げると思う。


でも……ね。


この格好にこの色気じゃね


──神官は無理だわ!


それで冒険者になったのね。


以上が召集された冒険者3人だけど、彼らを含めた私達6人には欠かせない冒険者職の人がまだいない。


それは……。


斥候!


幾らわたしがサーチで敵の数や強さが分かると言っても、ダンジョンの構造までは分からない。

だから道案内や罠を解除したり出来る斥候役の人は欠かせないの。


でもその最適人の冒険者は今、怪我をしてまともに動ける状態ではないの。誰だかわかる?

それはね。

ゴメスのパーティーからの唯一の生存者!

斥候のノルンさん。16歳。同い年。


今……現在進行形でベッドに寝たきりなの。


ここまで来れたのが奇跡なくらいに全身に酷い傷を追っていたらしい。上半身は所々骨折し、骨も見えてるような裂傷もあった。

それはパーティーの遭難を知らせる為に、走る脚を守り抜いた傷!魔物の攻撃を掻い潜り逃げに徹して、走りに走って冒険者の街カムスにたどり着いた。


門番にパーティーの遭難と魔物の大量発生を告げて気を失って、先ほど目覚めたばかり。

とても同行出来る状態では無い。


ベッドの傍には詳しい事情を聞くために、ノーフィスが秘書のリンさんを伴って詰めている。ダンと我が儘言ってわたしも同行を許された。

ノルンさんはリスのような獣亜人。

小柄でわたしより少し背が高いくらい。


可愛い丸みを帯びた耳をしているけど、片耳が半分千切れていたらしい。今は包帯に隠れている。

肌が黄土色の短毛に覆われて、頭髪は茶色で瞳は黒。

クリクリと良く動くの。


その瞳をギラギラさせて、ノーフィスに必死に訴えている!


「お願いです!あたしも連れて行ってください!

あの場所は説明が難しいです!あたしが同行すれば皆が助かる可能性があがります!」

「無茶を言うな!その体では足手まといだ。

大人しく情報だけを教えてくれ!」


「でも!あたしが行った方が、確実です!」

「無理だと言っているだろうが!」


「あたしを連れて行かなければ教えません!」

「それでは間に合わん!時は一刻を争うのだ!」


「だからこそ!あたしが必要なんですよ!

頭でっかちのわからず屋!」

「わからず屋はお前だ!」


これではいたちごっこ

ここでわたしがガイを小突く。


ガイは微妙な顔をして頷いた


「あー実は以前に俺の今は亡き師匠から貰ったポーションが有るんだが……。それならどうにかなると思う」


「「本当か!」」


いがみ合いに疲れた二人はガイを睨み付け、叫んだ!







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