第2話 絶景は時に灯台下暗しだったりする
無事誤解も晴れて、旅行サークルに入部した晴海
同じ1年生の鶴見玲音も一緒に、新入生歓迎会をすることになるのだが…。新歓を知らない晴海はお酒を飲まされると勘違いして…
ひょんなことから向かった場所でバイキングを食べ、夜の街並みを歩くと…そこで晴海の人生観を変えるある出来事が起きる…
旅好きの大学生、戸塚晴海の人生を描いた。旅系小説。第2話です!
「晴海!早く!こっちこっち!」
「あっはい」
あの後、私はある場所に向かっていた。そこに行ったことはなかったが、少なくともそこから見た光景はすごく綺麗だった
「うわぁ…!」
なんといえばいいか…言葉が出なかった。確かにその景色が綺麗なのもある。でも…今の私は多分…今までで1番…青春していると…そう感じた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
時は遡ること数時間前…
「ということでさ!新入生歓迎会?的なのも兼ねて、あそこ行こうよ!」
「新入生は0人だと思ってたけど、まさか2人も入ってくれるとは!これはもう何かしらの物理法則が働いたからに違いな…」
「それはよく分かりませんが、あそこって言うのはあそこですよね…。確かに新歓には丁度いいと思います。今日はアレありますし」
え?なんの話?ってかあそこってどこ?全く見当つかないんだけど…。というか玲音ちゃんどこか分かったの!?しかも新歓ってことは…未成年なのにお酒飲まされて、それで未成年飲酒で…
「あ…あのぉ…」
「ん?どうしたの?晴海」
「いや…その…新歓って…もしかしてお酒飲まされたりとかしちゃうんですか…」
私は恐る恐る聞いた。すると部長は
「ぷっ…ハッハッハッハ。新歓をなんだと思ってるんだよ笑。そんな未成年にお酒を飲ませるつもりもなければ、私達も飲むつもりないよ笑笑」
そうやって笑いながら答える部長に、一瞬だけ私はポカンとした。私からすると、新歓は新入生にお酒を飲ませて、酔っ払わせて、そんな状態でワイワイやるような、未成年飲酒の塊みたいなものだと正直思っていたからだ。いや、だとしたら逆に何やるの?
「新歓ってのは新入生歓迎会のことだよ?そりゃあバイキングとかで夕飯とかは食べると思うけど、お酒を飲んだりはしないよ」
「あ…そうなんですね」
そう答えた部長に私は安堵した。なんだ、新歓ってそうゆうことなんだ
「まぁそれだけじゃなくて、今日はあるものがやるから行こうと思ってるんだけど、ちなみに今日は放課後時間大丈夫?バイトとか入ってたりしない?」
「え?あぁはい」
流石に入学式当日までバイトを入れるほど私は元気じゃないし、元々入学式当日は何かあった時の為に予定空けてたんだよね…
「ちなみに、あるものって…なんですか?」
「あるもの?えぇ~、それは内緒かな」
「えぇ~」
どうせなら何やるか知りたかったけど…。まぁいいや
「でも、よく考えたらそこ大丈夫か?」
そこにかなでが口を挟んだ。どうゆう事だろうか?
「いやだってさ、遥斗、ワンチャン未来と一緒にここ行ってるんじゃね」
「あぁ確かに…でも遥斗たちは有料座席取ってるでしょ」
「まぁ、それもそっか」
なんの話をしているんだろうか?全くもって理解ができない。まず遥斗?とか未来?って誰のことだろう。まぁ同じ学部の同級生とか、そんな感じだろう。私には縁のない話だ
「それよりも、そろそろ行った方がいいんじゃないですか?多分店混んできますよ」
「あ〜たしかに。それもそっか。予約してないし」
玲音が会話に入ってくる。いやだから場所どこなの!?
