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たびサー  作者: 川畑バタケ


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3/3

下田の黒船。伊豆の最南端。夕日が照らす船の上で…(前編)

神奈川中央大学に入学してから1週間が経ち、大学生活にも慣れてきた晴海、そんな時に前に用事があって来れないと言っていた遥斗が来た。すごく可愛く、思わず惚れてしまいそうな晴海であるが、実は

遥斗の正体は…

そんなこんなで月日が経ち、計画していた静岡県の伊豆一周旅行の日が来て、いざ、旅行サークルで新年度初の1泊2日旅がスタートする!

静岡県伊豆一周旅行、前編です!

「2人ともどう?大学生活は慣れてきた?」

「え?あぁ…はい!なんか大学の教授も分かりやすく説明してくれるので」

神奈川中央大学に入学してから1週間が経過した。正門から観光学部の場所までの行き方だって、ある程度分かるようにはなってきた(まぁそれでもこのキャンパス大きいから迷うこと多いけど…)

「いいなぁ…。かなで2年生になってからめっちゃ難しくなったんよ。意味わからん化学現象ばっか説明されてさ。マジでラスボスだろあいつ」

「ハハハ…」

まぁ理系はそりゃ難しいよね…。毎回サークル来れるだけすごいとは思う

「まぁでも!かなでは天才だから!どんなに難しくたって全部時間通りに終わらせられるんだけどな!」

あ、そうだった。こいつ天才だったわ

かなでは普段こそ頭おかしいが、それは天才ゆえの弊害であると言える。それこそアインシュタインとかノイマンのように、今に語り継がれる天才学者だって、周りとは違って、頭がおかしかったという話があるくらいだ。かなでも同じようなもので、きっと将来、何かしらの栄誉を受賞するんじゃないかと薄々感じてはいる。というよりも、凡人とは違う何かを、かなでからは感じるのだ

「あの〜部長」

「ん?どうした?玲音」

「前にサークルにもう1人いるって言ってたけど、いつ来るんですか?」

そういえばそうだ。部長は少し前に『このサークルにはもう1人部員がいる』と言っていた。一週間経ったからすっかり忘れていたが…

「あ〜それ?え〜っとね、今日来るらしいから、楽しみに待ってて」

今日来るのか…どんな子なんだろう…。かなでみたいな子じゃなければいいけど…


ガチャ


そんなことを思っていたらドアを開けるが聞こえた

「部長。入っていい?」

「うん。いいよ」

そう部長が言うと、ドアが大きく開いた。そこに居たのは、可愛いらしい少し小柄な子だ(とは言っても身長は私と同じくらいだけど…)

「おはよう!あれ?新入生入った?」

「そうなんだよ!なんと2人も!」

「え!本当に!嬉しい…」

ヤバい…可愛い…何だこの子…ニコってした時とか…少し照れたりする時に顔を赤らめて手で頬を撫でる仕草とか…惚れそう…

「…可愛い…」

「…え…///」

私が思わずそう言うと、その子は少しだけ照れた表情を見せた。私はそんな姿すら、可愛いと感じた

「…ねぇ…もしかして…新入生の子?」

「え?あっうん。戸塚晴海っていうんだけど…」

「晴海…へぇ〜。晴海ちゃんかぁ~。いい名前だね!」

そんなことを言う彼女に、私は思わず頬を赤らめた。そんなこと言われたことなかったからだ…

「あ…ありがとう…」

え!?これガチ恋!?一目惚れってやつ!?え…でも相手女の子だよ…私…もしかしてそうゆう…

「僕は川崎遥斗!よろしくね!晴海ちゃん!」

見た目に反して名前は男の子っぽいな…という違和感は置いといて、やっぱり凄く可愛い。なんかもっと仲良くしたいかも…川崎遥斗ちゃんかぁ~

「この子がさっき言ってたもう1人の子ですか?」

「うん。そうだよ」

「ふ~ん…凄く可愛い子ですね」

「かわ!?…///」

そう言うと遥斗ちゃんはまた照れた…。やっぱり可愛い

「久しぶりだな!遥斗!何やってたんだぁ!ほらほらぁ」

そう言うとかなでは遥斗ちゃんのことをくすぐった

「あ!ちょっ、くすぐったいよかなでちゃん」

楽しそうだなぁ…2人とも…

一体何に対して嫉妬してるのかは分からないが、こうゆう友情関係を築けなかった私にとって、こうゆう関係性というのは羨ましかったんだと思う


----------------------


「ということで!改めて紹介すると!この子が前にもう1人いるって言ってた川崎遥斗くん!歴史好きの歴史オタクで、みんなと一緒に旅したりとか、歴史巡りするのが好きな子です!好きな城は確か…えぇっと…」

「姫路城です!あの鶴のような見た目の城跡は、いつ見ても綺麗で素晴らしいですから!」

へぇ~歴史オタクなんだぁ~。私は歴史全く詳しくないからなぁ…。ちょっと羨ましいかも… ん?

私はここである違和感気がついた


遥斗…"くん"…?


いやまぁそりゃ、ジェンダーレスな世の中なんだから、女の子でもくん呼びすることもあるかもしれないし、まぁ男女で呼び方を分けるのもあまりよろしくはないだけど…普通に考えて女子にくん呼びなんてするかな…

「あ〜あと…もうひとつあって、遥斗くんは、このサークル内で唯一の男の子です!」

「…え?」

玲音ちゃんと声がハモった。いや…だって…この子が…男の子…?こんなに可愛くて、こんなにも女の子っぽくて、それでいて声すらも可愛いのに…。男の子…なの…?

理解が追いつかなかった。そんなことってあるんだろうか…。もちろんそうゆう子だって沢山いるだろう。暗殺教室の潮田渚とかはまさにそうだ。青髪で暗殺教室の主人公である彼は、確かにあの見た目で男の子とでも言われれば、信じ難いものだ。だけどあれはアニメとか実写の話であって…

「男の娘ってことか…」

「…は…?」

男の娘って…なにそれ?私知らないんだけど…

「男の娘を知らないのか?」

「…うん」

そりゃ知らない人が大半だろ。そんなことで私は相槌を打った訳だが…

「知らない…のか…」

玲音ちゃんがすごい眼差しでこちらを見下して来る。いやなんでゴミを見るような目でこっち見つめてくるんだよ

「あのね。男の娘っていうのは、見た目は凄く可愛い女の子だけど、実は中身は男の子みたいな子のことを言うんだよ。三大男の娘は覚えておいた方が絶対いい。暗殺教室の『潮田渚』、俺ガイルの『戸塚彩加』、そしてリトルバスターズの『直枝理樹』だ!」

