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三幕~天空闘技場の決戦~

 サンライトキャッスル上空に突き抜けた炎は、一瞬にして消えた。そして、地下にあるオイルプラント自体も石油の漏れがなくなり、炎を生み出す原因がなくなった。

 闘技場のようなサンライトキャッスルの頂上には、紫煙を燻らせる黒いスーツ姿の男が一人いた。その横には魔女のような格好をした怪しい巨乳の女。そして、白髪の牧師のような格好をした白づくめの少年が一人、天を見上げている。

 白い砂が敷き詰められているその足元に煙草を捨て、ぐっと踏みしめつつ黒いスーツの男、鬼瓦星史朗は周囲を見渡した。


「いつまで寝てるんだ3四朗?」


「起きろ、盤上騎士団よ」


 星史朗と夜天光の言葉で、倒れて気絶していた3四朗達と盤上騎士団は目を覚ました。


「星史朗!」


 鬼瓦ファミリーの権威と象徴である鬼瓦星史朗がそこにはいた。

 3四朗の父親、鬼瓦星史朗は言う。


「ようやくここまで来た。日本では世論から見放され、世界情勢も不安定。夜天光……貴様のおかげで、世界各国を飛び回らなければならなくなり、女性問題も増えたではないか。だが、既に鬼瓦ファミリーの混乱はほぼ収束している。世界各国の女性問題を除いてはな」


「星史朗っ! 余計な話はするな! 他国の女に言い寄られても、何もするなと言ったろう!?」


 父親の不甲斐ない話に、3四朗はツッコミを入れる。目線を3四朗に向けた星史朗は、


「そういうな3四朗。月下にナーコ、幻覚、横田……そして太陽。皆、よくやってくれた。全員でこの戦いの総仕上げをしよう。ここは、力が全てを物語る」


 鬼瓦ファミリーの面々は頷く。


「当然だ。輝、無事だったか」


「あぁ、デスガールの奴に助けられたぜ」


 地下のオイルプラントの爆発の時、輝はデスガールによって間一髪助けられていた。敵であるはずのデスガールが何故、輝を助けたのか――?


「星史朗がデスガールに助けを求めたな?」


「そうみたいだぜ。デスガールは巨乳の魔女と一緒で星史朗に御執心のようだからな。あ、お前もそうか?」


「五月蝿い! ともかく、無事でなにより!」


 トンガリ帽子を抑えながら、横田が近づいてくる。

 何故かスカートがめくり上がり、くまちゃんプリントのパンツが丸見えだった。


「とりあえず、これで一件落着かな。バイト代はずんでおいてよね」


「それは星史朗に言え。それと、パンツ見えてるぞ。あの男は女に弱い。あまりたぶらかすような真似は止めろよ」


「妬いてるの? 3四郎君? 星史朗はマザコンだからね。娘じゃ、母のような私には勝てないわ」


「――! あいつはロリコンでもあるんだぞ? 知っていたか?」


 ビリビリビリ! と3四郎と横田の間で見えない火花が散る。

 星史朗はくしゃみをしている。

 3四朗の視界に、もう一人の人物が映る。


「竜史……」


「そんな顔をするなよ3四朗。僕は夜天光を乗り越えたよ」


「本当か!?」


「竜史ぃ!」


 勢いのまま3四朗とナーコは竜史に抱きついた。


「大事な場面で何とか夜天光の力を抑える事が出来た。爆発の最中、カッパライダーはどこか違う所へ吹き飛ばされたみたいだけど、奴にも感謝だ。輝とカッパライダーのオイルプラントの戦いで我に返ったよ。これで夜天光を倒せる」


 少し先にいる盤上騎士団達は動けずにいる。横田の新聞紙のステッキが、夜天光の首筋を捉えているからである。


「汚ねぇぞ! 鬼瓦っ!」


 ポーンの叫びが響く。ポーンを見る夜天光は、


「まだ動くなポーン。今は刻ではない」


「……!」


 今にも動き出しそうなポーンは自分の心を何とか落ち着かせた。

 そのやり取りを見終わると星史朗は話出した。


「我々鬼瓦は先の議会において敗北し、子会社である星徒の独立を認める事となった。しかし、それを鬼瓦が認めるわけにはいかない。この胸の黒薔薇は何色にも染まらぬ絶対の悪であり正義。この黒薔薇に誓い、星徒は力ずくでねじ伏せる」


 そう言った後、夜天光は続ける。


「非常に鬼瓦らしい意見だ。そして、人質をとるという強硬手段も鬼瓦らしい」


「初めに人質をとったのは貴様だろ夜天光?」


「その人質は、すっかりと晴れ晴れとした顔をしている。やれ、精神支配は失敗だったかな?」


「どうやら、そのようだな」


 鋭い視線で星史朗は竜史の方向を見た。

 左耳のオレンジのピアスをいじり、竜史は夜天光を見た。


「いい顔をしているな太陽。君を精神支配で人質に捕ったつもりが、今は私が鬼瓦の人質になってしまった。君の中に根付いた私の力はどういう気分だ?」


「中東を消滅させるだけの力だ。気分はいい。だが、そう易々と使う事は出来ない。使い時は、お前が僕の中にある同じ力を使う時だ」


「ほう、戦闘狂の割りには使い時は心得ているようだな。しかし、オリジナルの私の力はそんなものではないぞ?」


「サンライトとお前の力を合わせれば、お前に匹敵する力を出せるはずた。後は仲間と共にお前を倒す」


「友情の力か。それは我が配下の盤上騎士団にもある力だ」


 二人は睨むように微笑む。

 その間、星史朗は横田に夜天光への拘束魔法を解除させていた。


「さて、夜天光。決戦の時だ」


「いいのか? せっかくの人質を?」


「いいさ。貴様の力は横田の魔法さえ凌駕する。捕縛した理由は日本でその力を使わせない為に人質として捕らえたまま中東に来ただけだしな。戦いの中で貴様の本当の正体を暴く」


「私は鬼瓦が産み出した負の亡霊、夜天光。そうでなかったら私はいったい誰なんだ?」


「行けっ!」


 怒りと共に星史朗は夜天光を吹き飛ばした。すぐさま盤上騎士団は夜天光を受け止めた。

 風が、地面の白い砂を舞い上げ、両者の戦いが始まった。


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