「その…部長」
「ん?どうかした?」
「結局これからどこ行くんですか?」
やっぱり気になってしまった。だってさっきから『あれ』とかで会話されたらそりゃ気になっちゃうよ…。阪神タイガースの『アカン阪神アレしてまう!』じゃないんだしさ…。そういえば阪神の『A・R・E』って流行語大賞取ってたな。ってそうじゃなくて!
そんなことを思っていたら部長が答えた
「フッフッフ…内緒だ」
「…は?」
「まぁとにかく、行ってみたらわかるから!」
「あっ!ちょっと部長!」
そう部長は言うと、私の手を引っ張った
4人で行きと同じ道を歩き、東横線の白楽駅に着き、3分後くらいに来た普通列車の元町・中華街行きの電車に乗り込んだ
白楽駅を出て数分後、すぐに横浜駅に着いた。ここでおりるかと思いきや。まさかのスルーしてそのままみなとみらい線に直通してしまった
え?これ本当にどこ向かってるの?
少し戸惑いながらも、電車は新高島駅を出て、みなとみらい駅へと向かっていた
----------------------
「よぉ〜し!着いた!みなとみらい!!」
「…ふぇ…」
どうやら部長たちが向かっていたのは横浜の中心街、みなとみらいだったわけだが…
陰キャの私とは縁がないどころか、もはやここは私にとっては魔境なのである
というのも、これは前にみなとみらいに行った時の話だけど…
「お次のお客様どうぞ」
「あっはい」
高校生の頃、私は映画を見るためにイオンシネマみなとみらいを訪れていた。そしてこれは映画を見た後に行ったマクドナルドのこと…
「エグチのセットで、ドリンクは白ぶどうで」
「かしこまりましたwサイドポテトでよろしかったでしょうか?」
「あっはい…大丈夫です…?」
「店内wお召し上がりですかw?」
「…え…?」
何故か私を見て店員さんが笑っていた。私、なにかおかしなこと言った?
そんなことを思っていたら後ろから声が聞こえた
「ねぇねぇ、あの子一人?みなとみらい1人とか凄いね笑」
「だねぇ、まじかっけぇ笑よね」
「彼氏とかいないのかな?」
「あんなの自分からナンパしてくださいって言ってるようなものじゃん」
周りの視線が痛かった…。私に友達があまりいないのもそうだけど、単純にその映画があまり知られていなかったのと、その映画がほぼレイトショーしかなくて、昼間だとみなとみらいの映画館しか無かったというのもあり、仕方なくひとりでみなとみらいを訪れていた…。でもまさかこんな言われ方するとは…というか私ナンパされるほど可愛くもないし…。なんか…みなとみらい怖い…
それ以来私はみなとみらいが怖くなり、この場所を意図的に避けるようになったのである。だから私にとってこの場所は、魔境でしかないのだ…
「どうかしたの?晴海?」
後ろから声が聞こえた。玲音ちゃんだ
「あぁいや…その…私…この場所さ…」
「?」
「いや。やっぱなんでもない」
言おうとしたが、言葉が喉で詰まった。ただ、やっぱりそのトラウマから、少し不安は持っている
「そう。わかったわ。でも、何かあったら言ってよね。私たち、そばに居るから」
「…ありがとう…」
玲音ちゃんがそう言ってくれたことで、私の不安が少しだけ解けた。というかよく考えたら、一人でみなとみらいに来たから周りからの視線が痛かっただけで、今はみんなで来たから大丈夫なのか…。
いや!だとしてもだよ!
