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ブランジア人魔戦記  作者: 長村
chapter,03
43/104

ep,041 救世の力

 学術都市リヨールにある魔導研究施設へ向かう、リノンを乗せた馬車を見送る。

 結局彼女は再びあの街へ戻ることとなってしまった。思えばこちらの都合で、随分と振り回す形になってしまったものだと思う。


 その後ショーマ達は訓練所に向かい朝食をとり、本日の警備任務に参加する準備をした。

 そして、南東区画1の1地区。大時計塔に最も近い地区に、他の部隊と一緒にまずは整列する。

 第1小隊は、『精鋭』とあだ名されるレーデル・ハイン大隊に混ざって警備任務に参加することになった。

 士官学校時代からトップクラスの成績を取っていた優秀な騎士達を多く揃えた大隊である。先の戦争においては現総団長グローリア・ブロウブが大隊長として指揮していた部隊でもあり、レウスの率いる、候補生内での精鋭部隊である第1小隊にも良い刺激となる。訓練所所員はそう考えていた。

「我々が先陣を斬ることで、民には少しでも恐怖を和らげてもらい、彼らが安心して眠れる夜を取り戻す。その為に君達は勇敢に戦わねばならない。そして、必ず無事に生還せねばならない。良いな!」

「はいッ!」


 大隊長レーデルの訓示を聞き、部隊は散開した。

 その前に第1小隊は、1度大時計塔の様子をじっくり見せてもらうことになった。

「既に存じているかとは思いますが、あらゆる物理的魔法的衝撃を受け付けません。そのため破壊はほぼ不可能と思われます。素手で触れても特に何かが起こる様子はありませんが、触れた人の多くは不快な感覚を抱くそうです。魔導師の方から良く聞く感想ですので、やはり魔導エネルギーかマナエネルギーに関する何かが影響しているのでしょう。

 一部個人的な所見を含めた推測ですが、塔外周に展開したこの黒い物質は術式が組み込まれた特殊なマナエネルギーの塊で、一定の波長の魔導エネルギーが注ぎ込まれることで魔法効果が発動、魔族を生み出しているのでは無いかと思われます。上位の魔族だけが扱う特殊な魔導エネルギーが存在するのでしょうな」

 近くにいた研究員が聞いてもいないのにべらべらと語り出した。

 ショーマには良くわからなかったが、何にせよこんな物があるから、あんなことになった。今もリノンだけでなく、たくさんの人が不安を抱いている。

 外壁にそっと手を触れてみる。

 確かに、嫌な感じだ。触っているだけで、心に負の感情が沸き上がって来そうだ。

 これはこの黒い物質の影響なのか、ショーマの魔族に対する敵意が改めて涌き出てきたのか。どちらなのだろう。

 いや、この際どちらでも良い。

「……っ」

 両手を押し付けて、力を込める。

「ショーマ……?」

 ……自分が世界を救う勇者だというなら、何とかして見せろ。

(俺の力は、こういう時の為にあるんじゃないのか……!)

 その時変化が起きる。黒い壁に少しずつ、ショーマの押し当てた手のひらから、白い染みのようなものが広がっていく。

「これは……」

 ショーマの体を急激な脱力感が襲う。物凄い勢いで魔導エネルギーが消費されているのだ。

 元々相当な量を持っており、今まではいくら消費した所でちっとも疲労することは無かったが、今回ばかりはそうもいかないらしい。


 ……大時計塔を覆う黒いマナエネルギー体は、研究員の推測がほぼ正解であった。違うのは、発動に必要な魔導エネルギーは特殊な魔族の物ではなく、王都の人間から無作為に少しずつ吸引したものであり、発動は魔人ルシティスの任意であるという点だ。

 マナエネルギー体である以上、強引に魔導エネルギーを掛け合わせれば、こちらの意思で制御を奪うことは可能であった。

 ただし、ルシティスが数十年以上の時間をかけて集め上げた、莫大な量の黒いマナエネルギーと同等量が必要となるのだが。それだけの量は、国中の人間をかき集めても足りる物ではない。