いや暗殺教室の潮田渚以外知らんわ

私はそう心の中でツッコんだが、でもまぁ玲音ちゃんが言ってることは多分正しい。きっとこの子は"男の娘"というやつなんだろう

だとしても、男の子であることには変わりないし、旅行サークルなんだから泊まることだって多いだろう。今までとかどうしてたんだろう…。違う部屋毎回取ってたのかな…

「あの…部長…」

「ん?どうした?晴海」

「男の子なんですよね」

「うん。そうだよ」

「ホテルとか…どうしてるんですか?別の部屋毎回取ってるとか?」

やっぱりそこは気になる…。いつもどうしてるんだろうか…

「え?いや、同じ部屋で寝てるよ」

「…え…?」

「いやだって、そのためにわざわざ新しく部屋用意するのも面倒くさいし、一緒の部屋で泊まったところで、別に問題ないと思うから…」

いや大問題でしょ。だって同じ部屋が男女で寝てるんだよ。いくら女の子っぽいと言えど…

「まぁそれにさ、1人だけ別の部屋なのも可哀想じゃん!」

「まぁ…それは確かに…」

よく考えてみれば、男子1人だけ別の部屋にさせて寝るのも可哀想だ。それに、遥斗くんは肉食系男子には思えない。どちらかと言うと草食系男子だろう。でも…思春期真っ只中の男子だ、流石に性欲の一つや二つくらいはあるとは思うけど…

「もしかして晴海。襲われたりしないか心配ってことぉ〜?」

「え?あ、まぁ…そう…です…」

部長が意地悪そうに聞いてくる。ただ私としても図星だったわけで…

「大丈夫だよ。遥斗くんは、見た目からも分かる通り、草食系男子なんだよ。だから、襲おうとか、そうゆう発想にはまずならない。というか、そうゆう気持ちよりも、私たちのことを傷つけなくないという気持ちの方が大きいらしいし」

まぁたしかにそれなら少し安心かもしれない…でも、本当にそれで遥斗くん(呼び方これでいいんだよね…?)。大丈夫なのかな…なんか頑張って理性抑えてるとかありそうな感じもするけど…

「あ〜あとな晴海!」

「…あと?」

「遥斗くんは彼女持ちだぞ!」

「…え…?」

いや…そうなん…。なんか可愛いからモテはしても、あんまり彼女とかそうゆう感じの子はいないと思ってた…

「そうそう!幼馴染の子らしいんだけど、その子も凄く可愛くて、まぁお似合いなのよ!」

「あぁ…そうなんですね…」

どうやら私の恋は一瞬にして終わった模様(まず恋だったのかすらも分からない)

「いいよなぁ…かなでなんて人生で一度も彼氏できたことないんだぜ!意外だろ?」

だろうな。てめぇに彼氏がいたら驚きだわ

でもよく考えたら、旅行サークルに入って他の女子と同じ部屋で寝ることに彼女さんは嫌だとか思ってないのかな…

「部長」

「今度はなんだぁ!晴海!」

「いやその…遥斗くんの彼女って、他の女子と同じ部屋で寝ることに嫌悪感とかないんですか?だって普通だったらそうゆうの嫌がる人多いと思うんですが…?」

「普通…はね!だけど遥斗の彼女は違う。未来っていうんだけど、恋愛感覚バクってるんよ」

「え?」

恋愛感覚バグってるってどゆこと?ハグとか男女でも友達同士なら普通にするじゃん!みたいなこと言ってるってこと!?

「えぇっとねぇ…なんて説明すればいいのかなぁ…。他の女子と一緒に寝るってなっても『それくらい普通だよ!別に他の女子とイチャイチャしないなら、遥斗が好きなことしてくれていいよ!』的なこと言ってるみたいな…?」

確かに恋愛感覚バクってるな。流石に自由系彼女すぎるでしょ…

そう思っていたのだが、そのあとの部長の発言で、少しだけ見方が変わった

「まぁ遥斗くんもあぁゆう性格が故に困ってることも多いからね。未来だけは遥斗の一番の味方でありたいというか…。まぁ遥斗のことを本当に大切にしてるんだろうね」

「…そっか…そう言うことなんですね」

確かに遥斗くんの彼女(未来だっけ?)は、話を聞けば恋愛感覚こそバグっていると思う。でもそれは幼馴染でずっと一緒だったが故に、その幼馴染のことを出来るだけ大切にして、私の存在が負担にならないようにというせめてもの気遣いだったのかもしれない

「遥斗はいつもニコニコしてるからな!彼女の存在がデカいって言うのもあると思うぞ!かなでも未来に会ったことあるけど、本当に優しい人だったし!」

かなでもそんな話をする。2人の話を聞いたことで、未来という人に少し会ってみたいと感じた


----------------------


「と!言うことで!全員揃った事なので!早速1ヶ月後の伊豆旅行について、話したいと思います!」

唐突にそんなことを言われた。というか1ヶ月後って結構すぐだな…とは思ったが、仮にこれが数ヶ月後とかとなると旅行サークルなのに年に数回しか旅しないテニサーみたいなことになってしまうのか…。それは確かに私としても嫌だ

「まずなんですけども!大まかなルートはこんな感じです!」

そう言って部長が見せてきたのは、Googleマップの縮尺を20kmに設定して、駿河湾と伊豆半島が大きく書かれた地図であった

部長はすかさず赤ペンを取り出す

「まず、ここにはありませんが、私たちの家はここから東側、こっち方面にあります!」

そう言うと部長は小田原市の辺りに『至 横浜』と書き込む。そして部長は止まることなく話し続ける

「まずこっち側から、このように在来線である東海道本線の線路を走っていきます。あ、もちろん普通列車ではなくサフィール踊り子でね!」

「は、はぁ…?」

何を言っているのか全く伝わらない。私も旅オタだからそりゃ東海道本線とかの路線名くらいはわかるが、サフィール踊り子なんて聞いたことがない…。踊り子号は伊豆行く時に使おうか迷ったから聞いたことあるけど…。サフィール踊り子は…

「部長。サフィール踊り子ってなんです?」

「あー…サフィール踊り子の説明かぁ…まぁちょっと豪華な特急列車だよ」

分からない。なんなんだよそれ…


部長に詳しく話を聞いてみたところ

サフィール踊り子とは、東京~伊豆急下田の間を繋ぐ特急踊り子号の進化版的なものらしく、食堂車が着いている他、全ての席がグリーン車の超豪華特急なのだという。その他にも、踊り子号よりも停車駅が少なく、横浜を出ると次は熱海なんだとか…


なんかすごい良さそうではあるが…こんなの絶対高いじゃん…。何よりも停車駅が踊り子号より少ないとか言ってたけど、そのせいで私多分横浜まで一回戻って、横浜駅で1度改札を出たあと、もう1回改札入って踊り子号乗るしかないってことでしょ!?やだよそんなの!?

