考えてもわからないときは
う~ん、とりあえず考えても分からないので眼を凝らして視る。
出来るけどやりたくないのになぁ。
これやると寝ちゃうし、寝てしまうとお腹空きすぎて起きるか、膀胱破裂しそうMAXで起きるかの2択なんだよねぇ。やりたくないなぁ。。
そもそもコランダム王家って、調べた限りだとルビーとかサファイア関係の名前が多い。
今だとルビーレーザーちゃんに、ピジョンブラッド王。隠居されてる前女王様はパパラチア様。たしか珍しいサファイアの名前だった気がする。その前は不明だけど遡るとそのものズバリのルビー王、サファイア王もいらしたらしい。
そんな中で王弟様の名前がダイアモンドってどういうことよって時々疑問に思ってた。
しかも家系を辿っていくとちょいちょいダイアモンド様がいらっしゃる。
思考を止めて、視界の端から強制的に神聖名を読み取る。
聖女ちゃんは予想通りなのでスルー。
王弟様の近くにいるのは、amber、jet、ice-monster。
jetって何だっけ? amberは琥珀だよね?
アイス君は何かの魔術を使っていた。ただし、あれは他人に掛けられた物の解け方ではなかった。そもそも幻影は妖術の範囲で、妖術なら儀式なしであんなに簡単に解ける代物ではない。
ice-monsterって何だっけ? 氷の怪物じゃないの?
王弟様はdiamante diamond。
ディアマンテって何だったっけ? いいや、とりあえず後ろはダイアモンドだから、そこは確定で間違いない。
視界の端で聖女ちゃんと聖女取り巻き集団の寸劇が繰り広げられおりますがこれもスルー。
対象と目線が合わないに越したことはないので、お歴々が後頭部を晒している間に少しでも多くを読み取るべく視ていたら、王弟様がぐるんとこちらを振り向いた。
「君、彼女の名前が解るよね?」
びっくりした。視てる途中だったから、余計に吃驚した。
ベタに後ろを見てみても、少し横に動いてみても王弟様の視線が付いてくる。
「………私の力では、名乗りを聞きませんと、あいにく。。」
今代の”名読み”の力は神聖名の名乗りを聞かないと読めないという事にしている。
途中から、名乗られなくても読めると気づいたけれど、人数関係なく、視界全員を読んでしまうので疲労がえげつない。えげつないので出来ないことにしている。
過労死怖いです。
「失神しても、アンバーだったっけ? 彼は起こすのが巧いので安心して読んで」
王弟様。口角を上げただけでは笑顔とは言えないと存じます。
「そう? かなり好評なんだけどね」
誰だよ、可愛い系男子とか言ったヤツ! これダメゼッタイ系じゃない!!
聖女ちゃんも無事に捕縛完了したのを確認すると、王弟様はこちらに向かってきた。
舗装されていない崖上のハズなのに、足音がコツコツと響くのは何故なのか。
「リインカネーションでしょ?」
触れられる程近くで囁かれた言葉にビクッとした。
必死で考えを散らしていたのに。。。
「聖女の名前は?」
この国が平和な理由が、今判った。
「…………マリー。マリー リンカネーション」
声が震えないように気をつけて出した言葉はとても小さかった。
満足そうに笑んだ王弟を見やる。
王弟は、サトリだ。
思うと共に抵抗できない眠気に襲われた。




