俺は流されやすいってさ
るーるーるるるるるーるーるー
るがゲシュタルト崩壊。
るってさ、崩壊しやすいよね?
そんな事ないか?あはは。
両膝立ちから三角座りに移行。
「・・・さま?お客様ー?」
ああ、便座がぱかぱかしてるな。
「なんだ?便器」
「あ、気付かれましたか。あと、10分程お呼びして反応なければ、適当な世界に流そうかと思っておりました」
あぶねぇ。
「さて、お客様、あと、15分程でお客様の残留魂が消失散華してしまいますが、どういたしますか?」
……。
…………。
………………。
っはぁ!?
「ちょっと待て便器!」
「はい?なんでしょう?」
「俺、死ぬのッ?」
「いえ、どちらかといえば消失?消滅?でしょうか」
更に悪くね?
「な、なんで?」
「お客様は、只今、一時的に魂を複写保管された状態でこの通路にいらっしゃいます」
「納得出来ないけど、それで?」
「つまり、魂がむき出し状態な訳です」
?
「幽霊等で考えて下さい。よほど強い思い、執念や一心の希望がないと現世に留まる事等出来ませんよね」
あー。つまりだ。
「流されやすい俺は、ここに留まる事も出来ないと」
「その通りでございます」
……。
「どうしたら良い?」
「お客様、この状況でも他者に判断を委ねますか?」
「委ねますよ?」
「お客様、そういう所をどうにかしないと後悔しますよ」
「今まで後悔ばかりさ。でも仕方ない。それが俺だから」
「……そうですか」
人生の状況に応じて選択肢が出れば選ぶさ。
でも選択肢が出ない事が多すぎる。
そんな時、選択肢をくれそうな近くの人物に判断を委ねるのは間違いじゃないと思う。
まあ、自分の考えがない事は良くないって分かってるけどね。
「では、お客様、幾つか選択肢を差し上げます。
1 このままおしゃべりしつつ消滅。オススメ☆☆☆☆☆
2 別世界に行く。オススメ☆~☆☆☆
3 別世界に行く人に着いていく。待機残り時間12分。オススメ☆
以上になりますが、よろしいですか?」
「よろしくないよね!?実質選択肢1個じゃねぇかッ!!」
「そうですか?」
「まず1!何さらっと消滅推奨してんだ!?」
「私の暇潰しに付き合ってください。恋人みたいに」
「恋人いたのかよッ!」
「いますが、何か?」
「ファーストキスなんて嘘つきやがって!」
「ファーストキスでしたよ?私達の種族は奥ゆかしいので」
「物理的に!?」
「肉体関係はありますが」
子供はウォッシュレット?
じゃねぇ!時間がねぇ。
「3も待機時間過ぎたら消滅だろうが!」
「その通りです。あ、後、10分ですよ」
「こんな所通りかかる人なんていないだろッ!」
「失礼ですね。たまに通りますよ。たまには」
「その発言はアウトだ!」
こいつやっぱり油断出来ない。
とりあえずだ。
「選ぶのは2番だ」
「承ります。それではどちらの世界へ行きますか?
1 剣と魔法の王政。換金レート0.1倍。オススメ☆☆
2 銃と機械の近未来民主制。換金レート20000倍。オススメ☆☆☆
3 光線と宇宙戦艦の遠未来。換金レート出来ません。オススメ☆
4 刀と槍の戦国。換金レート1.4倍。オススメ出来ません
5 別時間線の日本。換金レート1倍。オススメ出来ません
以上になります。よろしいですか?」
これは。悩む所あるな。
「4と5がオススメ出来ない理由は?」
「4は普通に死にますよ?不興を感じたらハラキリ、気に入らないなら焼き討ち、365日いつでもどこでも戦争。お客様が寿命まで生き延びる確率は非常に低いかと」
「なら5は?」
「住所不明、戸籍不明でどうするのですか?河原生活で生きます?」
納得。
「住所不明が難しいなら2はどうなんだ?オススメらしいけど」
「その世界は只今、第6次世界大戦中なので何処に紛れても大丈夫です」
「そここそ周りがやべぇだろッ!」
「運が良ければ死にませんよ?あ、お客様だと3日で……。オススメ☆にしておきますね」
「それでもオススメに☆つけるのか、この便器!?」
やはりやべぇ便器だ
「あ~、じゃあ、残りの3は?」
「人口爆発で惑星に納まらず、銀河系も飛び出して別星雲にまで行っちゃった帝政世界です。まず通貨という概念が消えてます。個人の価値観が違うという事はご存じでしょうが、それが行き過ぎると通貨価値という物が無くなります。するとどうなるのか?欲しい物は自分で作ります。なければ物々交換か奪います」
「なんで文化が紀元前まで戻ってんだ!?」
「多種族を取り込んだ弊害でしょうかね。あ、ちなみに人類は純粋な人類としては20007年前に滅んでます。今は高位超真人類として極少数が辺境星系で隠れ住んでます」
「何があった人類!?」
「多種族からの反発反乱奴隷化ですね。無駄に傲慢でプライド高いし謝らない人多いですから」
人類規模でざまぁされとる。
「お客様、残り時間3分ですが、どうしますか?」
残り1しかねぇ。
「1だとどうなる?」
「1の場合は普通の異世界転移になります。一応、言葉だけは通じる様にします。お客様のお財布の中身はレートに応じて現地通貨を。また、身分証明はお客様のパスポートビザを基準に商工ギルドカードに書き換えておきます。残り32秒」
「1だ!1を選択する!」
「承ります。それでは良い人生を」
便器の蓋が完全に開き、吸い込み音が室内に木霊する。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ
この便器、1しか選べないってわかってたな!?
準備良すぎる!
ッ!!!いや、そう誘導されたか!?
パスポート基準で書き換えるなら5が一番良かっ……。
「便器!?謀ったなァッ!!便器ィ!!」
「君の選択が悪いのですよ。ごきげんよう」
そして吸い込まれる俺。
ま・た・顔・か・ら・か・ッ・!
一時完結。
ストック出来るか書きたくなったら書きます。