そんな私の気持ちとは裏腹に、部長の説明は続いていく…

「で!この伊豆急下田からは、レンタカーに乗って龍宮窟とか石廊崎とかそっちの方を経由していきまして!最終的に土肥港という所に向かいます!」

土肥港って…地図見たけど鉄道路線なくない…?めっちゃ鉄道空白地帯で終わらせるの…?中途半端すぎるでしょ…?

というかレンタカーとか言ってたけど誰が運転するの?私自動車は愚か、免許証すら持ってないよ

「それで!ここからはこう!」

そう言うと部長は何故か駿河湾を横断するように海の上を赤い線で直線的に引いた。私たちにこの距離を泳げというのだろうか?

「それで、こう行くと清水の辺りに着くんだけど、ここからは…静鉄でも乗ろっか、そっちの方が駿府城近いしね!」

「駿府城って…あぁ!天正13年に徳川家康が造設して、慶長6年に駿府城主を内藤信成に任せられたあの城か!前に行ったけど凄いよかったなぁ…」

部長の言葉に便乗するように遥斗くんが話す

歴史オタクであるとは言ってたが、その言葉はどうやら伊達じゃないようだ。私には何が何だか全く分からない…。天正って何?大正みたいなこと?慶長とかもう慶応じゃん…

「あぁそうだ。遥斗」

「ん?どうかしたの?部長」

「多分駿府城に着くの、夜遅くになっちゃうかもなんだけど…大丈夫?一応夜でも入れるらしいけど」

「あぁ~それなら大丈夫だよ!僕が前に行った時は昼間だったし、夜の駿府城も見てみたいから!」

「そっか!OK!ありがとう!遥斗」

…夜の城って…楽しいの…?

「それで!帰りは東海道新幹線のこだまで新横浜!」

…色々とグダグダすぎない…?そりゃ悔しい計画的なものをこの1ヶ月で作るんだろうけどさ…。サフィール踊り子とか絶対今取らないと売り切れるでしょ…。レンタカーとか誰が運転するの…?鉄道空白地帯から駿河湾を横断するように泳ぐとか無理ゲーすぎるって…。それに夜の城跡って…。何よりホテルとかどこにとるつもりなの…?

「あの〜…部長」

「お!どうした?玲音!」

「色々と物申したいことがあるんですが…」

「…え…?」

「まず!サフィール踊り子なんて今すぐ取れるんですか?」

「い、いやまぁ、と、取れるんじゃないかなぁ…なんて」

「晴海とかなでは横浜以西出身なのに横浜までわざわざ1駅戻させると…普通の踊り子なら大船から乗車できるのに」

「ま、まぁ…それはそうだけど」

「それに!夜の城跡って本当に楽しいんですか!?何も見えないと思いますが」

「ま、まぁ…楽しいんじゃない?ほら!遥斗もいいって言ってるし」

「遥斗が気を遣っている可能性は?」

「え、えぇ…」

玲音ちゃんが部長のことを問い詰めて行く…。普段は大人しいのに、こうゆう時問い詰めるの少しかっこいい…けどアニメの話になるとウザイ…

そう思ってる間にも、玲音ちゃんは部長のことを問い詰めて言った。いやまぁ私だってそりゃ物申したいこと沢山あるが…

「あの〜」

「今度はどうした?晴海」

「伊豆急下田から車って言ってましたけど…誰が運転するんですか…?私免許証なんて持ってないですよ…」

やっぱり気になってしまった。これが田舎とかなら大学生でも免許持ってる人多いだろうけど、何せ鉄道が張り巡らされている大都市横浜だ。結婚でもしていない限り、免許を持っている人の方が珍しいだろう

「そういえばかなでも持ってないな。一応バイクの免許は持ってるが、ペーパーな上にみんなを乗せることなんてできない」

かなでもどうやらそうらしい。でもバイクの免許は一応取っていて、それでいてペーパードライバーなのは実にかなでっぽい

「僕も免許は持ってないな…。未来なら持ってるからたまに乗せてもらうことはあるけど、多分伊豆なんて興味ないだろうし、遥斗か私の友達しか乗せないって言ってたから持ってる免許も軽の免許なんだよね…だからどっちみち乗せられない」

みんなやっぱりそうだ。伊豆旅行と言えど、車を運転できる人がいないならこの企画ももはやグダグダだ…。一体どうするんだ…

「なぁ…お前ら…私が鉄道好きだからって車に興味ないとか思ってるだろ」

そんなことを思っていたら部長が何やら不満気に言ってきた

「あのさ…私免許持ってるよ…しかもゴールド…。なんならよくドライブで千葉の方まで走ったりするから…なんで私が最初から持ってないみたいな言い方で進めてるんだよ…。鉄オタであるのは第一だけど、それと同時に、私は自動車好きでもあるんだよ…。まぁオタクとまでは言わずとも…」

「え…あぁ…確かに…すみません…」

「というか提案しておいて、車運転できませんとか…普通に考えてないでしょ…」

部長の言う通りだ。部長が提案したルートなのに部長が免許持ってないわけがない。というか部長のことを忘れてほか全員持ってないから無理とか言ってる私たちの方が失礼だ

ただもう一つだけ私には気になる点があった。伊豆の西側、鉄道空白地帯から、突如として海に突入し、静岡の清水の辺りまでを一直線に引いている線だ。ここに鉄道が通っているとは思えないし、何よりその海上に何かあるとも思えない

「あ、あと…部長…」

「またか?今度はなんだよ…晴海…」

もはや部長も呆れ気味だった…。私は部長の機嫌を損なわせてしまったことを申し訳なく思った

とは思いつつも、気になるものは気になるので、逆鱗に触れないよう。慎重に私は部長に問いかける

「この海の上の赤い線って…その…どうするんですか…?泳いだりとかぁ…?」

「…は?」

やばい…また怒らせちゃったかも…

呆れながらかなでと玲音ちゃんが聞いてくる

「なぁ晴海…お前バカなのか…?」

「文系なんてみんなバカよ」

いやお前も文系だろうが、あんたもバカって認めとんのか?

「その…晴海ちゃん…。ここ、フェリー走ってるよ」

遥斗くんが私にそう言ってくる

…へ?フェリー?