「おいみんな!早く夕飯食べに行くぞ!かなではもう空腹なんだぞ!このままじゃ3日後には栄養失調で死んでしまう!」
「お猿さんうるさいよ」
「ちょおい!かなでは猿じゃないって!」
うるさすぎて思わず言っちゃった…。というか一人称が自分の名前なの何回聞いても慣れないよ…。というか3日後って全然持つじゃん…
「まぁでも、確かにお腹すいてきたし、行きますか!」
ということで、部長に連れられ、私はバイキングの店に来た訳だが…
「すみません。現在人が多くて1時間ほど待たせていただくのですが…」
バイキングというか、まぁしゃぶしゃぶの店だった。いや確かにこの店野菜とかご飯とかワッフルとかがセルフサービスであるが…。少なくともバイキングではないでしょ…(どちらかと言うとビッフェ)
「で?どうするんですか?」
「そうだねぇ…1時間待ったら食べてる時間と含めて多分間に合わないだろうし…」
お店が1時間待ちということで、私たちはどうするか話し合っていた
「間に合わないって…何がですか?」
さっきから気になっていたのだけど、その間に合わないってなんのことなんだろう?この後何か予定でもあるのだろうか?
「あ〜いや。晴海は気にしないでいいよ」
いやまぁそっちの方がワクワクするけどさ…。気にしないでって言われると気にならないものも気になっちゃうよ…
「あ!おい見ろ!あの店とかどうだ!」
そうやってかなでが言うのでそっちを向いてみたのだが、確かに美味そうだ…。「Festa Garden」と書いてある
「でも、あそこも混んでるんじゃない?」
普通に考えれば、この店が混んでいるなら、かなでが言ってた店も混んでいるはずだ…
「今たまたま全員分の席空いてるって」
「え…あ…そうなんだ…」
いやどんな偶然だよ。というかそんなことって本当にあるんだ
そんなこんなで、私たちはこの店に入った。スタンダードコースでも良かったが、せっかくの新歓なので飲茶コースにしようとなった
「ということで!お前ら!好きな物頼め!」
「お!ということはもしかして今日は部長の奢りか!!」
「もちろん!全額私が出してやるよ!」
なんと今回は部長の奢りらしい。嬉しいけど本当にいいのかな…
まぁでもそうゆうことなので、とりあえず私はお皿に色々なものを乗せたのだけど、中にはその場で焼いたローストビーフなどもあり、本当にこんなに豪華なものをタダで食わせてもらっていいのかと思うと私は申し訳なくなった
「いただきま〜す!!」
みんな揃ったので、私たちの夕食兼新歓が始まった。もちろん全員未成年なのでお酒は飲まない
「晴海、野菜全くないけど大丈夫?」
玲音ちゃんがふとそんなことを聞いてきた
「え?あぁ…こうゆうとこ来ると好きな物しか取らないんだよね。私」
前にこうゆうバイキングの店には家族で行ったことがあるのだが、その時も自分の好きなものしか取らなかった。その時にも親から「野菜もちゃんと食べなさい」って言われたっけ…
「おい晴海!ちゃんと栄養バランス考えて取らないと栄養失調で倒れちゃうぞ!」
「いやそんな簡単に栄養失調にはならないし…というかかなでちゃんだって…ぇ…」
言おうとしてすぐに料理に目がいった。色の采配が素晴らしい。だけじゃない、栄養バランスも完璧であった。サラダは緑黄色野菜を詰め合わせて綺麗だし、色々なおかずを乗せられる大皿には、肉だけでなく魚や卵など、かなり栄養バランスを考えて置かれている。しっかりとご飯と味噌汁も置いてあり、なんというか…凄く健康的だ…
「ん?いやかなでは健康的だぞ!ほら見ろ!6大栄養素をしっかりと補完し、それでいて色の采配もいい!最高の組み合わせだ!本当の科学というのはな!食にも作用するんだ!つまり!食の科学ということだ!」
色々とうるさいことは事実だが、それでいてここまで食事について考えられてるのは、普通に尊敬するし、言い返すことが出来ない…
もちろん部長と玲音ちゃんも健康的な食事ではあるのだが、かなでだけが飛び抜けて健康的だ。さすが科学オタクなだけある…。いや6大栄養素は本当に科学なのか…?
