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ブランジア人魔戦記  作者: 長村
chapter,03
45/104

ep,043 謀略の魔人アーシュテンとの戦い

 送還術。ブランジア王家であるユスティカ一族の血を引く者だけが持つ特殊な魔力によって扱える秘められし魔法、召喚術の対をなす魔法だ。

 これを発動することで、異世界から召喚された存在を元の世界に還すことが出来る。

「……こんな物なあ」

 それを覚えてしまったショーマは少々困惑する。

 これを覚えたということは、ショーマは自分の意思で元の世界に帰ることが出来る。

 だが帰ってしまえばもうこちらに戻ってくる手段は無い。1度使えば取り返しはつかない。フェニアスに再召喚してもらうことは出来るかもしれないが、それを頼む手段は無い。

 特殊な魔力に関しても、自分なら問題無く扱える。そんな感覚があった。

「ショーマくん、それ、どうするの……?」

 それについて、セリアが不安そうに聞いてきた。

「大丈夫。別に使わないよ」

 そうだ。少なくとも今は戻る気など無いため、むしろ間違えて不意に使ってしまわないかがちょっと不安だ。

「そっか……、良かった。……あ、ごめん」

「良いよ、気にしなくて」

 元の世界に還らなくて良かった。それはセリアの素直な気持ちだったが、ショーマをこの世界に拘束させたいとも取れる発言なので、少し配慮が足りなかったかと思ってしまう。だがショーマは今更特に気にはしなかった。

「……なんでこんなの教えてくれたんだろう」

「さあ。……もう2度と会えない可能性も考えているんじゃないかな」

「それって……、あ」

 そうだ。魔族の女王フュリエスは、フェニアスの命を狙っているのかもしれないのだった。

 もしフェニアスが殺されるようなことがあれば、彼女の願いは叶わず、ショーマがこの世界にいる理由も無くなる。だからその時が来るようなことがあれば、せめて還る手段だけでも残す必要があるわけだ。

 だが……、そんなことショーマは望んでいなかった。

 もう、この世界で生きるのに十分な理由があるのだ。

 それに……、失敗した時のことを考えての消極的な行動は少し気にいらない。

「ショーマ、それ覚えたなら渡してくれ。処分しておかないと」

「ああ……、万が一何かに悪用されたら困るもんな」

 レウスはその紙を受け取ると、フェニアスの手紙と一緒に灰皿に置いて火を着けた。

「あれ、手紙も燃やしちゃうのかよ」

 ショーマだけでなく、一緒にいた他のメンバー、特に女性陣も驚いていた。

「こんな物保存しておけるわけ無いじゃないか」

「いや、そうだけどさ……」

「まあ、言いたいこともわかるが、ずっとこうしてきたしね」

「……ずっとって何よ?」

 その言葉に興味を示したのはメリルだった。

「え、いや、良いじゃないかそれは」

「言いなさいよ」

「私も知りたい!」

「……まったく。……単に時々手紙のやり取りをしていただけだよ」

 女性陣に押されてレウスは、しぶしぶフェニアスとの文通に関して語り始める。

「どうやってやり取りしてたのよ。相手は王女様よ?」

「彼女が良く利用している甘味屋の配達員にこっそり頼んでいたんだ。とても気に入っているから、注文と配達まで直接自室に来させてやっている、って芝居をしてね」

「うわ、何それ……。あ、貴方、時々似合わない物食べてると思ったら、まさか……」

「まあそう言うことだね。僕の所にも配達を装って手紙を渡しに来てもらっていた」

「わあ、なんだか素敵だね……」

「そうかな? リスクも大きいし、望んだ時に手紙が渡せる訳でも無いし、良いこと無いよ。……この手紙もそうやって渡すつもりだったのかもね」

「そんなこと無いよ。お姫様との秘密の恋だなんて、物語の中の出来事みたいで良いと思う」

 こういう話になるとやけにセリアは元気だった。

 まあ、最近は重苦しい事態も続いていたし、良いのかもしれない。ショーマとレウスは顔を見合わせて苦笑した。


   ※


 それから3日後。

 ショーマ達は再び王城に招かれていた。先日の答えを告げるためだった。

 会議室にはまだグランディスとショーマ達しかいなかった。


 この3日間にも、魔族の侵攻に関して色々あった。特に、この都市を離れようとする多くの市民への対応に騎士団は追われた。

 市民達に『種』が植え付けられていないかの身体検査も行っていたため、何かと混乱も多かった。協力してくれる貴族らの手助けもありながら、調査の結果現在4名ほど『種』を植え付けられていたのを発見した。

 彼らに共通する特徴は、1人暮らしで他者と関わる機会の少ない者ばかりということだ。植え付ける際に邪魔が入ると困るから。という予想がされていた。彼らは騎士団に保護され、リノンと同じく施設に送られることになっている。