「あのさ晴海…土肥港と清水港だよ?どう考えたって船あるに決まってるじゃん」

「でも、こんなところから船出てるの?鉄道が1本も走ってない鉄道空白地帯だけど」

「だからここは車の利用者が多いんだよ…。あと逆に鉄道がないからこそ、鉄道以外の手段として、ここら辺行くためにフェリー乗る人だっている。まぁ意外とこうゆうの多いからね…」

なんだか少し自分が恥ずかしくなった。よく考えたら船があるじゃん…

「まぁ正確には、『駿河湾フェリー』っていうフェリーなんだけど、結構楽しそうだからみんなで乗りたいな〜って思って計画に入れたんだけど、要らなかった?」

「え?いや全然。むしろ楽しそうだから入れてほしい!」

「そう?ありがとう」

どうやら部長の機嫌も直ったらしい

その後みんなと話し合った結果、サフィールはすごく高いのと、横浜まで戻らないと乗れないという点で、私とかなでがめんどくさいという理由から断念。代わりとして、普通の踊り子号の指定席に大船から乗ることになった

また、城については、遥斗くんが「本当に夜の城でいいから。というか見たいし…」と言う感じで、単純にいいと言ってくれたので、そのままで決行することになった

ホテルはどうやら石廊崎の方にある太平洋を眼下に見下ろすことのできる絶景スポットの場所を取っているらしく、特急踊り子号については、伊豆急下田まで行く訳ではなく、一度伊豆高原駅辺りで下車するらしい

少し楽しみであり、それでいて少し不安だ…

何せ友達と旅に行くなんて初めての経験である。大丈夫か不安なとこだって多い。旅先で嫌われないか…とか

ま、まぁでも!私なら大丈夫だよね!

こうしてあっという間に月日は流れ、約束の日になった


----------------------


「大船、大船、ご乗車ありがとうございます」


戸塚駅からJR横須賀線で一駅、待ち合わせ場所である大船駅に到着した。今日が土曜日であることもあり、大船駅での乗客の入れ替えが多く、大船駅からは鎌倉や逗子といった観光地へ向かう人が沢山乗ってきた

それでいて私は待ち合わせ場所である「大船軒」の前で待っている訳だけど…

「…これ…本当に合ってるんだよね…?」

待ち合わせ時間である9:00からもう既に10分近く経っている。部長によると、乗るのは9:37の特急踊り子1号?とかだったからまだ20分以上あるし、全然大丈夫なんだろうけど、こうゆう経験をしたことが無い私にとって、「待ち合わせ場所合ってる?」とか「もしかして時間間違えた?」と、どうしても心配になってしまうものだ

そう思っている間にも、時間は刻一刻と過ぎていく、集中すれば改札を通る時になる通過音がよく聞こえてくる

「…まだ来ないのかな…」

気づけば時刻が9:15を指していた

私はスマホに目を移す

待ち受けには「東海道本線 鶴見駅付近で異音を確認したため、10分ほど遅延」と書いてある

すると後ろから肩を叩かれた

「…うわぁ!」

思わずビックリして普段出ない声を出てしまった。少しだけ周りから見られる。恥ずかしい…

「よ!晴海!おはよ〜」

「部長ですか~…もう、驚かせないでくださいよ~」

「ハハハ。ごめんね。なんか驚かせたくなっちゃって…。普通に行けば間に合ったんだけどさ、電車が途中で止まっちゃって〜」

「だとしても5分遅れですよ…」

「アハハ…ごめんね!」

そうゆうと部長は私にウィンクする。その姿に私はより一層呆れてしまった

「おはよ〜晴海ちゃん」

少し寝起きなのか、大学の疲労が溜まっているのか…遥斗くんは怠そうに挨拶した訳だが…

「…可愛い…」

「え…///」

あダメだこれ、私遥斗のこと好きかも

「ちょ、やめてよ晴海ちゃん…///。第一僕彼女いるからその子に勘違いされても困るし…///」


ショタコン…という言葉がある

前に玲音ちゃんが教えてくれたのだけど、男の娘のことが好きな人のことをそう呼ぶらしい。似た言葉でロリコンという言葉があるが、それの対義語だとの事

結局の所、私が何を言いたいか?私はショタコンだと言うことだ。うん、絶対そうだ


だとしてもこうやって照れるのが本当に可愛い。なんでこんな可愛いんだろうか?この子を見ると、男女差別がどれだけ酷い行為であるかということがなんか伝わってくる…

「晴海…キモイよ…」

「えっ…」

ビックリして後ろを振り向くと、玲音ちゃんがいた

「え?いつの間に?」

「いつからって…遥斗のこと可愛いってとこから」

いやそんな前からいたのかよ。全く気づかなかったわ

「あと晴海…その…めっちゃ声漏れてるよ…」

「…ふぇ…?」

いや嘘でしょ…。そう思いながら遥斗の方を見ると、顔がすごく赤面していた。可愛い…じゃなくて…その…

「と、とにかく行こ!みんな揃ったことだし」

「え?かなでは?」

「あれ?聞いてない?」

どうゆう事だろうか?別にこれといってかなでや旅行サークルのグルラには連絡は来てなかったはずだけど…

「なんか朝寝坊したらしくて…。東海道新幹線で小田原まで先回りするから先乗っといて…との事だけど…」

「あぁ…」

少し可哀想だが、それと同時に少し共感してしまった。確かにかなでならやりかねない…

「ちなみにさっき星川駅を出発したらしくて、平沼橋駅の辺りで目の前に特急踊り子通過したらしい」

目の前で踊り子通過するとかすごい状況だな…というツッコミは置いといて、本当に新幹線で追いつけるのか正直心配ではある…

「まぁそろそろホーム行こ!時間もう30分だし」

そう言われて時計を見ると、確かに時計の針が6の針を指していた

「あ!部長!その前にお茶だけ買ってもいい?あと軽食とか!」

「まぁいいよ!ただ出来ればすぐ決めて欲しいかも…あと7分後に出発するし」

「私も買ってきますね」

「あ…じゃあ私も」

「オッケー!」

そんなこんなで私たちは飲み物と軽食だけ買った。私はアイスティー無糖ストレートとフィットチーネグミを購入して、玲音ちゃんはカルピスとじゃがりこ、そして遥斗くんは生茶とポッキーを買った。そして気づけば時刻は9:35になっていた


「あ、ちょうど来た!」

私たちがJR東海道本線のホームに到着すると、そこにちょうどよく特急踊り子1号の列車が来た。車体は青色を帯びていて、私が戸塚駅で電車を待ってる時に、たまに通過する車両だ

「よし!先に乗っちゃうか。伊豆急下田行きだよね…。よし!とりま下田行きだから乗っちゃおう!」

「でも車両違うんじゃないの?」

「あぁそれは大丈夫!伊豆急下田行きと修善寺行きでは車両同士の移動できないけど伊豆急下田行きの車両なら車両全て繋がっているから!」

「へ…へぇ…?」

何言ってるのか分からない。どうゆう事だ?

