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事故って起きる時は起きるよね。事故説明を求む!

 まぁ。よくわからんが。


 状況的に分かった事はだ。


1 飛行機内トイレにて俺がトイレに食われた。

2 その際、何かしかの原因(トイレ妖精)により俺1と俺2に分かれた。

3 俺1はトイレに食われた状況で飛行機内トイレ個室にいる。

4 俺2は今よくわからん空間の原因(トイレ妖精)の前にいる。

5 説明された内容的に俺2は飛行機内へ帰れない。


ということだな。


 ふむ。

 なんか論理的におかしいかはわからんが、常識的にはおかしいな。

 とりあえず、1個づつ確認する必要がある。あるのか?

 あるな。


「そこのトイレットに質問がある」

「ティレットでございます」

「トイレット」

「ティレット」


 面倒だ。英文発音(アメリカ発音)や中国語のピンイン発音苦手なんだよ。


「添乗員。質問があるのだが」

「なんでございましょう」


 添乗員なら良いのか。


「いくつか問題というか知りたい事があってな。まず、1つ目俺の常識では便器に(・・・)口付けした程度(・・・・・・・)ではこんな事にはならないのだが」


 新人の時に理不尽先輩やらされた試練で経験済みだ。


「お客様がお手洗いに入られた時間に個室の空間座標が、私の空間座標と最接近しておりまして、お客様の大きいものが、丁度異空間の壁を突き破り(・・・・・)私に接続される形でワームホールが開いてしまいました。なんとか私もがんばって閉じようとしてみたのですが、力及ばず、お客様のとKISSする事に」


 両手で便器を隠そうとしてる?のか?便器の方がでかすぎで隠せねぇから!

 そ・れ・に

 異空間の壁薄いな!!

 脆すぎだろ!!!


「・・・・・・おーけーおーけー。おちつけ。まだ慌てるには早い」

「まさか大きいもので空間壁に穴を開けるとは、あなたは神ですか」

「壁が薄すぎるんだよ!う〇こで空間壊せるか!」

「それはそれとしてお客様、ファーストキスを奪った責任はどう取っていただけるのですか?」

「こ、こいつはっ・・・・・・!」

「お客様は他の方(他の便器)で経験豊富かもしれませんが、こんな時どういう対応すれば良いかわからないです」

「経験豊富言うなやッ!」

「お客様は先ほど、『便器に口付けした程度』とおっしゃったではありませんか」

「うちの会社の俺世代はだいたいやったんだよ!」

「お客様の会社、労働基準法知ってます?」

「今はそんなことやってねぇッ」

「なるほど。昔は知らなかったんですね」

「どうでもよくないが、話を戻すぞ」


 話うやむやになったが、こっちもうやむやにしてやった。

 社会的にはまだ死んだわけじゃない。


 次だ。


「次の質問。ここは何処だ?」

「異世界移動通路内の私的空間です」

「異世界移動通路?」

「異世界へ移動する為に通る通路です」


 異世界移動通路。


 SFだな。


 うそくせぇ!


「更に質問だが、通路って事は何処かに繋がっていると思うんだが、何処に繋がってるんだ?」

「何処にでも繋がっております」

「何処にでも?」

「正確には全ての次元、全ての世界、全ての時間のトイレに繋がっております」


は?


「憧れのアイドルのトイレでもアントワネットの宮殿のバラ園裏でもドラゴンの糞捨て場にも宇宙移民船の女性用お手洗いにも朽ち果てた古代種遺跡のトイレにもその種族が絶賛繁栄中の最高指導者のトイレだろうと、例えば、飛行機の中のトイレでもです」

「すぅっげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 それってスゴすぎないか!?


「それなら俺、帰れるんじゃないか?例えば俺の実家のトイレとかに」

「勘違いしないで欲しいのですが、繋がってはいますが、入場された方は基本的に同時間のプラスマイナス百年は同世界に移動する事は禁止となっっております」

「どうしても?」

「少なくとも私の一存では無理でございます。上司や上位の方ならどうにか出来るかもしれませんが」


 え?

 上司とかいるの?

 上司ならこの頭おかしい状況どうにかなるの?


「上司を呼んでもらえる?」

「すみませんが、お客様はエコノミークラスですのでお呼び出来ません」

「はい?」

「お客様の本体は現在生存されています。そして今までの人生においてこれといった良い事や悪い事もされておりません。つまり善悪値(カルマ値)も中庸。幸運値や顔面値がやや悪く、資産もあまりなし、職業も機械修理業者ですので元となる機械がなければ何も出来ませんし、年齢的にも新しい事に対応する事に時間がかかる。流されやすさや耐性値が高いですが、あぁ、その二点はビジネスクラスです。ですが、それだけですのでエコノミークラスから逸脱されていません」


 悪かったな平凡な人間でッ!

 というか、個人情報もれ過ぎじゃね?

 褒められてる所ない気がするんだが……。


「お客様が例えば職業自宅警備員様や古武術経験者様、学者様、料理人様等の特異技術者様方なら上司や上位の方が対応しますし、幸運又は不幸にもトラックや電車に跳ねられた方は確実に上位の方が対応します。異世界からの召喚依頼や上位の方からの強制召喚にも上位の方が対応しますが、不幸が振り切った方が巻き込まれた場合、VIP対応させていただいております」


 ……。

 …………。


 中途半端の人間(一般人)達が社会を回してるんだもん……。





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