 それはさておき。


「……悪いが総団長殿と軍師長殿は別件で来られない。王女がお越しになられたら私が話を聞くよ。それまでは楽にしていたまえ」

「はい、わかりました」

 楽にしろと言われても、どうしたって緊張する。

 それをよそにグランディスは妹に声をかけていた。

「調子はどうだ? メリル」

「ええ、まあ。いたって元気ですわよ」

「嘘は良くないな。ブロウブ邸での事件は私も聞いているんだよ」

「……そうですか。でも平気です。あの人も私の友人と呼べる方でしたし、ショックももちろんありますが、今はそれを糧に頑張ろうと思っております」

「そうか。無理はしないでほしいね、兄としては」

「相変わらず心配性ですのね」

「これは一生治らんさ。妹はどこまで行っても妹なのだから」

 そんな会話をよそに、ショーマ達はフェニアスを待っていた。


   ※


 しかし、この時ブランジア王城において緊急事態が起きていることは、王自身しか未だ知らずにいた。

「……お久し振りです。お父様」

 白昼堂々、魔族の女王フュリエスがブランジア国王ユスティカ11世の自室に現れ、およそ15年振りに父娘の再会を果たしていたのだった。

「……どうして、ここに……!」

 自室の周辺には警備兵を置いていたはずだ。魔導結界もある。気付かれることなく侵入するなど、不可能だ。

「王家に伝わる秘法……、召喚術。それを応用した私独自の魔法……、『空間転移』の魔法ですわ。警備や結界など、何の意味もありません。……ふふ。皮肉にもこれが私も王族の血を引く証明になるんですのね。

 ちなみに、私の下僕も使えますのよ。……だから、兵など呼ばずに、私と2人きりでお話ししません? ……お父様」

 フュリエスは酷薄な笑みを浮かべた。

「お前……」

 兵を呼んだところでいつでも逃げられる。最悪配下の魔人を呼ばれ、命を奪うことだって可能なわけだ。


 実際の所は、フュリエス本人の能力を加味した空間転移と、魔人達の使う分析し模倣した贋作である空間転移には性能に開きがあり、結界の突破までは出来ないのだが、そこは黙っていた方が都合が良かった。


「何が、目的なのだ……」

「私のしたいことは復讐のみです。ロウレン・ガイウスも私が自殺に追い込みましたわ。……いずれ貴方の命もいただくことになるでしょうね」

「……、お前は……」

 娘の告白に心が締め付けられる。それにしても、

「……いずれ?」

 今は殺す気は無いということか。

「ええ。その前に聞いておきたいことがありますの。……とても大切なこと」

 フュリエスはどこか儚げな表情で王に問いかけた。


「……お父様が最も愛しているのは、誰?」


「……! それは……」

 王は口ごもる。

 フュリエスからは暗に、『私を1番愛しているか』という問いかけをしているように感じられた。

 だが、王はこの国を統べる者として、真に愛している者は決まっていた。彼女の望まない答えを言えばどんな結果になるか恐れながらも、正直に答える。

「私が最も愛しているのは……、この国の民だ」


「ではそれを全て殺しますわね」


「……!?」

 だが返ってきたのは想像以上に恐ろしい言葉だった。

「貴方1人殺して終わりなんて、そんなことでは満足出来ませんの。……だから貴方の愛する者を全て奪い、それをここで鑑賞していただきます。……それが終わったら殺して差し上げますわ。どうぞご堪能下さいね、お父様」

「お前……、そんな……。ま、待ってくれ! 私は今もお前を愛している! お前もまたこの国に生きる1人! ならば等しく私の愛する民であり、私の家族だ! ……家族を手にかけるなど、あってはならぬ!」

「……お父様は家族である私を捨てたではありませんか」

「それは! ……違う! 私は……ッ!」

「……もう遅いんです。何もかも」

 フュリエスの瞳が寂しげに伏せられたその時、自室の扉が外側から吹き飛んだ。

 そこから現れたのは、魔人アーシュテン。裾から伸びる無数の蔓が、血塗れの警備兵達を縛り上げていた。

「……貴様は!」

「お初にお目にかかる。ユスティカ王よ。我が名は謀略のアーシュテン。どうぞお見知りおきを」

「ではくれぐれも、余計なことはするなよアーシュテン」

「承知しております。我が女王」

「……ッ! フュリエスッ!」

 娘の名を呼ぶ王を無視して、フュリエスは影だけを残して消え去った。

「……ユスティカ王よ、是非その特等席にて御覧ください。貴方の愛する者達が蹂躙される様を」

「……!!」


   ※


 城内に警報音が鳴り響く。

「……!」

 それと共に、ショーマは比較的近くから魔族の気配を感じた。他の者達も慌てたように席を立つ。

「君達はここにいろ、良いな」

 グランディスが慎重に外の気配に気を配る。

「……あいつだ!」

 ショーマはその気配の正体を理解する。因縁のあるあの魔人だ。

「……何? ……まったく仕方無いな。私のそばを離れるなよ」

 グランディスはショーマの様子から、その魔人がグローリアから聞かされていた者だと理解する。そこからその敵はショーマ達に因縁のある相手であり、彼らの性格からして無理にここに置いておけば何をするか知れた物ではないとまでを考え、ついてくることを渋々許可した。


