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借金地獄で過労死した元闇カジノ狂い、異世界で確率を支配する最強になる  作者: RIN
幕間

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17/30

第17話

第一層を抜けた直後、

空気が変わった。


霧は薄くなったはずなのに、

視界はむしろ悪い。


【因果異常地帯:第二層】

【法則:変動】

【再現性:なし】


……嫌な卓だ。


「……ここ、

 さっきと同じじゃない」


エルが呟く。


正しい。

同じ賭け方が通じない。


闇カジノで一番危険なのは、

“勝ちパターンを信じたまま座り続けること”だ。


「止まれ」


俺は、全員を制止した。


【因果補正:作動】

【警告:成功ルートが分岐中】


道が――

複数ある。


だが、

どれも“完全な正解”じゃない。


「……厄介ね」


前に出たのは、

双子のもう一人――リゼだった。


今まで一歩引いていた彼女が、

初めて剣に手をかける。


「この層、

 “選択そのもの”が罠」


【分析能力:高】

【戦場理解度:極めて高】


……なるほど。


「踏み出した理由で、

 結果が変わる」


「つまり?」


カイルが聞く。


リゼは、

淡々と答えた。


「迷った瞬間に、死ぬ」


……シンプルで最悪。


その時。


後方で、

短い悲鳴。


王国護衛の一人が、

突然膝をついた。


「っ……!」


【存在:不安定】

【回復不能】


次の瞬間、

その男は――

“いなかった”。


血も、音も、

痕跡すら残らない。


【脱落者:1】

【因果確定】


エルが、

顔を青くする。


「……国家が用意した、

 精鋭よ……」


「ここでは関係ない」


リゼが、即座に言った。


「肩書きも、

 訓練も」


【正論:100%】


……ここは、

生き方の差が出る場所だ。


「俺が前に出る」


俺が言うと、

リゼが首を横に振る。


「一人じゃ無理」


【因果補正:単独行動リスク高】


「この層は、

 “視点”が複数必要」


彼女は、

一歩前に出る。


「私が判断を分ける」


……覚悟、決まってるな。


「リィナ」


「分かってる」


リィナは、

魔力を最小限に抑え、

“干渉しない支援”に切り替えた。


【魔力暴走確率:低下】


カイルが、

舌打ちする。


「クソ……

 運も流れも、

 全部バラバラだ」


「だからだ」


俺は、

深く息を吸う。


【因果補正:強制発動】

【精神負荷:急上昇】


世界が、

一段“重く”なる。


数字は、

もう見えない。


だが――

“結末だけ”が、

 ぼんやりと見える。


「……左だ」


「理由は?」


エルが聞く。


「説明する時間がない」


【判断信頼度:賭け】


リゼが、

即座に決断した。


「左に行く」


迷いがない。


それが、

この層で唯一の正解だ。


進む。


地面が歪む。

空間が、

一瞬だけ反転する。


だが――

消えない。


「……生きてる」


エルの声が、震える。


【第二層:通過判定】


その直後。


【王国側通信:強制接続】


空気が、

震えた。


「……こちら、

 魔導庁本部」


低い声。


【国家介入レベル:引き上げ】


「想定以上の損耗を確認」


つまり――

本気になったということだ。


「以後、

 あなたたちの判断を最優先する」


エルが、

唇を噛む。


「……国家が、

 指揮権を手放した」


それが、

何を意味するか。


カイルが、

乾いた笑いを漏らした。


「賭け金、

 跳ね上がりすぎだろ」


俺は、

前を見据える。


【因果異常地帯:第三層予兆】

【生存率:未確定】


……だが。


ここまで来たら、

引く選択肢はない。


「行くぞ」


リゼが、

静かに頷く。


エルは、

一瞬だけ目を閉じ、

覚悟を決めた顔で開いた。


リィナは、

何も言わない。


だが――

背中が、語っている。


第二章は、

もう“探索”じゃない。


生き残った者だけが、

 真実に近づく段階に入った。


そして俺は、

確信していた。


この卓を設計した“誰か”は、

まだ――

こちらを試しているだけだと。

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