彩香へのお願い
<彩香へのお願い>
彩香「彼氏・・・・・ですか。」
いつものファミリーレストランで彩香に説明する晴人。彩香もさすがにその内容には表情を曇らせた。
晴人「俺の説得では無理な気がする・・・・『彼氏より水泳を選べ!!』なんて、どんな名文で伝えても通じるとは思えない。若い世代の恋愛には、それだけの力がある。ましてや、コーチとはいえ男の俺の意見など・・・・・・聞く耳持たずだろうな。」
陥落する晴人の態度。そして、勢いよく彩香に顔を近づけると怒鳴るようにお願いの言葉を口にした。
晴人「森下コーチ!!なんとか森下コーチから華を説得してくれないか?」
この事態を正すには正論のようにも感じるその意見に、彩香も仕方なくといった表情でうなずいた。
彩香「だけど・・・・私が何かを言ったところで、結局決めるのは本人だと思います。何らかのきっかけぐらいなら、感じさせる事はできると思いますが・・・・」
晴人「それだけでいいんです!何が正しいのかを悩ませるきっかけだけでいい。練習にも来ない今の態度から考えると、もう完全に気持ちが恋愛に向いてしまっているはず・・・・・・そんな彼女に、自分の水泳が何なのかを考えるきっかけを与えるだけでいいんですよ。」
晴人はそう言うと、また頭を下げて彩香に律儀なお願いをした。
晴人「宜しくお願いします。」
それをみても、まだ少し腑に落ちない表情を浮かべる彩香。嫌な役にも感じるが、その2人の恋愛に踏み込めるのは自分しかいない。そう心に言い聞かせた彩香は、そのお願いを仕方なく承諾した。