そこで私はあることに気がついた。多分栄養バランス全く考えずに適当に好きな物だけ取ってるのが私だけだと…。私は一人暮らししてないからそう言うこと全く気にしたこと無かったけど、大学卒業したら一人暮らしする訳だし、そうなったら栄養バランスとか考えて作らないとまずいよね…
「ほら、晴海、これ食べていいよ」
玲音ちゃんがそう言って渡してくれたのはサラダなわけだが…
「ト…トマト…」
野菜があまり好きではない私であるが、その中でもミニトマトは飛び抜けて嫌いだ。だって食べた瞬間に中の果汁が全体に広がる感じが嫌なんだもん。克服しろって何回も言われたけど、何回やっても無理なものは無理なんだよ…
でも人がせっかくあげてくれたものだ…無下にはできない。嫌いなものは最初に食べた方がいいという考えから、私はミニトマトを口の中に入れた。食べる時の表情は明らかに最悪だっただろう
「ん…あれ…。意外と美味い…?」
なんでか分からないが、ミニトマトを初めて美味いと感じた。果汁が全体に広がる感じも、何故かいいと感じてしまった…
「まぁここの店は少し高い分、美味しいからね」
確かにローストビーフとかもそうだし、全体的にすごく美味い。そうゆうのもあるんだろう
「それに…」
「?」
「子供の頃の味覚っていうのは、意外と変わるものよ」
玲音ちゃんはそんな一言を私に言った。私にはまだ、その言葉の意味がよく分からなかった
----------------------
「いやぁ…食ったねぇ…」
「デザートがこんなにも重たいとは思わなかった!これは想定外だ!」
「でも全部美味しかったよね」
店に入ってから70分。ラストオーダーの時間は終わったものの、90分制なので、まだ20分くらいは時間があるのだが…みんなお腹いっぱいなのである。かく言う私も、既にお腹いっぱいな訳だが…
「いやもう今日だけでエンゲル係数やばいわ!ほんま最高!ご馳走様です!部長!!」
「うるさいですよ。かなで」
「あんまりうるさくしずぎると…かなでの分だけ自腹で払うことになっちゃうかもよ」
「え!ちょ、待ってそれは勘弁」
「ハハハッ、冗談だよ。ちゃんと全員分払うって」
部長、冗談が上手いな…。でもまだ時間あるし…デザートならラストオーダー後でも取れるから、もう1回くらい取りに行こうかな…
「そろそろ行く?」
と思ったら部長からもう行こうと提案された
「え!?もう行くんですか!?まだ20分もあるのに!?」
せっかく高い金を払ってこの店に来たのに、20分を無駄にしてもう出るのは、私からすると少しもったいないと感じてしまった
「まぁ早めに行っといた方が、多分特等席取れると思うし、まだ食べたいなら別にいいけど」
「あぁいや。別に大丈夫です」
流石に自分一人のためにみんなを待たせるのはおこがましいし、申し訳ない。別にさっきデザートも食べたし、ここは流石に気遣いを断った
「そう?じゃあもうあれ見に行く?」
「そうですね」
「かなではいいと思うぞ!」
本当にあれってなんなんだろう?そう思いながらも、私はみんなについて行った
「ここ…綺麗ですね…」
「でしょ!私のお気に入りなんだ!」
ワールドポーターズを出て、私たちは臨港パークへと続く女神橋を歩いていた。大学を出た時には夕日だった空は、もう真っ暗で月明かりだけが輝く夜空に変わっていた。みなとみらいの騒がしい雑踏とは裏腹に静かで穏やか…静かすぎて波の音がよく聞こえるくらいには落ち着いていた
「もう少し先かな。いい特等席があるんだ!」
「でもそこって有料座席シートだったりしないのか?」
確かに、そんなに特等席なら普通は有料座席シートである可能性が高いはずだけど…
「それは大丈夫!有料座席シートは確かここよりもう少し先だから」
「それに、この時間帯だとまだ人も少ないだろうし」