「ぐっ……!」

 その莫大な量の魔導エネルギーでもって、強引に制御を奪おうとするショーマは、7割がたを黒から白に染めた辺りで意識が飛びそうになる。

「もうよせ、これ以上は無理だ!」

 そろそろ魔導エネルギーが尽きるかもしれない。顔色が悪くなってきたショーマを、レウスが強引に引き剥がした。

「……はぁっ!」

「無茶をしすぎだ……」

 ショーマは息を荒げて、尻餅をつく。

 塔を見上げると、黒い外壁はコーヒーにミルクを混ぜた時のように白と黒が渦を描いている。割合は白の方が多く見えるが、段々と黒が侵食し返しているようにも見える。

「これは一体……」

 研究員だけでなく、騎士達も、そして遠くから市街の人々も、この様子を見ていた。

「なんとか出来そうだと思ったんだけど……」

 ショーマは汗だくになりながらうめいた。

 ああやって魔導エネルギーを込めて塔を真っ白に染めればなんとかなる。そんな気がしたのでやってみたが、そう簡単にはいかないようだった。

「とりあえず君は少し救護所で休んでこい。立てるか?」

「ああ、うん。立てるし、歩ける」

「そうか。……フィオン、ついていってあげてくれ」

「は、はい!」

「悪いね……」

 警備に参加する前にこんなことになってしまい謝る。付き添うフィオンと一緒にふらふらと救護所へ向かった。

「彼は、ひょっとして噂の……」

 大隊長レーデルがこの様子を見て、レウスに話しかける。

「ええ、まあ。……あの力は未知数だと知ってはいましたが、一体なんなんでしょうねこれは」

「……おい、調べて何かわかったら伝えてくれ」

「了解しました」

 レウスの返事を聞き、レーデルは研究員達に指示を出した。


「あー……」

 救護所で横になるショーマ。すごい眠気が襲ってきている。

「あ、あのこれ。……飲めますか?」

 フィオンは鞄から瓶に入った水を差し出す。

「あ、ありがとフィオン」

 なんだか喉も渇いているので、起き上がって一気に飲み干した。

「って、なんだこれ」

 甘いような苦いような変な味がした。美味いとも思えないが不味くも無い。少なくともただの水では無さそうだ。

「魔導活性薬です。魔導エネルギーを大量に失った症状に似た様子でしたから、ちょっとはましになるかなと……」

 薬師術で調合した魔導薬品だ。本来こういうのを用意しておくのがフィオンの役目である。

「あ、ああ。ありがとう……。確かに元気になってきたかも」

「そんなすぐには効果出ないですよ……」

「あ、そうなの……」

「…………」

 なぜか沈黙してしまう。変な空気になっている2人を救護兵達が興味深そうに見ているのがちょっと恥ずかしい。

「お、俺はもうちょっと休んでるから、戻っても大丈夫だよ」

「いえ、ご一緒します……」

「あ、そう……」

 と、言われてもどうしたものか。

「わ、私だって、しし、心配してるん、です……、から」

「あ……」

 あの夜の一件。それはフィオンにも衝撃的であったのは同じだった。そして、彼女も彼女なりに仲間を思っていてくれているのだ。

「……ありがとな」

「はい……」

 顔を赤くするフィオンに、ショーマは優しく礼を言った。


 一方警備を開始したレウス達。

 さらに変質した大時計塔を眺めていると、その黒い部分のあちこちが、ぼこりと盛り上がっていくのが見えた。

「……来るぞ!」

 魔族『シャドウファンガー』が上空に出現する。ざっと見た所、数は少ない。

 まずは弓兵が一斉に矢を放つ。第1小隊唯一の弓術師であるローゼも参加する。

 天に昇る雨のような無数の矢に『シャドウファンガー』達は撃ち抜かれて消滅していく。

