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【その狂気! 貴様は断じて トキではない!】第3話 48時間精神と時の部屋体験 その2

※こんばんはお久しぶりですドクターKこと梶井基九次郎です。

さぁ始まりました『48時間精神と時の部屋体験』、今夜はその第2夜です。48時間、特殊な閉鎖空間ですごすこの企画、演劇サークルのユウジョウが試されます。それではそれでは、チャンネルは、そのまま!

「精神と時の部屋……?」


 精神と時の部屋とは!

 マンガ『ドラゴンボール』に登場する施設である! 神の宮殿内に設置されているこの場所は、何もない真っ白な空間が地球と同じ広さ広がっており、その内部の時間の流れが外界と違い! この中で一年過ごしても外の世界では1日しか経過していない特殊な空間である! そのため! この部屋に入ることで短期間でミッチリと修行が可能であり、悟空、悟飯、ベジータ、トランクス、悟天、ピッコロなどはこの部屋での修行で爆発的に成長を遂げた! 重力は地球の10倍、酸素は地上の10分の1、気温は激しく変化する!


「この学内の某所にある精神と時の部屋で48時間過ごしてもらう。ただし、本物の精神と時の部屋と違って時間の流れはノーマルだ。その代わり、重力、気温、空気もノーマル、空調はパーペキだ。テレビもある」


「それただの監禁と罰の部屋という名のお仕置きホテルじゃないですか」


「さらに48時間と拘束時間も短い上、刺客に勝てば早く帰れる。セクハラにならないようにトイレ、風呂、脱衣所も完備」


 アレ? 意外と好条件……。今期から寮のみんなで移り住んじゃおうかしら。星野が腕組みをして首をかしげる。


「80時間世界一周の方でいいんじゃない?」


「お前はそれを気軽な旅行とでも思っているのでしょうか。ずっと車ですよ!?」


「だって新潟だって楽勝だったじゃん」


 ピキィ……。


「それはお前らはポケモンが出来たからだろうが。俺はずっと運転だったぞ」


「ローテで行けばいいじゃん」


「このバカチン!」


 良崎が星野の両肩を掴んで揺する。


「ずっとポケモン出来ても80時間車は辛いんですよ!」


「じゃあリーベルト的には精神と時の部屋なんだね?」


「そうですよ」


「じゃあ任せるよ。リーベルト様の祝賀会だもんねぇ~」


「あぁん!? 誰も見てない監禁小屋と誰もついてこない遠征の二択ですよ? あてつけがましいんですよ、ぶっ飛ばしますよ!? ですが精神と時の部屋の方でお願いしますよ!」


 ビシィッ!


「刺客もいますもんね。なんだかとっても頼もしくすら感じます」


「80時間でしょ? 個別に監禁な訳でもないし楽勝だって。リーベルトで遊べばいいし」


「お前はもっと危機感を持ちなさい星野。しかし、一人ぐらいいたっていいじゃないですか。そんなバカがいたって……」


 良崎と星野がビシガシグッグッと手を叩き合わせる。


「それにどっちにせよ同行するこのバカ陣内が」


「はぁん!? バカ!? 今バカって聞こえたのか? リーベルトの口からァ!?」


「80時間よりも精神と時の部屋の方で楽そうにしてるのが何よりの証拠ですよ。この人はなんだかんだで一緒にやってくれますから」


「……」


「……。アレ? 壊れちゃいましたかね? 表情を読まれたのが悔しくて壊れちゃったんでしょうかぁ?」


「いや、これ今流行ってるアブドゥルゲームってやつだから」


 しかし良崎の言うことも一理ある。ハイジさんのリアクションでどっちが辛いか察することは出来るのだ! この場合、辛くないのは精神と時の部屋の方!


「それにこれ以上は死人か廃人が出るってタイミングで鬼畜お姉さんが助けに来てくれるのは東京の精神と時の部屋の方です」


「ハーイ」


 陽気なアメリカンみたいに鬼畜お姉さんも手を振る。


「俺は少し残念だな。せっかく小林さんとサシで話せると思ったのに」


「ハハハ。いいじゃないか。精神と時の部屋でじっくりと話そう」


 マスカラスマンは不満げだ。確かにガンセキオープンは閉鎖空間。何も話しても誰にもバレない。


「小林さん! あなたもついてくるんですか?」


「今回はご一緒させてもらうよ。機材担当も兼ねてるんだ今回僕ぁ」


「じゃあ風呂でも入りましょうよ。背中流させてくださいよ!」


「ハハハ参ったなぁ!」


 マスカラスマン……何があった……。いや、当たり前の現象なのかもしれない。マスカラスマンに所謂、先輩はいなかった。水原さんやハイジさんという年長者に囲まれてはいたが、自身が立ち上げたメキシコ流プロレスサークルの主将の身では、甘えられる同性の先輩などいない。むしろ大手の老舗プロレスサークルの先輩としのぎを削ってきたのだろう。『演劇サークル』に来てからも、水原さんは友情と甘えが両立するタイプではない。ハイジさんはあのザマ、先輩というよりパワハラ上司か暴君である。故に小林氏がマスカラスマンのベスポジだったのだろう。