 廊下に出ると、警備の騎士達もこの警報にざわめいていた。

「副軍師長殿!」

「慌てるな! お前達は持ち場を離れず待機せよ! 私達は大広間に向かう!」

「了解であります!」

 グランディスに続いてショーマ達も走り出す。


 大広間に到着する。途中で備え付けの武器をいくつか借りて装備しておいた。

「王と王女の状況は?」

 グランディスは集合して防衛態勢を整えている騎士達に問いかけた。

「陛下の自室前に魔族が出現し、警備兵が全滅させられました! 陛下自身はご無事のようですが、敵は入り口の前で駆けつけた近衛騎士と交戦中で、陛下はその後ろに捕らわれ……」

「いたぶっているつもりか……。王女は?」

「王女の元に敵は現れていないようです。親衛騎士が護衛に付いているので今の所は問題無いかと」

「そうか、わかった。お前達はここで防衛を続けろ。陛下の元には私が向かう」

「了解!」

「そういうわけだ。……ではショーマ君、それからメリル。君達2人は私に着いて来い。他6名は王女の自室に向かい、護衛を手伝え。具体的な指示はそこにいる騎士に仰げ。良いか」

「それは、良いのですが……、なぜその2人を?」

 グランディスの命令に戸惑うレウス。

「私が守ってやれる余裕があるのは精々それくらい、というだけだ」

「……わかりました。それではよろしくお願いします。……2人とも、気を付けて」

 レウスはショーマとメリルを任せ、他の5人を連れてフェニアスの自室に向かう。

「では行くぞ」

「あ、はい!」

 グランディスに従ってショーマとメリルも駆け出す。

 魔人アーシュテンをなんとかしたいショーマと、フェニアスが心配なレウスの意思を汲んだ、少々無茶な隊分けをグランディスは行った。

 本当なら大人しく待機させて起きたい所だろうに。その采配にショーマもレウスも感じ入るのだった。


   ※


 王の自室に繋がる廊下にて、王を護衛するための精鋭騎士。6人の近衛騎士達と、魔人アーシュテンとの戦闘が行われていた。

 アーシュテンの操る蔓は、衝撃を吸収する弾力と斬撃に耐える丈夫さを併せ持ち、さらに驚異的な速度で振るわれるため、さしもの近衛騎士達も苦戦していた。

 あの魔人が王に手を出す気配が無いのは幸いだが、それもこちらに対する余裕を見せつけているだけで、やろうと思えばいつでも出来る。その状況が騎士達を焦らせ、無茶な攻撃を誘発させる。

「おおおおッ!」

「……ふ」

 果敢に斬りかかってくる1人に、蔓を伸ばすアーシュテン。それを剣でなんとか払いながら、騎士はさらに懐へ飛び込んでくる。

「続けッ!」

 その勢いに乗せられて、他の騎士達も飛び込んでくる。

 アーシュテンも玉砕覚悟の攻撃には相応の対処が必要と考え、さらに蔓の数を増やすことで迎撃した。総勢22本の蔓が、騎士達の腕や脚を絡めとり動きを封じる。

「ぐぅッ!」

 その内の1人が炎の魔法を放ち、何とか断ち切ろうとするも、表面を少し焦がしただけに終わる。

「さて、どう殺してくれようか……」

「おのれ……ッ!」

 白い髭を吊り上げてアーシュテンは邪悪な笑みを浮かべる。

「そこまでだ!」

 そこへ到着したグランディスが、即座に術式を発動させる。『バーニングナイブズ』。燃え盛る炎の短剣が無数に現れ、騎士達を縛る蔓を次々と断ち切った。

「アーシュテンッ!!」

 ショーマは仇敵の姿を確認し叫ぶ。そしてフェニアスから教えてもらった魔法『マイティドライヴ』を発動させた。虚空に浮かび上がった赤い光がショーマの体をぐるりと回り、体の中に吸収されていく。

 全身が魔力で紡がれた筋肉で補強されていく。さらに、力強く床を蹴ると足元から魔力による噴射が行われ、踏み込みが加速される。その結果、一足の元にアーシュテンの懐へ飛び込むことが出来た。