「分からないならさ…住んでるの戸塚駅なら東海道本線止まるでしょ?東海道線って、15両編成だと連結されてると思うんだけど、その連結部のところって移動できないじゃん」

確かにそれはそうだ。東海道本線の15両編成だと、その連結部間の移動はすることができない

「だけど、それ以外の部分ってなんか連絡通路みたいなので繋がってるから移動出来ると思うのよ。特急踊り子号も、同じ感じ!」

「あ!だからこの車両から入ってもその通路通って自分たちの座席に行けるのか!」

そうゆうと部長は私に指をさして言った

「そうゆうこと!」

やっと理解した。車内で移動するということだ。確かに車内に入ると、東海道線よりもちゃんとしている連絡通路があった。中にはトイレとか色々ある

「すごいですね…部長」

「そんな驚くことじゃないよ…。特急車両だとこうゆうのが普通だから」

流石鉄オタだと思う。こうゆうのを理解してる人は少ないし、むしろこうゆう鉄道知識が、こうゆう場面で役に立つのは本当にありがたい

そんなことを話しながら席に座ると、電車はちょうど大船駅を出発した。左側に見える横須賀線と分岐し、湘南と呼ばれる地区へと向かっていく

「あ!鎌倉総合車両センターじゃん!えぇと…あ!成田エクスプレス止まってる!」

部長につられて私も見てみると、そこには色々な路線があった。横須賀線、京浜東北線、私がよく使ってる路線が沢山置かれていた

「あ!そうそう晴海!この辺りなんだけど、ここら辺に新駅できるらしいよ」

「へ〜そうなんだ〜」

村岡新駅、とか言うらしい。この辺りの研究施設へのアクセスを強めるために作られるらしくて、JR東日本の東海道線の新駅となると、なんと約100年振りとなるらしく、私は鉄道の歴史に少し驚いてしまった

そんなことをしているうちに、気づいたら電車は大船を出て次の駅となる藤沢駅を通過していた

「え?ここってもしかして藤沢駅!?」

急に玲音ちゃんが声を出す

「そうだけど…どうかした?」

「いや!部長!ここは青ブタの聖地ですよ!」

「青ブタの…聖地…?」

「そうそう!青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ないで有名な!」

「なんか聞いた事ある気もするけど…その聖地がここなの…?」

「そうです!ここ藤沢!正確にいうと江ノ島だったりするんですが、藤沢駅も作中でよく出てきます!」

「へ…へぇ…」

部長が少しだけ引いている。無理もない。急にこんな説明されれば、驚くのも無理がないだろう。第一、私だって少し引いてるというか…驚いてるし…


青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

青ブタとも略されるらしいのだが、玲音ちゃんによると、どうやらそうゆうラブコメ作品らしい。主人公の梓川咲太は、図書館でモデルの桜島麻衣と出会うのだが、どうやら姿が見えるのは自分だけらしくて、周りにはまず自分の姿すら見えてないらしい…。ごめんどうゆう事!?

(ちなみに作者もこの作品を見た事がないので、多分色々と間違ってると思う)


その後も踊り子はどんどんと駅を通過していく、湘南地区の大都市「平塚駅」ですらも通過していくその光景は、流石に圧巻であった

電車は東海道新幹線と合流するように、鴨宮駅を通過して、そのまま小田原駅のホームに入線した


「小田原、小田原、ご乗車ありがとうございます」


小田原駅に到着すると、寝坊したかなでが乗り込んできた

「えぇっと…あ!いた!」

私たちを見つけると同時に、かなでは指定された席に座る

「いやぁ、まさか寝坊するとは思わなかったよ…。かなでもビックリしたからな!一番体に負担の少ない生活リズムをしていたはずなのに、まさか寝坊するとは…」

なんか普段の生活ですら科学の力で健康に務めるのは、実にかなでらしいなと、私は感じた…。いや、どこ見てそう感じた…?私…?


「ねぇねぇ晴海ちゃん」

「あっはい」

そんなことを思っていたら、遥斗くんが私に話しかけてきた

「この小田原駅あるじゃん。ここね、小田原城がすぐ近くにあるんだ!」

「へぇ~」

小田原城というのは私も聞いたことがある。神奈川県にある城らしくて、北条家が収めていたとか何とか…。まぁ行ったことはないけど…

「あ!ほらあれ!向こうに見えるの」

「え?」

遥斗くんの方向に目を向けると、確かに小さいが城らしきものがあった。電車はその後すぐにトンネルに入ってしまったが…

「小田原城もロマンあるよねぇ…。ここに城があったからこそ、戦国時代の色々な歴史が生まれた!っていう背景もあるし」

そう語る遥斗くんの目は輝いていて、楽しそうで…。私もいつかこうなりたいと…少し心の奥底で思った

電車は早川駅を出ると、すぐ近くに海が広がる区間に突入した。途中で通過した根府川駅からは、地平線の先まで続いている海と、右側に小さくあった初島を見ることができた。そして気づけば特急は、湯河原駅を出て温泉街の広がる熱海駅まで着いていた

「あ!ここは温泉街で有名な熱海じゃないか!硫化物泉と硫酸塩泉で出来た温泉は化学の結晶だ!おい部長!降りるぞ!」

またかなでが暴走し始めた。なんで温泉でそんなに興奮するのよ…。でも熱海温泉郷ってそんな成分が含まれてるんだ…知らなかった。それなら私も少し行ってみたいかも…

「かなで…つい3ヶ月前に熱海も初島も行ったばっかじゃん…。なんでまた行くのよ」

部長が少し呆れながらそう言った

いや3ヶ月前に行ったばっかなのかよ…。そしたらもういいだろ流石に…

「そういえば、熱海城っていう城があるって言うのを聞いたことがあるんだけど、それってどんな歴史があるの…?」

玲音ちゃんは遥斗くんに気になってそんなことを聞いたのだが、どうやらこれが遥斗くんにとっては地雷だったらしい

「あの城に歴史も何も無いよ。ただ近代の人が勝手に作った観光施設だから…。普通にあそこ行くくらいなら僕は絶対に姫路城行ってる」

遥斗くんはそう愚痴を言うように語り、その表情はもはや楽しそうに語る遥斗くんではなく、また別の…何かを軽蔑するような。そんな表情だった…

電車は熱海駅を出発し、来宮神社などで知られる来宮駅を通過したところで東海道本線と分岐し、伊豆の海岸線に沿うように走り続けて行った

伊東駅に1度停車してから、私たちはその次の停車駅である伊豆高原駅で特急踊り子号から下車した

私たちがそこからバスに乗って、着いたのは辺り一面芝生に覆われた山であった

「着いたぁ!大室山!」

「こんな特徴的な山があるのか!?木の生えない山ということは荒原…。いやでも1年生植物は生えてるから草原か…?だけど火山噴火で普通こんなことなるか?」

かなでがまた自分の世界に入り込んでこれが荒原だとか意味わからんないことを言っているが、まぁそれは置いといて、どうやらこの山は大室山というらしい。聞いたことはあったが、実際に行ったことはなかったのでこんな山なんだと正直驚いた


