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【もう出ない 五・七・五の 在庫がない】第7話 関越道0ビヨンド~新潟×離島~ その7

 熱烈プレイ中! VC『ポケットモンスター 金/銀』! @カーフェリー


「……」


 良崎、完全に沈黙しました。コイツはカーフェリーの恐ろしさを知っている。というか、2年生トリオ以外は全員知っている。かつて我々は25時間かけて東京都小笠原村の離島までフェリーで行ったことがある。あの時、環境に適応し、フェリーを無事で乗り切れたのはマスカラスマンだけだった。2年トリオはまだフェリーの過酷さを知らないのだろう。佐渡島についてからのことを考えているようだが、フェリー経験済み組はマスカラスマン以外、覚悟がある。


「ん? んんん?」


「どうした雨宮」


「ゴールドスプレー使ってるのに、野生のポケモンが……」


「おいこのパターンは!」


 星野と桜井がガバっと雨宮さんの3DSを覗き込む。体力温存の為に寝転がっていたハイジさんもそーっと後ろから忍び寄る。


「ライコウ?」


「え、ライコウ!?」


「ライコウだァー!」


 ライコウとは! 『ポケットモンスター 金/銀』で初登場した伝説のポケモンである! 同じく伝説のポケモンであるエンテイ、スイクンと共にフィールドを駆け巡り、“徘徊系”と称される伝説のポケモンであり、他の伝説のポケモンと違い、固定シンボルではなく、生息地が常に移動するため、ほとんどランダムでのエンカウントに近いポケモンであり、捕獲どころか遭遇すらも困難であり、その捕獲難易度はミュウツーやホウオウ、ルギアを上回る! また! 遭遇したとたん逃げるという性質を持つため、本格的な捕獲の用意せずに遭遇してしまった場合は、バグを使わなければ一つしか入手できないマスターボールを使用するほかない!


「ライコウ……」


 雨宮さんもつばを飲み込む。


「マスターボール、使うべきでしょうか。桜井くん」


「え、何?」


「ライコウは最新作でも活躍できるよね!?」


 雨宮さん→星野 は敬語だが、雨宮さん→桜井 はタメ語。幼稚園からの幼馴染だからか。


「活躍はできないことはない。でも雨宮さん、『ウルトラサン』でカプ・コケコ捕まえたでしょ?」


「捕まえた」


「カプ・コケコがいるんなら、正直、無理してライコウ使うことはない。あと、『ウルトラサン』でもライコウは捕まえられるよ」


「でも、夢特性なんでしょ!?」


「ライコウの夢特性はあんまり実用的じゃない」


「……ッ! 星野さんッ!」


 星野がグッと深く頷いた。


「マスターボールを使おう」


「やめろ雨宮! 桜井の言う通りだ! 高速電気タイプならカプ・コケコもいるしボルトロスもメガライボルトもいる! 厳選しやすいサンダースもいる! 早まるな!」


 ハイジさんが必死に止めに入るが……。


「いいんです。どっちにしろ、わたしは桜井くんや陣内さんほどポケモンやりこんでいないので、伝説のポケモンに出会えただけで十分です」


かんなは

マスターボールをつかった!


やったー!

ライコウを つかまえたぞ! ▼


ライコウの データが あたらしく

ポケモンずかんに セーブされます! ▼


「あーあやっちまったな」


「いえ、雨宮さんの言う通りですよ。伝説のポケモンに出会えただけで十分。バトルばかりやっていて俺たちは、ポケモンの本当に大切な冒険の心を忘れてしまっていたのかもしれません。それにVC『金/銀』で、マスボを温存したところで誰使おうって話ですよ」


「スイクンかエンテイだろ」


「そいつらだって、最新作で捕まえられるじゃないですか。それに、俺だってVC『金/銀』は結局マスボ使わないまま放っておいてますし、そもそもVC『金/銀』で徘徊系に遭遇しませんでしたし」


「そういや俺も遭遇しなかったな」


「じゃあ、運よく出会ったライコウにマスボでいいじゃないですか」


「そうだな。よかったな、雨宮」


 雨宮さんニコニコ。


「さっそくボックスにとりに行きます! エースにします!」


 そして雨宮さんが最寄のポケモンセンターで捕まえたばかりのマスターボールライコウを取りに行き、旅を再開した直後!


「ん? んんん?」


「どうした雨宮」


「ゴールドスプレー使ってるのに、野生のポケモンが……」


「おいこのパターンは!」


 星野と桜井がガバっと雨宮さんの3DSを覗き込む。体力温存の為に寝転がっていたハイジさんもそーっと後ろから忍び寄る。


「スイクン?」


「え、スイクン!?」


「スイクンだァー!」


 スイクンとは! 『ポケットモンスター 金/銀』で初登場した伝説のポケモンである! 同じく伝説のポケモンであるエンテイ、ライコウと共にフィールドを駆け巡る“徘徊系”と称される伝説のポケモンであり、他の伝説のポケモンと違い、固定シンボルではなく、生息地が常に移動するため、ほとんどランダムでのエンカウントに近いポケモンであり、捕獲どころか遭遇すらも困難であり、その捕獲難易度はミュウツーやホウオウ、ルギアを上回る! また! 遭遇したとたん逃げるという性質を持つため、本格的な捕獲の用意せずに遭遇してしまった場合は、バグを使わなければ一つしか入手できないマスターボールを使用するほかない!


 ビビビビビキラーン


「え、なんですか今の演出」


「色違いスイクンだスッゲェー!!!」


「色ちスイクン!?」


 桜井も冷静さを保てなくなった! 色違いとは、ポケモンにおいて数千分の一で遭遇できるレアポケモンである! 伝説のポケモンの色違いレベルになると、レアすぎてYouTubeに投稿できるレベルであり、YouTubeに投稿されている者も色違いを狙って数千、数万のリセットを繰り返して厳選したものであり、偶然色違いは豪運の極みである!


「……ハッ! マスターボールが!」


「さっきライコウに使っちゃった……」


「弱らせて通常捕獲行くしかないみたいですね」


「ちょっと待つんだ雨宮さん!」


 桜井が大慌てでスマホで攻略情報を収集。


「いいか雨宮さん。そのスイクンは、まず逃げられると思う」


「はい」


「しかし、徘徊系ポケモンは、逃げはするけれど、戦うたびに前回のダメージや状態異常を引き継ぐから、何度も戦って追い詰めていくしかない。でも注意すべき点がいくつかあって、まず、倒したら二度と復活しない。弱らせるのは慎重に。それから、ポケモンリーグに行っちゃいけない」


「行っちゃいけない?」


「ポケモンリーグでチャンピオンになると、徘徊系ポケモンのステータスがリセットされる。つまり、このままスイクンを捕まえずにストーリーを進めると、色違いのスイクンが色違いじゃなくなる」


「えぇ……」


「マスボがあれば……今更こんなこと言っても意味ないけど」


「わかった。ストーリーを進めずこのままスイクンを追い続ける!」


 こんな風にスイクンを追いかけるスイクンストーカーのニートキャラ、ポケモン本編にもいたな。


「星野かリーベルトさんが雨宮さんにマスボ譲ってやれば話は早いんだけど」


「……」


「……」


 いくらなんでもさすがにマスボは譲れない様子。それとも、二人とも色違い伝説に出会えるつもりでいるのだろうか。


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