周りを見ると、玲音ちゃんの言う通り、まだ人通りは少ない。少し橋の上でチラホラ人が見えるくらいだ。というか有料座席シートって…。なんか電車みたいなシートの名前してるけど、本当に今日何があるんだよ…
橋をおりて、半円の特徴的な建物をしたインターコンチネンタルホテルの目の前を通過し、パシフィコ横浜が見えるところで、部長の言っていた特等席という所に着いた。少し奥を見ると、確かにベルトバーテーションか張ってあり、その中には結構な人が座っているので、有料座席シートなのだろう
ここは一応臨港パークではなく、その手前の場所らしい。だから有料座席シートではなく、ベルトパーテーションが張ってないらしいのだが、それでも確かにここから見る横浜の夜景は凄く綺麗だった。辺り一面は真っ暗で何も見えないが、その中に輝く京浜工業地帯と、首都高速東京湾岸自動車道にかかるベイブリッジが見えた。ここから見た景色は、間違いなく絶景だったと思う
「あと…1時間後くらいかな」
「えーそんなに待つの!?」
「まぁこの景色は飽きないし、スマホ触ったり話してたりすれば時間なんてあっという間にすぎると思うわ」
本当に1時間後に何があるんだろうか…。私には全く見当もつかない。この近くにあった時計の針は、6:36の針を指している。1時間後ということは、7:30から何かが始まるんだろう
----------------------
みんなと話していたり、スマホを触っていたら一瞬にして時間は過ぎて行った。さっきまで人がチラホラいた程度だった私たちの周辺には、いつの間にか多くの人で賑わっている。家族やカップル、友人など、多種多様だ。時刻は既に7時25分を回っていた
「本当にあれってなんなんですか?それそろですよね?」
流石に何が起きるのか私も知りたい。だから私はもう1回部長に聞いた
「そろそろだから…。ほら、こっち向いて」
本当に何が起きるのか最後まで分からないまま、私は横浜港の広がる海の方を向いた
「晴海!早く!こっちこっち」
「あっはい」
分針が数字の6を指さす。辺りは静寂に包まれた
一瞬の沈黙の後、1つの光が空に向けて打ち上がる
次の瞬間、空でその光が広がった
ピューーーー。パーーーーン
その光は次々に打ち上がる。音が遅れてこっちにやってくる
「うわぁ…」
その光が私を魅了する、言葉が出なかった。花火だ
「たーまやー」
「これを見ると…『打ち上げ花火下から見るか横から見るか』を思い出すな…」
「花火が見えてから音が来るまで1.2秒、音の速さが340mで、光の速さが29万9792.458キロメートルだから…360m先くらいで打ち上げられてるのか!」
みんながそれぞれ違うことをしている。部長は花火の光に向かって叫び、玲音ちゃんはアニメを連想し、感傷に浸っている。そしてかなでは物理学を駆使して科学の世界に入り込んでいる
私は最初、みんなと出会った時に好き勝手変なことをしていると言った。今もそれは同じだ
だけど、今はそれを見て絶望はしていない。むしろ今の私は…この時間がいいと感じている。みんながそれぞれ違うことをしている…それって素晴らしいことなんじゃないかと
個性なんてない。みんなに合わせていた私にとって、みんなと出会い、そして自分が好きなことを全力で楽しんでいるというのは…なんというか…本当に素敵だと、そう感じた
今の私は多分…今までで1番…青春していると…そう感じた
「晴海」
「あっはい」
「晴海はさ、周りを気にしすぎなんだよ」
部長からそんなことを言われた
「確かに晴海は、みんなのことを気にかけてくれて、みんなのために気を遣ってくれる。空気を読んでくれる…。それは晴海の素晴らしい長所だと思う。でもさ…そのせいで晴海は自分が見えてないんだよ…。自分の居場所も、自分の人生も全て…」
気にしたことはなかったが、確かにそうだ。私は周りを気にしているせいで、自分が見えてないのかもしれない