 そして、矢を辛うじて回避した一団は群れを為して、ある場所を目掛けて降下していく。

「救護所に向かっています!」

 敵の目的を察したレウスが叫ぶ。

 狙いはショーマか。大時計塔をあんなにした報復だろうか。

「防御を!」

 大隊長レーデルが魔法班に指示を出す。救護所の周囲に魔法の壁が形成されて、『シャドウファンガー』達がそれにぶつかって弾かれた。

 その隙を突いて再び弓兵らによる矢が放たれ、撃ち漏らした敵を全滅させる。

「警戒を続けろ!」

 出現した魔族は一通り片付けたが、これで終わりとも限らない。レーデルは騎士達に気を引き締めさせた。


 その後も何度か散発的に『シャドウファンガー』は出現した。その度に救護所のショーマを狙ったが、特に問題なく処理された。

 気になる点は、以前から出現していたものとはどこか感触が異なる、という意見を出す騎士が多かったことだ。それに何より平均出現数が少ない。

「やはりこの白い染みの影響でしょうな」

「ふむ……」

 研究員とレーデルはその理由を考える。まあ、深く考えなくともショーマのしたことの影響なのは察しがつくのだが。

「あの少年、何者だ……?」

 レーデルも噂には聞いたことがあった。今年の候補生におかしなのがいる。と。

 黒い髪の若い大魔導師。あれがそうなのだろうが、しかしこれは只事ではない。

「大隊長!」

 考えるレーデルのもとへ伝令兵が駆け寄ってくる。

「どうした」

「まもなく総団長殿がこちらに参られるとのことです!」

「……。ああ、わかった。それなら、候補生の小隊を呼んでくれ。8人全員な」

「は、了解であります!」


 取り敢えず魔族の出現は落ち着いたようなので、レウス達も休憩をもらい、ショーマとフィオンがいる救護所へやって来ていた。

「具合はどうかしら?」

「ああ、皆。おかげさまでだいぶ落ち着いて来たよ」

 声をかけるメリルにショーマは返事をする。

「そんなすぐ魔導エネルギーって回復しないものだけど、本当に大丈夫なの?」

「え、まあ……、戦ったり出来るかはまだわかんないけど、立って歩いたりとかは」

「……無理しないで良いわよ?」

「お、おう……」

 その後少し、魔族との戦闘に関して話しをしていると、伝令兵がやって来て呼び出しをかけてきた。

 ショーマも立ち上がって、全員でレーデルのもとへ向かう。


「候補生第1小隊、集合しました」

 レウス以下、8人揃ってレーデルの前に整列する。

「うむ。今日は御苦労。間も無く君達の任務終了時間だが、その前に聞いておきたいことがある」

 気まずい顔をするショーマ。まあ大時計塔のことだろう。良かれと思ってやったが、命令に無いことをしたのはまずいに決まっている。

「別に責めるつもりは無い。……ただ、あれは何なのか、君は何をしたのか。それを聞かせてくれ」

 レーデルはショーマを正面に見据えて問い掛ける。それはレーデルだけでなく騎士達の多くが気になっていることでもある。

「ええっと……。正直自分でも良くわからないと言いますか……。ただ、あれが街の人達を怖がらせてるって思ったら、なんかすごく嫌な気分になって、何とかしなきゃって思って……」

 いまいち要領を得ない物言いのショーマに、レーデルは眉をしかめる。

「その、彼には色々話せば長くなる事情があるのですが、少し特別な力を持っておりまして」

 レウスが何とか助け船を出そうとする。しかしどこまで話したものか悩む。

「……率直に言えば、私が気にしているのは君が行った行為が最後まで完遂出来ていたとしたら、あれが完全にどうにかなっていたのかということだ。……君の口調から察するに、それも不確実かね」