大室山

伊豆高原駅からバスで進んだところにある活火山であり、かなではなんでこんなに芝生だらけなんだ?と言っていたが、その理由はどうやら毎年春に山焼きをするらしくて、それがこのような特徴的な山を築いているらしく、自然の力でもなんでもなく、ただ単に人工的な伝統故の光景なんだとか。場所は伊東市らしく、伊豆高原に位置するらしい


私たちはリフトに乗って山頂まで行き、そこから伊豆半島の景色を眺めた。南にはかなり先まで山岳地帯が続いており、それに隠れて海を見ることはできなかった。一方で、東側を向くと、城ヶ崎海岸とその先に広がる海を見ることが出来た。西を向けば東西に続く伊豆半島の山々と、その先にうっすらだが見える駿河湾の海、北を向けば、右から丹沢山地、箱根山、そして富士山と続いている

「部長…伊豆ってこんなに広いんですね…」

「そうだね…。私たちの夢だって、これくらい壮大であればいいのに…」

そう部長は少し引っ掛かるような言葉をいいながら、伊豆の山々をただじっと、見つめていた


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私たちは遥斗くんが寄りたいと言った大室山浅間神社に寄った後、またリフト乗り場に戻って麓まで戻ろうとしていた…んだけど…

「…」

「大室山、楽しかったね!」

「う…うん」

私は行きとは違い、遥斗くんと一緒にリフトに座って降りていた。時々遥斗くんの肩が当たる

え…?これ…?大丈夫なやつ…?後から遥斗くんの彼女さんから怒られたりしない…?

正直なところ、私の心臓はもうバクバクだった…。私は多分、人の彼氏を奪って自分の物にする。泥棒猫でN○Rを自ら展開してしまうのような、そんな最低な女なんじゃないかと…そう思った

「…可愛い…」

「…あぁもう!僕は男だよ?それに彼女いるし!もうもう!」

「アハハ、ごめんね!つい」

「ついじゃなくてさ!やめてよ…」

そう言いなが、私の肩を叩く姿は、やっぱり可愛かった…

ま、まぁ!今は男女平等社会だし?別に男子にも可愛かったら可愛いって言ってもいいよね!多分!

そう心で思いながらも、私たちは大室山の麓へと向かっていった…


(後編に続く…)

新キャラ紹介


・川崎遥斗:

神奈川中央大学に通う大学2年生。黒髪で髪はサラサラしており、身長は162cm。サークル内で唯一の男子であるが、その可愛さから、晴海は最初、女の子だと思っていたらしく、遥斗の正体が男の子だと知った時は驚いていた。歴史オタクであり、歴史巡りをするのが好き。生まれは横浜市磯子区の新杉田の方に住んでいて、今は幼馴染の彼女と共に川崎市幸区の尻手の方に住んでいる




作中で出てきたアニメ、場所、鉄道、科学、歴史、人物一覧


・アインシュタイン:

現代の科学に大きく貢献している人物。額縁ではベロを出している肖像画で有名であり、アインシュタインが生きていた当時、周りとは少し価値観が異なっており、周りから変人扱いされていた。数々の科学に貢献している人物だが、特に有名なものは相対速度の応用ともなる「相対性理論」などである


・ノイマン:

現代の科学の中でも、数学に大きく貢献した人物であり、数々の功績を残している。代表的なものとして、原子力の開発や、量子力学の数学的基礎などが存在する。彼も当時は周りとは価値観が異なっており、変人扱いされていた。有名な逸話として、1秒間に1万回の計算が出来るコンピューターに、計算で勝ったというものであり、その時に残した有名なセリフとして「俺の次に計算の早いやつができた」というのがある


・暗殺教室:

週刊少年ジャンプで連載されていた松井優征原作の大人気マンガ。昔殺し屋をしていた「殺せんせー」が、素行不良者の集まる3年E組に来て、E組の生徒を成長させる物語。また、生徒の目標としては殺せんせーの暗殺である。実写化もされた

ちなみに潮田渚はこの作品の主人公である


・俺ガイル:

渡航原作のライトノベル「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」の略称。捻くれている主人公の比企谷八幡が、奉仕部を通じて成長していく物語

作者の推しとしては、由比ヶ浜結衣である

苗字はどれも神奈川県の地名(雪ノ下雪乃の雪ノ下は鶴岡八幡宮の所在地名、由比ヶ浜結衣の由比ヶ浜は江ノ島電鉄の駅、そして戸塚彩加の戸塚はJR東海道線や横浜市営地下鉄ブルーラインなどが止まる、横浜市内で2番目に乗降者数の多い駅である)

ちなみに戸塚彩加はこの作品に出てくるテニス部のキャラである


・リトルバスターズ:

VISUAL ARTS制作で、麻枝准が脚本を務めるKey原作の作品。元はゲームであり、アニメには、「リトルバスターズ」の他、「リトルバスターズ -Refrain-」、リトバスのスピンオフ作品である「クドわふたー」、そして、OVAである「リトルバスターズ エクスタシー」などが存在する。また、Key作品のうち、リトバスまでに放送された作品を総集したショートアニメ、「かぎなど」にも出ている

ちなみに直枝理樹はこの作品の主人公である


・駿河湾:

静岡県の静岡市側と伊豆半島に挟まれた湾のこと。湾を横断するように駿河湾フェリーが運行されている


・伊豆半島:

静岡県東部に位置する、熱海~三島の間を南下すると着く半島のこと。人類が誕生するよりもずっと前、地球がまだ大陸移動を繰り返していた時代に今の箱根にくっつくような形で伊豆半島が出来上がった ※1

東側は、熱海~伊東がJR伊東線、伊東~伊豆急行線となっており、西側は三島~修善寺まで伊豆箱根鉄道駿豆線が走っており、それぞれの線路を介して東京から東海道本線経由で「特急踊り子号」が運行されている


・小田原市:

神奈川県西部の地名。小田原市で1番大きい小田原駅は、東海道新幹線が停車する駅でもあり、各停型のこだまの他、一部のひかり号が停車する


・東海道本線:

東京~神戸までを繋ぐ日本で二番目に長い鉄道路線

東京~熱海はJR東日本、熱海~米原がJR東海、そして米原~神戸をJR西日本がそれぞれ運営している


・特急踊り子号:

東京~伊豆急下田までをJR東海道線、JR伊東線、そして伊豆急行線を介して繋ぐものと、東京~修善寺までをJR東海道線、伊豆箱根鉄道駿豆線を介して繋ぐものの2系統が存在する特急列車。列車によってはこの2系統を連結させて走るものも存在する。東京を出ると、基本は品川、川崎、横浜、大船、小田原、湯河原、熱海、伊東と停車していき、そこからは列車によって停車駅が異なる。また、一部列車は川崎駅も通過する。由来は伊豆の踊子


・竜宮窟:

下田から南に少し下がったところに存在する。伊豆の景勝地、入口の階段を下がると、そこからは目の前に広がる海と、そこを囲うようにできた洞窟、そしてそこに入り込む海の水がひとつの場所に映る神秘的な姿が、まるで「竜宮城」のように見えたことからこの名がつけられた


