【言ってみろ 俺か? 幹部か? 長州か?】第2話 再発見! 豊島園! その2
大泉学園ゆめーてる商店街、街ブラスタート!
「……」
スタート……? ここでは静ジョと一緒に街ブラ&ミニゲームだろう。
だがこの先のことを考えると、西武池袋線の練馬区の駅として最果ての大泉学園をスタートして豊島園までリヤカーを牽いて徒歩となると……
①大泉学園→②石神井公園→③練馬高野台→④富士見台→⑤中村橋→⑥練馬→⑦豊島園
こうなる。そしていくら練馬区が23区の中で田舎の方だろうと、リヤカーを牽いて街ブラ出来るようなド田舎ではないのだ。
「街ブラの前にメンバーを選抜する」
陣内さんドドン!
「え~、街ブラの方の選抜は、まず俺。あとリーベルト」
面倒くさいことはやりたくないリーベルトさん、しかめっつら。
「そうだな。あと水原、ヒゲ、マスカラスマンだな。いや、マスカラスマンは迷うな。なるべくマスカラスマンの体力は温存したいんだが……」
「フッ、街ブラ程度で俺の体力は削れん。街ブラをしたあとにリヤカーを牽いて、やぁるさぁ。何故なら俺は、鍛えてるからだぁ~」
「と、いう訳で星野、桜井、雨宮はリヤカー要員としてここで待ってろ。雨宮がヒーヒー言いながらリヤカーを牽く、新たなファン層獲得!」
みんな雨宮さんに何を期待してるんだ? そろそろ雨宮さんも声を上げろ。ハラスメントだって。ハラスメントだけどオイシイとかハラスメントだけどお約束だから、とか気遣いで思い出すと辛いって言いだせなくなるぞ。
【帰ってきたうぉくのふぉそみつ】
【帰ってきたうぉくのふぉそみつ】
静ジョは思った以上に面白くなかった。
「全体的に面白くない」
「もちろん、これはわたしたちには出来るからっていうものではないですよ。一個人として思ってることです」
20分ほどゆめーてる商店街をブラつき、陣内&リーベルトの説教が開始。
「ボケの手数が多すぎるんですよ。しかも雑だし、脈絡もないんです。『ジョジョの奇妙な冒険』のキャラ芸人なのに『ジョジョ』のボケもほとんどしませんでしたよね? むしろ『ドラゴンボール』のボケとかしてましたよね?」
「こう、『ジョジョ』のキャラ芸人なのに『ジョジョ』ボケしないの? って思われる時点でボケの内容もシビアに見られるんだよ。『ジョジョ』キャラを放棄してまでもやる価値のあったボケだったか? って。自分でハードル上げる割に凡なボケだから余計につまらなく感じるんだよ」
「お二人もそれがわかってるんですよね? だから一個前、二個前のボケを挽回すべく焦って手数を増やしてしまう。でも挽回できてないんですよ。あとツッコミもダメですね。ツッコミの方は全部、用意してるフレーズというか、こっちもこっちで手数のわりにバリエーションが少ないんですよ。こっちはシステマティックすぎるというか、全部漫才とかコントのツッコミの流用なんでロケとかレポとは違うんですよ。確かにどんなボケにもツッコミを入れられてましたよ。でもテンションと言い方だけでボケの後から言ってるだけで面白くはないですし、脈絡のないボケにも形だけツッコんでるんでああ、コイツ少ないレパートリーをマイチェンしてるだけだなって見透かされてしまうんですよ。それにお二人、一人で単発ボケして一人でツッコんでて全然食レポとかしてくれないし、こっちに話しかけてくれないし……。みんなでやってる自覚、持ちましょうよ。お二人の仲が良いのはわかります。二人は楽しそうにボケてツッコんでますもん。お二人の中では面白いんでしょうね。それ、伝わる形でやってください」
フルボッコ!
「それじゃあ次行きましょう」
ゆめーてる商店街編、説教で終了。
「次は石神井公園だな」
「嫌な予感がしますね」
石神井公園と『演劇サークル』! 今までに何が起きたのか? それは『演劇サークル』最強最大の天敵『変食食堂』の出現である! 珍食・速食・大食の3番勝負を仕掛けてくる変食ライターがフードファイトを仕掛けてくるのだ。今までの『変食食堂』では水原さん、良崎、星野が嘔吐している。
「バカめリーベルト。俺が何も考えていないとでも思ったか?」
「え、何か考えてたんですか? てっきり陣内さんは来週の週刊少年ジャンプの内容以外考えてないと思ってましたよ」
「今の大泉学園ゆめーてる商店街の街ブラ。俺、水原、リーベルト、ヒゲ、マスカラスマンは参加した。つまり労働ポイントに+1だ。つまり、石神井公園のレクが『変食食堂』だった場合、今のところ労働ポイントが0の星野、桜井、雨宮にやらせてもなんの不自然もない! アイツらも石神井公園で『変食食堂』に当たっても、街ブラをやった俺たちにはやれ、とは言わないだろう。つまり俺、水原、リーベルト、ヒゲ、マスカラスマンは『変食食堂』からプロテクトされた形になるな! 『変食食堂』でマスカラスマンが潰されるのは最悪のシナリオだ。それにルーキートリオは8月の佐渡島で1ラウンド取ったからな。やれ、と言えばやるだろうが、一応念を入れてここにいるメンバーはプロテクトした」
「ありがたいんですがどこか恩着せがましい言い方ですね」
「ということで次に行くぞ。あ、ちょっと待て」
星野、桜井、雨宮さん、リヤカーを待たせている総菜屋は角を曲がるとすぐそこだがハイジさんが制止。
「……」
「あ……」
待たせている三人が職質を食らっていた。
「君たち本当に『演劇サークル』か? 『演劇サークル』がリヤカーなんて牽くわけないだろう。身分証を見せてください」
「本当に『演劇サークル』なんですよ……」
雨宮さんがモゴモゴと免許証を差し出す。
「今は戻れねぇな」
見捨てた!
「お巡りさんだって新年早々こんなこと言いたくないよ。でも理解かるだろう? こんなところでリヤカー牽いちゃダメなんだよ。保護されちゃうよ?」
「ヒィイ……でも先輩にやれって言われてて……。リヤカーを牽いてフリマをやりながら豊島園まで行けって言われてて……」
「先輩っていうとあれか? アイツか? 陣内か?」
「ハイィ……陣内さんです。陣内さんにやれって言われてやってるんです……」
警察にも知られてんのか陣内さん!? この辺のヤベェ大学生として! それもそうか! もう—年ここで大学生やってるもんな。
「畜生が雨宮……俺を売りやがった……」
だが助けに行く様子も弁解する様子もない。しかも水原さんさえも助けに行かない。やはり警察に見つかっちゃいけないことやってる人なんだな、この人。
「君たちも弱みを握られているんだな。でも本当にギリギリだぞ! 今回はわかったから」
「ハイ……本当にすみませんでした」
角の向こうの緊迫した空気感が遠ざかっていく。どうやら職質が終わり、見逃してもらったようだ。
「フッ、チョロいぜ。おぉうお前ら。今戻ったぞぉ。どうしたお前ら。顔色が悪いぞ。若いお前らがそんなんだと困るな。俺たちはもう、今ヘボ芸人と街ブラやって疲れてるから」
本当に法で裁けないギリギリのことやってる。こういう一つ一つの見逃しが陣内一葉という巨悪を作ってるんだろう。見逃すなよ警察!