「……ム!?」

 迎撃に突き伸ばされる蔓も、今のショーマにはスローモーションのように感じられる。ぎりぎりでかわせる余裕があった。

 膝を屈め、一気に飛び上がる勢いと魔力の噴射を乗せて、アーシュテンの胴体を手にした剣で斬り裂いた。

「貴様……!」

 返り血を浴びるよりも速く、ショーマは斜め前に足を突き出しそれを軸に一回転、その勢いで背中から蹴りを叩き込む。

「……!」

 床に叩き付けられたアーシュテンに向けて、今度は『アイススティング』を4重発動で放ち、四肢の動きを封じる。そして首筋に剣を突き立てて問いかける。

「……あの人から『種』を取り除け。当然、体には一切傷を付けずにだ!」

「何かと思えば……」

 ショーマの恫喝に失笑したアーシュテンは、影を残して消滅する。

「!」

 気配を感じ、上方へ剣を振るショーマ。突き出された蔓が断ち切られる。

「代わりの女ならまだいるではないか、色男よ」

「……黙れッ!」

 アーシュテンは距離を取り、高速で傷の再生を行いながらショーマの怒りを煽ろうとする。魔族にとってはその感情もまた心地良い物だった。

「せっかくの苗床を台無しにされたのだ。……少しくらいは八つ当たりさせてもらおうか」

「……お前を殺せばあれは消えるのか! 答えろッ!!」

「教えると思うのか?」

「なら首だけ残してでも吐かせてやる!」

 再びショーマは斬りかかる。


 その様を、近衛騎士達を介抱しながら目に入れるメリルとグランディス。

「大丈夫か。……彼が引き付けている間に、王を」

「ああ、ありがとう……!」

 騎士達は立ち上がって、ショーマとアーシュテンの戦いの脇を抜け、王の自室へと突入していく。

「……!」

 そこへアーシュテンの蔓が再び迫る。だがそれは加速したショーマの斬撃によって断ち切られた。

「! ……すまん!」

 騎士達は感謝の言葉を述べ、王の自室へと駆けていく。

「ショーマ……」

 メリルはその力を前に、何も出来ずにいた。

 ……あれだけの力、王家に伝わる秘法というのももちろんあるだろうが、何よりも彼の激情があればこそだろう。

 そして、その原動力は……、


「援護するぞ! ショーマ君!」

 グランディスが戦闘の隙間を狙い魔法を撃ち込む。グランディスとしてもショーマがこれほどやるとは思っていなかった。これでは守ってやるどころでは無い。

「……ふん」

 グランディスの援護を邪魔に感じるアーシュテンは、裾から蔓ではなく石らしき物を無数に飛ばした。

 種……、否、卵か。

 グランディスとメリルの周囲に飛び散った卵は即座に孵化し、魔族、『ファイアマンドレイク』が現れグランディスに襲いかかる。

「チッ!」

 炎の魔力を持つ敵相手には、グランディスの得意とする炎の魔法は効果が薄い。それは敵も同じことなのだが、時間を浪費させるのが目的ならば話は別だ。

 だが炎を吐き出そうとした植物魔族達は、気を強く持ち直して立ち上がったメリルの放った『アイスストーン』で次々と頭を撃ち抜かれる。

「私だっていつまでも未熟ではありません……!」

「ほう……!」

 さらに、残った数体の『ファイアマンドレイク』も、廊下の向こうから駆けつけた者が放った風の魔法によって、ばらばらに断ち切られた。

「……グルアーお兄様!?」

 それを放ったのはドラニクス兄弟次男、グルアーであった。

「やあ! こんな所で奇遇だね妹よ!」

「どうして……」

「いやちょっと、王女様へご挨拶に来たんだけれどね!」

「……話は後だ!」

 兄を無視して妹に声をかけるグルアー。グランディスはそれを叱咤し、ショーマの援護を行おうとする。

 ショーマも一見押しているようではあるが、アーシュテンの空間転移による回避と治癒能力によって、結局はほとんどダメージを与えられずにいた。

「仕方無いね。ここじゃ君達2人の竜は呼べないものな!」

「ふん、呼ぶまでも無いだけだ!」

「苦しい言い訳は止しなよ兄上。ここは大人しく任せておくれ」

 そう言ってグルアーは腰に差した2刀を引き抜いた。

「我が盟約に応えよ……!」

 2振りの剣の刀身が魔力を受けて、翡翠色に輝く。

「現れろ! エイメラ! メラーダ!」

 閃光を振り撒いて、光と同じ色の瞳を持った、2体の地竜が出現した。


 地竜。翼が退化した変わりに脚力が大きく発達した、大地を駆ける竜だ。

 グルアー・ドラニクスは双子の地竜と力の共有を行う契約を交わしていたのだ。

「では、いざ参る!」

 グルアーは双剣を構え、魔人アーシュテンを目掛けて双子の竜エイメラとメラーダと共に駆け出した。

「この惨状……、3倍にして返してくれるッ!」

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