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魔法使いの相棒契約  作者: たるとたたん
四章 枯葉に眠る真実の歌
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✿ 第65話(前編):作戦会議






「火と光の……光と火の、う〜ん……」

「教室に来てから早々、何をブツブツ言ってるの?」



 あの事故が起きて数日。すっかり落ち着いた雰囲気を取り戻した学園の中で、私は通常運転を装いながら日々生活をしていた。相棒との密会もちゃんと続いているので、今日も今日とて第1棟で魔法の本を読みふけっている。

 そんな中、彼女はドアを開いたと思ったら何かを呟きながらヨロヨロと歩いていたのだ。



「いや、前に昼間さんの凄い呪文聞いたじゃん。2つの魔力を同時に使う〝水光の快癒〟ってやつ。私も火と光なら同じような事が出来るかなって思ったんだけど、そもそもやりたい魔法が思いつかなくてさ……2種類って考えるのも難しいよ」



 水光の快癒と言うと、先代聖女様の昼間さんが使用していた呪文だ。春風が友人からその話を聞いたと、進級前に言っていたっけ。

 私は水魔法を使えないし、春風も水魔法は〝出て来い〟の呪文ですら発動出来ないらしい。本来適性とはそういう物だから、私たちには使えない呪文なんだけど……。



「でも、なんで急にやり始めたの?」

「だって出来たらカッコイイし、役に立てるかもしれないじゃん。この前の花柳みたいに、ぱぱっと対応出来る様になりたいし!」



 恐らく事故の時の事を言っているんだろうけど、あのケースは例外だと思う。なんて面と向かっては言えず、目をキラキラと輝かせる彼女に私は「なるほどね」とひと言だけ返事をした。頑張って呪文や内容を考えている彼女に、余計な水を差したくない。

 しかし最近は、昼間さんの新しい情報すら手に入っていない。彼女がクリスマスに見つけた日記に記した「あの子」が一体誰なのかすら、全く手掛かりが無い状態で。せめて昼間さんをよく知る人が居れば、私たちの謎を解明する手助けにもなりそうなのに。



「……あっ」

「え、どしたの花柳?」



 ふと声を上げると、彼女は首を傾げながら右手の杖を下ろした。お腹でも空いたのかと言わんばかりの表情だけど、それは違う。私は、開いていた本に栞を挟みながら口を開いた。



「この前居た図書委員の松島先生、今年から来た人でしょ。あの人確か、昼間さんと地元も学年も同じなの」

「えっそーなの!?」

「うん。自己紹介してる時に969期生って言ってたから……でも、私が話を聞くのってすごく不自然だからなぁ……」



 何より、あの先生は盲信者だと言う話がある。去年からの私と春風の空気を一切知らずに来たのだから、闇魔法師から聞かれた所で不快に感じるだけだろう。

 私が少し黙って考え込んでいると、目の前ではニヤニヤとする相棒の表情。少し目線を合わせて見ると、彼女はドヤ顔になりながら胸に手を当てて声を上げた。


 

「フッフッフ、そう言う時こそ相棒の出番でしょ! ここはドーンと私に任せて、私が昼間さんの事をもっと知る為に頑張るよ!」



 彼女の事をよく知るなら、彼女の護衛だった闇魔法師の事を知っている可能性もある。菊地さんのご両親は微かに記憶が残っていたようだし、可能性は高い。本当は、和泉先生たちにも色々聞きたいけど……捜査部の守秘義務もあるだろうし、何よりまた「私は子どもだから」と守られてしまいそうだ。

 その提案を承諾した私は、これからどうやって話を聞くかの作戦会議をする事にした。






 

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