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魔法百貨堂 ~魔女と魔法使いの弟子~  作者: 野村勇輔
ふたりめ

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17/21

第5回

   5


 翌日、私は茜と向き合ってお昼ごはんを食べながら、

「ねぇ、茜」

 と話しかけた。


「うん? どったの?」

 口をもごもごさせながら首を傾げる茜。


 そんな茜に、私はあの香水を取り出してから、

「これ、本当に効果あるの?」


 すると茜はごくりと口にしていたものを飲み込んでから、

「さぁ?」

 あっさりと「わかんない」と答えのだった。


「さぁって、あんたねぇ――」


 思わず眉間に皴を寄せてしまう私に、茜は、

「真帆さんって結構いい加減だからねぇ」


「じゃぁ、ウソってこと?」


「ウソじゃないと思うよ。なんかあった?」


「昨日使ったけど、効果を感じなかったから」


 私は、そう答えて昨日のことを話して聞かせた。


「あぁ、そゆこと」

 と茜はふむふむと何度か頷いてから、

「真帆さんも言ってたでしょ、かなり薄めてあるって」


「言ってたけど……」


 そう言われたところで、本当に魔法の力があるのかまで納得できるはずもない。


「もう少し続けてみたら?」


「続ける?」


「もしかしたら、ちょっとずつ効いてるのかも」


「……茜も結構いい加減だね」


「そう? まぁ、次は試しに上柳くんとの前で使ってみればいいよ」


 その言葉に、私は驚く。


「ちょっと、それって、上柳くんとふたりっきりにならないと駄目ってことじゃない」


「まぁ、そういうことだね」


「そんなこと――」


 昨日の下駄箱でのことを思うと、なんだか申し訳ないような気がする。


 上柳くんは私と大夢くんが付き合っていることに気を使ってくれている。


 そのうえで、私のことを好きだと言ってくれているのだ。


 上柳くんがやってきたときに逃げるように帰っていったあの後ろ姿を思うと、何とも言えない気持ちになった。


 けれど、茜はそんな私に、

「でも、どうせ告白に答えないといけないんでしょ?」


「それは、そうだけど」


「その時に使ってみればいいんだよ。上柳くんの気持ちがどれくらいの物かわかるでしょ?」


「そうかもしれないけど……」


「それから比較してみても良いんじゃない? 自分は大夢くんと上柳くんのどっちがより好きなのか」


「う~ん」

 私は少し悩んで、茜の言うことも一理あるなと思い、

「わかった。そうしてみる」


「真帆さんも気にかけてたし、私も物陰に隠れて見ててあげるよ。それなら心強くない?」


「……じゃぁ、お願いね」


「任された!」


 でん、と茜は胸を張ったのだった。

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