 結局言い淀む2人に、レーデルは核心となる点をずばりと聞いてくるのだった。

「それは……。はい。そのつもりで、やりました」

 ショーマは答える。そうだ。この世界を救うという力。それが本当にあるならと、発揮してやろうと思った。

「ふむ……」

 レーデルはそれを聞いて顎髭を擦りながら考えに耽り出す。

 その時、周囲の騎士達がざわつき始めた。騎士団総団長のグローリアがやって来たのだ。

「兄さん……」

 レウスはその姿を見てぽつりと呟いた。

「王城からでもこの様子は見えた。……君が、やったのかね」

 グローリアはショーマの正面に立って問い掛けた。

 緩やかに波打つ金髪。険しいながら良く整った顔立ち、威厳を感じる髭はあれど、レウスがもう10年ぐらいしたらこんな感じになりそうな、良く似た顔付きであった。

「あ、は、はい!」

 ショーマは立ち上る威容に少々圧倒されながら答える。

 ……これが騎士団を纏め上げる男。レウスの上の兄さん。

「グローリア殿。こうなった大時計塔ですが、出現する魔族が弱体化したように感じられました。彼の力、のようです」

「ああ。彼のことなら私も良く知っている」

「は、そうでありましたか……」

 レーデルの所見をグローリアは聞く。そして、誰もが予想外のことを言うのだった。

「……ショーマ・ウォーズカ。王城へ来たまえ。仲間も一緒にな」

「……は?」


   ※


 ブランジア王城。それなりの社会的地位……、並の騎士や貴族でもおいそれとは立ち入れないそこへ見習い騎士達は招かれ、緋色の絨毯を踏みしめていた。

 一行は会議室に招かれる。ここまで連れてきた騎士団総団長グローリア・ブロウブと、そこで待っていた軍師長コーシュ・メイゴウと副軍師長グランディス・ドラニクスに迎えられた。

「座りたまえ」

 そうそうたる顔ぶれに緊張する7人と良くわかっていない1人は、緊張しながら座席に腰を掛ける。

「ショーマ・ウォーズカ君。君のことはレウスからも聞いている。そして、オードラン・ガッソー氏からもな」

 グローリアは向かい合って座り、まずはそう言った。

 オードラン。かつてこの世界に召喚されたショーマが山中で倒れていた所を保護してくれた老人だ。彼によってショーマの異常な能力は発見され、今こうして騎士士官学校に通うことになった。

 その時オードランがブロウブの人に頼んだから、ショーマはレウスと知り合うことになり、それなりに快適な生活をさせてもらっていた訳だ。つまるところグローリアはショーマにとっても恩人なわけで。

「あ、えっと。その節はどうも……」

 などと定型的なお礼を言うショーマ。もうちょっとちゃんとした物言いが出来ないものかと反省する。

 一方で第1小隊の何人かは、オードランという名に少々驚きを見せていたが、ショーマは気付かなかった。

「良い。……それで君は、異世界から召喚された救世主ということらしいな」

 ずばずばと確認してくるグローリア。どういう意図なのか少し読めない。

「えっと、まあ。そういうことらしいです」

 取り敢えず答えるショーマ。

 すると、グローリアの後ろに控えていた2人が動いた。

「なるほど。そういうことかね。総団長殿」

 口を開いたのは軍師長コーシュであった。柔和な顔つきと白髪まみれの薄い頭髪の男性だ。グランディスとはショーマもメリルの家で会ったことがあるが、この老人とは初めてだった。

