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メロンクロワッサン。

「コレは買いだな。あと、コレも…。」

トングで緑色のパンを掴んではトレーに乗せていく。

俺は今、メロンパンの種類が豊富なベイクショップにいる。これから件のカラメル・サレのマカロンをお届けするのだが、ついでにメロン味のメロンパンを買ってきて欲しいというリクエストがあったからだ。プレゼントとは別に渡すつもりらしい。そして、じいちゃんとばあちゃんの分も頼まれた。

「彩ちゃん、緑色のメロンパンをしょっちゅう食べていてなあ。美味そうに食べる、その表情《かお》を見ていると、お前が子供の頃を思い出すんだ。」

高校生の女の子に俺の子供の頃を重ねるのも、相手に失礼な気がするが。なんでもドリンクコーナーでミルクティと一緒に緑色のメロンパンを食べているところを見て、思わず話しかけてしまって、そのまま友達になったらしい。うーむ。よく警戒されなかったものだ。

「お。コレは美味そうだな。」

メロンのクロワッサン。コレは食べたことはないが、美味くないはずかない!よし。俺と陽菜の分も買っていこう。

レジで頼んで袋を3つに分けて入れて貰った。頼まれた分、じいちゃんたちの分は4個、俺たちの分は5個。頼まれた分の袋には10個あまり入っている。「何個でもいいからたくさん」と言われたから。

頼まれた袋のメロンパンは、イチゴ味や抹茶味も混ざっているがそれ以外は全てメロン味。クリームなしのもの、クリーム入りはカスタード入りとホイップ入りの両方。カスタードはもちろんメロン味だぞ。そこは頼まれ物とはいえ、譲れないものがある。表面もザラメ有りのと,つるんとしたもの。色も緑色だけじゃないぞ。オレンジ色のものもある。そしてメロンクロワッサン。まさに各種取り揃えてある。

車に戻ってハンドルを握る。さて、いよいよ病院に向かわないとな。しかし、気になるぞ。

気づいたら、最初の信号待ちでは片手にメロンクロワッサンを手にしていた。

サクッとしたメロン生地にクロワッサンのバターの香りがたまらなく合う。表面はサクッとしていながら,くしゅっと溶けていく。ああ、たまらない。味わっているつもりが、するすると口に消えていってしまった。余分に買っておいて正解だな。

いや、ちゃんと前を見て運転しているぞ。メロンクロワッサンのために前方不注意なんてシャレにもならないからな。

二個目を食べたくて手がウズウズしているうちに病院が見えてきたので、手を引っ込めた。帰りのお楽しみにしておこう。

病院のコインパーキングのゲートへとハンドルを切った。

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