「80時間かぁ。ワクワクするね、桜井くん」


「今日の金ロー、『ナウシカ』なのになぁ」


 また『ナウシカ』のこと気にしてる……。もう買えよ。そして雨宮さんのタメ語は生々しい。雨宮さんは桜井にしかタメ語で話さないのだ。桜井に死を! ソイツが一番のクスリだぜ!


「でもテレビあるってよ」


「ぜってぇ普通のテレビじゃねぇよぉ……絶対に誰かがテレビで嫌な思いをする!」


 しかし、桜井がタオルを投入するタイミングはいつもベスト。最後まで諦めないのは桜井だろう。故に桜井が諦める、そんな事態が起きればすぐにコトは終わりそうなのだ。


「じゃじゃじゃじゃじゃ行きましょう!」


「じゃ、は一回でいいんですよ!」




【帰ってきたうぉくのふぉそみつ】

【帰ってきたうぉくのふぉそみつ】




「では持ち込めるものを発表する」


 精神と時の部屋があると思われる地下室前で持ち物最後の確認。しかし、女子勢とはパーテーションで仕切られている。ハイジさんが男子サイド、鬼畜お姉さんが女子サイドの監督だ。


「えー、下着。何着でもよい」


「ハイ」


「どうしたマスカラスマン」


「マスクは下着に入るか?」


「覆面プロレスラーに限り、マスクは下着と同じ扱いとする」


「よし!」


 マスクは下着に入りますか!


「持病がある者は、薬! 頭痛薬、胃腸薬程度なら申請すれば途中からでももらえます。歯磨き粉、歯ブラシも中にある。一人一つコップもある。というか旅館にある最低限の設備は人数分な」


 マジ優良物件じゃねぇかこのお仕置きホテル!


「えー、調味料の類は最初に持ちこんだ分のみ可。電話の類は不可。だが、事前に鬼畜お姉さんが権藤教授、ヤクルートレディ姐さんの誰かを指定し、着信があった場合緊急性があるか、発信元を見てもいい権利を与えていい。その場合、家族等から緊急性が高いとされる連絡が来た場合は精神と時の部屋に告げられる。みんな、家族は大丈夫か?」


「大丈夫です」


「ちなみに服はこの作務衣のみ。事前に持ち込みたい衣類・装飾品は簡単な審査で通ればOK」


「ピアスは?」


「OK」


「メガネは?」


「OK」


 おいおいいよいよただのお泊り会だぞ!


「うぅーん。うぅ?」


「ハハハ! このプロレスラー、スケベすぎる! ってね!」


「やめてくださいよ小林さん! 陣内、これ俺には小さいようだ」


 マスカラスマンが半裸になり、真っ白な作務衣を試着する。しかし、最近筋肉量が増してきたのかサイズが合わない。


「アレ? レディース混ざってたかな?」


「じゃあジェントルメンズをくれ」


「服のレディースの真逆はメンズだボケナス」


「メンズをくれ」


 これはマスカラスマン、久々に天然発動! 新しい作務衣はしっくり来たようだ。


「これ売れそうですなぁ。学園アイドルも着た作務衣!」


「そうそうそう、ってコラーッ!」


 マスカラスマンがノリツッコミ。パーテーションの向こうで良崎が「ヒィィィィ」と引いている。このテンションなのか? 今回のマスカラスマンはずっとこの調子なのか!? やっぱり80時間世界一周の方がいいんじゃないだろうか。宿に着くころには頭も冷めてるだろう。


「マスカラスマン、本当にやめろそれ。関係悪くなるから。今のはリーベルトか俺に任せろ。お前とこばやっちゃんだけよくても俺らの空気は悪くなるから」


「ああ、今のはなかったな! すまん」


 マスカラスマン、漢の反省仁王立ち!


「陣内はあまり変わらないな」


「ほとんど色だけだからな。帽子は被るけど。それじゃあ準備はいいな? 行くぞ!」


 スーパー銭湯に集ったような面々がついに! 精神と時の部屋に入る……。


※さぁいかがだったでしょうか『48時間精神と時の部屋体験』第2夜。次回こそいよいよ部屋に入ってほしいものですそれではそれでは、次回も、お楽しみにぃ!

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