「召喚、と言うことは王か王女の魔法によるものだろうが、私はまだ聞いていませんな?」

「ええ。確かに行ったのはフェニアス王女です。どうも、独断でのこととかで」

「これはこれは。もっと大人しい方だと思っておりましたが」

「コーシュ殿でも知らないことは多いのですな。……今、王女をお呼びしている所です。詳しい話は、彼女も交えて行いましょう」

 ショーマは納得する。自分が異世界から召喚されたこと。それは騎士団上層部でも知る者は少ないようだ。総団長は知っていても、軍師長は知らなかった。

 騎士団のブレインである軍師長さえ知らないというのは相当だろう。隣に控えるグランディス氏も知らなかったのだろうか。無表情なので良くわからない。


 少し待っていると、王女フェニアスが現れる。

 ショーマが彼女の姿を見るのはこれで2度目だ。以前はリヨールの士官学校で自分の正体を知らされた時。

 今の彼女は、白地に金と赤の装飾が施されたドレスを纏い、腰まで伸ばした長い金髪を優雅に広げている。

「お待ちしておりました」

「ええ。……お久し振りですね。ショウマ様」

「あ、どうも、お久し振りです」

 フェニアスが上座に着くと、グローリアが話を振る。

「お呼びした理由はおわかりですね。……彼、ショーマ・ウォーズカについて、お話を伺いたいのです」

「ええ。ショウマ様は、確かに私が異世界より召喚させて頂きました。貴方にもお父様にも相談しなかったのは、悪いと思っております」

「責めているわけではありませぬ。ただ我ら騎士団は魔族との戦いにおいて、この少年をどのような位置付けに置くべきかが思案のしどころなのです。

 彼本人、そして召喚主であるあなたはどうお考えのつもりなのか、ここで直接聞いておきたいのです」

 フェニアスは以前、召喚は非公式なので、騎士団は動かせないと言っていた。けれど今はこうして総団長を交えて話をしている。つまりこれからは力を貸してもらえることになるのだろうか。

 それもこれもショーマ自身が大時計塔の問題に関して、具体的な解決をするためある程度の成果を出した結果であろう。

 だが。

「私は……、彼には騎士団などに縛られることなく、自由に行動出来るようにしてあげて欲しいのです」

 フェニアスはそう言った。

「王女、それは……」

 レウスがつい口を挟もうとする。

 フェニアスの言ったことは、いつぞやショーマ達が仲間内で話したこととほぼ同じだ。騎士団の中でしがらみに縛られるよりは、いっそ騎士にならずに自由に動こうと。

 しかしフェニアスが直々に意向を示すのであれば別だ。もっと良い案は出せる。ショーマを只の一騎士ではなく、特別な立ち位置に置いて、彼の能力を活かした戦略を考える。

 言うならば王女のコネを使うことが出来る。なのに。

「彼の力はまだ不完全だそうですね。本日の大時計塔の件。あれよりも更に上があると言うのなら、魔族を討ち滅ぼす上では大きな力となっていただけるでしょう。我々騎士団としても、全力でバックアップさせることが可能です。……しかし、王女はそれを望まないと仰るのですか?」

「滅ぼすだけならば……、彼の力は不要だと考えます」

 グローリアの問い掛けをフェニアスは否定した。

「確かに。我々は魔族などには負けませぬな。……では一体彼に何を為して貰いたいのです?」

「それは……」

 追及されるフェニアス。

 彼女はまだ、既にグローリアがフェニアスとフュリエスの関係を知っているということを知らない。まだこの場でその真実を口にするのは憚られた。

 フェニアスは気付いているのだ。このグローリアという男からは、何か底知れない物を感じることに。

 ……この男は、信用出来ないことに。

「あのっ!」

 その時、ショーマが口を開いた。

「俺は……、俺の、大切な人が、魔族にひどいことをされました。……助けたいと、思ってます。

 それから……、今いる仲間を、そんな風にさせたくないとも思ってます。……だから、」

 グローリアは追及を邪魔されて、フェニアスは助け船を出されて、ショーマの方に顔を向けた。

「そのために、俺に力を貸してほしいです!」

 1人では大したことは出来ない。ショーマもそれはわかっていた。

 だからどんな形になるにしても、騎士団の助力を欲しいと思ったのだった。

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