恋愛よりも大切なもの
<恋愛よりも大切なもの>
夜の公園のブランコ。そこには、いつも通りの2人が座り話をしていた。
彼氏「・・・・・・そしたらさ、剛が見つかっちゃってさ、ほんと大変だったよ!!」
笑顔で楽しそうに話しをする彼氏。その話を聞いているようで聞いていない、相槌のような返事を返す華の反応。それに気が付いていた彼氏は、ブランコを飛び降りると歩きながら遠くを見つめた。
彼氏「あ~あ・・・・なんっか最近元気ないよな・・・・・・」
華はドキッとした動きをすると、彼氏に目を向けた。そして言いにくいその気持ちを彼氏に話そうとした。
華「あのさ・・・・・・私・・・・・・・・」
彼氏「俺、最近の華・・・・好きじゃねーな。」
いきなり言われた予想していなかった彼氏の言葉。それを聞いた華が驚きの声を漏らす。
華「えっ??」
彼氏は、くるっと回転をして、華の方に身体を向けると優しい笑顔を見せた。
彼氏「俺、今のままだったら華と別れるわ!」
急な展開にあわてる華。
華「えっ・・・・そんな急に・・・・」
彼氏「でも・・・・・・」
またブランコに腰を下ろすと、彼氏が変わらず笑顔のまま言った。
彼氏「水泳をまた続けてくれたら、もう一度華を好きになってやる!」
その言葉に、華は黙りうつむいた。そんな華に、彼氏はブランコに座ったまま無理やり隣のブランコに座る華に近づくと真剣な顔を作る。
彼氏「俺・・・・待ってるから。水泳が終わるまで俺、待ってるからさ・・・・・・それに何より・・・・・・水泳している華がメチャクチャ好きなんだっ!」
水泳に対する華の気持ち、何も言わずにそこまで理解する彼氏に、心の底から嬉しさがこみ上げてきた。一歩踏み出せずにいる華に気づき、背中を押してくれた彼氏の言葉。その言葉を聞いて、華はその場で静かに涙をこぼした。