・石廊崎:

伊豆半島の最南端に位置する岬。この岬からは地平線の先まで続く太平洋を見下ろすことができ、こちらも伊豆の景勝地として知られている。中でも「石廊崎オーシャンパーク」では、崖の先端まで行くことができ、断崖絶壁からの素晴らしい大海原の景色を堪能することができる


・土肥港:

伊豆半島西部に位置する乗船場。ここから駿河湾フェリーが清水港へ向けて走っているが、周辺には鉄道路線がなく、最寄り駅である修善寺駅まではバスを使う必要がある。そのため多くの利用者は車を使って土肥港まで来ていることが多い。近くには観光スポットとしても知られる土肥金山があり、本物の金を触ることができる


・清水:

静岡県静岡市に存在する地名。JRの他、静岡鉄道も乗り入れており、清水港からは駿河湾フェリーが出ている


・静鉄:

静岡鉄道のこと。新静岡~新清水にかけてJR線と並走するように走る静岡の中小私鉄。日中は全列車普通だが、通勤時間帯は急行も運行されている


・駿府城:

本文にもあるが、静岡県静岡市葵区に存在する城で、天正13年に徳川家康が造設して、慶長6年に駿府城主を内藤信成に任せられたことで知られる。そして、駿府城を含めた一帯を「駿府城公園」と言う


・東海道新幹線:

東京~新大阪までを繋ぐ日本で最初の新幹線。こだま、ひかり、のぞみの3つの種別があり、こだまが各停型。のぞみは東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪に絞って止まる速達型。その間でのぞみの通過する静岡県内に止まったり、こだまの本数が少なくなる名古屋以北を賄ったりするのがひかりである


・駿河湾フェリー:

静岡県伊豆市に位置する土肥港と静岡県静岡市清水区に位置する清水港までを繋ぐ航路。正確には県道223号線にあたり、所要時間は90分。徒歩での値段は1乗車2000円となっている


・伊豆高原駅:

伊豆半島東部、静岡県伊東市に位置する伊豆急行線の駅。この駅から各方面にバスが出ており、大室山、伊豆シャボテン公園、城ヶ崎海岸へのアクセスはこの駅が便利(城ヶ崎海岸には城ヶ崎海岸駅からも行くことができるが、バスの本数が多い訳ではなく、特急列車も当駅は通過するので、普通列車できた人、値段を節約するために城ヶ崎海岸から歩いて行きたい人にはオススメ


・伊豆急下田駅:

伊豆半島南部。静岡県下田市に位置する駅で、伊豆急行線の終着駅、下田港からは伊豆大島を含めた伊豆諸島へと船でアクセスすることができる。また、バスで下田から下の、石廊崎方面にアクセスすることができるなど、伊豆南部の玄関口になっている。また、黒船来航の地としても知られており、実際に黒船来航の碑がある


・戸塚駅:

神奈川県横浜市戸塚区に位置する大きな駅で、JR東海道線やJR横須賀線のほか、横浜市営地下鉄ブルーラインも乗り入れている。JR線のホームは対面乗り換えができる構造となっていて、東海道線と横須賀線の乗り換えを、階段を上がることなく乗り換えられる


・JR横須賀線:

東京駅~久里浜駅までを繋ぐ路線。正式な区間としては実は大船~久里浜間だけであり、大船~横浜はJR東海道線の緩行線、横浜(もっと厳密に言えば鶴見)~品川(もっと厳密に言えば蛇窪信号所)が品鶴線、品川~東京がJR東海道線の支線となっている。多くの列車が東京駅からJR総武線快速電車に直通しており、一部のJR湘南新宿ラインの電車もJR横須賀線に直通している


・大船駅:

神奈川県鎌倉市に位置する駅。JR東海道線とJR横須賀線の合流地点でもあり、JR根岸線の終着駅でもある。また、湘南モノレールも乗り入れており、江ノ島のアクセスも抜群である

また、近くには大船観音があり、徒歩5分ほどでアクセスが可能である


・鶴見駅:

JR京浜東北線の途中駅。JR東海道線通過駅の中ではかなり利用者は多く、JR横須賀線や相鉄・JR直通線の停車構想なども存在する。JR京浜東北線の他に、JR鶴見線も乗り入れており、鶴見の工業地帯(京浜工業地帯鶴見地区)の方まで電車でアクセスすることが可能である。また、駅前にはバスターミナルも広がっており、バスで三ツ池公園やトレッサ横浜、綱島駅方面まで行くことができる。


・星川駅:

神奈川県横浜市保土ケ谷区に位置する相模鉄道本線(相鉄線)の途中駅で、各停の他、快速が停車する。駅前には保土ヶ谷区役所があり、周辺も保土ケ谷区の中では発展している(なんならJR横須賀線の保土ヶ谷駅より栄えてるまである)


・平沼橋駅:

相模鉄道本線(相鉄線)の駅で、横浜駅の一駅手前に位置する。目の前にはJR東海道線とJR横須賀線、JR湘南新宿ラインの線路が走っているが、JR線は平沼橋駅を通過する。近くには神奈川県立平沼高等学校があり、最寄り駅であるが、立地やアクセスの面から、平沼橋駅周辺に用がある人の多くが、隣駅である横浜駅から徒歩で行く人が多い、そのため平沼橋駅の利用者自体は実は少なかったりする


・鎌倉総合車両センター:

神奈川県鎌倉市に存在する大きな鉄道の車庫。NEX(成田エクスプレス)やJR横須賀線のほか、JR横浜線などの車両が保管されていることもあり、神奈川県の総合車両センターの中では一番でかい


・成田エクスプレス:

成田空港から大船または新宿までを繋ぐ特急列車であり、副都心や横浜方面から、成田空港へアクセスする時に重宝される。また、最近は千葉駅に停車するようになったため、横浜方面から千葉へのアクセスの際にも便利な特急になった。1時間に一本運行されており、千葉まではB特急料金、それ以降の成田空港まではA特急料金を採用している


・村岡新駅:

JR東海道本線の大船~藤沢間の間に作られる予定の新駅。個人的にはJR東海道本線に作るよりJR根岸線を延伸させて、その途中駅で作った方がいいんじゃないかと作者は思う


・藤沢駅:

神奈川県藤沢市にある駅で、JR東海道本線の他、小田急江ノ島線や江ノ島電鉄が乗り入れる湘南最大の乗降者数を誇る駅。乗り換え需要も多いが、駅前には数々のショッピングモールがあるので、普通に下車する人も多くいる


・平塚駅:

神奈川県平塚市にあるJR東海道本線の駅。乗降者数を除けば湘南最大の駅。駅前にある「LASKA平塚」も広いが、少し歩いたところにある「ららぽーと湘南平塚」がかなり広く、色々なものが置いてある