「晴海は、旅が好きでしょ?だから、東西南北色んなところに行って、色んなところに旅したいって思ってる。だけど、江ノ島とか鎌倉とか東京とか、それこそ今いるみなとみらいだってそう。自分の住んでいる地域に、晴海は旅しようとしない。きっとそれは、『近いからいつでも行ける』と、そう思っているから…だけどね…本当の絶景っていうのはさ…意外と自分のそばにあったりするんだよ」
そっか…たしかに私…自分のいる場所に旅したことがなかった…というか…するつもりがなかった
「灯台下暗しって言った方がいいかな…。晴海、晴海はもう少し…自分を気にかけて、自分を見失わないで…晴海は人の人生を支えるために産まれたんじゃない…。晴海は晴海の人生を生きるために産まれてきたんだから…!」
「…灯台下暗し…」
部長に言われて気づいた。今の私は、私の人生を生きている…。他人の人生を生きているわけではない…
遠くの絶景に気を取られ、今ある絶景を忘れているように、周りの人に気を取られ、本当の自分を見失なっていた
私はどう生きればいいのか…答えはただ1つ…自分のしたいことをするだけだ…。自分の人生を生きることだ…それがただ…私にとって大切な事なんだろう…
私の顔が花火の逆光に隠れる…
今の私は…どんな顔をしてるかは分からない
笑っているのか…それとも泣いているのか…
でも今の私は…間違いなく人生のターニングポイントになった…
出てきた場所・路線・アニメ・科学紹介!
・A・R・E:
阪神タイガースが優勝する時の決まり文句。元々は「アカン阪神優勝してまう」だったが、それがテレビで放送されて以降、阪神の成績は下降。そのことから、むしろ優勝という言葉を使わない方がいいという風潮に変わった。その結果、現在優勝の代わりに使われてるのが「A・R・E」であり、実際それを使った年に優勝して、その年の流行語大賞もA・R・Eになった
・東急東横線:
東急グールプの子会社である東急電鉄が運営する鉄道路線。横浜~渋谷の間を繋いでおり、横浜からはみなとみらい線、渋谷からは東京メトロ副都心線に直通している。種別は各停・急行・通勤特急・特急(Fライナー含む)の計4つ。かつては横浜駅の先、桜木町駅まで運営していた。主人公が通う神奈川中央大学の最寄り駅である白楽駅は普通のみが停車する
・みなとみらい線:
横浜高速鉄道が運営する鉄道路線。横浜~元町・中華街の間を繋いでおり、横浜駅から東急東横線に直通している。種別は東横線と同じ。主人公が降りたみなとみらい駅は、横浜の中心地にある駅で、回送列車などを除き全ての種別が停車する
・イオンシネマみなとみらい:
横浜ワールドポーターズの館内にある映画館
・ワールドポーターズ:
横浜の中心地みなとみらいの中で、商業店舗やアミューズメント、グルメなど、様々なものが揃う大型商業施設。映画としても知られるワーナブラザーズが運営する施設でもあり、最近では「vsパーク」というのが注目されている
・ビッフェのあるしゃぶしゃぶの店 ※1:
すかいらーくグループが運営する「しゃぶ葉」のこと。作中では一応名前を隠している
・Festa Garden ※1:
ワールドポーターズに併設されているバイキングのお店、スタンダードコースや飲茶コースの他、色々なコースがあり、どれでも満足出来る。値段は高いが、本当に美味しい料理ばっかなので、一度は訪れることをおすすめする
※1 ビッフェとバイキングの違いは諸説あり、最初に出来たビッフェの店が「バイキング」という名前のお店であった。というものや、言語による違いなど、様々なものがございますが、この小説では、今現在世間的に1番有力で、一般的とされている「バイキングは食べ放題形式だが、ビッフェはセルフサービスであり、決して食べ放題とは限らない。なお、タブレット注文等のものはビッフェとする」と言ったものを基準としており、例えばホテルの朝食食べ放題などでは食べ放題なのでバイキング(例外を除く)、しゃぶ葉と言った店では、食べ放題ではあるものの、野菜等はセルフサービスという扱いなので、ビッフェ、焼肉等の店では、タブレット注文形式なのでビッフェという形です。また、この場合、タブレット注文等を除いたら、日本では多くの場合、バイキング形式が取られているとなります
