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戦国太平記 〜大きな楠の木の下で〜  作者: 流星群
畿内統一編

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第73話 新たな拠点にて

※ 現在執筆の時間を余り取れない為、投稿を優先して話が短くなっております。また、誤字脱字の確認も不十分です。以上、ご了承ください。

◎近江国・近江八幡城 楠木正顕

 1562年 3月中旬


 今川との決戦から1年と9か月の時が流れた。これで俺の年齢は17歳、市の年齢は15歳となった。二人とも成長期と言う事もあり俺の身長は170センチを超え、美男子と言った風貌に変って来ている。また市も身長が160センチを超え、可愛らしさよりも美しさが際立ってきており、更に色気が増して来ている。そしてこれを機に市との夜の営みで正式に妊活を解禁した。


 またこの期間の間に起きた近隣各国での大きな出来事としては、今川との戦から数日後に義姉上(帰蝶)が男児を出産した。その報せは即日楠城まで届けられ、報せを聞いた市は涙ながらに喜びを露にした。そして産まれた男児は美濃丸と名付けられた。因みに名づけは義兄上で、美濃を継がせるゆえ美濃丸としたらしい。相変わらずの微妙なネーミングセンスである。また義兄上は後々の事を考え、美濃丸誕生から数日のうちに重臣を集め、美濃丸は将来的に斎藤家の名跡と美濃の地を継がせる事、織田の嫡男は飽くまでも奇妙丸である事を公に宣言した。


 それから織田家関連で言えば1561年6月、美濃の一色義龍が病死した。原因としてはマルファン症候群と言われているが確認する術がない為、前世の歴史的にそうだろうとしか言えないが、これにより一色家は嫡男の龍興が後を継いだ。


 他には歴史通り三好長慶の弟である十河一存が病のため急死した。その隙をついて畠山高政が細川晴元の次男・晴之を盟主に挙兵し攻め込んだが、歴史とは異なり六角家の協力が得られていない(滅亡しているので)事もあって早々に撃退された。よってこの戦は長期化しておらず、今月戦死する予定だった三好実休は未だに健在だ。


 また、先の今川との戦の後に松平家から引き抜きに応じた最終的な家臣は、石川数正と一族、本多正信と一族、本多忠勝と一族、蜂屋貞次と一族、加藤孝明と一族、酒井忠尚と一族、酒井忠次と一族となり、当然彼の者らに仕える陪臣含め根こそぎである。その陪臣の中にも榊原家など今後に期待出来る家門も含まれているので油断できない。これにより現時点で松平家に仕えている大久保家以外の優秀な家臣は大方移籍した事になる。これは数正と正信が積極的に動いた結果なのだが、えげつない事になった。


 因みに一旦全員を楠木の直臣として、近江の直轄領を中心に城代として配属した。


 それから従属勢力の朽木家だが、春齢女王の母君の目々典侍めめのすけ殿が元網(朽木元綱)の母の妹となる為、親族衆として遇する事に決した。


 そして我らが楠木の大きな出来事としては、新たな拠点となる城と城下町(湊町)を近江八幡に整備し、先月末に各部署の本部も含め引っ越しを完了した。因みに城下町については区割りを終えて住居や店舗など様々な施設を急ぎ建設中だ。そして楠城についてだが、純金鉱山を近江八幡城へ移した上で、城代として一旦又左(前田利家)に任せる事にした。


 また、城についてだが施設設置のスキルを使用し50,000PP消費して安土城を設置し、近江八幡城と命名した。この城は平城ではあるがスキルによって建てた物だけあって、広大な城郭と雄大な天守閣を有しており、更に至る所に異世界の技術である魔導具が使われていた。例えば城内は一定の温度・湿度(およそ22℃、45%)に保たれており、城内の明かりも人感センサーやタッチ式のスイッチで明かりを灯せるようになっており、現代の技術にも引けを取らない。それ以外にも様々な魔導具や、魔導機が設置されているが、全てを説明するには時間が掛かる為、またの機会にしておこう。


 閑話休題かんわきゅうだい、現在は場内に限ってだが、全ての引っ越しは完了し、来月の春齢女王の降嫁に向けて、様々な支度を行っており、満和(恩智満和)から報告を受けているところだ。


「…と言う訳で、支度の殆どは完了しており、後は湊屋に注文している殿下用の羽毛布団などの寝具一式に、お付きの者に支給する寝具が到着すれば準備万端と言う事になります。」


「後は春齢女王の降嫁当日だが、道中の警護の兵の手配や、京への兵の入国について、三好との折衝がどうなっているか恵瓊に確認をしておいてくれ。」


「畏まりました。それでは次に…」


 満和との打ち合わせの議題が次に進もうとした矢先、市が息を切らして部屋に入って来た。今日は半年に一度の健康診断と称した曲直瀬道三先生による、女性陣の検査日となっていた筈だ。


「旦那様、子が出来ました!」


 市がそう言って俺の前に座り込む。


「真か?!」


「はい!曲直瀬先生(曲直瀬道三まなせどうさん)の見立てですから、間違いないかと。」


『そうね、間違い無く妊娠しているわね。』


 突然背後から見知った声が響いた。驚いて後ろを振り向くと、アマテラスが背後に顕現していた。


「突然背後に現れるなよ、吃驚びっくりするだろ?!」


 本当に心臓に悪い。こうして急に現れる為、武神の感知スキルも役に立たない。因みにこの近江八幡城は御所に設置した神代桜の効果範囲内の為、暇を見てはたびたび顕現している。


『あら、御免なさい。』


「まぁいいさ。でも、間違いないのか?」


『私が間違う訳ないでしょう?間違いなく、あなたの息子が宿ってるわ。』


「はぁ…。(こいつ、言いやがった。性別バラされたら、産まれた時の楽しみが減るじゃないか?!クソッたれが!!)」


「お伊勢様、真ですか?!誠におのこなのですか?!」


 俺と違って市は宿っているのが男と分かって、物凄くうれしそうだ。この時代の女性、特に正室にとって男児、特に跡継ぎである嫡男を産む事は至上命題と言える。俺としては元気に生まれてくれば、どちらでも良いんだがな。


「えぇ、間違いないわよ。」


「おめでとう御座います、御方様。」


「はい、有難う御座います、恩智様。そうでした、義父上と義母上とお爺様にお知らせしなくては!」


 市は優雅に立ち上がり、足早に父上らの部屋に向かって行った。


「おい!性別バラすなよ?!楽しみが減るだろ?」


「いいでしょ?市だってあんなに喜んでるんだし…」


「ぬぅ…それを言われるとそうなんだが…」


 この後、市からの知らせを聞いた父上と母上、お爺に八重らが部屋にやって来て、アマテラスに同じような質問を何度も浴びせ、その回答を聞くたびに大盛り上がりをしていた。






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