・鴨宮駅:

JR東海道本線の単独駅。近くには小田原シティーモールなどがあり、湘南新宿ラインの特別快速が東海道線内を通過する駅にしては、栄え方としてはかなり大きい(ただ特別快速が通過する東海道線内の駅の中でいちばん栄えてるのは、駅前にテラスモール湘南などがあることで知られる辻堂駅である)


・小田原城:関東を100年間支配した北条氏の本拠地。また、小田原城を含めた一帯を小田原城址公園といい。公園が整備されている


・早川駅:

神奈川県小田原市にあるJR東海道本線の途中駅。小田原以南は駅間が離れることが多いのだが、この駅は珍しく小田原~早川駅の駅間はかなり近い


・根府川駅:

神奈川県小田原市にあるJR東海道本線唯一の無人駅であり、秘境駅。駅のすぐ目の前には相模湾の海が広がっており、天気がいい日には地平線の向こうに横須賀や南房総を拝むことができる


・初島:

静岡県熱海市に位置する、静岡県唯一の有人島。形はクエスチョンマーク型(?の形)をしていて、島には民家の他にもホテルや公園、個人商店などがあり、小さな島に色々な施設を兼ね備えた観光リゾート島である。ちなみに「静岡県唯一の有人島」と言ったが、これに対して「伊豆大島はどうなんだ?」と思った人もいるかもなので一応説明しておくと、伊豆大島は静岡県ではなく東京都の島なので、実は伊豆と言う名前こそ付いているが、所在は東京なのだ(そのため、下田市から東京都の最短経路はなにか?と聞かれたら、実は特急踊り子号でも東海道新幹線でもなく、フェリーで伊豆大島に行くのが1番早かったりする


・湯河原駅:

神奈川県湯河原町にあるJR東海道本線の駅で、温泉街としても知られている。すぐ隣には熱海温泉郷があるが、それにも劣らずここも隠れた温泉街である。それも相まって、特急踊り子号も、湯河原駅は通過せずに停車している


・熱海駅/熱海温泉郷:

静岡県熱海市にあるJR東海道本線とJR伊東線の駅。実はJR東日本の運営するJR東海道本線の中では唯一の静岡県にある駅である(JR伊東線はJR東日本が運営するため、静岡県内に唯一乗り入れるJR東日本の駅ではない)。特急踊り子号は、ここで連結や切り離し作業が行われ、修善寺系統はここからJR東海の運営する東海道本線に、下田系統はここから伊東線に直通する。温泉街としても知られており、硫化物泉と硫酸塩泉が混ざった温泉を堪能することができる。駅前には商店街があり、熱海プリンなどを買うことができる


・熱海城:

静岡県熱海市にある城であるが、歴史的建造物でもなんでもなく、ただの城の形をした観光施設である。中には展望台のほか、江戸時代の体験ができる場所や、歌川国芳のトリックアートみたいなものがある場所、兜や鎧、剣の展示などがある。ちなみに熱海城の地下一階には無料で遊べるゲーセンがあり、頭文字D、バスケのゲーム、エアホッケー、電車でGO!、これ全部無料でできる(但し入場券を払ったらの場合)。もちろんだが国宝にも世界文化遺産にも受賞されていない。ただ面白いので熱海に来たら行く価値はあると思う。値段は1200円くらい


・姫路城:

兵庫県姫路市に位置する城で、城が、真っ白なことから、別名「白鷺城」とも言われている。その美しい景色から、国宝や重要文化財に認定されており、兵庫県に旅行するなら絶対に訪れたい施設である。JR山陽本線から姫路駅を岡山方面に出発した時に一瞬だけ見えることがあるので、是非試してみて欲しい(もっと難易度高いのは山陽新幹線が姫路駅を通過してすぐに見える姫路城で、見える時間は1秒もない{0.1秒くらい}。これを写真に収めた人は普通にエグい)


・来宮神社:

静岡県熱海市にある神社で、来福、縁起の神として知られている。境内には大きな木があり、その木の周りを回ると、寿命が伸びると言われている


・来宮駅:

静岡県熱海市にあるJR伊東線の駅。近くには来宮神社もあり、来宮神社に参拝する時には重宝される駅である。JR東海道本線がすぐ隣を走っているが、東海道線側に来宮駅の駅舎はなく、来宮駅を通過するので注意が必要だ(さらにいえば、熱海を出て来宮駅を通過すると、長いトンネルに入り、次の函南駅まではかなりの時間を要するので、間違えて乗車すると、大きな時間ロスになりうる


・城ヶ崎海岸:

静岡県伊東市にある断崖絶壁の超絶景スポット。目の前には海が広がっており、スリルを楽しめる吊り橋なども存在するが、毎年城ヶ崎海岸から海に落ち、死亡する事故が発生してるので、行く際には細心の注意を払う必要がある


・丹沢山地:

神奈川県北部に連なる山々であり山地。場所としては愛川町や清川村などの市区町村が存在し、宮ヶ瀬ダムもこの丹沢山地の中に含まれる。鉄道については、丹沢山地から見て南側には小田急小田原線の電車が走っており、逆に丹沢山地から見て北側にはJR中央本線が走っている。丹沢山地の中には、現在鉄道路線は走ってない。ちなみに結構ちゃんとした山地なので、siro原作の「ヤマノススメ」なんかにも出てたりしている


・箱根山:

今の箱根全域。箱根湯本駅の辺りから始まる箱根一帯が箱根山と言われる地域である。今から何千年も前に噴火したことによってあのような地形が誕生、箱根を象徴する湖である芦ノ湖は、実は箱根山が噴火した際に出来たカルデラに、雨などで水が溜まって出来たカルデラ湖だったりする。大涌谷では、箱根山から湧き出る硫黄や硫化水素の源泉を見ることができる


・富士山:

日本で一番高い山としても知られ、日本の象徴である山、静岡県側から見る富士山を「表冨士」、山梨県側から見る富士山を「裏富士」と呼ぶ※2。siro原作の「ヤマノススメ」でも登った山である。ちなみに富士山の頂上は、静岡県でも山梨県のものでもなく、頂上に土地を持つ神社の住職のものである


・大室山浅間神社:

静岡県伊東市の大室山にある神社、その昔、この山は神聖な場所として信仰されていた、そんな大室山の名残がこの神社なのである。ちなみに、それも相まって、1年に1回山を野焼きする伝統が生まれたのである


※1 諸説あり

※2 これを山梨県民に言ったらめちゃくちゃキレられるので間違えててでも言わないように、理由は考えれば分かると思う

実際、裏富士とは言ったが、山梨県側から見る富士山も静岡県と同じくらい綺麗なのでぜひ行ってみるといい





次回の後編もお楽しみに!!!

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