・女神橋:
みなとみらいにあるハンマーヘッドの辺りからインターコンチネンタルホテルの辺りを繋ぐ橋。ここから見る横浜の夜景は凄く綺麗
・インターコンチネンタルホテル:
みなとみらいの臨港部に位置する上部が半円形の特徴的な形をしたホテル。最上階には女神像がある
・パシフィコ横浜:
全公立展やその他展示会、時にライブやイベント会場にもなる横浜の大ホール施設。似てる施設として、東京の国際展示場(東京ビッグサイト)、千葉の幕張メッセなどがある
・臨港パーク:
みなとみらい横浜方にある臨海部の公園。アニメやドラマの聖地としても多く使われており、TBS系列の火曜ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」などが有名
・京浜工業地帯:
東京から横浜にかけて伸びる海浜部の大型工業地帯。鶴見区海浜部の辺りが有名で、同じく鶴見区の内陸部に位置する鶴見駅から出てる鶴見線で鶴見区海浜部の京浜工業地帯に行くことができる
・首都高速東京湾岸自動車道:
通称「湾岸線」とも言われる首都圏高速道路ネットワーク(首都高速)の1つ。京浜工業地帯を貫くように走っており、南は横浜市金沢区から、北は千葉市美浜区までを、ベイブリッジやつばさ橋、東京湾アクアラインとの分岐点である浮島ICや羽田空港、さらにはTDRなどを経由して繋いでいる。並走する高速道路として、湾岸線よりも内側を走る横羽線などがあり、湾岸ミッドナイトでもよく出る場所である
・ベイブリッジ:
本牧JCTから大黒ICまでを繋ぐ横浜海浜部に位置する大橋。Hの形をした特徴的な橋であり、すぐ隣にはYの形をしたつばさ橋も存在する。スカイウォークを通じて、ベイブリッジを歩くこともでき、一般道も高速道路の下に伸びている
・横浜・みなとみらい花火大会:
横浜市内にて夏に開催している花火大会。みなとみらい周辺からはもちろん、鶴見の辺りや元町方面にある港の見える丘公園。場合によっては港北ニュータウンからも見ることができる
・打ち上げ花火、下から見るか横から見るか:
1993年に公開された実写映画。その映画は多くの反響を呼び、大人気作品として今日まで語り継がれる傑作となった。小説版、ライトノベル版など、数々のシリーズが作られ、2017年にはアニメ映画化もされた。はっきりいって神作である
・花火の打ち上げ場所推測:
保土ヶ谷かなでが行っていたもので、花火の光が見えてから、音が聞こえるまでの計測時間のみで判断することができる。光速は微力の差はあるものの、その差は誤差であり、ほぼ0として考えて良い。同時に音速は340m/sなので、計算式として「(光速-音速)×音速{340m/s}」にて打ち上げ場所が何メートル先かをおおよそ特定出来るのである
・東京:
日本の首都。神奈川県の北側、浅草や渋谷など、観光地が多くある他、オフィスビルが多く建てられており、周辺都市から通勤する方も多い
・鎌倉、江ノ島:ここでは同一観光地としてまとめておく。鎌倉時代の古都であり、歴史的建造物が多い、江ノ島は関東大震災による隆起※2により出来た島であり、江島神社は毎年多くの方が訪れる。島内には江ノ島エスカーと呼ばれる上り専用の有料のエスカレーターが存在し、坂の多い江ノ島を楽に登れるように工夫されている。両者は江ノ島電鉄を通じて移動できるようになっており、途中にある鎌倉高校前駅は、スラムダンクや青ブタなど、数々の聖地として知られている。アクセス方法には、横須賀線と東海道線などのJR線、江ノ島電鉄や小田急江ノ島線、さらには湘南モノレールなどが存在する
※2 諸説あり




