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お雛様ケーキ。

ひな祭りが目前の本日。予約のお雛様ケーキがどんどん受け取られていく。やはりシーズンものは売っておかないとな。とはいっても、ホールのほうはひし形のスポンジ生地のまわりをシャルロットで囲み、上はピンク、白、グリーンの3色のクリームで飾って、イチゴと雛人形の砂糖菓子をトッピングした、ベタな、いやシンプルなデザインだ。もちろん菱餅の形のゼリー菓子も乗せている。ロールケーキにしようかとも思ったが、それだとお雛様を乗せづらいということで、ひし形に決定。クリスマスだと何種類か用意するが、今回はホールはシンプルなこの一種類だけにした。

しかし、しかしだ。単品のほうが自信ありだ。

お雛様カラーともいうべき、ピンク、白、グリーンの三段のムースを円形に仕立て、トッピングのお雛様はは生クリームとカットしたイチゴで作っているのだ。このムースは、ピンクはイチゴ、白はバニラ、グリーンは抹茶である。ムースのフレーバーについてはピンクはフランボワよりもイチゴのピンクのほうが、グリーンにしても、ピスタチオより抹茶のグリーンのほうがひな祭りらしい色合いになるということでこの組み合わせに決定した。

単品のほうは予約は入っていなかったが、けっこう売れている。普通にケーキを買いにきたお客様が「あら、かわいい!」とお買い上げになることが多い。

焼き菓子はアイシングのクッキーでお雛様に参加している。こちらもケーキのついでにお買い上げになるお客様が多い。日持ちがするからひな壇に飾っておくのだそうだ。


我が家は、子供の頃は陽菜の雛人形を毎年飾っていた。陽菜と二人して、ひな壇の雛あられを勝手につまみながらままごとをしたときはお袋にこっぴどく叱られたものだ。当時は陽菜につきあって時々ままごとをしていたのだが、雛人形の道具は普通のままごとよりも豪華だったので、叱られてもなかなかやめられない楽しさがあった。

お袋が「雛人形を毎年飾らないと嫁き遅れる。」などと言っては毎年キチンと飾っていたが、28歳になる陽菜には恋人の気配すらなく、小麦粉やバターと戯れている。まあ、28歳で独身というのが遅いというわけではないし、今は結婚しない派も多いので本人の自由ではあるが、恋人の気配すらないところを見ると、お袋の毎年のご苦労は叶わないかもしれない。


閉店時間を過ぎ、明日の準備と片付けが終わる頃に陽菜が言った。

「お雛様の前倒しで、ちらし寿司、食べに行こうよ。」

「お前なあ。オトコいねーのかよ?」

「興味ないわよ。ケーキ作ってるほうが幸せだもん。」

だめだ、こりゃ。

お袋、陽菜はケーキと結婚したと思ってくれ。

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